イノセント・ゲリラの祝祭
以下はWikipediaより引用
要約
『イノセント・ゲリラの祝祭』(イノセント・ゲリラのしゅくさい)は2008年に宝島社から刊行された海堂尊の長編小説。
概要
『田口・白鳥シリーズ』の第四弾。本作では著者の作品群の舞台・桜宮市から離れ、白鳥が属する厚生労働省を主な舞台としている。そこで官僚や解剖至上主義の教授達の思惑が絡む、厚労省主催の「医療事故調査委員会創設検討会」の会議を巡る攻防を描く。また、本作においては論戦をメインに描いているため『ジェネラル・ルージュの凱旋』以前のように、田口と白鳥が事件に関わり、事件の真相が明らかにされていくというミステリー要素を含むスタンスは描かれていない。
初稿時は「我ながら実に素晴らしく厚労省主催の会議を物語化できたという自負はあったが、同時にそれがちっとも面白くなかった点が最大の問題点だった」「素材の会議が死ぬほどつまらないのだから、それを活写した物語もつまらなくて当然だ」「だからといって会議を面白おかしく脚色すればリアリティが消失する。その微妙なバランスを突き詰め、会議場面を骨格まで削りこむことにした」また、「彦根と自分の主張は同じである」と述べている。
時系列は『このミステリーがすごい! 2008年版』に収録された短編『東京都二十三区内外殺人事件』と並行しているため、短編とシンクロする場面もある。2010年1月に発売された文庫版では『東京都二十三区内外殺人事件』が織り交ざり、新たに推敲された内容が展開されている。
執筆時のBGMは、locofrank「Shared time」。
シリーズの中で唯一映像化されていない作品である。
ストーリー
加納が事件発覚に一役買った、宗教団体「神々の楽園」の信者リンチ死事件が警察の初動捜査ミスの問題を含め、話題を集めていた頃、高階に厚労省の会議に出席することを頼まれた不定愁訴外来責任者の田口は、依頼主の白鳥直々の指名によって渋々会議に出席することになる。
東京・霞ヶ関に向かった田口は「病院リスクマネジメント委員会標準化検討委員会」のモデル事業に関する会議、「医療関連死モデル事業」に出席する。だがその会議は、医療事故を調査するための独立した組織創設の検討を目的とした「医療事故調査委員会創設検討会」へと発展。今まで会議の主催者として舵取りをしてきた白鳥はその舵を取られる形になり、田口もその会議の参加者として連ねられる。
この検討会自体も有耶無耶にしようとする官僚や、自分達の立場を死守せんとする教授達、そしてかつて医師や厚労省を揺るがす大きな問題を起こした彦根新吾も介入し、「医療事故調査委員会創設検討会」に波乱を呼び起こす。
登場人物
東城大学医学部付属病院
警察関係者
厚生労働省
医療事故調査委員会創設検討会委員
西郷綱吉
画像診断関連
彦根新吾
書籍情報
- ハードカバー・ISBN 9784796666763
- 文庫版(上)・ISBN 9784796673594
- 文庫版(下)・ISBN 9784796673617
- 文庫新装版・ISBN 9784800255167