小説

わが母の記




以下はWikipediaより引用

要約

『わが母の記』(わがははのき)は、井上靖作の日本の小説。また、それを原作とした2012年公開の日本映画。

概要

昭和の文豪である井上靖が68歳の時に出版した自伝的小説。老いた母の80歳から亡くなる89歳について書かれた「花の下」(1964年)、「月の光」(1969年)、「雪の面」(1974年)の3部作となっている。

『しろばんば』などに描かれている5歳の時から8年間、伊豆の山奥の土蔵で彼を育てた曽祖父の妾で小説家の伊上洪作(いがみこうさく)とは血の繋がらない「おぬいばあさん」(実在の名は「おかの」)との生活について、自分は捨てられたのではないかという疑問があった。ある朝、おぬいに息子を奪われたという母親・八重の言葉に感情を抑えられなくなった伊上は、初めて母と対決しようと「息子さんを郷里に置き去りにしたんですよね」と問いつめる。しかし、八重の口からこぼれたのは、伊上が想像もしなかったある「想い」だった。

2012年に原田眞人監督、役所広司主演で映画化された。

書誌情報
  • 講談社『わが母の記』 1975年発行 ASIN B000J967XG
  • 講談社文庫『わが母の記 花の下・月の光・雪の面』 1977年5月発行 ASIN B000J8UDEQ
  • 講談社文芸文庫『わが母の記 花の下・月の光・雪の面』 1997年7月発行 ISBN 978-4061975750
  • 岩波書店『井上靖短篇集 第五巻』 1999年4月発行 ISBN 978-4000263054
  • 講談社文庫『わが母の記』 2012年3月発行 ISBN 978-4062772228
映画

映画『わが母の記』(英題:Chronicle of My Mother)は、2012年に公開された。監督は原田眞人、主演は役所広司と樹木希林。第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞。

キャッチコピーは「たとえ忘れてしまっても、きっと愛だけが残る。」

井上靖の育った地である伊豆市や沼津市にて、地元の全面支援体制でロケ撮影が行われ、実際に東京都世田谷区にある井上の自邸でも行われた。

全国223スクリーンで公開され、2012年4月28、29日の初日2日間で興収1億1859万9200円、動員10万8720人となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった。

キャスト
  • 伊上洪作(伊上家の長男、作家) - 役所広司
  • 八重(伊上家の母) - 樹木希林
  • 琴子(洪作の三女) - 宮﨑あおい
  • 志賀子(伊上家の長女・明夫の妻) - キムラ緑子
  • 桑子(伊上家の次女、自称古美術商) - 南果歩
  • 郁子(洪作の長女) - ミムラ
  • 紀子(洪作の次女) - 菊池亜希子
  • 瀬川(カタツムリの瀬川・運転手兼書生のち編集者) - 三浦貴大
  • 貞代(女中) - 真野恵里菜
  • 美津(洪作の妻) - 赤間麻里子
  • 隼人(伊上家の父) - 三國連太郎 ※2013年4月14日に死去したため、これが遺作となった。
  • 明夫(志賀子の夫) - 小宮孝泰
  • 若き日の八重 - 内田也哉子(クレジットなし)
  • 女給 - 大久保佳代子
  • クールなダンプ男 - 橋本じゅん
  • 米子 - 仁山貴恵
  • 珠代(洪作の秘書) - 伊藤久美子
  • 轟 - 齋賀正和
  • 落合 - 藤井宏之
  • 井上肇
  • 高川裕也
  • 池田良
  • しゅはまはるみ
  • 矢柴俊博
  • 佐伯新
  • 樋渡真司
  • 望月章男
  • 日向丈
  • 瀧川英次
  • 佐渡山順久
  • 昇(郁子の夫) - 長澤壮太郎
スタッフ
  • 監督・脚本 - 原田眞人
  • 原作 - 井上靖『わが母の記 花の下・月の光・雪の面』(講談社刊)
  • プロデューサー - 石塚慶生
  • 撮影 - 芦澤明子
  • 美術 - 山崎秀満
  • 照明 - 永田英則
  • 衣装 - 宮本まさ江
  • 編集 - 原田遊人
  • 音楽 - 富貴晴美
  • 録音 - 松本昇和
  • 整音 - 矢野正人
  • 音響効果 - 柴崎憲治
  • ヘアメイク - 吉野節子
  • スクリプター - 川野恵美
  • DIT/VE - 鏡原圭吾
  • VFXスーパーバイザー - 小田一生
  • VFX - ナイス・デー
  • 音楽プロデューサー - 竹中恵子
  • 装飾 - 佐原敦史
  • 小道具 - 片岸雅浩
  • 助監督 - 谷口正行
  • 制作担当 - 金子拓也
  • ラインプロデューサー - 樋口慎祐
  • スタジオ - 東映東京撮影所
  • 現像 - 東京現像所
  • 取材協力 - 神奈川近代文学館、逓信総合博物館、商船三井、伊豆近代文学博物館
  • 協力 - 「わが母の記」を支援する会(静岡県、沼津市、伊豆市、伊東市、沼津商工会議所、フィルムコミッション伊豆、ハリプロ映像協会、井上靖記念文化財団、井上靖ふるさと会、伊豆市観光協会天城支部、天城湯ヶ島温泉旅館組合、伊東商工会議所、沼津観光協会、沼津青年会議所、沼津市商店街連盟、沼津ホテル旅館協同組合、フィルム微助人、NPOサプライズ ほか)
  • 協賛 - スルガ銀行、井上靖文学館、朝日生命、ほか
  • 配給 - 松竹
  • 製作プロダクション - ピーズ・インターナショナル
  • 製作 - 「わが母の記」製作委員会(松竹、キングレコード、電通、衛星劇場、中部日本放送、ワコー、Yahoo! JAPAN、朝日新聞社、静岡新聞社)
  • 文部科学省特別選定(青年向き、成人向き、家庭向き)
受賞
  • 第35回モントリオール世界映画祭 審査員特別グランプリ
  • 第16回釜山国際映画祭 クロージング作品
  • 第47回シカゴ映画祭 コンベンション部門
  • 第31回ハワイ映画祭 Spotlight on Japan部門
  • 第42回インド映画祭 Kaleidoscope部門
  • 第23回パームスプリングス国際映画祭 Modern Masters部門
  • 第4回TAMA映画賞
  • 最優秀男優賞(役所広司)
  • 最優秀女優賞(樹木希林、宮崎あおい)
  • 第67回毎日映画コンクール 撮影賞 - 芦澤明子
  • 第25回日刊スポーツ映画大賞 - 助演女優賞(樹木希林)
  • 第36回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞(樹木希林)
  • 優秀作品賞、優秀監督賞(原田眞人)、優秀脚本賞(原田眞人)、優秀主演男優賞(役所広司)、優秀助演女優賞(宮崎あおい)、優秀音楽賞(富貴晴美)、優秀撮影賞(芦澤明子)、優秀照明賞(永田英則)、優秀美術賞(山崎秀満)、優秀録音賞(松本昇和(録音)/矢野正人(整音))、優秀編集賞(原田遊人)
  • 2012度全国映連賞
  • 作品賞
  • 男優賞:役所広司
  • 特別賞:芦澤明子(撮影)
  • 最優秀男優賞(役所広司)
  • 最優秀女優賞(樹木希林、宮崎あおい)
  • 優秀作品賞、優秀監督賞(原田眞人)、優秀脚本賞(原田眞人)、優秀主演男優賞(役所広司)、優秀助演女優賞(宮崎あおい)、優秀音楽賞(富貴晴美)、優秀撮影賞(芦澤明子)、優秀照明賞(永田英則)、優秀美術賞(山崎秀満)、優秀録音賞(松本昇和(録音)/矢野正人(整音))、優秀編集賞(原田遊人)
  • 作品賞
  • 男優賞:役所広司
  • 特別賞:芦澤明子(撮影)
関連作品
  • 初秋 (テレビドラマ)
  • 本映画との連動企画として、中部日本放送(CBC)と松竹の制作により、2011年10月8日にTBS系列で放送されたテレビドラマ(CBC開局60周年記念のスペシャルドラマ)。こちらも井上靖の原作を元に、原田が監督・脚本を務め、役所が主演している。

本映画との連動企画として、中部日本放送(CBC)と松竹の制作により、2011年10月8日にTBS系列で放送されたテレビドラマ(CBC開局60周年記念のスペシャルドラマ)。こちらも井上靖の原作を元に、原田が監督・脚本を務め、役所が主演している。