アンドロイドお雪
以下はWikipediaより引用
要約
『アンドロイドお雪』(アンドロイドおゆき)は、平井和正のSF小説。
概要
1969年に立風書房から刊行された。『メガロポリスの虎』に次ぐ2作目の長編小説。ロボットと人間の葛藤を描いている。
平井和正の作品群には『サイボーグ・ブルース』や本作のように改造人間、人造人間をテーマにしたものがある。中島梓は『狼の肖像 平井和正論』の中で、こういった改造人間テーマは『ウルフガイ』へ、本作のような人造人間テーマは『死霊狩り』へとそれぞれ吸収されていったと推測している。
山本弘は、本作を『わがセクソイド』(1969年、眉村卓)と共に「人間はダメな存在という発想からスタートした小説」としており、自身も含めて後世への影響を与えたと評している。
あらすじ
幻想剤運用で捕まった五反田老人が、ごく平凡な刑事である野坂に贈った遺産。それは見た目は人間と変わらないぐらい精巧で、人間らしい感情を持つ超高級アンドロイドのお雪であった。しかし彼女が来てからというもの、野坂の周りでは不審な出来事が次々と起こり、野坂自身も変調をきたしていく。果たしてお雪の正体とは何なのか?
主な登場人物
お雪
家政婦として作られたアンドロイド。見かけは人間とほとんど変わらず、肌も透き通っていて感触も人間と差はない。ただ特A級アンドロイドとしては不自然な部分があり、野坂はそれを疑問に感じる。実は、五反田が放浪中密かに作った非合法のセクサロイド(作中では「セクソイド・アンドロイド」と表記)で、アンドロイドとしては超A級。どういったわけか自我が芽生えてしまい、野坂を愛させようと密かに幻想剤を飲ませて衰弱させる。だがケイにそのことを悟られ、「ロボットが人間を愛することは無理だ」と諭されるが納得できず、反抗して殺そうとするが、思わぬ反撃を受ける。外見こそ人間そっくりではあるものの、身体が完全に機械で構成されている描写が確認できる。
ケイ・ポーター
五反田
書誌
- 『アンドロイドお雪』立風書房、1969年。 表紙画:岩淵慶造
- 『アンドロイドお雪』早川書房〈ハヤカワSF文庫〉、1973年。 表紙画・口絵:山野辺進
- 『アンドロイドお雪』角川書店、1975年。 表紙画:生頼範義、解説:川又千秋