のりりん
以下はWikipediaより引用
要約
『のりりん』は、鬼頭莫宏による日本の漫画。『イブニング』(講談社)にて、2009年(雑誌番号は2010年2号)から2015年7号まで連載された。単行本は全11巻。
概要
とあるきっかけで自転車に乗らざるを得ない状況に追い込まれた自転車嫌いの主人公が、その魅力に目覚めていく様子を描いた自転車漫画である。
『なるたる』『ぼくらの』など、鬼頭はそれまでSF作品を多く描いてきたが、日常の世界観で自分の好きなものを描きたいと思い、自身が描ける題材と『なるたる』の担当編集者の異動先である『イブニング』の当時の掲載状況を鑑みて自転車漫画を選んだという。多くの過去作品とは違い現実を舞台とした明るい作風だが、これは意図したものであり日常世界にネガティブな要素を入れないように気をつけたとのこと。 また他の自転車漫画との差別化を図るため「教則本」をコンセプトにしており、鬼頭は本作を「自転車に入り始めた人とか興味を持ち始めた人に向けたハウツー本みたいなイメージ」と語っている。
神奈川県秦野市が舞台であり 、サイクリングコースとしてヤビツ峠や箱根が登場する ほか、作中のラーメン屋「輪」にもモデルが存在する。また2015年3月15日に(公社)秦野青年会議所が主催した「サイクルカフェ in 表ヤビツ」では鬼頭が対談に招かれ、9巻表紙絵と同一のイラストがポスターに使われている。
自転車ビギナーに対する入門書としての評価が高い一方、自転車での走行シーンの描写にも定評がある。南信長は本作を「コメディセンスもあり、地方都市の独身男女の群像劇としても楽しむこともできる」と評した上で、主人公視点で描いた自転車という乗り物の特性の描写を評価している。
あらすじ
自転車嫌いで、走り屋仕様の自動車を乗り回していたノリこと丸子一典は公私ともドライブするのが日課であったが、ある日、交差点を右折する際に対向車線をタイムトライアルバイクで走っていた女子高生、織田輪をあやうく轢きそうになり、警察沙汰を避けたかったため免許証を輪に預けてしまう。その後、呼び出されて合コンに参加した友人たちを乗せているときに杏真理子に酒を口移しされ、その直後に警らに遭遇。酒気帯びに加え、定員超過と免許不携帯で免許証取消が確定してしまう。
学生時代の友人三ツ渕進との確執から自転車には乗らずにいたノリであったが、織田家に唆されて自転車に乗る(ポタリングする)ハメになる。
やがて、織田家の営むラーメン屋「輪」の客、等々力潤との自転車勝負などを経て、ノリの仲間たちも自転車に乗り始め、ツーリングやロードレースに参加していく。
三ツ渕進との再会をきっかけに、輪は三ツ渕だと思っていた自身の初恋の相手が実はノリだったことに気付く。中日向の薦めで、輪の好きな人の秘密とノリが自転車に乗らない理由の秘密を賭けた、輪とノリの競走が行われる。ノリの後ろを走っていることの楽しさから賭けを忘れかけていた輪だったが、すぐ我に返り一気に抜き去っていった。
夏休みが終わり、ノリはすっかり自転車がある生活が日常となる。自身の身の丈にあったスピード、それを他ならぬ自分の肉体が生み出しているという快感を実感しながら、ノリと輪は相変わらず2人で自転車通勤/通学を続けていく。
登場人物
丸子の仲間たち
丸子 一典(まりこ かずのり)
本作の主人公。通称「ノリ」。28歳で彼女なし。イベント企画兼広告代理業を営む地元の零細企業に勤める。愛車はフォード・マスタング5代目後期型をドレスアップしたものであった。
自転車はGT Edge Tiを織田家から借りていたが、後にLiteSpeed Bladeを自分で組み上げる。ホイールは三夢、南に合わせ650C。
過去のトラウマのせいで、過去の免許停止時には走って通勤するほどの筋金入りの自転車(もとい自転車乗り)嫌いだったが、織田家の計らいで自転車に乗らされて以来、自分でも無意識に自転車の魅力に目覚めつつある。
水泳をやっていたため、体幹が鍛えられており心肺能力・回復力も高い。走りを見た三ツ渕は将来は輪よりも早くなると判断している。
杏 真理子(からもも まりこ)
江端 宗弘(えばた むねひろ)
門真 洋一(かどま よういち)
東 均(ひがし ひとし)
織田家
織田 輪(おだ りん)
織田 陽子(おだ ようこ)
ラーメン屋「輪」の客
等々力 潤(とどろき じゅん)
桧山のチーム
桧山 周作(ひやま しゅうさく)
その他
三ツ渕 進(みつぶち しん)
ノリの中学時代の同級生で、ノリの自転車嫌いの原因ともなった男。フランスに渡り自転車ロードレースのプロ選手として活動していたが、その後日本に帰国した。輪とも面識がある。Neilpryde Alize(現nazare)に乗って登場。
輪と日向との関係と同様に、小学生時代に転校してきた三ツ渕に対するいじめがあり(もっとも、三ツ渕の場合は実力で相手を殴り飛ばしていたようではあるが)、学校の嫌われ者となっていたところにノリが近づいてきたことから、交友関係を築くことになる。「死ねよ」といった類の口癖があり、ノリの口癖の悪さは三ツ渕の真似をしたもの。ノリが仲間たちとよくやっている「罰ゲームとしてスクワット100回」も元はと言えば、三ツ渕とノリの間で始まったことだった。
輪の初恋の人だと思われていたが、その対象は三ツ渕と出会った際に一緒にいたノリの方だった。
単行本
- 鬼頭莫宏 『のりりん』 講談社〈イブニングKC〉、全11巻
- 2010年7月23日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352318-8
- 2011年1月7日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352346-1 - 『なにかもちがってますか』1巻と同時発売。
- 2011年7月22日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352372-0
- 2012年1月6日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352397-3 - 『なにかもちがってますか』2巻と同時発売。
- 2012年7月23日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352425-3
- 2013年1月7日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352444-4 - 『なにかもちがってますか』3巻と同時発売。
- 2013年6月21日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352468-0
- 2013年11月22日第1刷発行、ISBN 978-4-06-352487-1
- 2014年5月23日第1刷発行、ISBN 978-4-06-354514-2
- 2014年11月21日第1刷発行、ISBN 978-4-06-354546-3
- 2015年4月23日第1刷発行、ISBN 978-4-06-354565-4