アライブ-最終進化的少年-
漫画
原作・原案など:河島正,
作画:あだちとか,
出版社:講談社,
掲載誌:月刊少年マガジン,
レーベル:講談社コミックス月刊マガジン,
発表期間:2003年,2010年,
巻数:全21巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『アライブ-最終進化的少年-』(アライブ さいしゅうしんかてきしょうねん)は、原作河島正、作画あだちとかによる日本の漫画作品。単行本は、全21巻。
講談社の漫画雑誌『月刊少年マガジン』2003年5月号から2010年3月号まで連載された。
「もしも荒れ狂う現代人が特殊な超能力を持ったらという設定を中心に現代人の狂気的な本能を描くSF作品。
ストーリー
第一部(1巻 - 9巻)
ある日、太輔は「何か」が自分の中に落ちて来たのを感じる。そのときは気のせいとやりすごすが、その日の帰宅途中、自分の目の前に笑顔の少女が飛び降りて来て自殺した。「自殺」……それを一瞬、羨ましいと感じてしまった太輔は大きく戸惑う。さらに自分の周りだけでなく、日本全国、世界各国で、ときを同じくして自殺者が相次いでいることを知り、動揺する。後に<悪夢の一週間>と呼ばれる日々の始まりだった。
第二部(10巻 - 21巻)
そんな2人の不安を壊す出来事が起こる。勇太の学校に転校してきた手塚葵。彼女は勇太に太輔が生きているということを伝えた。太輔が生きていることを知った勇太と奈美は葵の家族と出会う。一方、在日米軍が不穏な動きを開始していた。ハルの死をきっかけに絶望と罪悪感に打ちひしがれていた雨宮記者は在日米軍の密告者と出会い、米軍の計画を知る。それは"Living Rock"を利用した極秘軍事プロジェクトだった。その岩は、かつて太輔が広瀬と共に葬ったはずの、あのアクロの心臓であった。
登場人物
主要人物
叶 太輔(かのう たいすけ)
本編の主人公。東京出身。第一部では16歳の高校一年生。第二部では18歳。広瀬雄一、落合恵とは幼馴染である。
身長は173cmで体重は67kg。
1、3、7、9、11、14、15、19、21巻の表紙を飾っている。但し、単独ではなく、常に複数の誰かと書き下ろされている。新装版第一巻では単独で表紙となる
幼い頃に両親を交通事故で亡くして以来、年の離れた姉と二人暮らし。両親の死に同乗していた自身の落とした缶ジュースが関係しており、その事が深い心の傷になっている。口喧嘩こそが絶えないが恵とは相思相愛で互いを案じている。事故当時に荒れていた自身を救った広瀬に友情と尊敬の念を抱いていたが、能力者として覚醒以後は愛憎もつれる関係へと変貌、一部終盤の決戦をきっかけに修復不能が決定的になる。
基本的に単純明快、暴力に奔るが故に誤解されやすいが、本来は人懐っこく面倒見の良い好青年。結構、天然ボケ。自己犠牲に奔りがち、上記の過去故か一人で悩みを抱え込みやすく、死に急ぎがちな所を周囲に案じられている。女心には鈍く、空気がかなり読めない。意外に女性にはモテる。
姉仕込か家事全般が万能で特に料理はプロ級。勉強は不得手で高校受験では恵と広瀬にかなり迷惑をかけていた様。
自殺ウイルスが地球に飛来したことで始まった、<悪夢の一週間>を経て、異常な身体能力と共に能力に目覚めるが、能力者ながら互いを感知しあう事ができない、過去のトラウマ故に“アクロの心臓”に魅入られる事のない、”心臓”の器たりうる者。失敗作=特種と呼ばれる存在(御霊いわく更なる進化の可能性を秘めた小さきもの)。
勝又には、脅威であると同時に広瀬が”器”として崩壊した場合のスペアとして見出されていた。
恵と広瀬を連れ戻す為、旅に出奔。その過程で協力者を募りつつ、北へと向かう。第一部終盤、広瀬と共に溶岩の中に消え、消息不明となった。
第二部序盤において記憶を喪失、手塚一家と共に暮らしていた。“アクロの心臓”を封印する為の生贄として一家に匿われていたが、深い絆と信頼関係を育む。記憶喪失の間、純に稽古をつけて貰い、体術を会得している。“心臓”をめぐる米軍特殊部隊との攻防の末、偶然にも恵と再会。後に御霊にダンの“心臓の欠片”を一時的に借り受ける。最終決戦での死闘の末、左腕の喪失と”心臓の欠片”を返還した事で一時生死を彷徨う。
五年後には料理人を目指して修行中、アパートで一人暮らしをしている。一見、平穏な日々に充足しつつも広瀬の喪失による心の傷はいまだに癒えていない様。
単行本巻末の収録漫画では、作者にネタ切れする度に殺される不憫な役回りが多い。
苗字の「叶」の由来は叶姉妹(本当は金田になる筈だったが、編集者から没にされ、悩んでいたところその日につけたテレビに叶姉妹が出ていたため)。
熱(再生と死滅)
触れた物は鉄すら溶かす高熱を発する超常の能力。彼の本来の力は「再生と死滅」であり、細胞組織自体を破壊し、能力者の治癒能力すらも無効にする。それに気づいたのは第一部終盤であり、それまでは『熱』というサブの力になっている。尚、熱の能力は現在でも使用しようと思えばいつでも使用できる。
また能力を使えるようになった直後は熱を伝えられるのは触れたもののみだったが第一部の終盤で遠距離にも『熱』を伝えられるようになるが、『熱』によるダメージも上記の危険性から対人戦闘ではめったに使わない。
再生の力は仮死状態の人間ですら回復させ、サブの熱の力ですら湖を蒸発させるほどの強力な力だが、能力者は普通の人間よりも回復力が高い点、攻撃に回るときは相手を殺してしまう危険性が高い点から、劇中での使用頻度は他の能力者の能力に比べ極端に少なかった。
能力覚醒の切っ掛けとなった「心の穴」とは両親の交通事故に起因する深い罪悪感のよう。
落合 恵(おちあい めぐみ)
太輔と広瀬の幼馴染で物語のヒロイン的存在。通称は「メグ」。口喧嘩こそ絶えないが、誤解されがちな太輔を案じ互いに相思相愛の間柄。
1、38、13、18、19、21巻の表紙を飾っている。
ショートヘアの可愛らしい少女。第二部では幼少期より短かった髪がゆるふわ系の柔かく波打つロングヘアになり、その小柄で華奢な体型と相俟ってより女性的な風貌となっている。
正義感が強く勝気だが年相応に脆い一面もある。また意外に天然。幼い頃から太輔共々、学校内で孤立しがちな広瀬をよく気遣っていたが、広瀬が自分に思慕の念を抱いている事には気付いていなかった様。太輔とは精神的にも特に強く結びつき、勝又の洗脳ですら彼への思いが消える事は無かった。
”集団自殺騒動”以後、広瀬に連れ去られ軟禁状態となる。幾度となく、脱出を図るが失敗。気丈に振舞っていたが、広瀬の狂気に徐々に追い詰められていく。第一部終盤の決戦で一時保護されたものの、勝又に連行、再び消息不明となる。
第二部では、勝又と御霊と共にNYのアパートメントで“勝又一派”の能力者と同居。彼らの面倒を見つつ、市内の飲食店でバイト中。能力者では難しい御霊の養育に豊かな母性と惜しみない情を傾け、身勝手な彼女の言動を唯一諌める事ができる存在。勝又の洗脳によって「御霊を最優先にする事」と自身の軟禁、広瀬に関する記憶を都合のいい様に改竄されていた。勝又にとっては、“アクロの心臓”=広瀬の制御と御霊の養育の為に必要な存在だった。
“アクロの心臓”覚醒に関係する存在と見なされ、米軍特殊部隊に狙われている。第一部に比べある程度の自由が利くとはいえ、これらの事情から実質軟禁状態だった。御霊と共に、米国を出国。偶然再会した太輔と共に日本帰国後は、雨宮の借りる一軒家に匿われる。太輔と行動を共にしている、奈美に若干嫉妬を覚えていた様。
第二部の最終決戦時には、導かれる様に御霊と共に“始まりの地”=在籍している高校へ向かい、遂に記憶を取り戻す。育んだ情ゆえに「御霊を一人にさせては置けない」という理由で彼女についていこうとするが、「例え苦しくても御霊(個人)が御霊(個人)でいられる今の世界が好き」という恵の考えが物語終盤の結末を大きく左右した。
五年後には看護師として勤務。太輔とは実質、同棲同然で彼の住むアパートに出入りしている。太輔同様、御霊と広瀬の喪失、彼による自身の軟禁に対して心の整理は付いていない様。
第一部では勝又による洗脳を自力で解き、同居していたハンが姿を変えるのを相手固有の歩く際の癖で看破する等、洞察力と意思の強さは高い。
絵が致命的に下手だが自覚はない。但し巻末の収録漫画によると彫刻が得意な事が判明。軟禁中に身に着けていたワンピースやドレス等の女性的な衣装の多くは、勝又の趣味であることが発覚している。
瀧沢 勇太(たきざわ ゆうた)
第一部では9歳の小学三年生。第二部では小学五年生。埼玉県出身。
2、3、7、10、14、15巻の表紙を飾る。新装版第二巻で単独で表紙を飾る。
<悪夢の一週間>の最中、共に自殺ウイルスに感染した母の自殺を目の当たりにした結果能力に目覚める。この際、実の父親から化け物として突き放された。この過酷な経験からか、妙に大人びていて冷静。作中では最も常識人かつ現実主義者。成長するにつれて、腹黒い面も除かせる。
広瀬と由良を除けば、ヒッチハイク中だった太輔に接触した最初の能力者。太輔の居るサービスエリアごと自身の能力で封鎖したものの、彼に内心の孤独を見抜かれて以後、心を開く。太輔の旅の目的を知り、勝手に同伴を決め込んだという結果的に意図せずに得た最初の”仲間”。
ボケる事が多い太輔にツッコむ事も多い。能力者としての自覚に欠ける彼に助言を度々するが、太輔の特異性を早い段階で見抜く。第一部終盤の決戦で恵を託されるが、勝又に強奪された事と結果的に太輔を見捨てた後悔に苛まれる。
第二部現在、能力を得た副産物として身体能力が向上。スポーツ万能で大人びた言動から同級生の女子に人気がある。母方の祖父母に引き取られ、太輔の家の近くに住んでいる。能力覚醒における亀裂から父親とは疎遠。
同じクラスに転入してきた手塚葵との接触から太輔と再会。“アクロの心臓”を廻る戦いに加わり、太輔のサポートに徹する。葵とは衝突が絶えなかったが、母の死に心を閉ざした彼女を気遣い、互いを意識しつつある。第二部の最終決戦に参戦。自分達を苦しめ続けた広瀬の幼稚さに呆然とする。
五年後、母方の祖父母の実家で同居しつつ都内の高校へ進学。葵と互いを意識しつつも、進展はしていない様。太輔と広瀬、恵という三人の報われない結末に立ち会った事で、喧嘩は絶えないものの父親と関係修復に努めている。
楠 奈美(くすのき なみ)
15歳の中学三年生。第二部では女子高に通学する高校二年生。岩手県盛岡市出身。弟を殺害した“赤毛の女”の手掛かりを追って太輔と旅をする少女。
4、7、10、14、18巻の表紙を飾っている。4巻は単独掲載。新装版第三巻では単独で表紙を飾る。
<悪夢の一週間>の最中、弟を目の前で喪失した復讐心から能力を得た。実家が護身術の道場で、その三代目となるべく幼少の頃より武術を嗜んでいる。能力と武術と併用して戦うため、戦闘力は作中でも最も高い。厳格なものの両親に溺愛されて育つ、いわゆる箱入り娘。
黒髪直毛のロングヘア、大人びた顔たち、豊満な胸というモデル並の体型という端麗な容姿。ただし料理だけは致命的な腕前で「生物兵器」と称されている。
登場当初は、能力者すべてを憎悪。頑なで攻撃性と排他的な面を剥き出しにしていた。太輔にも殺意を向けていたが、「死んでいい人間はいない」という彼の見解に動揺。利用するつもりで同伴していた彼等に愛着を覚えるようになる。
第一部の決戦で遂に“赤毛の女”=華音と由良と交戦。復讐心に溺れるままだったが、間近に迫る“死”に恐怖を感じた事で生き残る。勇太共々、撤退を選択した。
第二部現在、勇太同様、能力の副産物として身体能力が向上した影響で、スポーツ万能になり、後輩の憧れの的になっている。
再会後は太輔を一時実家に匿うなど、淡い恋心を育む。その一方で、太輔の心を独占する恵に複雑な思いを抱いており、二人の関係に割って入れない様。“アクロの心臓”を巡る攻防戦の最中、敵側の能力者や父親に動機を問われ、一時動揺したものの太輔を支える覚悟と結末を見届けると定める。
第二部の最終決戦で実質フラれたものの太輔に未練がある様で、髪型を恵に意識して似せている。大学卒業後は、東京に就職を決めている。又、上京の度に手塚一家の住むマンションに定宿代わりに利用している。
巻末の収録漫画では、太輔に告白しようとして度々失敗、亡くなった由紀恵に憑依されて死語を連発する等、散々な目にあっている。
御霊と勝又の一派
御霊(みたま)
”あの方”と呼ばれる存在。能力者同士の“湖の戦い”終結後、南米らしき密林の中で死亡した妊婦に宿っていた胎児の骸に宿った生命体。全ての能力者の根源であり、頂点に立つ存在。基本的に服を嫌い、パンツとシーツに包まった姿が常。
13、19巻の表紙を飾っている。
“アクロの心臓”を求めて勝又と共に行動しているが、彼に肩入れしている訳ではない。養育する恵には「タマちゃん」と呼ばれている。成長速度は異常で、生まれて二年しかたっていないにも関わらず、小学生程度の体格を持ち、身体はその成長に追いついていない。見た目こそは愛らしい少女だが、性格は純粋かつ残忍無垢。
心臓が還らない現状に業を煮やし、恵を伴い出奔。“アクロの心臓”=広瀬を取り戻す為に「彼のかつての友」である恵と太輔とともに雨宮の一軒家で同棲する中で、人間の営みを垣間見る。食べ物に対する好き嫌いはないようで、縁日のわた飴や焼きたての茄子に舌鼓を打つ。
その正体は地球とは異なる惑星で生み出された肉体から精神を分離して統合するプログラム。人はいまだ進化が可能と捉え、地球の住民の精神体をも一つに統合して宇宙に飛び立つ事こそが救いと考えている。
最終決戦において、太輔ら多くの能力者に拒絶された上、恵の想いに触れて考えを改める。全人類に広大な宇宙と御霊の記憶を見せた後、かつての惑星の仲間と広瀬の精神体を引き連れて新たな進化の旅へと向かった。
巻末の収録漫画では、NY在住時の勝又や同棲中の太輔に対して度々、暴力を振るっていたことが発覚。何故かタモリに拘っている。
勝又 重喜(かつまた しげき)
元刑事で、超常の力を持つ仲間のリーダー格。“心臓の欠片”保有者の一人。御霊の指令を受け、世界に何らかの変革をもたらそうとしている。
広瀬の心を開け放ち、己の得た力に戸惑う能力者達を見つけ、仲間に引き入れている。己が目的の為なら手段を問わず、脅威となる太輔を執拗にマーク。太輔ら幼馴染三人の絆を引き裂き修復不能にまで導いた張本人。自らの大儀の為に仲間すら切り捨てる非情さを持つ一方、想定外の事態に狼狽する事も多い。
第二部現在、ニューヨークで恵や御霊と共にマンションで暮らしている。
真の目的は、“アクロの心臓”を強力に仕立て上げ、肉体の限界を迎えた御霊にぶつけることで互いに対消滅をさせる事だった。想定外の事態に自分の考えが傲慢であったことに気づいた際、落ちてきた瓦礫に頭を潰され死亡。多くの人命を自らの為に踏み躙り、人の情を弄んだその結末は滑稽そのものだった。
少年犯罪に関わるうちに、ある種の虚無感を覚えていた内面が描写されている。第一部冒頭の時点で出産を控えている娘がいるが、家族のその後の安否は不明。
ジャン・レノの似顔絵を描いた原作者の河島正が「勝っつんのモデル」とコメントしていたところから、モデルはジャン・レノであるとされている。
梟(ふくろう)
広瀬 雄一(ひろせ ゆういち)
太輔の親友。通称「ヒロ」。気弱だったが能力者となった事で人格が豹変、幼馴染の恵を連れ去り軟禁。勝又と行動を共にする。
1、9、20、21巻の表紙を飾っている。20巻は単独掲載。
母子家庭でアパートに二人暮らし。
表向きは平和主義者。「人が嫌がる事はしたくない」理由で虐めに対する抵抗もなくそれが恐喝と暴行へと状況を悪化させている。覚醒後、常習犯だった上級生全員を虐殺。連行された警察で勝又の尋問のふりをした洗脳によって、内面の狂気を表層化していく。
温厚、意志薄弱で主体性がなく、実は幼稚で自尊心は相当強い。性格と小柄で端麗な容姿故か小学校から現在に至るまで虐めを受け孤立している。自らを常にかばう太輔への感謝と強い劣等感、加えて恵に対する慕情に苛まれている。母親の代替として恵に独占感情を向けるが、彼女に再三拒絶されたことで心に大きな闇が出来、それが彼の能力を暴走させることとなってしまう。
第一部終盤、太輔と共にマグマの中に消えたと思われたが、第二部で“アクロの心臓”と完全同化し、マグマの中で眠っていることが判明。米軍基地たるプラットホーム襲撃での戦闘で“アクロの心臓”として覚醒、由紀恵の”心臓の欠片”を強奪し消息を絶つ。以後はほぼ純粋な破壊衝動として、世界主要各国の都市を襲撃、甚大な被害をもたらす。
終盤で「かつての友」を求めて東京へ向かい太輔たちとの最終決戦を行うが敗北。精神体となって旅することを自ら御霊に志願し、悠久の時へと旅立った。
巻末の収録漫画では度々、腹黒い一面を覗かせている。
由良 匠(ゆら たくみ)
勝又一派の能力者。蓬髪つなぎ姿の芸術家。
6、8、15巻の表紙をかざっている。6巻は単独掲載、15巻は実質メイン。
太輔が最初に戦った能力者であり、彼の事は割と気に入っている為か助言することも多い。
独特の美学に基づき行動する浮世離れした男。観察力に長けている一方、他人から自分に対しての「評価」を恐れる人間らしい部分もある。第一部終盤“湖の戦い”で片腕を喪失したものの、“死”に対する恐怖から生き残った能力者の一人。絵がとても上手い。
第二部でNYを放浪中に恵と再会。米軍と交戦中だった太輔らに加勢する事で危機を救う。
「心臓を見る事」を求め、太輔ら手塚一家による米軍の海上基地襲撃に同行したが、D2に右胸を撃たれ、心臓に触れた後右腕を失い消滅。
回想の森尾と華音との対話シーンでは互いの内面に踏み込んだ会話をしており、彼らとの間に絆があった事が伺える。
インターミッションを含む複数の短編に出ており、作者のお気に入りの登場人物だったよう。
御館 華音(みたち かのん)
手塚家
手塚 由紀恵(てづか ゆきえ)
手塚兄弟の実の母親。年齢不詳の若々しい美女。“心臓の欠片”保有者の一人。
温厚柔和な人柄だが、能力を得るまでは育児放棄も同然の相当身勝手な人となりだった様。皮肉にも能力者として覚醒した事で、家庭を顧みるようになった。
第一部終盤の決戦で傷ついた太輔を保護。心臓の封印の為に彼を利用とするが、生活を共有するうちに親愛の情を抱いて苦悩している。七人の子供達は全員父親も国籍も違う。子供の中で葵と純の二人を能力者にしてしまったことを内心後悔している。
米軍基地襲撃時、“アクロの心臓”=広瀬を封印しようとするが、逆に自身の“心臓の欠片”を奪われた事で亡くなった。この際、広瀬を“母親”という立場から彼の行動を批判・牽制している。この事が最終決戦に大きく影響してくる。
手塚 怜(てづか れい)
手塚 杏(てづか あんず)
手塚 葵(てづか あおい)
手塚家の次女。勇太の人間性を見極めるために彼のクラスに転校して来た女の子。
ツインテール、金髪碧眼の美少女で兄弟で一番母親に似ている。誕生日に母から貰った靴をいつも履いている。勉強は一貫して不得手。
長らく同居していた太輔を「太兄」と呼び慕う故に、第一部終盤で敵前逃亡した勇太とは反目がしがちだったが距離を縮めつつある。父親は石倉という名前の日系アメリカ人らしい。好き嫌いの多い勇太とは対照的に好き嫌いが少ない。
母親の由紀恵に放置されて育った故に、彼女に複雑な思いを抱いている。米軍に囚われた際、そのトラウマを由紀恵にぶつけて拒絶。後に深く後悔している。
心臓との一件後は、都内の高校にスポーツ特待生として通っている。ハーフの美少女として学内でも人気がある様。
米国
マクファーソン
米軍の特殊部隊に所属する男。階級は一等軍曹。鼻がまるまる無いため、痩せた顔つきのように見える。“アクロの心臓”警護任務に就いている。
当初は徹底した合理主義に基づき、任務遂行の為に手段を厭わず、”詩人”を連れ出し、雨宮の暗殺及び“アクロの心臓”奪還に動く太輔ら能力者の捕獲を目論む。
海上の米軍基地プラットホームで太輔ら能力者と交戦。この際、太輔に「考える事を放棄している」と指摘された上に、敗北。D4を庇い重体になるが、その後意識を取り戻す。治療に際して、ホーナー博士のせいで手術の時に鼻をつけられてしまう。“アクロの心臓”暴走後はその危険を認識し、「密告者クレイ」としてレイン(雨宮)に軍の情報を流し続けている。
鼻が無くなったのは子どもの頃に父親に虐待を受けていた故。
D2(ディーツー)
D3(ディースリー)
D4(ディーフォー)
カイル・ホーナー
ワスプ上院議員
大佐
その他
叶 陽子(かのう ようこ)
雨宮 今日子(あまみや きょうこ)
週刊誌の熱血女性記者。ゴシップやオカルトを重視する編集方針に反発し、集団自殺に始まる一連の事件の真相を追う。貧乳がコンプレックス。
当初、集団自殺の最中に消息を絶った太輔を容疑者と見做していたが、“湖の決戦”における能力者同士の熾烈な戦いを目撃。自身が浅はかな覚悟だった事から、真実から一度は目を背ける。
第二部現在、米軍の密告者と接触したため、マクファーソンに襲撃されたものの、論のお陰で助かる。その過程で自宅及び勤務先を失った。
太輔達との再会を切っ掛けに、生き残った能力者の詳細、及び“アクロの心臓”の行方を調査。後に手塚一家とを手を組み、太輔と恵を保護し彼等を支える。米軍の密告者との会合シーンでは流暢な英語を披露。ネット内で探偵レインとして“アクロの心臓”に関する情報を収集していたが、その画像を奈美に書き換えられている。
東京を心臓が襲撃した時は世界中に現状を伝えるために、小田と共に最後までその場に留まり、最終決戦の結末に立ち会った。
心臓の一件後は小田と共に難民キャンプなどを取材している。
小田 正志(おだ まさし)
吹石 稜(ふきいし りょう)
小倉(おぐら)
橘 春花(たちばな はるか)
楠 悟(くすのき さとる)
用語
能力者
仲間
能力
アクロの心臓
心臓の欠片
悪夢の一週間
内なる欲求
単行本
- 原作河島正、作画あだちとか『アライブ-最終進化的少年-』 講談社〈KCGM〉 全21巻(新装版既刊6巻)
- 特装版 ISBN 978-4-06-362146-4
- 新装版
アニメ化
2008年にテレビアニメ化が発表されたが、アニメーション制作を担当するゴンゾが上場廃止となったことにより制作が停止、2010年に製作中止が発表された。 なお、同年に原作の河島正が死去している。