まことちゃん
漫画:まことちゃん
作者:楳図かずお,
出版社:小学館,
掲載誌:週刊少年サンデー,
レーベル:少年サンデーコミックス,
巻数:全24巻,
漫画:まことちゃん(第2シリーズ)
作者:楳図かずお,
出版社:小学館,
掲載誌:週刊少年サンデー,
レーベル:少年サンデーコミックス,
巻数:全4巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『まことちゃん』は、楳図かずおによる日本のギャグ漫画で代表作のひとつである。
まことの祖父の沢田元太郎が主人公の『アゲイン』(『週刊少年サンデー』1971年38号から1972年5号まで連載)のスピンオフ読切作品が原型である。
その後連載が決定し、『週刊少年サンデー』1976年16号から1981年30号まで連載された。1980年にはアニメ映画化されている。
連載終了後しばらく経って、『週刊少年サンデー』1988年37号から1989年32号まで新たに連載された。こちらは単行本のカウントもリセットされているために「平成版」と呼ばれ、区別して扱われている。
概要
聖秀幼稚園に通う幼稚園児の主人公・沢田まこと(まことちゃん)と沢田一家が巻き起こす「ビチグソ」等下ネタ・エロネタ満載のギャグ漫画。石器時代、江戸時代、未来のSFテイストの作品や、作者の得意とするホラーテイストのエピソードや、沢田家を恐竜(ティラノザウルス)に置き換えたストーリーもある。
作者の楳図かずおも、KAZZとして作中に登場する。後述する「グワシ」「サバラ」などのギャグと、「…なのら」「マッチョメ マッチョメ」「ゲゲッ」「ギョエー」「まこと虫」等のまことちゃん語は、連載当時流行した。
作品の中には、桑田佳祐や研ナオコ、山口百恵、新沼謙治、イルカ、ベイシティローラーズのメンバーたちといった有名人も登場することが多く、連載中の1977年に死去したエルヴィス・プレスリーが主役として登場する回もある。
本作は、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に連載されていた山上たつひこの『がきデカ』や、『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されていた小林よしのりの『東大一直線』と共に、1970年代後半の少年雑誌に掲載されたギャグ漫画の金字塔的作品であった。
登場キャラクター
沢田家
- 連載当時に作者の仕事場があった高田馬場在住。家は庭付き一戸建て。
- 作者いわく「家の間取りはその時の気分によってでたらめ」。時にハリボテで、外から丸見えなこともある。
- 庭には、まことの命を救った狂い咲きの桜の木が植えてある。
- 祖先は、沢田30万石の大殿様と自称。後に発見された家系図によると遠い親戚に松下幸之助、福田赳夫がいる。ご近所からは、「アホの沢田屋敷」と呼ばれている。
- ご近所の沢田家人気投票1位は、ネコのメチャ。
- 家庭内で定期的に「家族会議」が開かれる。
- すもう大会、ピクニック、バカラ、節分、夏の総決算などの行事が催される。家族総出で、盆踊りやゲームセンターに出かけるなど、祭り好きの大騒ぎファミリー。
沢田まこと(さわだ まこと)
作品の主人公。愛称「まことちゃん」もしくは「マコリン」。一人称は「ぼくちゃん」「ぼくしゃん」「わし」「マコリン」などと回ごとに一定していない。
聖秀幼稚園うめ組の幼稚園児。
いたずら、下ネタ、落書きや替え歌、踊りが得意。常に垂らしている鼻水で、虫を捕ることができる。
解体現場の鳥の巣にあったスズメの卵を保護したり、親を亡くした子猫を助けようとしたりするなど優しい一面もある。
舌足らずではあるが、シビアな人間観察眼を持つ。
デバガメとして捕まるなどの前科があるが、人命救助を行い新聞に載った過去もある。
寝る時以外は幼稚園の制服でいることが多い。初期は夏場でも長袖である。連載が進むにつれ、夏休みや年末年始には私服で描かれるようになる。
時折、姉や母を真似て化粧や女装をすることがある。
稀に京都弁を話すこともある。
グワシ、サバラ、とぐろ虫などの口癖、手癖があり、語尾に「なのら」とつく。
好物はカレー、ハンバーグ、ソフトクリーム、ダイフク、松長製菓のお菓子。
従兄弟のさだゆきとは同い年ということで比べられることが多く、さだゆきの話が出ると真顔になり、ライバル心をむき出しにする。
まことのおかっぱ型のざんぎり頭から「まことちゃんカット」の名が生まれた。
おねしょのかたちは、まことがあっかんべーをした形になる。
恋多き男。
モデルは楳図の甥だったり、楳図の代表作である「赤んぼ少女」のタマミだったりと本作で楳図自ら公言しているが真相は全く不明。
沢田美香(さわだ みか)(姉)
まことの姉。小学3年生。愛称「ミカリン」。美人でモデル並みにスタイルが良く足が長い。まこととはしょっちゅう喧嘩する。怒ると怖く「またぼえ」をすることもある。
耳年増で主に恋愛方面の大人の世界に憧れており、時折まことと共に間違った方向に暴走する。内弁慶で外面は良いが実際は男以上にワイルド。好物はちくわ。
尊敬する有名人は山城新伍。一方で西城秀樹や郷ひろみは子供っぽいという理由で嫌っている。
「ミカリン」という呼び名は美香が友人と交わしていた愛称から。
一人称は普段は「わし」だが、学校や異性の前では「私」に変わる。
髪型はポニーテールでおしゃれ好き。
この物語のヒロインであり、自分でもタイトルを「美香ねえちゃん」にすべきだと主張している。
のぞき趣味があり、異性に対して積極的。美形好み。
将来の夢は「金貸し」。
発作を起こすと、包丁を振り回すなど危険な行動を取る。
女性でありながら立ち小便ができる。
沢田英一(さわだ えいいち)(父)
沢田貴世子(さわだ きよこ)(母)
沢田元太郎(さわだ げんたろう)(祖父)
沢田タツ(さわだ たつ)(祖母)
沢田家の親戚
聖秀幼稚園
まことの通う幼稚園。聖秀大学の系列で実習生が大学から送られてくる。
建物の屋根上に十字架があることから宗教系の幼稚園と思われる。しかし内情は職員、園児共にハチャメチャである。
老人ホーム『白百合園』との水泳大会や相撲大会も行われる。
園長先生
百倉花子(花子先生)
ピョン子
田代トシキ
星ひがみ
その他
まこと虫
お菓子屋のオババ
おしっこのお姉さん(飛奈道子)
総理大臣
林久美子(どど彦)
らん丸
ラーラ・リーン
作者
単行本
単行本は小学館少年サンデーコミックスから刊行されており、全24巻。「平成版」の単行本は全4巻。いずれも絶版になっている。
その後、小学館文庫より全12巻が刊行された。その際、小学館の学年別学習雑誌や『幼稚園』に連載されていた作品が『まことちゃん小劇場』というタイトルで巻末に収録された。また、1995年から1996年にかけて「少年サンデーコミックス・セレクト」レーベルから全24巻が刊行された。文庫版及びセレクト版には「平成版」連載分も一部収録されている。
「平成版」は最終巻刊行後すぐに絶版になったため、IKKIコミックス(小学館)で『超!まことちゃん』全3巻として刊行されるまで日の目を見なかった。
アニメ映画
1980年7月26日に東宝系で全国劇場公開された。上映時間は85分。同時上映は、相米慎二の監督デビュー作『翔んだカップル』。
併映作の『翔んだカップル』は山口百恵の引退記念映画『古都』と同時上映される予定だったが、『古都』が単独上映されることになったため、本作の同時上映として急遽製作された。当時の漫画・アニメとしてはリアルな背景は、漫画の背景をモノクロコピーしたものを、アニメ撮影用の背景の素材の一部として流用している。
原作者・楳図かずおが自ら主題歌を造って歌唱、そして声優として参加、また当時の人気漫才師・ツービートも出演した。
上映当時ポスターにて「製作費4億5千万円」「日本一のハリキリボーイがやってくる!!」と謳われた。
2007年3月にDVDソフト化。10年後の2017年には宝島社からDVD-BOOKとして発売された。
2019年11月20日より、YouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」から、オープニングとエンディング、そして本編の一部が無料配信されている。
スタッフ
- 監督:芝山努
- 製作:藤岡豊
- プロデューサー:片山哲生
- 原作・主題曲(作詞・作曲・歌):楳図かずお
- 脚本:城山昇、辻真先他
- 作画監督:小林治
- 撮影:高橋宏固
- 美術:門野真理子
- 編集:鶴渕允寿
- 録音:伊達渉
- 音楽:川上了
- 選曲:鈴木清司
- 効果:倉橋静男(東洋音響)
- 制作:東京ムービー新社
- 配給:東宝
声の出演
- 杉山佳寿子(まこと)
- 吉田理保子(美香)
- 柳沢真一(パパ)
- 小原乃梨子(ママ)
- 千葉順二(おじいさん)
- 中島喜美栄(おばあさん)
- 水沢有美(花子先生)
- 肝付兼太(まこと虫)
- 岡本茉莉(友子)
- 堀絢子(モン太)
- 村越伊知郎
- たてかべ和也
- 野島昭生
- 加川三起
- 青木和代
- 山田栄子
- 滝沢久美子
- 秋山るな
特別出演
- ツービート
- ビートたけし(本人役)
- ビートきよし(本人役)
- 楳図かずお(本人役)
- ビートたけし(本人役)
- ビートきよし(本人役)
※映画クレジット順
芝山努監督(シリーズディレクター)作品 | |||||
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テレビアニメ |
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アニメ映画 |
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OVA |
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ドラえもん |
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ギャグ
グワシ
登場人物が披露する指サイン。手で物を掴む時の擬態語が語源とされている。指サインを形作り相手に向け「グワシッ!!」「グワ〜シ!!」等と叫ぶ。作者である楳図かずおもテレビ番組などの出演時に二代目グワシを披露するが、自分の指でこのサインを形作るのが難しいため、「グワシハンド」と呼ばれる紙製のグワシを使用して披露している。「グワシ」には、以下のように様々なバリエーションが存在する。
初代グワシ(二級グワシ)
二代目グワシ(免許皆伝グワシ)
- 四級グワシ - 拳を握った状態で、じゃんけんのグーと同じ。
- 三級グワシ - 四級グワシの状態から親指と小指を立て、相手に向ける。
- 二級グワシ - 上記初代グワシである。
- 一級グワシ - 掌を相手に向けた状態で人差し指と薬指を曲げる。形状を戦闘機に見立て、グワシ戦闘機とも呼ばれる。
- 初段グワシ - 拳を握った状態から薬指のみを立てる。一番難しいとされる。
- 二段グワシ - 拳を握った状態から親指と薬指を立てる。
- 免許皆伝グワシ - 上記二代目グワシである。
作者本人にはできないらしく、『マンガノゲンバ』出演時に実証している。
サバラ
グワシと同様に登場人物が披露する指サインで、中指と薬指を曲げるサイン。グワシ同様「サバラハンド」と呼ばれる紙製のサバラも存在する。作者の仕事場を訪ねてきた子供が、帰りがけに「さらば(さよなら)」と言おうとして「サバラ」と言ってしまったのが語源とされている。作者の楳図と同様にホラー漫画家の日野日出志のキャラクターはよくこれをやっている。
音楽
いずれも日本コロムビア(コロムビアミュージックエンタテインメント)からの発売。
- 『まことちゃん/ビチグソロック』シングルレコード、1977年3月発売。漫画イメージソング
- A面:「まことちゃん」作詞:楳図かずお、作曲:イルカ、編曲:石川鷹彦、歌:野下まこと、台詞:山口奈々
- B面:「ビチグソロック」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:内山修(猫)、歌:楳図かずお&ザ・チャープス、台詞:山口奈々
- 『グワシ!!まことちゃん/ギャングの母』シングルレコード。漫画イメージソング
- A面「グワシ!!まことちゃん」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:森一美、歌:KAZZ、フィーリング・フリー、演奏:ターゲット’54
- B面「ギャングの母」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:森一美、歌:KAZZ、フィーリング・フリー、演奏:ターゲット’54
- 『サンバ・デ・まことちゃん/パパ&ママROCK』シングルレコード、1980年発売。アニメ映画主題歌
- A面:「サンバ・デ・まことちゃん」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:川上了、歌:楳図かずお&スーパー・ポリス
- B面:「パパ&ママROCK」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:川上了、歌:楳図かずお&スーパー・ポリス
- 『グワシ!!まことちゃん楳図かずおワールド』ベスト・アルバムCD、2004年11月25日発売。
- 『まことちゃん音頭』シングルCD、2010年12月22日発売。作詞・作曲・歌:楳図かずお、編曲:鈴木智文
- A面:「まことちゃん」作詞:楳図かずお、作曲:イルカ、編曲:石川鷹彦、歌:野下まこと、台詞:山口奈々
- B面:「ビチグソロック」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:内山修(猫)、歌:楳図かずお&ザ・チャープス、台詞:山口奈々
- A面「グワシ!!まことちゃん」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:森一美、歌:KAZZ、フィーリング・フリー、演奏:ターゲット’54
- B面「ギャングの母」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:森一美、歌:KAZZ、フィーリング・フリー、演奏:ターゲット’54
- A面:「サンバ・デ・まことちゃん」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:川上了、歌:楳図かずお&スーパー・ポリス
- B面:「パパ&ママROCK」作詞・作曲:楳図かずお、編曲:川上了、歌:楳図かずお&スーパー・ポリス
ボードゲーム
1979年にエポック社からボードゲームシリーズ「まんがゲーム」第14弾として、「楳図かずおのまことちゃんゲーム」が発売された。同シリーズはそれまで漫画家オリジナルだったが、本ゲームからキャラクター路線を並行発売となった。
パチンコ
2007年に京楽産業.よりパチンコ機『CRぱちんこまことちゃん』が発売された。
初当たり確率が1/45.2と高く、いわゆる「ハネデジ」に分類される。スルーチャッカーを通過させると役物上のチューリップが開放(スルーチャッカーの入賞は4発まで貯留ができる)。チューリップに入賞でデジタル回転となる。デジタルはまことの目に表示される2ケタのLEDで、両方とも1 - 7の数字とまこと虫の計8種の図柄で、3, 5, 7かまこと虫が揃えば大当たりとなる。
ラウンドが3ラウンドしかなく出玉がかなり少なめな、ローリスクローリターンが特徴。すべての大当たり後、4回転の確変に入り、この時に当たりを引くと以後70回転の時短に入り、その間に当たりを引くとそこからまた70回転というチャンスタイム。また、まこと虫で当たると突確の2ラウンド大当たりとなり、出玉はないが4回転確変+70回のチャンスタイムに突入する。
備考
- 連載当時大ブームとなっていたなんちゃっておじさんを題材にした「さがそう!なんちゃっておじさんの巻」(単行本12巻収録)に同じ少年サンデーで掲載されていた古谷三敏の『ダメおやじ』の雨野ダメ助とオニババ冬子が登場している。またその見返りかは不明だが、『ダメおやじ』(マイウェイ編)の「物置小屋のオタマちゃんの巻」で沢田まことを登場させている。
- 和歌山県橋本市のJR・南海橋本駅前には「まことちゃん像」がある。
- 作品が『まことちゃん』でありながら、ある回でいきなり『猫目小僧』が始まったことがある。ページをめくると、それはまことが見ていたテレビ番組であった。これは当時『妖怪伝 猫目小僧』が放映されていたことによるセルフパロディ。またこの劇中劇に登場した火山の妖怪うすは、当時噴火が社会問題になった有珠山が元ネタ。
- 2011年、パラダイステレビの特別番組『24時間テレビ エロは地球を救う』のTシャツに本作の主人公が起用された。
- 『ケロロ軍曹』でクルル曹長が発明する「あらゆる機械を兵器化するナノマシン入り燃料」“兵器化飲料ナノラ”は、まことちゃんのトレードマークであるオカッパ頭・鼻水・グワシが容器に描かれている。
- 2009年にニンテンドーDSで発売された『サンデー&マガジン WHITE COMIC』にまことが登場する。原作と違い聖秀幼稚園ではなく、『1・2の三四郎』で東三四郎達が勤めているひまわり保育園の園児という設定。