アイ・シティ
漫画
作者:板橋しゅうほう,
掲載誌:月刊スーパーアクション,
レーベル:連載中 アクションコミックス,再刊 大都社コミックス,
巻数:アクション版 全2巻大都社版 上下巻,
話数:全15話・ACT‐1〜7、ACT‐8〜15,
OVA:アイ・シティ(英題:AI CITY)
監督:真下耕一,
発売日:1986年,7月26日,1986年,11月21日,2002年,3月22日,
話数:全1話,
映画
以下はWikipediaより引用
要約
『アイ・シティ』(AI CITY)は、板橋しゅうほう作の漫画、及びそれを原作としたOVA作品である。
概要
双葉社発行の漫画雑誌『月刊スーパーアクション』(廃刊)誌上にて、1983年6月号から1984年7月号まで連載された。コミックスは双葉社「アクションコミックス」として発行。後に大都社から再刊。
あらすじ
警官ライデンは、ふとしたことから不審な「親子」、ケイとアイを愛車に乗せ、彼らと超能力を駆使する女性戦士、ケイトゥとのサイキックバトルに巻き込まれる。「伝説のトリガー」アイの助力を得たケイは、最大の能力を引き出されケイトゥを夜空の裂け目に吹き飛ばした。様々な謎を考える間もなく、彼らはクゥ・ラグア・リー率いる擬似超能力者組織「フラウド」の刺客を迎え撃つことになる。
登場人物
アイの同行者
K(ケイ)
例外的にヘッドメーターズとチューンドマンの両方の能力を持つ男。フラウドのリーダー、クゥ・ラグア・リー自身によって試作された。
しかしヘッドメーターズとしては欠陥品で、フラウドに恋人エツコを殺されたショックで、能力ケージのヘッドメーターはレベル5までしか上がらなくなった。その能力も不完全な読心能力しか持っておらず、スプーンを曲げることさえできない。しかし、アイによって力を引き出されると、そのメーターは無限大(∞)まで上がる。
チューンドマンとしての能力は、イーやリャンの出力の10分の1にも満たない。だがKの体には、彼らとは異なる改造が行われている。漢方で言う経路、すなわち動脈と静脈の分岐点である『経路口』=『ツボ』にチューニングが施されているのである。体中の主だったツボ108箇所がセンサーに包まれ、筋肉・内臓・脳を生体(バイオ)コントロールしている。通常、20%程度しか使われていない人間の筋肉を、ツボをコントロールすることで常時100%活用できるようにしている。ヘッドメーターがレベル5に達するとセンサーは始動でき、体中のツボが発光を始める。
普段は温厚だが、アイが意識を失うと枷が外れ、凶暴化する。
大学時代、掲示板で呼び出されて訪れた医務室で、いきなり麻酔で眠らされ、ヘッドメーターズになるための手術を受ける。同様に呼び出されて手術を受けた学生たちの多くは、適合できずに死んだ。当初はそれを現実として受け入れ、優越感さえ覚えていた。だが、恋人エツコが手術で死んでからは、絶望して生きる気力さえ失い、ヘッドメーターもレベル5までしか上がらなくなってしまった。そんな時、「I2・アイ」と名乗る、エツコを10歳若くしたような容姿の少女と出会う。エツコのコードネームである「I(アイ)」を名乗るアイがエツコのクローンであることを確信したKは、なぜ彼女や自身の女性化クローンであるK2が存在するのかという疑問には目をつぶったまま、アイの父親として振る舞う。
I2(アイ)
Kとともにフラウドを脱走したヘッドメーターズ(ただし、まだヘッドメーターの手術は受けていない)。正式にはI2(アイトゥ)。フラウドに殺されたケイの恋人エツコ=『I(アイ)』のクローンで、Kを父と慕う。他人の潜在能力を引き出して増幅させる伝説の『トリガー』ではないかと疑われ、フラウドからその行方を追われている。『I2』の『2』は、「ヘッドメーターズI(アイ)のクローン第二世代目」という意味。しかし、なぜかヘッドメーターズの誰も、『I』そして『I2』が何者であるかを知らなかった。2人の経歴を思い出そうとすると、全員記憶があやふやになってしまうのである。そして、コンピューターの記憶バンクには2人に関するメモリーはなく、『ヘッドメーターズI』は欠番ということになっている。なぜ彼らが『I』や『I2』を認めていたかはわからないが、彼女たちは現実には存在していなかった。
フロア1983の住人
フロア2183の住人
アロイ
不定形であるため、有機体に乗り移って意識をコントロールすることで世界に干渉する。ただし、意識支配した体は非常に暗示にかかりやすい。
猫、フラウドのスタッフ、スギウラ、ヨシオカ・アケミ、ライ・ロー・チンの人工ボディなどに次々と乗り移り、彼らの肉体を操った。
アイと同様に、触れたりとりついたりした相手の潜在能力を引き出すことができる。
その正体は、アイとは相反するプログラムアロイ(後述)によって生み出された存在であり、たまたま発見された怪物細胞をその依り代として利用していた。それは自分にない遺伝子を自分のものとして自らに組み込もうとするクローン細胞であり、他のクローン細胞を与え続けると、およそ8倍の遺伝子量を持つ怪物細胞へと成長した。
アロイは、アイたちのいるフロアよりずっと上のフロアで、数十億人分の遺伝子を内に秘め、思念だけを送り込んで、たった一人で戦いを挑んでいた。
西暦1983年の住人
用語
フロア
フロア1983
降下するフロア1983の天井、つまりフロア2183の下部構造から剥がれ落ちて降ってきた毒雪(天井に付着した公害物質が結晶化したもの)の量から計算すると、フロアが出来てから少なくとも4000年は経過していることになる。
フロア2183
フラウド(FRAUD)
フロア2183において、国家の最高諮問機関とされている。
それまでの掟を破って本部を神柱内部に置き、そこをフラウドビルと称している。またクゥ・ラグア・リーは、そこに居住している。
構成員は、ヘッドメーターズと呼ばれており、体に埋め込まれた数々の電子装置によって他人の脳波を解析して心を読み(擬似テレパシー)、磁場を操作して空中に浮かんだり物を動かしたりする(レビテーション=空中浮揚とサイコキネシス / テレキネシス)。そして都市コンピューターと直接交信することによって近い未来に起こることを高い的中率で予測する(プレコグニション=予知能力)。能力を発揮すると、その度合いに応じて額に数字が表示される。対チューンドマン戦用に重装備のパワーサポーターを装備することもある。
神柱
クゥ・ラグア・リーたちからは、「フラウドビル」と呼ばれている。
トリガー
自分以外の人間の潜在能力を開放させる能力を秘めている。
チューンドマン(改体者、改造人間)
ヘッドメーターズにとっては、特に心が読みやすい相手。
ダイバー
位相幾何壁画
アイ、アイシティ
プログラムアイ
1984年に解禁されることになる遺伝子操作・組み換えによるDNAレベルにおける遺伝子への汚染により、人類の進化が生命樹からかけ離れた地点へ移行してしまうことを危惧した春日ラボの春日親子によって研究されていた。
それが人類にとって良きことか悪しきことかは1980年代時点では判断がつかないが、人類はやはり生物として生命樹の枝の一本として順当に進化して欲しいという親子の願いが込められたプログラム。
父親が5年、後を引き継いだ息子が3年かけて1983年に完成させた。音声出力は交通事故で死んだ娘の声に似せている。
「DNA汚染が人類にとって致命傷となった時のため、汚染前の人類の体細胞を冷凍保存せよ」というプログラムの指示通りに、春日(息子)が父親や妻、娘のものを含む1983年時点での人類の体細胞を保存していたおかげで可能になった。
親子の創造したプログラムは、信じがたい時間を経て神によって具現化された。冷凍保存されていた細胞はクローニングによって、かつての地球の各年代を再現した階層フロアに押し込められ、それぞれの時代の人類として生活している。遺伝子操作のない1983年の純体時代(ピュアエイジ)の中から進化に適した者を上のフロアに上げ、そしてその中からまた進化に適した者を上の階へということを繰り返し、そうやって進化させた者が神の判断によって間違った進化だと判定されたら、また間違い始めたフロアまで戻されて進化をやり直す。そのためには、それぞれの年代フロアの住人たちは進化してはならず、幾世代経ってもさほど変わらない人生を送り、進化に適した者たちを生み出し続けるのである。これを「小輪廻」と呼び、進化を誤ったフロアを丸ごと押し潰して初めからやり直すことを「大輪廻」と呼ぶ。
進化を間違った神が、基本プログラムアイを生命レベルまで高め、進化のカンフル剤として1983に送り込んだものが「アイ」である。彼女には少しでも触れ合えばその人間の持っている潜在能力を開放する能力が与えられた。
プログラムアロイ
春日親子の元から持ち出したプログラムアイを元に、リー・クワバラによって開発された。
進化は遺伝子操作の繰り返しによってなされるというきわめて独断的なプログラムで、一人の人間の良い部分に他の人間の良い部分をDNAレベルで重ねていく。その繰り返しでよりすぐれた雑種体(ハイブリッド)を造ろうとするのがプログラムアロイである(アロイとは「合金」、「重合体」の意味)。
神、創造主
プログラムアイとアロイのどちらに進化のやり直しをさせるかを、両者を争わせることで決めようとしている。
何らかの目的地が迫っているので、焦っているようである。
アニメ
1986年にOVA作品として製作され、VHS発売と同日の1986年7月26日には東宝系にて劇場公開された。
キャスト
- ケイ - 鈴置洋孝
- アイ - 上田由紀
- ライデン - 野沢那智
- K2 - 小山茉美
- クゥ・ラグア・リー - 小林清志
- ライ・ロー・チン - 永井一郎
- アロイ - 渡部猛
- ティ - 八奈見乗児
- ミスターJ - 堀内賢雄
- イー - 銀河万丈
- リャン - 二又一成
スタッフ
- 原作 - 板橋しゅうほう
- 監督 - 真下耕一
- 企画 - 藤原正道、高橋豊
- プロデューサー - 加藤博
- 脚本 - 園田英樹
- 演出 - 大庭寿太郎
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 井口忠一
- 作画監督 - はばらのぶよし、松田芳明、工藤柾輝、長島正徳、田中正弘
- 撮影監督 - 鳥越一志、杉山幸夫
- 音楽 - 鷺巣詩郎
- 音楽プロデューサー - 大石稀哉
- 美術監督 - 新井寅雄
- 音響監督 - 松浦典良
- 編集 - 正木直幸、赤堀義浩、古橋宏
- 製作 - 東宝、ムービック、葦プロダクション
主題歌
オープニング・エンディング 「アイ・シティ」
挿入歌「Dream girl」
挿入歌「PSYCHIC MAN」