アバンチュリエ
以下はWikipediaより引用
要約
『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』(A STORY OF ARSENE LUPIN AVENTURiER)は、森田崇による日本の漫画作品。モーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズの漫画化。講談社『イブニング』にて、『アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン』として2011年から2013年に連載。その後、ヒーローズ『月刊ヒーローズ』にて、『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』と改題して2013年から2016年に連載。2020年より、単話電子書籍として新章が月2回更新の予定で公開開始。
概要
ベル・エポック(良き時代)と呼ばれる1900年前後のフランスを舞台に、怪盗ルパンの冒険譚を描いた、モーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズを原作とした漫画化である。タイトルの「アバンチュリエ(aventurier)」とはフランス語で「冒険者」、「山師」を意味し、原作小説では「怪盗紳士(gentleman-cambrioleur)」と並んで、ルパンが自称する言葉の一つである。
講談社『イブニング』にて、『アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン』として2011年3号より2013年2号まで連載。一旦はイブニング側から終了を宣告されるも、作者が自身のツイッターを通して早めにそのことを告知、移籍先を探したことが功を奏し、『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』と改題の上ヒーローズ『月刊ヒーローズ』へと移籍し、2013年4月号から2016年4月号にかけて連載された。
単行本は、イブニング連載分が『アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン』として全5巻を刊行。この5冊分は、後に『怪盗ルパン伝アバンチュリエ 登場編(上/下)』として、書下ろしを加えて、ヒーローズより刊行。ヒーローズ連載分が5巻まで刊行。
奇巌城編完結以降は連載が休止していたが、2018年2月11日に作者のTwitterにおいて、ヒーローズでの連載が終了したことを正式に告知。今後の連載再開のための媒体を再び募集するとともに、出版社を介さずに任意団体「ルパン帝国再誕計画」によるKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)で電子書籍による著者再編集版の単行本刊行を開始した。なお、KDPによる収入は当初の3か月半で360万円だったがこの数字は紙の単行本600円・印税1割なら6万部売れたときに相当し、作者は電子出版に関するイベントにおいて「今、最も現実的な実入りがあるのはKindleによる収入」「収益面を考えると、出版社は不要と感じた」と述べている。
2020年6月2日より、新シリーズ「813」編が単話電子書籍として配信開始。月2回更新でKDPにて3か月独占公開の後、他電子書籍サイトへ配信される予定。前書きにもある通り、ルパンが「奇巌城」から「813」まで劇中世界で姿を消していた期間と同じ4年を経ての再開となる。2021年3月にはぴあより、813上巻の紙の単行本が発売。
フランス語版が、『ARSÈNE LUPIN L'AVENTURIER』のタイトルで、Kurokawa(フランス語版)より刊行されている。2017年1月現在、ヒーローズ版1〜5巻まで刊行。
単行本
原作は、モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズ。なお原作小説の名称は、出版社の翻訳により揺れがあるため、ヒーローズ版1巻の巻末解説の表記とした。著者再編集版では収録順を原作通りに戻し、各章後の1ページに後書き代わりの解説コラムを加筆している。
【講談社刊行分】
アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン(1)
アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン(2)
アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン(3)
アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン(4)
アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン(5)
【講談社刊行分の改訂増補版/ヒーローズ刊行分】
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ《登場編》(上)『怪盗紳士』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ《登場編》(下)『金髪婦人』
※「黒真珠」(『怪盗紳士ルパン』収録作品)は本書のための書下ろし。
【ヒーローズ刊行分】
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(1)『公妃の宝冠』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(2)『ユダヤのランプ』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(3)『奇巌城・上』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(4)『奇巌城・中』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(5)『奇巌城・下』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ(5)『奇巌城・下』
【著者再編集版】(電子書籍)
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(1)『怪盗紳士ルパン・上』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(2)『怪盗紳士ルパン・中』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(3)『怪盗紳士ルパン・下』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(4)『怪盗対名探偵―金髪婦人・上』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(5)『怪盗対名探偵―金髪婦人・下』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(6)『公妃の宝冠』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(7)『怪盗対名探偵―ユダヤのランプ』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(8)『奇巌城・上』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(9)『奇巌城・中』
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ【著者再編集版】(10)『奇巌城・下』
【ぴあ刊行分】
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ 813 (上)
登場人物
※「声」は「kindle版PV/モーションコミック」のもの。1名のみの場合は、kindle版PVでのキャストを示す
ルパン一味
アルセーヌ・ルパン
声 - 河本啓佑/細谷佳正
世間にその名を知られる怪盗。変装の名人で幾つもの顔を持っており、金持ちや貴族のみを相手に盗みを行う怪盗紳士。芸術家であり、同時にいたずら好きの側面も持ち合わせる陽気な劇場型犯罪者であるが、反面自制が効かぬ虚栄心と自惚れの塊という「心の闇」の持ち主でもある。物理的なトリックよりも相手の心の盲点を突く心理トリックが得意。裏の顔を隠して、変装して多くの人々と友人となっている。
また女性に対する魅力(というより魔力)もあり、時に女性の方から進んで身をゆだね、犯罪に協力までする。だが、同時に彼女たちには弱く見捨てることができず、彼女たちのためなら自首も辞さない。それ故にガニマールは「女がルパンの唯一の弱点」と評している。なお、一見「守備範囲」が広いように見えるが、本気で愛するのは「名もなく貧しく美しい」母アンリエット(後述)に似たタイプに限定されている。しかし、彼が本気で愛した女性はいずれもアンリエットの運命をなぞるように悲劇的な末路を辿っている。
ルパンの両親は実直で誠実で勤勉な善人だったが、ブルジョワが専横を極めた「ベル・エポック」時代のフランス格差社会で、その実直も誠実も勤勉も認められることも報われることなく貧窮のうちに死んでいった。以来ルパンは格差社会全般への復讐として、ブルジョワを利するだけの法律に挑み、ブルジョワを狙い撃ちにした盗みを繰り返すようになった。
母方のいとこにベルナール・ダンドレジーがいる。
ビクトワール
パリ警視庁・司法当局関係者
ジュスタン・ガニマール
声 - 小室正幸/大林隆介
パリ警視庁の老主任警部。ルパンの奸智に対抗できる数少ない人間の一人。ルパンと聞けば世界中どこでも飛び回る。実直な性格だが、それゆえに名探偵に不可欠な「ひらめき」に欠け、ルパンに翻弄されることも多い。地道な調査と根気良さで多くの実績を上げてきた名警部だが、ルパンには何度も出し抜かれた結果、上層部からは「何を見ても「ルパンの仕業」と騒ぐ少しおかしい奴」とみなされることもあり、彼の活躍を疎む者からは煙たがられることも多い。
「権力の庇護からは阻害されているが自由で、若く聡明だが傲慢な」ルパンとは対照的に、「老いて愚鈍で実直で、権力の庇護そのものだが自由はない」キャラクター。
「公妃の宝冠」編原作では出版社の事情によりゲルシャール警部という名前だったが、本作では本来のガニマールという名で登場している。
ジュール・ブヴィエ
ルパンに関わるヒロインたち
ネリー・アンダダウン
ソニア・クリチノーフ
その他の人物
ハーロック・ショームズ
声 - 小室正幸
世界一の名探偵。イギリス人。ルパンと再三対決する。モデルはシャーロック・ホームズ。原作の「エルロック・ショルメ(Herlock Sholmès:シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)のアナグラム)」の英語読みを採用している。
ルパンより年長で「本家」に勝るとも劣らぬ知性の持ち主だが、反面「本家」以上に傲慢で傍若無人な性格。
原作のショルメは口ひげをたくわえていることが描写されているが、このシリーズのショームズには口ひげは無い。本作ではファンタジー作品の亜人種のような尖った耳を持つ。
ルパンシリーズの現行邦訳ではすべてシャーロック・ホームズとされているが、このシリーズでは敢えて、読者がホームズと思えばそう思って読んでくれれば良いし、ホームズとは別の人間と思うならばそう思ってもらいたいとの立場から、ホームズとはしなかった。(作者直話より)
なお、ショームズとは別に劇中における探偵小説の登場人物として「シャーロック・ホームズ」の名が挙がるシーンもいくつか存在する。
イジドール・ボートルレ
ヴィルヘルム二世