まるいち的風景
題材:自律ロボット,
以下はWikipediaより引用
要約
『まるいち的風景』(まるいちてきふうけい)は、柳原望による日本のロボット漫画作品。1995年、『ルナティックララ』(白泉社)に掲載。以後、同誌や『LaLa』『LaLaDX』(いずれも白泉社)などに一話完結で不定期に掲載された。2001年1月号に掲載されたのを最後に事実上の打ち切り状態となるが、2008年7月に発売された文庫版に描き下ろしの最終話を発表して完結した。
任意に登録した人間の行動を忠実にトレース・再現するロボット・まるいちと、まるいちを取り巻く人々の日常を描いた物語。まるいちを開発した「まるいち制作室」の面々が中心に描かれるが、まるいちの利用者を描いた話も登場する。自意識も感情表示もない非自律型ロボット・まるいちの行動に、人々が愛着や思い入れを抱いたり、かつての利用者に思いをはせたりするなど、温かみのあるヒューマンコメディとして描かれている。
当初はAIBOやASIMOのように愛玩用や単純な生活補助程度に利用されていたまるいちが、伝統文化や技術の保存などに活躍の場を広げていく場面がみられる一方で、犯罪や社会問題を助長しかねないという批判や、利用者のテクノストレスが描かれるなど、「ロボットは凶器の危険性を持つか」「人間の社会生活にどう関わっていくべきか」というテーマが再三にわたって採り上げられている。こうした点から、ロボットSFとして高い評価を得ており、第39回・40回・43回・45回の日本SF大会では作者を招待し「まるいち開発室」が開催された。
あらすじ
大学生の有里幸太は、高校生の頃に母が死んで以来、義絶状態にあった父が亡くなったと知らせを受ける。葬儀後、彼の前に現われた家電メーカーKAMATA&Co.Ltd(以後、KAMATAと省略)の技術者・美月ななこに頼まれ、幸太は父の跡を継いで、発売前の新製品ロボット・まるいちのモニターを続けることを渋々承諾する。 幸太はまるいちとの生活を始めるが、登録した行動を愚直に再現するだけのまるいちは、幸太のイメージ通りに動かない事ばかり。業を煮やした幸太の前に、再び美月が現れ、モニターされていた100体のまるいちのうち1体が盗難事件に利用されたため、回収することになったと告げる。 成り行きから美月の犯人探しを手伝う事となった幸太は、まるいちの行動を観察するうち、再現する行動には父の自分への思いが込められていたことを知る。そして、まるいちへの反感の込められたある一言をきっかけに、まるいちを操ったキーワードと盗難事件の犯人を探し当てる。
登場人物
有里 幸太(ありさと こうた)
美月 ななこ(みつき ななこ)
KAMATAの技術者。まるいち制作室の研究員。視覚認識システム改良の担当者。まるいちの大部分の開発者で、製造特許取得者でもある。人当たりが良く美人。マスコミ取材の際はスポークスマンとしてメディア出演する事も少なくない。
まるいちを溺愛しており、「傷ついたまるいちを放って行くなんて、明日地球が滅ぶとしてもイヤ」と公言している。基本的に朗らかで優しい性格なのだが、歯に衣着せず物事をすっぱり斬るような物言いをするので誤解を受けやすい。だが本人は誤解されても「まるいちさえ居てくれればどうでもいいの」と周囲に無頓着でいる。
他人への気配りは人並みに出来るわりに、自分を取り巻く周囲の感情の機微には疎い。自分の色恋沙汰にはとりわけ疎く、有里の思慕にも全く気付いていない(無意識下では彼女も好意を抱いているが自覚はない)。実家は張子職人の家で、美月自身は現在親元を離れて一人暮らし中。
牧内 千船(まきうち ちふね)
一寸木 敬二(ますき けいじ)
書誌情報
単行本
1998年-2000年に、白泉社から単行本全4巻が発売されたが、未完のまま絶版。
- まるいち的風景 1 ISBN 4-592-17051-2
- まるいち的風景 2 ISBN 4-592-17052-0
- まるいち的風景 3 ISBN 4-592-17053-9
- まるいち的風景 4 ISBN 4-592-17054-7
文庫版
特別読切作品
- ケータイくんといっしょ ISBN 4-592-18827-6
『TIME』アジア版2000年MAY1-MAY8号の「ロボット特集」に掲載された特別読切作品を収録している。
備考
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