ほけんのせんせい
漫画
作者:谷村まりか,
出版社:ワニブックス,
掲載誌:コミックガム,
レーベル:ガムコミックスプラス,
発表期間:2011年,
巻数:全8巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『ほけんのせんせい』は、谷村まりかによる日本の漫画作品。『コミックガム』(ワニブックス)にて、2011年1月号から2015年4月号まで連載。
『「中学校にこんな保健の先生がいたら」という乙女的妄想と、「女子中学生かわいい」という年寄り的妄想が、谷村の中でフル回転なマンガです』とあるように、中学校に赴任した男性養護教諭が、第二次性徴を迎えたばかりの思春期の少年少女たちの性の悩みを解決していくのが主な内容である。ただし、実際には女の子の性に関する話題が中心で、図解付きで説明する際に女性の裸が描かれたり、女の子の下着や着替えシーンが描かれたりすることが多い、ちょっとエッチな漫画でもある。しかし性教育の説明内容や描写は非常に的確でわかりやすいものになっている。
『ほけんのせんせい』の連載が始まる1年前、準備に半年ほどかけていた漫画化作品の連載企画が、いよいよ連載スタートという時に諸般の事情で流れてしまうが、その直後に担当編集者と企画会議を行い、その席で「学校だったら図書室とか保健室が好き」と発言したことから、この漫画の企画が決定した。
あらすじ
「保健の先生」になることを夢見ていた佐倉木和紗は、赴任初日に私立若葉羽中学校の女子・神崎あさひが下着を乾かしている所に出くわし、あさひの下半身を見てしまう。痴漢に間違われた佐倉木は、何とか誤解を解いて、憧れの「保健の先生」に就任。あさひやあさひの友人の袖浦七海、花香谷奏が出入りするようになった保健室では、今日も思春期真っ只中の女の子達の性の悩み相談を受け付けている。
登場人物
主要登場人物
佐倉木 和紗(さくらぎ かずさ)
本作の主人公。私立若葉羽中学校に新たに赴任してきた養護教諭。眼鏡をかけた、童顔の男性。
若葉羽中学校の出身で、在学中に出会った養護教諭のひなた(あさひの母)に憧れて立派な「保健の先生」となることを目標とする。職務に対する使命感は強く、学生の健康を守ることに関してはとても真摯だが、熱心すぎるためデリカシーに欠ける率直な言動が多く、あさひや椎名によく怒られている。一方、まだ若く経験も浅いことから、学生たちから親しみを込めていじられることも多い。若葉羽中在学中時代を含め学生時代はおとなしい性格と容姿から同年代の女性からは女装させられたりと異性として全く扱われず、結果恋愛経験はないが大学時代に一度だけ性経験がある。
教師と生徒の関係はわきまえており、瑞沢より告白されたときには付き合うことはできないと断っている。それゆえ、留学生のクリスには対応に悩まされた。
あさひに対しては初対面の件をはじめ前述のひなたと母子であることを知って以降しばしば意識するようになり、彼女からの告白を受けて大きく動揺、紆余曲折あって最終的にあさひと両想いであることを自覚して彼女の想いを受け入れた。エピローグであさひが自分の出身した大学に入学を期に結婚した。
神崎 あさひ(かんざき あさひ)
8月12日生、血液型AB
若葉羽中学校の2年生。クラスはB組。水泳部に所属する女子。
事故とはいえ、初対面で恥ずかしいところを見られてしまったことから、佐倉木への第一印象は最悪だったが、それもあって当初から佐倉木のことを異性として意識していた。そのため、彼の言動に一喜一憂し、傍で見ている七海からはしょっちゅうからかわれている。
瑞沢の佐倉木への告白がきっかけとなり、その後クラスメイトの香西と長柄の一件を経て彼への好意をはっきりと自覚、瑞沢に佐倉木への想いを告白して互いに恋のライバルとして認めあう。
貞操観念については恋人関係になれば状況如何で性交渉にいたるということへの理解はあり、責任ある行動をとればそうなってもかまわないとしており、この点では瑞沢と対立する。
クリスの登場がきっかけで佐倉木への想いを直接告白しようとするが、空回りすることに。クリスの帰国後しばらくはクラスメイト達の相談事のため告白どころではなかったが、佐倉木が夏風邪に倒れたことをきっかけにお見舞いに佐倉木のアパートを訪ね、ついに想いを告白、最終的に佐倉木と両想いであることを確認しあって高校卒業まで待ってもらうことに。エピローグで佐倉木の出身大学に入学を期に彼と結婚した。
花香谷 奏(はながや かなで)
4月11日生、血液型AB
若葉羽中学校の2年生。クラスはC組。長く伸ばした黒い髪にリボンをつけた女生徒で、独特な言動が多い変わり者の女の子。運動神経はよく、足の速さは校内でトップ3に入る。クラブには所属せず、親しい友人もいなかったが、拾ってきた猫を学校で飼えるようにしてもらえた一件以来、佐倉木に懐いて保健室に出入りするようになる。
変わり者ぶりは性に対する観念も例外ではなく、当初は締め付けが嫌という理由でブラをしてなかった頃に夏服から胸が透けて見えていることを男子生徒から話題にされても平然としていたり、あさひや七海、瑞沢のいるそばで真顔で直接に佐倉木に男性器やコンドーム、避妊のことを聞くほど羞恥心がない。しかし、実弟の涼を相手に避妊のことを学んだことにかこつけて男性器を見せてもらいコンドームの使い方を実践しようと近親相姦におよびかけたときはさすがに佐倉木に皆の前で怒られ諭されて、これ以降は佐倉木に「セックスしても良いくらい好きな人ができるまでは我慢する」と約束を交わしている。
3年生進級時にあさひや七海と同じクラスになる。
エピローグでは産科の看護婦を目指して勉強中。
瑞沢 遥(みずさわ はるか)
5月30日生、血液型A
生徒会副会長。後に生徒会長に就任。クラスは2年A組。おしとやかな美少女で、成績も優秀でスタイルも抜群のお嬢様。
しかし、緊張状態になると尿意が近くなるという癖があり、小学生時代に一度教室のクラスメイトの前でお漏らしをしてしまったことがあり、その一件がトラウマになっていた。そんな夏のある日、二学期に実施させる清掃活動の下見を佐倉木としていた際に尿意が高まり学校に戻ってきたものの、トイレに間に合わず佐倉木の前で小学生の時以来のお漏らしをしてしまう。ショックで泣き出してしまうが、佐倉木に保健室に運ばれ制服から体操着に着替えさせてもらい、お漏らしの後始末をしてもらって事なきを得た。その件で嫌な顔ひとつすることなく真摯に対応し、自身のお漏らしを他の誰にも知られないようにしてくれた佐倉木に好意を抱き、告白してその場は断られたが、ひとりの女性として見てもらえる時がくるまで諦めないと明言している。その後、あさひより佐倉木への想いを告白され、互いに恋のライバルとして認めあう。
クリスの登場で心中穏やかではなく、あさひと一時的に同盟を結ぶがクリスの帰国で同盟を解消し恋のライバル関係に戻る。
貞操観念は非常に高く、恋人関係になったとしても結婚までは性交渉はしない主義。他者に対してもその手の話題には厳しく、それゆえHな話題ばかりふっていた前生徒会長の船橋のことは苦手にしていた。
あさひが佐倉木に告白したことを本人より知らされ衝撃を受け、あらためて佐倉木に再告白したが、あさひへの想いを自覚した佐倉木より断られて失恋した。
貿易商の父とジュエリーデザイナーの母を持つ。実家は豪邸。
エピローグでは大学生ながら起業して世間で話題の学生社長として知られている。
クリスティーナ・メリカント
フィンランドよりやってきた短期留学生。愛称はクリス。あさひや七海、花香谷と同じクラスとなる。眠くなると下着を脱ぐ癖がある。保健室で出会った佐倉木に一目惚れし、いきなり唇を奪いその場でダーリン宣言する。
フィンランド本国での性教育が日本とは比較にならないほど高度なものであることもあって性のリスクや教師と生徒の関係等の理解度は佐倉木すら一目置くほど深い。それゆえあさひや瑞沢とは異なり佐倉木へのアプローチは極めてストレートで隙あらば肉体関係にまでおよぼうとしたが、その結果、佐倉木とあさひの想いを確認するに至り自身の気持ちに整理をつける。留学期間を終えた後、あさひにそれとなくエールを送りフィンランドに帰国。
その後、本国にて佐倉木に似た大学生と恋人関係となったことが手紙で伝えられる(その恋人とその後どうなったかについてはエピローグでは言及されていない)。
エピローグでは海外に日本のサブカルチャーを紹介しつつ日本でグラドルとして活躍中と七海より語られている。
教師
椎名(しいな)
山辺 幸弘(やまべ ゆきひろ)
学生
生実野 桃香(おゆみの ももか)
湿津 ちとせ(うるつ ちとせ)、湿津 ちくら(うるつ ちくら)
豊住 さつき(とよすみ さつき)
八街 睦美(やちまた むつみ)
香西 莉奈(かさい りな)
長柄 秋人(ながら あきと)
花香谷 涼(はながや りょう)
その他
神崎 ひなた(かんざき ひなた)
総野(ふさの)
作品舞台
私立若葉羽中学校(しりつわかばねちゅうがっこう)
書誌情報
- 谷村まりか 『ほけんのせんせい』 ワニブックス《ガムコミックスプラス》、全8巻
- 2011年5月25日発売 ISBN 978-4-8470-3774-0
- 2011年12月24日発売 ISBN 978-4-8470-3798-6
- 2012年7月25日発売 ISBN 978-4-8470-3824-2
- 単行本3巻、初回版特典「私立若葉羽中学校 保健室性教育ノート」付
- 2013年1月25日発売 ISBN 978-4-8470-3842-6
- 単行本4巻、初回版特典 オリジナル絆創膏つき救急コミック
- 2013年8月24日発売 ISBN 978-4-8470-3884-6
- 2014年2月25日発売 ISBN 978-4-8470-3910-2
- 2014年9月25日発売 ISBN 978-4-8470-3935-5
- 2015年4月25日発売 ISBN 978-4-8470-3963-8
- 単行本3巻、初回版特典「私立若葉羽中学校 保健室性教育ノート」付
- 単行本4巻、初回版特典 オリジナル絆創膏つき救急コミック