アンの夢の家
以下はWikipediaより引用
要約
『アンの夢の家』(原題:Anne's House of Dreams)は、カナダの作家L・M・モンゴメリが1917年に発表した『赤毛のアン』シリーズの第5作にあたる長編小説。前作の『アンの幸福』において、3年間のサマーサイド高校校長としての婚約時代を終えたアンとギルバートは晴れて結婚し、フォア・ウィンズという港村で所帯を持つ。そこで新たな隣人たちとの交流や、誕生と死を経験する。執筆順としては、第3作にあたる『アンの愛情』の次に書かれているため、時系列的に前作にあたる第4作『アンの幸福』でのレベッカ・デューなどの新登場人物は現れない。アンの25~27歳時を描いている。なお、アン・シリーズでは初めて電話が登場した。
登場人物
ブライス家
アン・ブライス
ギルバート・ブライス
ジェイムズ・マシュウ・ブライス
アヴォンリーの人々
グレン・セント・メアリー村
ジム・ボイド船長
ミス・コーネリア・ブライアント
マーシャル・エリオット
レスリー・ムーア
ディック・ムーア
ジョージ・ムーア
その他
あらすじ
アンはギルバートとグリーン・ゲイブルズで結婚式を挙げた。ギルバートは親戚のデイブ医師が引退するのに伴い、フォア・ウィンズ港のグレン・セントメアリ村で医師として開業する事になったのであった。ギルバートは小さな家を借りてきたが、それはアンの嗜好にぴったりした素晴らしい家であり、「夢の家」と名づけられた。アンは岬の灯台守のジム船長、近所のミス・コーネリアとマーシャル・エリオットなどの「ヨセフを知る一族」の人々と出会い、夢の家での生活を非常に気に入る。また、隣人の少女のようなレスリー・ムアと知り合った。彼女は、記憶を失って人事不省になっている、意に染まない結婚相手である夫を10年以上も面倒を見てきていた。レスリーもやがてアンに心を開いていく。ジム船長はそれまでの航海の手記である生活日誌を持っており、出版されるのが夢であった。アンはポールに頼みたかったが果たせず、代わりにミス・コーデリアの仲介でレスリーの家に下宿したオーウェンが船長の望みを叶えることになる。アンはやがて最初の子供を身篭るが、生まれてきた女の子はすぐに死んでしまい、アンは悲しみに暮れる。しかし翌年にジェムが無事に産まれた。そんな中、ギルバートはディック・ムアの症状を調べており、手術で回復の可能性があり、それをレスリーに告げるのは義務だと考えた。アンの反対にもかかわらず、レスリーはそれを伝えられ、手術を受けさせる決心をした。誰もが反対した手術だが、成功し、実はディックだと思われていたのは従兄弟のジョージだったということが判明した。ディックはすでに死亡したのだとジョージに告げられる。自由の身となったレスリーは、オーウェンとの愛を成就させる。やがてアンとギルバートは手狭になった夢の家に別れを告げる。
アン・シリーズ一覧
各タイトルは村岡花子訳に準拠する(『アンの想い出の日々』のみ、その孫である村岡美枝訳に準拠する)。通常、最初に上げられている9冊の本をアン・ブックスと呼ぶ。アン・ブックスをより狭い範囲に呼ぶ場合もあるが、9冊の本は、アンを主人公とするか準主人公とする「アンの物語」である。これに対し、追加の2冊は短編集で、「アンの物語」と同じ背景設定であるが、大部分の作品はアンとは直接に関係していない。アンが端役として登場したり、その名前が言及される短編もあるが、総じて、題名が示す通り、「アンの周囲の人々の物語」である。 なお、4冊目「アンの幸福」の原題はイギリス版とアメリカ版で異なり、イギリス版ではAnne of Windy Willows、アメリカ版ではAnne of Windy Poplarsで、内容も少し異なる。
書名 | 原題 | 出版年 | アンの年齢 | 物語の年代 |
---|---|---|---|---|
赤毛のアン | Anne of Green Gables | 1908 | 11〜16 | 1877〜1882 |
アンの青春 | Anne of Avonlea | 1909 | 16〜18 | 1882〜1884 |
アンの愛情 | Anne of the Island | 1915 | 18〜22 | 1884〜1888 |
アンの幸福 | Anne of Windy Willows | 1936 | 22〜25 | (1888〜1891) |
アンの夢の家 | Anne's House of Dreams | 1917 | 25〜27 | 1891〜1893 |
炉辺荘のアン | Anne of Ingleside | 1939 | 33〜39 | 1899〜1905 |
虹の谷のアン | Rainbow Valley | 1919 | 40〜41 | 1906〜1907 |
アンの娘リラ | Rilla of Ingleside | 1921 | 48〜53 | 1914〜1919 |
アンの想い出の日々 | The Blythes Are Quoted | 2009 | 40〜75 | 1906〜1941 |
以下はアンとの関連が薄い短編集 | ||||
アンの友達 | Chronicles of Avonlea | 1912 | ― | ― |
アンをめぐる人々 | Further Chronicles of Avonlea | 1920 | ― | ― |