アトムの最後
主人公の属性:ロボット,
以下はWikipediaより引用
要約
『アトムの最後』(アトムのさいご)は、別冊少年マガジン(現・月刊少年マガジン)1970年7月号(講談社)に掲載された手塚治虫の漫画作品である。
概要
鉄腕アトムの後日譚的内容の作品であり、題名の通り「アトムの最後」をテーマとしている。作品内容も1976年の朝日ソノラマの単行本において、作者自ら「陰惨でいやな気分になる」と記述したように殺伐とした悲劇として描かれあまりにも救いのない内容に賛否分かれるが、一部では高い評価を得た作品である。
ただし、本作ではアトムの存在は脇に置かれており、主人公の丈夫とガールフレンドのジュリーの間に起きた悲劇が物語の主軸となっている。
内容
主人公の青年・丈夫は、幼い頃、隣に住む少女ジュリー(壽理)と遊んでいた際、子供故の無邪気さから来る残酷な遊びで彼女に瀕死の重傷を負わせてしまう。その後ジュリーが家出したと聞いた丈夫は、両親の言いつけを破り夜の街へとジュリーを探しに行くが、暗闇の中、両親から与えられていた銃でジュリーの母親を誤って撃ってしまい、その際ジュリーの母親がロボットであることを知ってしまうが、その事を自分だけの秘密として誰にも言わずにいた。
それから時は流れ、無事保護され美しく成長したジュリーと再会した丈夫は、互いに好意を持ち愛を育むようになっていった。だがある日、それまでの生活がすべて偽りだった事を知ってしまう。実はジュリーの母親同様丈夫の両親もロボットであり、親としての優しさは偽りで、丈夫に対する愛情など微塵もなく、ただ単に自分たちの娯楽である殺し合いの道具として育てていた。
近未来、地球は環境汚染が進んだために人類の数が激減し、それに替わってロボットが支配する世界となっていた。貯蔵所に保存してある精子と卵子を人工授精させ、人工子宮で培養されて産まれた人間の子供をロボットの親が育て、ある年齢まで成長すると育てた子供同士で殺し合いをさせ、それを娯楽として楽しむ世界。この世界では、人間は単にロボット達の家畜であり見世物であり、そして殺し合いの道具でしかない。両親が子供の丈夫に銃を与えたのも、銃の扱いを覚えさせて将来の殺し合いに備えるためであった。
真実を知った丈夫はやがて闘技場に送られるが、殺し合いの見世物となる事を拒否。ジュリーの母親と闘技場のロボットたちを破壊し、ジュリーを連れて脱走する。そしてジュリーと共にロボット博物館に向かい、そこに保存展示されていたアトムにエネルギーを与えて甦らせるとそれまでの事情を話し、それを聞いたアトムは2人を無人島へ連れて行く。
事情を知ったアトムは2人を助け追手と戦う事を決意し、丈夫にとって衝撃的な真実を言い残して追手の元へ飛んでいく。実はジュリーは人間ではなくロボットだった。裏切られた嘆きと怒りの感情に任せ、たとえロボットでも人間と変わらないと訴えるジュリーを丈夫は破壊してしまう。狼狽する彼に、追手のロボットたちは更に残酷な真実を突き付ける。丈夫とジュリーはもともと娯楽の殺し合いの相手として育てられていた。そして幼い頃、丈夫は首吊りごっこと称した戯れの末、ジュリーを死に追いやってしまった。そしてジュリーの死体は密かに処分されてロボットの替え玉にすり替えられていたのである。ジュリーを二度殺したと涙ながらに開き直った丈夫は、空から飛来した追手のロボットたちに立ちはだかるもののあえなく殺されてしまう。
丈夫を殺し、追手が去った空の向こうでは、二人の最後を知らないアトムが戦い続けていた。
劇場作品
『ASTRO BOY 鉄腕アトム特別編 輝ける地球(ほし)〜あなたは青く、美しい…〜』
2004年2月7日公開。京都駅ビル「KYOTO手塚治虫ワールド」内300インチシアターで上映された、「ASTRO BOY 鉄腕アトム」の劇場作品。キャラクターやストーリー展開は変更されているが「環境破壊の末にロボットに支配された未来の地球」や「役目を終え博物館に眠るアトム」といった「アトムの最後」の要素を基にしている。
ストーリー
スタッフ
- 監督:出崎統
- 脚本:森田真由美
- 演出:桑原智
- 作画監督:西田正義
- 美術監督:斎藤雅巳
- 色彩設計:川添恵
キャスト
- アトム:津村まこと
- ガイア:鶴ひろみ
- ウラン:丸山美紀
- ティコ:横山智佐
- 飯田橋博士:阪脩
- プルトスの声:園部啓一