アオイホノオ
漫画
作者:島本和彦,
出版社:小学館,
レーベル:ゲッサン少年サンデーコミックス,
発表期間:2007年 -,
巻数:既刊29巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『アオイホノオ』は、島本和彦による日本の漫画。『週刊ヤングサンデー』(小学館)に2007年から2008年の休刊まで不定期連載された。同誌の休刊後、『スピリッツ増刊・YSスペシャル』VOL.2に1話が掲載された後、2009年5月に創刊された『ゲッサン』(同社刊)にて連載が再開されている。
テレビ東京「ドラマ24」枠にてテレビドラマ化され、2014年7月期から放送された。
同年に第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。2015年、第60回(平成26年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞。
概要
時代は日本のサブカルチャーが多くの若き才能を吸収し、戦国時代の様相を呈しながらも全盛期に向かいつつある1980年代初頭。芸大生の主人公・焔燃(ホノオモユル)が漫画家を志し、やがて新人漫画家としてデビューする中での七転八倒する様を描いたコメディ作品である。
作者・島本和彦の自伝的作品であり、作中には当時著名であった(あるいは後年著名になる)実在の漫画家やサブカル・メディア関係者、あるいは彼らをモデルにしたとおぼしき人物が多数登場し、またしばしば同時期の漫画作品が部分的に引用され、あるいはタイトル・内容への言及がなされている。主人公・焔の作品として引用される島本自身の作品については、連載当時に技術不足で描けなかったシーンを現在の画力でブラッシュアップしたうえで引用される場合もある。以上の事情により、単行本各巻冒頭のページには、ことさら巨大な明朝体の活字で「この物語はフィクションである」と記され、さらに、次のページにも念のためか「実在の人物・団体等の名称が一部登場するが、あくまでこの物語はフィクションである」と記されている。事実、作中の時系列が若干現実と異なる部分や、架空のエピソードも含まれている。
『吼えろペン』が島本自身の現在進行形をモチーフに描いたのと同じく、主人公・焔は、第一部(単行本24巻まで)では大阪芸術大学の学生でプロデビュー前、第二部(25巻から)では大学を中退して上京しプロ漫画家として活動を始めたばかりの島本をモチーフとしている。『吠えろペン』では主人公も同じ名(ただし同音異字)を持ち、性格にも共通点があるので、両作の主人公は同一人物であることをうかがわせており、2007年3月3日放送の『島本和彦のマンガチックにいこう!』で島本は「(焔は)若いころの炎尾」と語っている。しかし、『吼えろペン』の登場人物が藤田和日郎に対して「富士鷹ジュビロ」のように実際の名をもじった架空の名で呼ばれるのに対し、本作では実名がそのまま使われるなど相違点もある。
各回(各章)の末尾ページは、往事を回顧する作者(あるいは主人公である焔自身)による、モノローグ的文章で締めくくられることになっている。
掲載誌・単行本
掲載誌
- 第1章 - 11章:『週刊ヤングサンデー』2007年14号・16号・24号・27号・34号・43号、2008年10号・16号・24号・30号・35号
- 第12章:『スピリッツ増刊・YSスペシャル』VOL.2
- 第13章 - :『ゲッサン』2009年6月号 - 連載中
単行本
- レーベルは、掲載誌の変更に伴い「ヤングサンデーコミックス」→「少年サンデーコミックススペシャル」→「ゲッサン少年サンデーコミックス」と変遷している(参考:小学館の漫画レーベル)。
- 基本的に1巻につき6章(6話)分が収録されている。17巻のみ5章(5話)収録となっている。
- 1巻の巻末には庵野秀明との対談(11ページ)が掲載されている。
- 雑誌掲載の第118章は順当に行けば単行本20巻に入るはずだが、22巻に第126章として入っている。したがってこの間は雑誌版と単行本とで章番号(=話数)が1章ずれている(例:雑誌版第121章→単行本第120章)。
- 連載100回の号には特別企画として『アオイホノオ被害者の会』が掲載された。作品に関係した漫画家や業界人がメッセージを贈るというものだった。これは17巻の特装版に付いた小冊子に収録された。
物語
舞台は1980年代の初め、大阪の大作家(おおさっか)芸術大学。主人公、焔燃(ホノオモユル)は漫画家を目指していた。「自分の実力ならいつでもプロデビューできる」と自信過剰な性格をしていたが、豊かな才能に恵まれた同校の学生達や、あだち充、高橋留美子といった若手漫画家の台頭や能力を目の当たりにして、見事に打ち砕かれ自信喪失させられる。それでも焔は、プロの漫画家になるため歩み始めるのだった。
登場人物
主人公
焔 燃(ほのお もゆる)
漫画家。作品中では「ホノオ」と呼ばれ(めったに出て来ないが、名前に付けられるルビも「ホノオモユル」である)、ペンネームは「炎尾燃」(読みは同じ)。概要で述べた通り『吼えろペン』シリーズの炎尾燃と同一人物である。得意なジャンルはSFコメディ。
北海道出身。単行本1巻の時点では、漫画家を目指す一方でアニメーターにも心惹かれる、大作家芸術大学映像計画学科の18歳の一回生であった。画力に自信がなかったにもかかわらず、己の才能に対し根拠のない過剰な自信を持ち、自分がその気になればいつでもプロデビューできると考えており、かつ、他の作家が手を出さない分野に進出することによってさほど努力しなくてもほどほどの人気漫画家になれるのではないかという甘い期待を抱いていた。それゆえ逆に、物語開始時点では何一つ行動を起こさずにいたが、その後各出版社への原稿持ち込みに励むなど、徐々に漫画家への道を歩みはじめ、最大の理解者である若手編集者・三上と出会う。努力して画力を向上させるよりも、楽に描く方向に力を注ぐ傾向があったが、大学の課題の自主アニメを一人で制作して大量に絵を描いた結果、アニメの出来自体は散々だったもののそれなりに画力が向上し、「絵を描いているときが一番落ち着く」という心境に至った。
第72章で「炎尾燃」名義で週刊少年サンデーの新人賞に応募した『必殺の転校生』が佳作受賞して商業デビュー。雁屋哲原作の『風の戦士ダン』で月刊連載漫画家となった。さらに25巻以降の上京編では、1983年に大学を中退して上京、明大前近辺のアパートを短期間で退去したのち高田馬場近くのマンションに住み、この部屋で三上のサポートを受けながら『サンデー』での初の本格的週刊連載作品『炎の転校生』を制作していくことになる。彼の作品はサブカル作品、とくに特撮ドラマのパロディネタを多用した、新しいタイプのコメディ漫画として若い読者たちの支持を集めつつあったが、三上以外の編集者からはなかなか理解が得られず、掲載誌『サンデー』の編集部ですら、その大多数の評価は「すっごく読者にウケてはいるけど、正直何が面白いのかわからない」というものであった。上京した時点で21歳の若者であるため精神的にはまだまだ未熟で、またプロ作家としても画力の低さには根本的な改善はないことから、連載を続けながらも悩みを深めており、些細なことで自分の漫画家としての将来に不安を抱き落ち込むこともしばしばである。一方で、プロ漫画家の雰囲気に憧れを抱いている面もあり、トキワ荘世代以来の作家と同様に「仕事をアシスタントに任せて外出」したいとの長年の夢を、マウント武士という専属アシスタントを得たことで実現させ、さらに憧れの有名人とも対面・対談する機会を得る(が、そうした状況下では相手とまともにコミュニケーションできなくなってしまうことが判明し失敗を重ねる)。
後述の通り、『サンデー』の月刊誌創刊(友人・きっちゃんとの会話の中で「月刊は、無い!」「作らんだろ!!」と発言するが、他ならぬ本作品の掲載誌となった)や大友克洋の週刊連載、無名の漫画家の卵として出会った藤島康介の活躍、集中線を引く新技法の普及など、その後実現したことについての予想を悉く外しており、先見力の乏しい人物として描かれている。また「漫画を読んでスポーツを知った」と言うほどの漫画人間であるが、漫画知識を実践に移して野球の試合で独特の「必殺技」を繰り出し"大失敗"したことがある。反面、漫画やアニメ、特撮ドラマ以外の話題にはきわめて疎いオタク的人間である。そのこともあって黒地に炎のマークのTシャツを常時着用するファッションセンスの無さを周囲から散々指摘されている。
ドラマ版エピローグでは、『吠えろペン』における炎尾燃と同じラグビーのヘッドギアを着用し、プロの漫画家として活動する姿が登場しているが、本作品では週刊連載開始の時点でも未着用である。
ヒロインと周囲の人々
この節では一部実在人物のモデルがいる者を含むが、あくまでフィクション上の登場人物に限定する。実名の人物は次節「実名で登場している人物」を参照のこと。
大阪編
年上トンコ(としうえ トンコ)
芸大生時代の焔の女友達の一人で物語前半部のヒロイン。
3回生。バドミントン部のマネージャー。スレンダーな体型が特徴的で、大阪府出身で大阪弁を用いる。近眼であるが眼鏡が嫌いで、1980年当時はコンタクトレンズが高価で普及していなかったため、裸眼で生活している。作者によると実在のモデルがいる人物。
マイペースな性格で、大阪時代の焔の部屋にしばしば何の気兼ねなくやって来ては、当時流行の漫画やサブカル作品を話題にし、漫画家の道を踏み出そうとしている焔を励まして自信過剰にしたり、焔の踏み込まれたくない部分をそれと知らず踏みつけたりした。彼女自身はあまり創作に熱心ではないが、そのため入れ込み気味な焔の創作への情熱を冷静に分析したり突っ込んだりすることができ、彼に大きな力を与えた。焔に想いを寄せられていたが、物語開始時はバドミントン部3回生の村上と交際しており、4回生になってからは村上と別れる一方で、焔を自分の下宿に誘ったり好意があるような描写があったものの、卒業以降は作品世界から退場した。彼女自身は津田洋美が焔に気があると考えていた。
テレビドラマ版では「森永とんこ」と苗字が変更された。終盤、焔に対しては弟みたいなものとしか見ていなかったことが判明した。
津田洋美(つだ ひろみ)
高橋
きっちゃん
ジョウ
村上
大学の教員の1人
横山
小学館の『週刊少年サンデー』編集者。まんがカレッジを担当している。焔の持ち込んだ原稿に速読で対応した上にその内容には評価らしい評価をせず、焔を驚愕させる。後に焔が横山に気づかれないようにペンネームを使用して投稿した新人賞作品『必殺の転校生』を審査員に回す前の下読みとして目を通し、「ぼくの感性に合わない」という理由で落選作品の入ったダストBOXに放り投げてしまう。その原稿を後輩の三上が拾い上げた際には焔の担当をあっさり譲るも、審査員に回した『必殺の転校生』が佳作受賞したため、後輩に取られるのが嫌で、焔の漫画を全く評価していないにもかかわらず担当に復帰した。だが、やっぱり感性が合わないという理由で三上に担当を再び押し付けた。
雑誌掲載分と単行本では2014年現在「小学館の偉い人」となっている「奥山」となっているが、後に島本の勘違いと発覚。発覚以降の雑誌掲載分は「横山」に修正され、さらに単行本増刷分、コンビニ用単行本では発覚以前の分も誤植扱いで訂正している。
ゆうきまさみ、青山剛昌、北崎拓などの担当編集者で、後に『週刊少年サンデー』『週刊ヤングサンデー』編集長を経て小学館クリエイティブの社長となった奥山豊彦がモデルだが、上記の理由で曖昧にされている。
MADホーリィ
SA社の編集者。『北斗の拳』の登場人物のような容姿をしている上、劇画調のタッチで描かれている。焔達は原稿持ち込みのため彼と会う約束をしていたが、彼が担当している江口寿史の原稿が遅れているために数時間待たされ、しかも彼は横山同様に焔たちの持ち込み原稿にはまともに評価を示さなかった。横山とMADホーリィのこうした態度から、焔達は大きな無力感と挫折感を味わうことになる。しかし、横山とは違って一応の評価はしており、後に焔に新作原稿を送付することを依頼する。焔をギャグよりストーリー漫画向きだと考えており、焔が送ってきたギャグ漫画テイストの熱血漫画をギャグを使って熱血を茶化し照れ臭さから逃げていると判断。「車田正美のベタ(な内容)を見習え」とアドバイスを送るものの、焔はそれを「原稿のベタ(黒い部分)の塗り方を見習え」と言われたと誤解し、馬鹿にされたと思いSA社を見限ってしまう。
後に『北斗の拳』の担当編集者となる堀江信彦がモデル。
岩瀬順(いわせ じゅん)
みつえちゃん
凩マスミ(こがらし マスミ)
芸大の女子学生で、手芸部所属であるが、同期のミノムシミノコ が撮影した自主制作フィルム「ワンダーマスミ」の主演女優を務めた美人。学生時代の焔の憧れの対象。
彼女に好意を抱いた焔は、右手薬指の婚約指輪に気づき、友人関係から婚約者の存在を友人関係から知らされる。にもかかわらず恋愛感情を捨てきれないままに友人からはダメ出しの応酬を受けた。そのため新人賞をもらい間もないころで調子が追い風状態の時期であったが、心を砕かれ泣き崩れるまでに至った。
焔のデビュー第2作『華麗なる挑戦者』にはヒロインとして「ワンダーマスミ」というキャラが登場している。実在の人物で女優の関戸優希の母。焔があげた自作カレンダーも実在しており、マスミの実家に現存している。
尾東君子(びとう きみこ)
北海道での焔の女友達で、トンコ退場後のヒロイン的人物の一人。焔が言ってほしいこと、褒めてほしいことを先回りして言ってくれる女性で、単行本21巻の巻末では「全肯定系ヒロイン」と紹介された。
北海道の大学で漫研サークル「ホワイト・ムー」の会長を務める女子大生。焔のデビュー第2作『華麗なる挑戦者』を札幌の自宅で描いていた1982年2月に手伝った。その後も焔が札幌の自宅で漫画を描く際にたびたび手伝ってもらっていたが、初連載作品『風の戦士ダン』4話執筆中には焔が指示見本のことを知らなかったため、むさい男である海蛇牙造の背景にかわいいカケアミを描いてしまった。その後も『ファンロード』誌に焔へのヨイショの投稿をしてくれ、同年7月号に掲載された。
1983年、東京で週刊連載を開始したばかりの焔を訪ねてくるが、喫茶店での歓談中に仕事の疲れからつい居眠りしまった焔を見て、励ましの置き手紙を残して立ち去る。
知丹新生(ちたん にうむ)
焔が受賞した少年サンデー新人賞の同期で入賞受賞者。同い年の女性で『塀の上のバイオリン弾き』で受賞。焔からすれば自分より上の賞を獲得した存在であるためアドバイスできる資格はないと伝えるが、彼女の方は焔の新作を書き続けるスタンスに敬意を抱いている。
受賞時に焔の担当になった横山から作品タイトルを絶賛された。
焔は彼女に新作ネームを読ませ、面白いと評価したため同年代には通じる笑いであると確信する。
彼女との今後の計画などの会話の中で焔はサンデー編集の対応を「1作くらい面白くなくても載せてくれる」や「サンデーの増刊号にはいっつもそういうのがたくさんたくさん載っている」など楽観的で失礼な発言をする。
その後も上京時に顔を合わせていることから、連載準備中のようである。
東京編
樺上桜(かばがみ さくら)
都心から1時間程度の距離の東京郊外に住む女性漫画家。
ペンネームは不明であるため焔は彼女の作品を知らず「謎の漫画家」と呼ぶ。高校時代の女友達「羽澄ちゃん」の結婚の知らせを聞いて傷心に陥った焔が、ラジオ番組に「想い出がいっぱい」(H2O)を「21歳漫画家」としてリクエストしたのをたまたま聴取していたことをきっかけに焔と知り合いになり、都心に来る時にいくどかデートする。可愛いルックスでグラマラスな体型。性格は快活で、やや天然。デートの際、焔の服を見て、やんわりとではあるがダメ出しした。
焔の作品のファンであるとともにジャンプ系作家のファンでもあり、漫画作品の感想を語り合うことが趣味。悪気はなく焔の前で、勢い・将来性のありそうな若手漫画家たちの作品を挙げて褒めちぎるが、それは漫画家としての将来に不安を抱いている焔にとっては触れて欲しくない話題であり、彼に深い精神的ダメージを与えることになった。
何度目かのデートの際、「漫画の取材」と称して新宿歌舞伎町で当時流行の同伴喫茶に焔とともに入店、あたかも誘惑しているかのようなそぶりを見せ、一時は焔もその気になりかかった。しかし実際のところ彼女自身は焔を全く男性として意識していなかった模様である。
マウント武士(マウントぶし)
「東京編」ヒロイン。漫画家志望で焔の専属アシスタント第一号の少女。
本名は富士山沙雪(ふじやま・さゆき)。東京近郊の実家で両親・兄弟姉妹と同居し、焔の部屋に通いで仕事をしながら、「漫画芸術プロ養成学園」にも通学、少年誌でのデビューを目指しつつ小学館に持ち込みをしている。長い黒髪、キュートでグラマーなルックスだが、目つきは鋭くぶっきらぼうな口調で強気。胸元に大きな星のマークが入ったシャツ、ローラーブーツとサポーターを常時着用。
「マウント武士」という風変わりなペンネームは、「サムライ」に過剰な憧れを抱き、「男はみんなサムライ」と思い込んでいる彼女が、少年誌の読者に性別を分かりにくくするために名乗ったものであり、自分ではかなり気に入っているが、周囲からは変なペンネームだと言われている。焔の服装にはダメ出しをしているものの、自分のファッションセンスも変であることを認めている。蹴り技に自信を持っているらしく、興奮して焔に蹴りかかったこともある。
漫画家としての焔を尊敬し「自分の漫画と方向性が同じ」と感じているが、その方向性とは「苦労しないで適当にチャチャッとギャグを入れて一丁上がり」ということである。またデビュー前の焔と同様かなりの自信家であり、初対面で「ホノオ先生さえ先にデビューしてなかったら、『風の戦士ダン』は私がやってた」と口走るなど、アシスタントでありながら焔をライバル視していることを隠そうともせず、何かにつけて勝負を挑み上に立とうとして焔を大いに困惑させる。当時の女性では珍しい特撮ドラマのファンであり、同じく熱心な特撮マニアである焔相手にヒーローの変身ポーズ対決を仕掛けたこともある。
その反面アシスタントとしては非常に有能であり、しばしば焔から感謝されている。ある時、原稿に画鋲を刺してそれを支点に集中線を素早く正確に描く技法を編み出し、得意満面で焔に披露するが、原稿に傷をつけたとして焔に激しく叱責され禁止された(後に漫画界では一般化する手法となる)。
彼女の持ち込み作品は、ギャグ漫画としては極端な「強い」「厳しい」作風であるらしく、小学館の編集からは残酷な描写やドギツいギャグがよくないと注意され、「焔のマネをしない方がいい」「読者にはもう少し優しく」とアドバイスされるも、本人はあまり納得していない。
焔の部屋での徹夜作業や雑魚寝も厭わず、焔本人に対しては「頭おかしくてダメ」と、まったく男性として意識していないことを家族や友人に公言しているが、彼女自身も焔からは全く異性として意識されていない様子である。
マウント武士の母
実名で登場している人物
南雅彦(みなみ まさひこ)
矢野健太郎(やの けんたろう)
漫画研究会「グループCAS」創始者。その実力と熱意で焔の半端な心構えを打ち崩し、商業デビュー作『強化戦士アームピット』によって、焔のやりたかった「SFヒーローの舞台設定におけるマジメな雰囲気の中でのギャグ」を先に持っていってしまうことで焔をさらに打ちのめす。実在人物の中では唯一未だに島本と面識がない。白いスーツのハンサムとして描かれている。実際に当時シャアのマネで白いスーツとサングラスをしたことがあり学内では有名だった。
テレビドラマ版ではアニメ『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルを意識した言動がより色濃く、初登場シーンではガンダムの劇中BGMが流れた他、自身も赤い自転車を駆って「通常の3倍(自称)」で移動するなどの演出・描写が追加されている。
三上信一
週刊少年サンデーの新人編集者で、焔をプロ漫画家の地位に導いた最大の理解者・功労者である。童顔であるが前髪の後退がかなり進んだルックスとして描かれている。
先輩・横山がダストBOXに放り投げた『必殺の転校生』を見て「絵もイマイチ、ストーリーもイマイチ」「全くなっちゃいない」が、「一コだけギャグが面白い」として拾い上げ、審査員に回す(しかしこの時三上が唯一評価したギャグは、焔が自分で考えたものではなく、大学の友人が考えたものの借用であった)。その後紆余曲折はあるものの、横山に代わって焔の担当をすることとなる。当時は新谷かおるの担当も兼ねており、締め切り間際の新谷が逃亡しないように常に張り付いていたため、焔の相手をする時間的余裕が少なく、大阪にいる焔の下宿まで公衆電話の電話代も馬鹿にならないので、電話代が安い深夜に電話をかけてくるのが常であった。そのため「東京に出なければ漫画家になれない」と焔に上京を促した。
上京した焔に対しては、彼を人気漫画家へと成長させるべく、不慣れな東京生活にアドバイスを与えたり、閉鎖的になりがちな人間関係を広げるためにさまざまな先輩漫画家に紹介したり、研究のために最新流行の作品についての情報をもたらしたり、専属アシスタントとしてマウント武士を連れてくるなど、さまざまな点で焔をフォローしており、彼からは有能な編集者として非常に有り難がられている。しかし同時に、打ち合わせのため非常識な時間帯に押しかけたり(上京したばかりの焔が短期間のうちに転居を余儀なくされる結果となった)、プロ作家としてはまだまだ未熟な彼の精神状態を考慮せず「炎の転校生」の連載開始時期の大幅な前倒しを一方的に通告するなど、次々と無理難題を持ち込む迷惑な人物でもある。
作品途中から新谷の担当を外れてあだち充の担当になり、編集部上司からの「絶対に和也を殺させるな」という意向に逆らって、和也の事故死が確定する回の原稿を秘密裏に校了させるべく奮闘したことがある。
新谷かおる、佐伯かよの(新谷かおる夫人)
三上に連れられて仕事場を訪れ、焔がいろいろと教えを受ける。『ファントム無頼』『エリア88』『スマッシュ!メグ』などを連載中。
当初焔は新谷のフルネームから彼を女性漫画家と勘違いしていた。
〆切はぎりぎりになって追い込まれるほどいいアイデアが出てくるという主義の持ち主であり、そのため三上は焔に「新人が知ってはいけない禁断の知識」の影響は受けないように強く念を押した。
原作付きで連載デビューをすることになった焔に「原作通り描かなくていい」とアドバイスする。
また、安い原稿用紙を使うのをやめるよう指摘したり、頑張って女性の裸を描いたことを褒めたりもした。
〆切間際は三上は彼らに相当振り回されていたようで、約束した日に作業が終わっていない状況に対し「約束なんてクソの役にも立たない」と返答されたり、三上不在のスキに昼食のために外出してしまったり、食事外出からの帰りが遅く新谷から連絡を受けると、うどんを食べるために奥多摩まで車を走らせたあげく車内にキーを閉じ込んでしまい、仕事場に帰れなくなるトラブルに見舞われるなど気苦労が絶えなかった模様。
石黒昇
細野不二彦
焔がこれからウケると予測するジャンルを描いた漫画家たちの1人。『恋のプリズナー』や『さすがの猿飛』で焔が目指そうとしていたジャンルを先に開拓されてしまう。
同期で受賞した知丹の付き添いで仕事場を訪問し、カケアミなどの指示見本や原稿用紙などプロの仕事として参考になるものを吸収しようと試みるも、不明な点は焔の抱く「くだらんプライド」が邪魔してしまい質問できずじまいになってしまった。
用紙に至っては細野に確認せずに、触った感覚の記憶を頼って探した安いお絵描き画用紙だと思い込みで判断してしまう。テクニックを盗んでやったとしてやったりだったのだが、新谷から紙の安さや細野の原稿用紙とは違うことを指摘され大きく落ち込む。
雁屋哲
出渕裕
一本木蛮
石渡治
「"趣味がロック音楽”的なものを感じる」「"ちゃんとしたアニキ"が描いてるような」作品である「火の玉ボーイ」を連載している漫画家。自分の作風とは全く対極的であり接点が無さそうと思っていた焔が、「モテる漫画を描きたいなら石渡治を研究するといい」と三上からアドバイスを受け、また、漫画事務所やアシスタントの使い方を学ぶためにアシスタントに送り込まれる。
硬派な作品からはまったく想像できない、力強く底抜けに明るいパワーのある人柄。音楽好きで、仕事場の大型ステレオでレコードをかけ音楽を流しながら仕事をし、(アニメや特撮ドラマの主題歌しか知らない)焔には疎い分野である最新流行の曲をチェックしている。
焔が初めて他のプロ漫画家の原稿を手伝った相手(それまでは原稿に触らせてもらえなかった)であり、「フツピタ」という未知の専門用語を焔に教え、長年にわたり漫画家を続けていくための知恵を与えた。一方で焔の絵柄の古さをストレートに指摘し彼を動揺させる。
夜7時になると家族の世話のため仕事をアシスタントに任せて帰宅するが、彼がいない間もアシスタントたちの作業がグレードアップしていく様子は焔を感動させる。
ダイコン フィルム
庵野らを中心としたグループが、DAICON FILMとしてSF大会のオープニングアニメを制作するまでの過程(主人公である焔が一切登場しない)や、その後の彼らの動向は、本作前半部の主要パートの一つとなっている。
庵野秀明(あんの ひであき)
雰囲気も独特だが、クラスメイトを突然締め上げて、ショッカーの基地のありかを吐かせようとするなど、奇行が目立つ眼鏡をかけた男。異常な密度で描き込まれたパラパラ漫画や、ウルトラマンを題材とした特撮フィルムで、焔の自信を完膚なきまで打ち砕く。メカから女性まで、あらゆる作画が可能で、一度仕事に入れば周囲が心配するほど、寝食が最小限になる驚異の職人気質。風呂嫌い。
大学の1回生から3回生まで、それまで制作した映像をまとめて上映するフィルムコミッションで、ペーパーアニメ「じょうぶなタイヤ」を上映し、焔の自信をまた打ち砕いた。その後、ステレオの大型テレビを持っているヤツがいるという理由で、山賀と共に赤井のいる寮に引っ越す。
デビュー後の島本和彦に初めてサインを求めた男であり、本作で焔のデビュー作が掲載された『増刊少年サンデー』にサインを求めるシーンは、ドラマ版では最終回のクライマックスシーンのひとつになっている。後にこのシーンが描かれた原作では、デビューしても誰からもサインを求められず自信を喪失しかけている中で初サインを求められたことで焔は張り切ってサインを書いているが、庵野自身が何を考えてサインを求めたかは明確に描かれておらず、横で見ていた赤井は「庵野くんも物好きだなあ」「(庵野は)なんでも集めておきたい性分の男だからな」と内心で思っていた。
山賀博之(やまが ひろゆき)
映像製作実習で庵野ら実力のある生徒をまとめ上げ、後に有名になる「庵野ウルトラ」を作る。
自分ではまったく絵が描けないし描くつもりもないが、描ける人間を操ってアニメ業界で一儲けしようと目論むプロデューサー気質の男。作中では年齢に似合わぬ巧妙な交渉術を当然のように使いこなす。隠れた才能を見抜く特技があり、すぐに庵野と赤井を取り巻きにし、誰も評価しない焔制作アニメすらうまいと言及した。諸星ダンによく似ている。
作品上では、庵野秀明と同じ寮に住んでおり、部屋には大きなテレビがある。最近(1980年ごろ)のアニメは全く見ておらず、関連知識は全くない。
フィルムコミッション後、今の寮がボロく騒音がうるさかったため、庵野と共に赤井のいる寮に引っ越す。薬師丸ひろ子似の妹がいる。
DAICON IIIのアニメ制作では目立った活躍がなく、アニメ関係者からのスカウトも山賀にはかからなかったにもかかわらず上京を決意。スタッフを手放したくない岡田も建前上は惜しみながらの承諾だったが、本心は「君やったら別にええわ」であった。単身でマクロスの制作スタジオにほぼ押しかけのような形で入り込んでしまう。
赤井孝美(あかい たかみ)
武田康廣(たけだ やすひろ)
名前が登場する人物
作品中に直接登場するのではなく、会話やモノローグなどで名前のみに言及される人物に限定する。
マンガ関係者
あだち充
あだち充の漫画を読んだ焔が呟く「かわいそうなあだち充」「よし、オレだけは認めてやろう!!」という上からの物言いは本作を象徴するシーンとなっており、ドラマ化の際にはゲッサン編集部によってクリアファイルやタオルなどに台詞をちりばめたグッズが付録・読者プレゼントとして制作され、あだち充本人にも献上された。
プロ漫画家となった焔とは小学館の編集者・漫画家による草野球大会で一塁手として対戦。試合中に思わず「必殺技」を繰り出した焔にあだちが驚いて送球を取り損ねるアクシデントが発生した。その後、焔は三上とともにあだち宅を訪れ、改めて彼と対面することになるが…。
作中 扱われた作品
高橋留美子
焔の想像では、若き清楚な美女の高橋留美子を悪い大人の編集者たちが、寄ってたかって無理難題を強いるイメージを持っている。
作中 扱われた作品
石森章太郎
作中 扱われた作品
松本零士
作中 扱われた作品
永井豪
克・亜樹、畑健二郎
みなもと太郎、小山ゆう、小林まこと、亜月裕、赤塚不二夫
江口寿史
宮下あきら
作中 扱われた作品
藤子不二雄
原秀則
車田正美
作中 扱われた作品
中島徳博
作中 扱われた作品
水島新司
手塚治虫
大友克洋
作中 扱われた作品
諸星大二郎、星野之宣
井上紀良
泉昌之
作中 扱われた作品
かがみあきら
桂正和
北条司
しげの秀一
たがみよしひさ
花咲アキラ
作中 扱われた作品
鈴宮和由
アニメ関係者
金田伊功
富野由悠季
宮崎駿
安彦良和
作曲者
伊福部昭
芸能人
戸川純
松本伊代
大川めぐみ
団体・組織・作品
大作家芸術大学
「ギリギリ限界まで南の阪南地区」である大阪府南部にある架空の大学。モデルは大阪芸術大学。よって、読みは「おおさっか」芸術大学。最寄駅は大阪芸大と同じく近畿日本鉄道長野線の喜志駅。多くのメディア関係者の出身校となっており、学生にとっては、在学中に当該の業界とコネクションを作ってプロデビューすることが重んじられる傾向があると見られる描写がある。
テレビドラマ版では『大阪芸術大学』と実名で登場している。
○学科
映像計画学科
デザイン学科
○部活・サークル
バドミントン部
マンガアニメーション研究会 グループCAS
出版社
小学館
週刊少年サンデー
増刊サンデー(週刊少年サンデー増刊号 現週刊少年サンデー超)
焔の考えとしては、増刊サンデーは週刊少年サンデーと同じ編集部が作っており、週刊連載をするまでには実力のない新人に発表の場を与え、新人に経験を積ませることで、一軍である週刊少年サンデーに連載する実力をつけさせるための「週刊少年サンデーのための『二軍雑誌』」と焔は推測している。
小学館新人コミック大賞
少年サンデーまんがカレッジ
SA社(エスエイしゃ)
焔ときっちゃんが小学館の次に原稿を持ち込み、北斗の拳の登場人物に似た編集者に見てもらっている。実際の集英社の建物も、作中同様に白山通りから見て小学館の右隣りにあるうえ、建物の前に神田警察署神保町交番がある。
テレビドラマ版では、『SA社』ではなく『集英社』と実名で登場している。
週刊少年ジャンプ
手塚賞、赤塚賞
週刊ヤングジャンプ
講談社
週刊少年マガジン
漫画
詳しくは、#マンガ関係者および#実名で登場している人物を参照。
- 週刊少年サンデー
- うる星やつら(高橋留美子)
- 牙戦(滝沢解、あだち充)
- タッチ(あだち充)
- 火の玉ボーイ(石渡治)
- 増刊サンデー
- ナイン(あだち充)
- 恋のプリズナー(細野不二彦)
- さすがの猿飛(細野不二彦)
- 少年ビッグコミック
- みゆき(あだち充)
- ビッグコミックスピリッツ
- めぞん一刻(高橋留美子)
- 美味しんぼ(雁屋哲、花咲アキラ)
- 週刊少年ジャンプ
- 激!!極虎一家(宮下あきら)
- リングにかけろ(車田正美)
- 風魔の小次郎(同上)
- アストロ球団(遠崎史朗、中島徳博)
- うる星やつら(高橋留美子)
- 牙戦(滝沢解、あだち充)
- タッチ(あだち充)
- 火の玉ボーイ(石渡治)
- ナイン(あだち充)
- 恋のプリズナー(細野不二彦)
- さすがの猿飛(細野不二彦)
- みゆき(あだち充)
- めぞん一刻(高橋留美子)
- 美味しんぼ(雁屋哲、花咲アキラ)
- 激!!極虎一家(宮下あきら)
- リングにかけろ(車田正美)
- 風魔の小次郎(同上)
- アストロ球団(遠崎史朗、中島徳博)
アニメ
伝説巨神イデオン(日本サンライズ)
『イデオン』の放送当時ごろのロボットアニメは子供向けであり、分かりやすい勧善懲悪ものが主流だった。現在では珍しくないが、『イデオン』はハッキリと見た目で役割が分かるようなキャラがおらず、しかも、登場人物が多く、複雑な人間関係から起こるいざこざで物語が進み、複雑な設定や最後まで明かされることがないたくさんの謎のために、「難解な作品」というのが当時の評価だった。
とんでも戦士ムテキング(タツノコプロ)
マジンガーZ(東映動画)
機動戦士ガンダム(日本サンライズ)
超時空要塞マクロス(タツノコプロ)
漫画とアニメ
作中、漫画とアニメの両方が扱われた作品。
宇宙戦艦ヤマト(松本零士)
漫画版宇宙戦艦ヤマト
アニメ版宇宙戦艦ヤマト(オフィス・アカデミー)
サイボーグ009(石森章太郎)
漫画版サイボーグ009
アニメサイボーグ009(東映、日本サンライズ)
テレビアニメ第2作は、焔が尊敬するアニメーター金田伊功がオープニングを担当しており、「怪力の持ち主でありながら大岩を持ち上げる際に苦悶の表情を見せる005の逆転の発想」「006が火炎を噴射するときに微妙に口元から離れたところから炎が上がり、燃料を噴射し空気中で炎となるリアルでSF性の高い描写」「003(フランソワーズ)の能力には一切触れず、紅一点であるという華やかさに絞った演出の思い切りの良さ」などを大絶賛し、完璧なオープニングと断言している。しかし一緒に番組を見ていた津田洋美には伝わらなかった。
ドラえもん
ドラえもん:テレビアニメ第2作(シンエイ動画)
映画
スター・ウォーズ 帝国の逆襲
復活の日
リピート上映での焔なりの鑑賞テクニックなどをトンコに語る。
ロッキー1・2
ドラマ版でも実名で登場しており、ドラマスタッフがロッキー1のクライマックスシーンの再現フィルムを独自に撮影することで、映像の権利問題を回避している。
ランニング
各々鑑賞後の感情移入の違いで対立してしまう。
焔は過去に(焔目線で)同じ"父親マラソン映画"の「マイウェイ」を観て感動しており、それを上回れない作品であったため泣けなかった。
ジョウは高校3年間の陸上部経験など共感するものがあり泣いてしまった。
焔の意見を陸上部経験の浅さから「走る男の気持ちがわからない」と反論。「マイウェイ」の評価も曲がいいだけで焔はそこに騙されていると派生。それらをひっくるめて焔の人間性まで否定する。
これ以来、焔はもう二度とコイツとは映画を見に行くまいとまで考えるようになってしまった。
スペースアドベンチャーコブラ
高知に婚約者がいて、来月結婚すると聞いた焔は失恋したが、『スペースアドベンチャーコブラ』を見て感動し、一瞬で立ち直った。
このことは当時よく行ってた喫茶店のノートにも漫画にして描いたほぼ実話だが、実際はかなりショックだった。
炎のランナー
新しい連載漫画の作品を決めるにあたって、新人賞受賞作品のタイトル「必殺の転校生」にこだわる焔に対し、三上がこの作品(と上記の焔の妄想)にインスパイアされて「炎の転校生」を提案した。
燃えよドラゴン
スター・ウォーズ ジェダイの復讐
焔の感想は「(前作「帝国の逆襲」と異なって)今回は"続く”にならないで終わっててよかった」というものであった。
ドラマ
3年B組金八先生
ゲーム
タクテクスII(アバロンヒル社)
『リングにかけろ』に触発されて原稿を書く手がノリ、珍しくやる気がでている焔のやる気も絶好調の時に、下宿先の先輩に誘われる。ルール説明に30分以上、きっちりプレイすると6時間以上かかる。プレイヤーのやる気を5・6時間がっちり掴んで離さない、そんな知的でオトナな面白いゲームと思い込んで遊んでしまうが、移動ルールがよく分からず頭を抱える。第11巻に登場。作品上のゲーム名は「BACTICS-II」。
焔自身も先輩の影響を受けたからか後にバックギャモンを購入する。
書誌情報
- 島本和彦 『アオイホノオ』 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉、既刊29巻(2023年11月10日現在)
- 2008年2月10日初版発行(2008年2月5日発売)、ISBN 978-4-09-151268-0
- 2009年5月16日初版発行(2009年5月11日発売)、ISBN 978-4-09-121650-2
- 2009年12月17日初版発行(2009年12月12日発売)、ISBN 978-4-09-122109-4
- 2010年6月16日初版発行(2010年6月11日発売)、ISBN 978-4-09-122389-0
- 2010年11月17日初版発行(2010年11月12日発売)、ISBN 978-4-09-122578-8
- 2011年6月10日発売、ISBN 978-4-09-122828-4
- 2011年11月11日発売、ISBN 978-4-09-123278-6
- 2012年5月11日発売、ISBN 978-4-09-123249-6
- 2012年11月12日発売、ISBN 978-4-09-123880-1
- 2013年6月12日発売、ISBN 978-4-09-124257-0
- 2013年12月12日発売、ISBN 978-4-09-124440-6
- 2014年7月11日発売、ISBN 978-4-09-125126-8
- 2015年1月9日発売、ISBN 978-4-09-125517-4
- 2015年7月10日発売、ISBN 978-4-09-126254-7
- 2016年5月12日発売、ISBN 978-4-09-127249-2
- 2016年10月12日発売、ISBN 978-4-09-127435-9
- 2017年5月12日発売、ISBN 978-4-09-127623-0
- 「被害者の会小冊子付特別版」 同日発売、ISBN 978-4-09-941891-5
- 2017年11月10日発売、ISBN 978-4-09-128014-5
- 「『炎の転校生』完全新作読み切り小冊子付き特別版」 同日発売、ISBN 978-4-09-943001-6
- 2018年5月11日発売、ISBN 978-4-09-128288-0
- 2018年12月12日発売、ISBN 978-4-09-128725-0
- 2019年7月12日発売、ISBN 978-4-09-129346-6
- 2019年12月12日発売、ISBN 978-4-09-129524-8
- 2020年6月12日発売、ISBN 978-4-09-850138-0
- 2020年12月11日発売、ISBN 978-4-09-850345-2
- 2021年8月11日発売、ISBN 978-4-09-850680-4
- 2022年3月11日発売、ISBN 978-4-09-851015-3
- 2022年8月10日発売、ISBN 978-4-09-851269-0
- 2023年5月12日発売、ISBN 978-4-09-852052-7
- 2023年11月10日発売、ISBN 978-4-09-853028-1
- 「被害者の会小冊子付特別版」 同日発売、ISBN 978-4-09-941891-5
- 「『炎の転校生』完全新作読み切り小冊子付き特別版」 同日発売、ISBN 978-4-09-943001-6
テレビドラマ
2014年7月19日から9月27日まで毎週土曜日0:12 - 0:52(金曜日深夜)に、テレビ東京系の「ドラマ24」で放送。柳楽優弥の地上波連続テレビドラマ初主演作であり、初めてコメディに挑戦した作品である。監督・脚本は『勇者ヨシヒコと魔王の城』・『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』を手掛けた福田雄一が担当する。福田は、同作者の『逆境ナイン』の脚本を担当し、本作の放送1か月前に公開された『女子ーズ』でも、監督・脚本を福田、キャラクターデザインを島本が担当している。
ドラマでは、原作の舞台のモデルである「大阪芸術大学」が実名で登場し、一部のシーンでロケ地として使用されている。この他公式サイトでは岡田斗司夫が各話ごとに現実との細かい差異や当時の世相を語る「アオイホノオ11のひみつ」 を掲載している。
最終回では連載中の原作を追い越し、焔が『週刊少年サンデー』の新人賞を受賞しプロデビューする。学生時代のシーン最後に登場するバイク屋の店主の台詞は、原作者である島本がこのドラマのラストにふさわしいと考案したものだったが、その後福田のキャスティングによって島本本人がその店主役を熱演することとなった。
なお、ブルーレイ・DVD版では、第2話、第5話、第7話、第8話、第11話のディレクターズカット完全版が収録となる。
本項目では日時表記を日本標準時で記載し、提出された出典内容や公式サイトで表示されている内容とは異なる。
キャスト
詳細な人物説明は原作項目を参照。本項では簡単な続柄を記載。役名は公式HPより引用。
大阪芸術大学バドミントン部
大阪芸術大学
のちに「新世紀エヴァンゲリオン」などを制作
ワンダーマスミ
その他
ゲスト
複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
第1話
第2話
第5話
第7話
第10話
第11話
声の出演
キャラクター名(役名)
作品名
作者名
キャスト名(声優名)
出演話
備考
新見 克也
『ナイン』
あだち充
古谷徹
第1話第6話
中尾 百合
鶴ひろみ
第1話
ハーロック
『宇宙海賊キャプテンハーロック』
松本零士
井上真樹夫
第2話
星野 鉄郎
『銀河鉄道999』
野沢雅子
第4話
メーテル
池田昌子
フライヤ
松尾佳子
青年
安原義人
矢吹 丈
『あしたのジョー』
原作:高森朝雄作画:ちばてつや
あおい輝彦
白木 葉子
牛田裕子
沖田 十三
『宇宙戦艦ヤマト』
松本零士
山寺宏一
第6話
その他・キャラクター名なし
田中亮一
置鮎龍太郎
小川慎太郎
千葉俊哉
第6話第7話
川上晃二
第6話第7話第8話
土方 竜
『宇宙戦艦ヤマト2』
松本零士
山寺宏一
第7話
古代 進
若松 真人
『みゆき』
あだち充
鳥海勝美
第7話第8話
剣崎順
『リングにかけろ』
車田正美
置鮎龍太郎
第8話
星野明日香
『さよなら三角』
原秀則
牛田裕子
大山昇太
『男おいどん』
松本零士
山口勝平
第10話
スタッフ
- 原作 - 島本和彦『アオイホノオ』(小学館「ゲッサン」連載中 / 小学館)
- 脚本・監督 - 福田雄一
- 音楽 - 瀬川英史
- オープニングテーマ - ウルフルズ「あーだこーだそーだ!」(ワーナーミュージック・ジャパン)
- エンディングテーマ - 柴咲コウ「蒼い星」(ビクター / カラフルレコーズ)
- ナレーション - 古谷徹
- 助監督 - 井手上拓哉
- 総作画監督 - 一本木蛮
- 作画チーフ - 李基成
- オープニングタイトル - 本郷伸明
- ロゴデザイン - ベイブリッジ・スタジオ
- スタント・アクションコーディネーター - 出口正義、田渕景也
- スタント - 雲雀大輔、荒川真、高嶋宏一郎、帯金伸行、坂手透浩
- 時代考証 - 玉井桂一
- 特別協力 - 小学館、大阪芸術大学、円谷プロダクション、手塚プロダクション、石森プロ、さいとう・プロダクション、GAINAX、玉井桂一、GroundWorks、ZERO GOODS UNIVERSE、増永計介
- 友情協力 - カラー
- ブレーン - 酒井健作
- チーフプロデューサー - 中川順平(テレビ東京)
- プロデューサー - 山鹿達也(テレビ東京) / 武藤大司、鈴木仁行、原田耕治、増田悟司
- ラインプロデューサー - 鈴木大造
- アシスタントプロデューサー - 田辺勇人、河瀬知
- 制作協力 - レスパスフィルム
- 製作 - テレビ東京、電通
- 製作著作 - 「アオイホノオ」製作委員会
テレビドラマ版の評価
放送後、ギャラクシー賞テレビ部門9月度月間賞に選出されている。
雑誌『エンタミクス』が2015年1月号で発表した「掘り出しエンタRANKING2014」ではテレビドラマ部門の1位に選ばれた。
前述のギャラクシー賞テレビ部門9月度月間賞に選出されたことを受け、2014年度年間特別賞として、テレビ東京からスタッフに感謝状が送られた。
2015年8月29日に鳥取県米子市で実施された、第54回日本SF大会”米魂”の星雲賞で自由部門を受賞した。選定理由は、「初めて『SFファンダム史』をテーマにした作品であり、史実をベースにしたフィクションドラマ」。
東京ドラマアウォード2015において、連続ドラマ部門・優秀賞を受賞。
放送日程
ネット局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送期間・曜日・時間 | |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | テレビ東京 【制作局】 |
テレビ東京系列 | 2014年7月19日 - 9月27日 | 土曜日 0:12 - 0:52 |
北海道 | テレビ北海道 | |||
愛知県 | テレビ愛知 | |||
岡山県・香川県 | テレビせとうち | |||
福岡県 | TVQ九州放送 | |||
大阪府 | テレビ大阪 | 2014年7月21日 - 9月29日 | 月曜日 23:58 - 翌0:40 | |
奈良県 | 奈良テレビ | JAITS | 2014年7月26日 - 10月4日 | 土曜日 0:30 - 1:05 |
長野県 | 信越放送 | TBS系列 | 土曜日 0:50 - 1:30 | |
福島県 | 福島中央テレビ | 日本テレビ系列 | 2014年8月1日 - 10月10日 | 金曜日 1:29 - 2:09 |
和歌山県 | テレビ和歌山 | JAITS | 2014年8月3日 - 10月12日 | 日曜日 0:00 - 0:40 |
鹿児島県 | 鹿児島放送 | テレビ朝日系列 | 日曜日 1:45 - 2:25 | |
新潟県 | テレビ新潟 | 日本テレビ系列 | 2014年8月3日 - 10月19日 | 日曜日 1:25 - 2:05 |
山形県 | テレビユー山形 | TBS系列 | 2014年8月16日 - 10月25日 | 土曜日 0:50 - 1:30 |
石川県 | 北陸放送 | 2014年8月19日 - 10月28日 | 火曜日 1:13 - 1:53 | |
熊本県 | くまもと県民テレビ | 日本テレビ系列 | 2014年9月14日 - 11月23日 | 日曜日 1:00 - 1:40 |
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ | 2014年9月20日 - 11月29日 | 土曜日 2:25 - 3:05 | |
岩手県 | IBC岩手放送 | TBS系列 | 2014年10月4日 - 12月13日 | 土曜日 0:55 - 1:35 |
滋賀県 | びわ湖放送 | JAITS | 2014年10月6日 - 12月15日 | 月曜日 23:58 - 翌0:40 |
日本全域 | BSジャパン | テレビ東京系列 BSデジタル放送 |
2014年10月6日 - 12月22日 | 月曜日 0:00 - 0:35 |
富山県 | チューリップテレビ | TBS系列 | 2014年10月16日 - 12月25日 | 木曜日 0:38 - 1:18 |
青森県 | 青森テレビ | 2015年1月24日 - 4月4日 | 土曜日 0:20 - 1:00 |
関連作品
『今日から俺は!!』
『逆境ナイン』
テレビ東京系 ドラマ24 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
リバースエッジ 大川端探偵社
(2014年4月19日 - 2014年7月12日) |
アオイホノオ
(2014年7月19日 - 2014年9月27日) |
玉川区役所 OF THE DEAD
(2014年10月4日 - 2014年12月20日) |