らーめん才遊記
以下はWikipediaより引用
要約
『らーめん才遊記』(らーめんさいゆうき)は、原作:久部緑郎、作画:河合単による日本の漫画作品。『ビッグコミックスペリオール』(小学館)2009年17号から2014年5号まで連載された。全11巻。ラーメンを題材とした料理・グルメ漫画であり、『ラーメン発見伝』の登場人物の一部が引き続き登場する。直接の続編となる『らーめん再遊記』が2020年2月より『ビッグコミックスペリオール』で連載されている。時間経過については触れられていないが、作中の描写から『ラーメン発見伝』と『らーめん才遊記』の間には約二年の間隔がある可能性が示唆されている。
テレビドラマ化され、2020年4月から6月まで放送された。
あらすじ
「らあめん清流房」のオーナーでラーメン界のカリスマである芹沢達也は、ラーメン向けフード・コンサルティング会社「清流企画」を設立していた。また、実験的ラーメン発表の場としてセカンドブランドの「麺屋せりざわ」も開業していた。皆が絶賛する芹沢の月替わりラーメンだったが、「今イチ」だと述べる若い女性客が現れた。その女性客はタマネギのみじん切り炒めを乗せるという手法で月替わりラーメンの味を向上させた。
その女性客の名は、汐見ゆとり。清流企画の入社試験のために面接に来たところだった。
清流企画の同僚と共にいくつかのラーメン店のコンサルティング案件を解決したゆとりに「なでしこラーメン選手権」という女性ラーメン職人の選手権の話が舞い込んでくる。有名料理研究家である母・汐見ようことの確執から、ゆとりは選手権で優勝できなければ清流企画を辞め、ようこの後継となるべく戻る約束をしてしまう。選手権決勝では1票差で石原麻琴に敗れるものの、「無効票の2票があれば自分の勝ち」とゆとりはめげない。
ついには、ようことゆとりとの親娘で「ワクワク・ラーメン対決」が開催されることになる。ラーメンの成立の経緯から「ラーメンはフェイク」として1980年代の総決算のようなラーメンを出してきたようこに対し、ゆとりはこれからのワクワクを提示したラーメンで審査員から圧倒的な支持を受け勝利する。
そして、ゆとりは芹沢に優勝したときのお願いとして、女性スタッフのみによる創作ラーメン屋「麺屋なでしこ」を開業。ゆとりが店長、夏川が副店長、「なでしこラーメン選手権」で競った石原麻琴や西園寺由真も共に働くことになった。芹沢や石原麻琴の父が苦心していた「ラーメン、1000円の壁」もあっさり乗り越え、日替わりラーメンを1000円で提供する店となる。
ゆとりは、芹沢を伴って、自分が初めてラーメンを食べた店を再び来訪する。芹沢はその店を見て「いい店だ」「本物のラーメン屋だ」と評し、2人でその店「ラーメンふじもと」の暖簾をくぐるのだった。
登場人物
清流企画
汐見ゆとり〈22〉
本編の主人公。
母は有名料理研究家の汐見ようこ。食に関する技法や味覚は母から教えられしっかり身に着けている。母による食育の影響でラーメンなどいわゆるジャンクフードを食べたことが無かったが、母の敷いたレールのままフランスの料理学校へ留学するのに疑問を持って家出し、離婚していた実父の元へ。実父に連れられて初めて食べたラーメンに感動し、「清流企画」の面接を受けにくる。
おおよそ社会常識や人間関係の機微を読むという能力に欠けており、本人に悪気はなくとも率直すぎる発言が他人を苛々させることもしばしばある。
料理そのものへの知識や感覚は非凡で、味覚も鋭いが、食したラーメンを「トボトボ」「ワクワク」と表現するなど言語化、客観化できていないことが多い。芹沢からも「ワクワクとはなんだ?」という宿題を出され、なでしこラーメン選手権予選中に「料理はバランスだが、ラーメンはアンバランス」とその「ワクワク」の正体を自覚することになる。
新作ラーメンやコンサルタントのアイデアをひらめいた際には「ピッコーン!」の声と共に指1本たてた両腕を伸ばす。これは他の登場人物にも揶揄されている(終盤では芹沢に真似をされ、本人も衝撃を受ける)。
芹沢達也
河上堅吾〈40〉
白坂隼人〈34〉
夏川彩〈26〉
清流企画のクライアント
相川鉄也
その他の人々
汐見ようこ
橋爪亮二
有栖涼
前作『ラーメン発見伝』にも登場した売れっ子のラーメン評論家。
芹沢とは懇意の関係で、そのラーメンに対する味覚の確かさと知識の広さは、芹沢をして「信頼できる」と言わしめるほど。
美味いラーメンを食べると「大仏顔」と呼ばれる満面の笑顔をしながら独特な言い回しで味を表現し、不味いラーメンを食べると「大魔神」と呼ばれる怒髪天を突くような形相をする。この表情の変化はメディア用でもあり、自分の意思で封印する事も可能(テレビ番組や一般公開の審査の場合、大仏顔の有無で観客や視聴者におおよその順位が読めてしまう可能性があるため)。
味以外でも、前作同様相手がラーメンを冒涜していると見なすと大魔神に変貌して腕力や暴力に訴える事があり、こうなると武田ですら軽々と抱え上げられてしまう。
武田剛三
難波倫子
石原麻琴
伝説的な名店「菜妙軒」の娘。ラーメン創作に関してはゆとり以上の才能を持つが、接客能力は著しく低い。
ラーメンのアイデアが浮かんだ際には「麺神降臨!」の掛け声とともに眼鏡のレンズが割れ飛び散る。割れた眼鏡の後始末は回を重ねる毎にスムーズになっていく。
「なでしこラーメン選手権」予選では他ブロックも含めて唯一の満点獲得。自身が決勝まで進出することは疑わず、それを口にしたり、二次予選でもブロックトップの得点であったが満点ではなかったことに舌打ちする、決勝でゆとりに僅差で勝って優勝するものの、その後の母娘対決などでゆとりが「実質的に勝ってた」の類の発言に怒りを露わにするなど、自尊心も高い。
父(菜妙軒の店主)は芹沢がラーメン店を志したきっかけともなっている。
西園寺由真
喜久沢友恵
単行本
- らーめん才遊記の芹沢さん 2020年 4月10日発売 ISBN 978-4098606634
- 芹沢のエピソードの選集
芹沢のエピソードの選集
テレビドラマ
『行列の女神〜らーめん才遊記〜』(ぎょうれつのめがみ らーめんさいゆうき)のタイトルで、2020年4月20日から6月8日までテレビ東京系「ドラマBiz」で放送された。主演は鈴木京香。 劇中に登場するラーメンの作製は「中華そば勝本」の佐藤店主が担当した。
新型コロナウイルス感染拡大防止による撮影スケジュールの影響で、ほとんどのドラマが放送開始が延期になったり、放送を途中で見合せる中、全話撮影済みであった本作は予定通りに放送を終了し、2020年4月期、地上波民放テレビ局のゴールデン・プライムタイム枠のドラマの中で最も早く最終回を迎えた。また、「ドラマBiz」最後の作品となった。
原作では男性だった芹沢達也が、ドラマでは女性の芹沢達美に変更されている。
キャスト
清流企画
味惑コーポレーション
橋爪クッキングスクール
その他
ゲスト
1杯目
2杯目
3杯目
4杯目
5杯目
6杯目
7杯目
8杯目(最終回)
スタッフ
- 原作 - 作:久部緑郎、画:河合単『らーめん才遊記』(ビッグコミックス刊)
- 脚本 - 古家和尚
- 監督 - 星護、池澤辰也(テレパック)、吉川厚志(テレパック)
- 音楽 - 佐橋俊彦
- 主題歌 - THEイナズマ戦隊 「WABISABIの唄」(日本クラウン)
- オープニングテーマ - LOVE PSYCHEDELICO 「Swingin'」(ビクターエンタテインメント)
- ラーメン監修 - はんつ遠藤
- EDロール演出 - 根本和政
- 技術協力 - バスク
- 照明協力 - ラ・ルーチェ
- 美術協力 - BEENS
- CG - マリンポスト
- ポスプロ - アップサイド
- チーフプロデューサー - 浅野太(テレビ東京)
- プロデューサー - 中川順平(テレビ東京)、倉地雄大(テレビ東京)、黒沢淳(テレパック)、雫石瑞穂(テレパック)
- 制作協力 - テレパック
- 制作著作 - テレビ東京
放送日程
話数 | 放送日 | ラテ欄 | 監督 | 提案メニュー |
---|---|---|---|---|
1杯目 | 4月20日 | 美味しいヒットの法則 伝説女が貧乏救う! | 星護 | もやしめん |
2杯目 | 4月27日 | 主婦の本音VSガラガラ店…逆転(秘)策 父と娘“涙の一杯” | バーニャ・カウダ風つけ麺 | |
3杯目 | 5月 | 4日最強の宿敵はヘルシー料理の女王! 母と娘…壮絶バトル | 池澤辰也 | 毛血旺つけ麺 |
4杯目 | 5月11日 | 素人が大逆転 50万で店を開く裏技!? 涙のワンコイン麺… | 竹岡式ラーメン | |
5杯目 | 5月18日 | 名店の後継者コンペに仕掛けた罠!? 天敵から第3の刺客 | 星護 | ― |
6杯目 | 5月25日 | 激戦区バトル “2度美味い”秘策!? カリスマが流した涙 | 池澤辰也 | オコゲ・ラーメン |
7杯目 | 6月 | 1日ついに最終章 激突! 2人のカリスマ 客ゼロ? 鶏塩麺の謎 | 吉川厚志 | ― |
8杯目 (最終回) |
6月 | 8日閉店の危機! 3人の最強刺客 復讐のカッコウ作戦!? 逆転“幻の醤油麺” |
池澤辰也 | ― |
関連企画
小学館「スペリオールらーめん祭り2020」
- 『ビッグコミックスペリオール5号』(2020年2月14日発売)にて「らーめん才遊記」のドラマ化を記念して展開。
- 原作の続編となる「らーめん再遊記」の連載を開始。
- ラーメンをテーマにした池上遼一や津村マミの読み切り作品なども掲載。
日本経済新聞社「ラーメン・レシピ・コンテスト」
- 番組の特別企画として、自慢のオリジナルラーメンのレシピを一般からネットで募集(2020年4月13日 - 5月8日)。グランプリ(賞品:ご当地銘店ラーメンカタログギフト9万円分)他を決定する。
- 辻調理師専門学校の協力を得て審査((1)調理法、(2)味・おいしさ、(3)盛り付け、(4)栄養面、(5)メニューコンセプトなど)。
- 最終審査会(2020年5月31日)の様子は、テレビ東京の生活情報番組『よじごじDays』内で放送。