ゆうやみ特攻隊
以下はWikipediaより引用
要約
『ゆうやみ特攻隊』(ゆうやみとっこうたい)は、押切蓮介による日本のホラー漫画。『月刊少年シリウス』(講談社)に2007年1月号から2014年7月号まで連載された。
心霊事件を扱う高校の部活「心霊探偵部」の活躍を描く。キャッチフレーズは「肉弾ホラーアクション」。
開始当初は『でろでろ』と同様の「ホラーを題材としたシュールギャグ漫画」としての色が強かったが、第2巻より「伝奇的要素を多分に押し出したバトルアクション漫画」に路線変更した。ホラー調ながらもコメディ要素が強かったこれまでの押切作品とは違い、激しいアクションシーンや猟奇的な描写が含まれており、特に戦闘描写の迫力を藤田和日郎から激賞された。
あらすじ
姫山高校に通う気弱な少年・辻翔平は、悪霊に殺された姉・晴子の仇を討つため、実体を持たないはずの霊体に物理的な暴力で対抗できる特殊能力者・花岡弥依(通称:隊長)が主宰する「心霊探偵部」に入部する。部の雑用係に任命された辻は、弥依、部員仲間の越島カエデ(通称:カエ)、部内で飼われている霊感犬の2号と共に、近隣で発生する怪奇現象を半ば強引なやり方で解決へ導いていった。
そんな中、心霊探偵部は、依頼で偶然にも辻のかつての生家を訪れ、晴子が殺された事件の真相を知る。晴子を殺した悪霊の手掛かりを掴んだ隊長は、2号が念写した悪霊の写真を運営サイトに公開した後、心霊探偵部に乗り込み制裁を行おうとした刺客を返り討ちにした。刺客の正体が黒首島出身の女性・鉄松子であることが判明すると同時に、悪霊の在り処が黒首島であることを突き止める。
自分の両親が黒首島で出会った事実を知った辻は、冬休みを利用して単独で黒首島へ向かう。が、その旅路に隊長、カエ、2号も同行。彼女らは鉄家の内通者の依頼で黒首島に行くことになっていた。
こうして心霊探偵部は黒首島に上陸し、陰謀が渦巻く壮絶な戦いに挑むことになる。
登場人物
心霊探偵部
辻 翔平(つじ しょうへい)
高校1年生。幼少の頃に目の前で姉を悪霊に惨殺され、復讐のため心霊探偵部に入部した。
霊を肉眼で見ることができるが、極度の怖がり。しかし極限まで追い詰められた際に発揮する爆発力はかなりのもので、それで幾度か窮地を脱した。姉と母親が死亡し、父親も失踪したことで一家離散しており、現在は祖父母に引き取られて暮らしている。薄茶色の変わった髪の色をしているが、これは幼少時に姉の無残な死に様を目の当たりにしたショックでなったもの。
黒首島での一連の事件に関わる中、己の家族を襲った不幸が、実は島の祟り神である悪霊と鉄一族に連なる因縁によるものであったという事実を知る。また、自身が鉄一族の血を引いていることも判明する。
心霊探偵部での修行や黒首島の戦いの中で精神的にたくましくなり、鉄一族であることが判明した後、萌の勧めでうつぼ神の神域に潜って「力」を得る。最終決戦に勝利した後は元に戻った。
能力
越島 カエデ(こしじま カエデ) / カエ
ゲスト
辻の家族
辻 晴子(つじ はるこ)
辻 伸子(つじ のぶこ) / 鉄 伸子(くろがね のぶこ)
辻 正男(つじ まさお)
鉄一族
鉄 磊誠(くろがね らいせい)
鉄家の長。齢150歳にしていまだ現役。「3人の息子や孫たちの他に隠し子がいてもおかしくない」と言われるほど性欲旺盛で、肉欲に溺れたいがために悪霊を召喚することもある。青年の姿を保っており、普段は仮面を被って老人のふりをしている。
若い頃に強盗殺人の罪で本土を永久追放され、流刑地だった黒首島の囚人になった。冴火を手に入れるために島の頭領を殺し自らが就任するが、統率力がなかったために慰み者として手放す。しかし、すぐに失脚し島を彷徨っているところをゴミのように捨てられた冴火を発見し保護した。次第にお互いを愛し合うようになるが、囚人たちに追われ追いつめられて湖に転落したところをうつぼ神から力を与えられ、再び島に君臨するようになる。最終決戦で覚醒した辻と対峙し、ミダレガミと共に戦うが敗れる。
能力
鉄 萌(くろがね はじめ)
鉄 松子(くろがね まつこ)
鉄 月(くろがね ゆえ)
鉄 生良(くろがね きら)
鉄 春子(くろがね はるこ)、鉄 夏子(くろがね なつこ)、鉄 秋子(くろがね あきこ)
鉄一族の家系図
鉄 磊誠 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
龍生(長男) | 利久(次男) | 至道(三男) | 伸子 | 辻 正男 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
要(次男) | 松子(長女) | 晴子(長女) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
翠(長女) | 月(次女) | 翔平(長男) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
萌(長男) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
春子(三女) 夏子(四女) 秋子(五女) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生良(四男) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
鉄一族の配下
黒井 宗清(くろい そうせい)
八咫烏(やたがらす)
おばさん達
黒首島の住人
悪霊
ゲスト関連
男子トイレの6月の霊
黒首島関連
ミダレガミ / 冴火(さえか)
辻の姉を殺害した張本人で、黒首島で神と崇められる悪霊。黒首島においては「神聖なもの」「一種のタブー」として扱われている。隊長すらも軽々と退ける強大な霊力を持つ。
年に一度出現し、苦痛や絶望に満ちた生贄を好んで喰らうという。龍生が見たその姿は「全身を覆うほど長い白を持ち、両目を縫い付けた女」だったが、犠牲者の魂を吸収すると生前の美女の風貌となる。
明治時代、かつて自分を虐待していた両親を衝動的に殺害。両性具有者であったため「男」とみなされ、黒首島に流刑になる。そこで「女」と見込んだ磊誠の愛人となるが、彼に見捨てられ囚人たちの慰み者になり、精神的かつ肉体的に破壊されゴミのように捨てられた。
その後、失脚し島を彷徨っていた磊誠に発見・保護される。次第にお互いを愛し合うようになるが、囚人たちに追われ追いつめられて湖に転落したところをうつぼ神から力を与えられ、島に君臨する悪霊と化した。
最終決戦では、磊誠と共に覚醒した辻を圧倒したが反撃に転じられ暴走。力を付けるために汚れた魂を持つ鉄一族を殺して取り込んでいったため、魂の重さに耐えきれなくなった空間が破れ、永遠に脱出不可能な無間地獄に鉄一族と共に落ちていった。
用語
除霊
黒首島
ただし港はある程度整備されており、タイムサービスが行われるスーパーマーケットや100円ショップが存在する程度には開発されている模様。また、三日に一度の頻度で定期船が往復している。
実は辻の母親の出身地。元々は無人島だったが、明治時代に入り流刑地にされ、男性の重罪犯のみ収容していた。その中で磊誠が島を牛耳っていたが、流刑制度が廃止され罪人の家族たちが移住し、普通の島に変わり始める。しかし、冴火がミダレガミとなり磊誠が復権したことによって磊誠の血を引く鉄一族のみが自由に行動できる場所になった。
鉄一族
第二次大戦中に軍の一部と結託してアヘンを納入し莫大な富を得、その後も芥子を大量に栽培し麻薬を資金源としている。
心霊探偵部とうわばみ隊の活躍によって崩壊し、最終決戦でミダレガミもろとも無間地獄に堕ち全滅する。
煉獄部屋
施し
柱
うつぼ神
人間の魂を捧げた者に見返りとして超常の力を与える性質を持ち、鉄一族の者たちはうつぼ神から直接的な力の源を得ている。捧げた魂が多いほど強い力を得られると信じられている。
力は掟により一人につき一回のみ与えられ、違反したものは処刑される。掟で禁じられているとはいえ同じ人間が複数回交信すること自体は可能だが、本人の身に大きな代償を強いるものであり、作中では2度目の交信をした要が代償として視力を失っている。
詳細は不明だが捧げられた魂は完全に消滅はしないようであり、辻がミダレガミを倒した際に天に昇っていく魂には辻の契約の際に自ら贄になった魂も含まれていた。
うわばみ隊
島を訪れた心霊探偵部に接触、花岡の協力条件を受け入れ、おおつごもりを阻止するために村人ともに一斉蜂起する。
おおつごもり
ミダレガミの要求によって、柱は年々増加し、心霊探偵部が島に来た年は300人だった。
書誌情報
- 押切蓮介 『ゆうやみ特攻隊』 講談社〈シリウスKC〉、全13巻
- 2007年7月6日発売、ISBN 978-4-06-373078-4
- 2008年3月6日発売、ISBN 978-4-06-373106-4
- 2008年9月5日発売、ISBN 978-4-06-373127-9
- 2009年4月6日発売、ISBN 978-4-06-373168-2
- 2009年11月20日発売、ISBN 978-4-06-373196-5
- 2010年6月9日発売、ISBN 978-4-06-376225-9
- 2011年4月8日発売、ISBN 978-4-06-376253-2
- 2011年10月7日発売、ISBN 978-4-06-376291-4
- 2012年4月9日発売、ISBN 978-4-06-376334-8
- 2012年11月9日発売、ISBN 978-4-06-376366-9
- 2013年6月7日発売、ISBN 978-4-06-376406-2
- 2014年1月9日発売、ISBN 978-4-06-376440-6
- 2014年8月6日発売、ISBN 978-4-06-376481-9
3Dショートムービー
姫山高校心霊探偵部日誌 〜助けておくれ!! 古井戸に落ちてしまった悲劇の少年がそこで見てしまった恐ろしい存在とは一体なんだ!? 誰もが予想できない存在がそこに居るなんて誰も予想できない。〜
スタッフ