なにかもちがってますか
漫画
作者:鬼頭莫宏,
出版社:講談社,
掲載誌:good!アフタヌーン,
レーベル:アフタヌーンKC,
発表期間:2009年,
巻数:全5巻,
話数:全30話,
以下はWikipediaより引用
要約
『なにかもちがってますか』 (ラテン文字サブタイトル:nanika mochigatte masuka)は、鬼頭莫宏による日本の漫画。『good!アフタヌーン』(講談社)にて、7号(2009年11月発売)から2015年4月号まで連載。単行本は全5巻。
あらすじ
日比野光(ミッツ)は同じクラスの鶴里純に片思いしている平凡な中学3年生の男子。しかしある日、奇妙な転校生・一社高蔵(イッサ)が転校してきたことをきっかけに、「自分の近くにあるものと目標をキューブ状に入れ替える」超能力があることを認識する。一社は世の中を正すためには殺人も辞さないという過激な思想の持ち主であり、光の能力を利用して、携帯電話で通話しながら車を運転している人間を殺そうと持ちかける。初めは拒否する光だったが、能力の誤爆から鶴里の友人である奥田優里を殺してしまったことがきっかけで、やがて一社の言うとおりに運転手を殺していくようになる。
2人は活動するうちに、サイコメトリングの能力を持ち、殺された母親の敵を討とうとする少女・高岳似子(ニコ)や、刑事でありながら光たちに協力する中年男・桜山幹雄と出会う。一社たちの活動の結果、街からは通話しながら運転する人の姿が無くなったが、代わりに新興宗教団体が蔓延るようになる。そしてその団体に入信した鶴里は、光に一社を殺すのを手伝ってくれと頼む。光たちは一社の姉・春の助けもあり鶴里を退け、団体関係者と思しき人物と対峙するが、その正体は死んだはずのニコの母親だった。なんとか彼女を倒すのに成功した光たちは、世直しを続けるため受験勉強に励む普通の中学生らしい日々に戻っていく。
登場人物
主要人物
日比野 光(ひびの みつる) / ミッツ
一社 高蔵(いっしゃ こうぞう) / イッサ
光のクラスの転校生。女顔で謎めいた雰囲気の少年だが、性格は尊大かつ冷徹であり、転校初日に不良の亀島と乱闘を起こす程。この乱闘時に光の能力を発見する。極めて独善的な正義感・善悪感を持っており、「ルールを守れない者や出来損ないは殺しても良い」といった過激な思想から、携帯電話のながら運転やポイ捨てする人間、おバカタレントを光の能力で殺そうとする。
中学生離れした言動と態度を見せるが、物語が進行するにつれ、子供っぽい面やドジな一面も明らかになってゆく。
本当の苗字は「西(にし)」。最終話で能力者であることが判明する。アンプリファイア(増幅器)と呼ばれ、そばにいる能力者の能力を増幅させる力を持つ、彼に触れた者は能力が普段より大幅に向上する。父親は死亡しており母親は行方不明となっていたが、母も死亡していたことが判明する。
高岳 似子(たかおか にこ) / ニコ
光と一社の前に突然現れた少女。2人とは同い年。実家が遠くにあるため、一社の姉・春や桜山の家に寝泊りする。死んだ奥田優里を思わせる風貌。一社をして苦手と言わしめるほど強気で攻撃的な性格で男嫌い、一社のことをオヤマ、光のことをメガネと呼ぶ。
空間の履歴を読み解く「サイコメトリング」の能力者。殺された母親の敵(かたき)を討つことが目的であり、そのためと光の能力の補強のため、彼らと行動を共にすることになる。
8歳の時に能力に目覚め、自分の母が殺害される記憶をモグラのようなぬいぐるみから読み取る。以来、そのぬいぐるみを大事に持っている。
光が鶴里から貰った屋上の鍵に触れて記憶を読み取り、鶴里に屋上の鍵を渡した者を母の敵とした。自分の母が殺される記憶だと思っていたものは実際は一社の母が殺される記憶で、幼い彼女は記憶違いをしていた。物語終盤で生きている母と再会を果たす。
桜山 幹雄(さくらやま みきお)
一社 春(いっしゃ はる)
一社の姉。高校2年生で引きこもってるが、ネットで怪しげな商売(除霊)をしているため、金は持っている。顔は弟とそっくりで、眼鏡をかけている。妙な語尾をつけて話す独特な性格で、一社からは苦手がられている。似子と仲良くなり、桜山の世話になるまで彼女を自宅に泊める。似子が家を去る際には涙を流して別れを惜しんだ。
今のようになる前の弟を愛しており、昔の写真を愛でていた。その中には2歳の弟が、現在の似子が大事にしているぬいぐるみと写る姿があった(弟もそのぬいぐるみを気に入っていた)。
弟に除霊と騙されて鶴里と待ち合わせの校舎屋上に出向くが、春も悪と教えられていた鶴里によってナイフで刺さされかけるも桜山の活躍で事なきを得る。
光たちの学校関係者
鶴里 純(つるさと すみ)
光の同級生で同じクラス、彼の憧れの少女。親友・奥田の死をネットでのうわさから他殺と考え、犯人を捕まえるためにその場に居合わせた光を頼るようになる。その後、偶然の交通事故で父親を亡くし、強いショックを受ける(そのことが光にドライバーを殺す動機の一因にもなった)。その後、しばらく学校を休む。
光たちの街に新興宗教の支部が出来てからは入信し、「絶対に間違えない人」から一社が奥田を殺した犯人だと教えられる。また、校舎屋上の鍵を2つ所持しており、光に1つを渡し一社を屋上に連れてくるように依頼する。屋上で悪だと教えられていた春を刺すが桜山の活躍で傷を付けることは無かった。
最終話で街を去ったことが光によって語られる。
その他の登場人物
似子の母親
名前は作中で登場しないので便宜上のもの。似子は母が殺されたと思っていたが、実際には生きていた。似子と同じサイコメトリーの能力者だが、その能力は娘の上をいく。新興宗教団体の支部で光と一社を事故死に見せかけて殺そうとするが失敗し、銃を片手に姿を現す。
光の能力で床に倒れていたところを能力の増幅器である一社に直接触れられたことで、周りにあった大量のゴミの記憶が頭に流れ込んできてしまい気を失う。それから1ヵ月経っても正気を取り戻してはいない。
宗教団体とは利害関係の一致から手を組んでおり、信者となっていた鶴里に一社と春が悪だと教えた。昔、桜山と一社の母親とでグループを組み活動していた。一社を殺そうとしていたことから一社の母親を殺害に関与したのは似子の母親であることが示唆される。
単行本
- 鬼頭莫宏 『なにかもちがってますか』 講談社〈アフタヌーンKC〉、全5巻
- 2011年1月7日発売 ISBN 978-4-06-310720-3 - 『のりりん』2巻と同時発売。
- 2012年1月6日発売 ISBN 978-4-06-310798-2 - 『のりりん』4巻と同時発売。
- 2013年1月7日発売 ISBN 978-4-06-387861-5 - 『のりりん』6巻と同時発売。
- 2014年1月7日発売 ISBN 978-4-06-387948-3
- 2015年4月7日発売 ISBN 978-4-06-388038-0
サブタイトルリスト
第18話のサブタイトルでは「≒」と「=」を半角文字で表しているが(「≒」の全角文字が無いため)、作中では「テ」や「シ」などの全角文字と同じ幅で記載されている。
巻数 | 話数 | サブタイトル |
---|---|---|
第1巻 | 第1話 | ぼくらはもっすぐ歩けない |
第2話 | こんなはずじゃなかったもに | |
第3話 | かっぱりかったのはぼくですや | |
第4話 | ヤクゴ、ヤンリョウ | |
第5話 | うそつきはどつぼぅのはじまり | |
第6話 | 雨降って、死がたまる | |
第2巻 | 第7話 | あたらしない朝 |
第8話 | ナナコロシ ヤバシ | |
第9話 | ハカは死ななきゃ入れない | |
第10話 | ヤクゴもちがい | |
第11話 | オシリオキの一日 | |
第12話 | サンザンでキュウ | |
第3巻 | 第13話 | ナンカニチュウイ |
第14話 | ニコ14 | |
第15話 | 三匹ガキがいる! | |
第16話 | 君子 危うきに近寄らす | |
第17話 | 世直しは、ヨン、なおよし | |
第18話 | ポイステ≒=シ | |
第4巻 | 第19話 | おもいゴミが激しい |
第20話 | あぶないっテカ? | |
第21話 | ぼ・ぼんくらは少年探偵団 | |
第22話 | 火事451度 | |
第23話 | 善人なおもて いわんや役人をや | |
第24話 | ゴミいった話 | |
第5巻 | 第25話 | カミてきネコ |
第26話 | タマシードライバー | |
第27話 | ワナがあったら入りたい | |
第28話 | 復讐するはワレナベにトジブタ | |
第29話 | カミとゴミ | |
最終話 | なにもかも もちがってますか |
その他
- 奥田が死亡する前まで男子の制服の詰襟部分に何も付いていなかったが、学校再開時から襟章が付いている。詰襟の右部分に円の中に「八」が書かれた襟章と、左手部分に四角形の学年とクラスを表す襟章になっている、光の場合は「3-イ」。
- おバカタレントを殺す際の光と一社の会話で本作の舞台となっている光たちの街が東京から離れていることが示唆されている。
- 光と春が動物園に行く話で春の持ち物として初めてスマートフォンが登場する。それまで登場した携帯電話はフィーチャーフォンだった。
- 魂の見える似子から魂とその見え方について説明があり、魂の見え方には動物と植物では違いがある。それは魂の素(以下、仮に魂素とする)のある場所が関係しており、動物はたいがい脳に集まっており、植物は分散化していて各細胞にある。そのため植物は全体がぼんやりと光って見える気がする、とのこと。この魂の見え方は作者・鬼頭の作品『ぼくらの』でも描写されていたが、その理由が本作で説明される形となる。