イレブン (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『イレブン』は、原作・七三太朗、作画・高橋広による日本のサッカー漫画。『月刊少年ジャンプ』(集英社)にて1985年5月号から2000年1月号まで連載された。単行本は全43巻、文庫本は全7巻。
概要
元日本代表のサッカー選手・青葉洋介を父に持つ主人公・青葉茂が高校でサッカーを始めたことを皮切りに、ユース代表、ブラジル留学、プロサッカー選手と成長を続け、日本代表としてFIFAワールドカップ出場を目指す物語。無名の存在の主人公が、努力と根性で周囲に認められ、新しいステージへ進んでいくといった正統的な内容であるが、中盤以降は必殺技の「ブレ球」(現在でいう「無回転シュート」と原理は同じ)を多用する傾向が強い。作画の高橋広は漫画家のちばあきおの元アシスタントで、ちばの素朴な絵柄を引き継いだ作品となっている。
『イレブン』という題名だが、作中においてそれに纏わるエピソードは特に無く、主人公の青葉の成長に主点を置かれている。作中でも青葉自身は背番号にはあまり拘る描写はない。強いて言えば「リオ・ガルシアFC編」で背番号より「11」(イレブン)と呼ばれる描写のみである。
ストーリー
高校編
世界ユース大会編
韓国のソウルで行われた世界ユース大会に出場すると1回戦では金順天を擁する韓国、2回戦ではオランダに勝利する。準々決勝は優勝候補ブラジルとの対戦となり、ホセ・ケーナを擁するブラジルの攻撃に圧倒されるが、茂はこれまで練習を続けてきた必殺技「ブレ球」を駆使して勝負を挑む。試合は日本が1点差に詰め寄る健闘を見せたが、試合終了間際のPKを茂が外し3-4のスコアで敗れる。
リオ・ガルシアFC編
ナショナルカップ編
Jリーグ編
OA編
ワールドカップ編
アジア予選では緒戦の相手・中国の報道陣をシャットアウトした極秘練習に潜り込んでしまい出場が危ぶまれたり、ワールドカップ出場国予想の賭け(公認)で儲けを企むマフィアか国に、ドーピング検査で陽性が出る薬を混入されたりハプニングも多かったが、本大会出場を決める。
本大会グループリーグではエチオピアに2-1と勝利、ウルグアイに1-1と引分け、デロピエルらを擁するイタリア戦を迎える。日本はイタリアの堅守を崩せず苦戦するが、2-1のスコアで勝利し1位通過を決める。日本は決勝トーナメントにおいてスペインを破ってベスト4まで勝ち進み、3位決定戦に挑んだが敗退した。日本の最終成績は4位、優勝はブラジルだった。
大会後、紅林や田中が欧州のクラブへ移籍する中、茂は欧州からのオファーを断りブラジルのフラメンゴに入団。ジョゼ、ハルオも茂と対戦するためにブラジルのクラブに入団し、共にブラジルに向かうところで物語を終える。
登場人物
高校編
かつて日本代表だった今は亡き父の遺言を実行した主人公・青葉茂がいよいよサッカーを始める事となる。当初はルールやポジションさえ理解してなかった青葉だが、補欠だったとは言え、「全国制覇した中学出身」の谷のサポートもあり、高校サッカーに情熱を見せる事となる。
県立武蔵台高校
部員が11名に満たない弱小高校であったが、青葉・谷の入学、後輩の明石・室田らの活躍で全国大会に出場する。
青葉茂(あおば しげる)
谷一郎(たに いちろう)
椿三四郎(つばき さんしろう)
花井(はない)
明石(あかし)
茂の家族
築紫学園
真誠館高校
Aブロック代表常連。ラフプレーで有名で、退場者を3名出した状態で県代表になったこともある。ブロック予選17得点失点0の成績をひっさげ、県大会1回戦で武蔵台と対戦した。
西垣(にしがき)
世界ユース大会編
真誠館高校に勝利したものの、ケガの影響もあり県大会2回戦で敗退した武蔵台高校の青葉だが、荒削りだがフォワードとしての決定力の高さを見込まれ、かつての父の親友・米山監督にユース大会選考合宿に招かれる。海外留学経験がある浦部、全国屈指のフォワードの紅林、同じく全国区のテクニシャンである沢野の前に自分の実力不足を認識するが、それを努力と根性で補い、遂にミッドフィールダー選考ではあるがメンバー入りを果たす。ユース大会に参加する為に韓国に向かう。
日本代表
紅林(べにばやし)
浦部君夫(うらべ きみお)
沢野太郎(さわの たろう)
立花(たちばな)
牧田(まきた)
韓国代表
柳仁聖(ユウ・インソン)
ブラジル代表
ホセ・ケーナ
リオガルシアFC編
ユース大会を終え、武蔵台に戻った青葉だが、米山監督のしつこいブラジルのプロ養成機関「リオガルシアFC」留学の催促を断っていた。しかし、親友・谷の荒療治な送迎の真意を理解した青葉は更なる高みを目指しブラジルに向かう。しかし、ここでも実力差に打ちのめされる。だが、そのレベルの高さが更に青葉を燃えさせる事になる。
ジョゼ佐藤(ジョゼさとう)
ネルソン
バルド
エルネス
ランス教官
ボボー(英語版)
エジーニョ、ロメロ
ナショナルカップ編
華やかな「リオガルシアFC」の卒業表彰後にスカウト主催のパーティに参加する青葉だが、プロ入団意欲はなかった。武蔵台に戻る事を望んでいた青葉だが、戦友・ジョゼに「本当にお前の親友(谷)はそれを望んでいるのか?」と疑問をぶつけられる。幾ら死戦を共に歩んだジョゼとは言え、この無神経な発言に激怒した青葉だが谷が米山監督宛てに送った手紙を再度読み返し「青葉は僕達なんかと一緒にやっていては行けない選手」と言う文面を再認識し、武蔵台帰還は断念する事になった。青葉はてっきり、ジョゼが古巣のサントスFCに戻ると思い込んでいたが、「一緒に行こう」と誘ったジョゼの行き先は、なんと日本だった。
南雲(なぐも)
ミス・スーザン
Jリーグ編
ナショナルカップで列強国を苦しめた青葉の評価は世界では、うなぎ登りであった。しかし、スポーツ新聞各紙は青葉本人すら知らない事実を掴んでいた。青葉は手術を受けないといけないほどの重症だった。開幕直前のJリーグに参加を夢見る青葉であるが、重度のケガにより復活は困難と判断した各チームは交渉を断念。同じくJリーグに参加したジョゼのエピソード(読み切り番外編)が、この青葉のリハビリ中の話である。リハビリ後、同じ病院で偶然リハビリをしていた「北海道ポラリス」のオーナー、原田会長からスカウトを受ける。青葉は「北海道ポラリス」に入団、開幕から活躍し強豪チームを苦しめた。
原田
美浦
OA編
ポラリス対アントラーズ戦は正に青葉対ジーコであった。ジーコは「(Jリーグは青葉には狭すぎるので)彼には暑い国に行って頭を冷やして貰おう」とジーコ自身が企画しているアフリカのサッカー選手養成機関 OA=オフィシャル・アフリカ ONE AFRICA(ワン・アフリカ)に青葉を推薦する。またしても当初は苦戦する青葉であるが、その順応性の高さを見抜いているケーナ、キムにとっては「青葉は必ずやる奴だ」と言う存在であった。OAは、ほぼアフリカの黒人選手で占められるが青葉(日本)、ケーナ(ブラジル)、キム(韓国)、ウィンパー(イングランド)などの選手も所属している多国籍軍団である。
ダル
ウィンパー
ハルオ・Y(米山春男)
書誌情報
- 七三太朗(原作)・高橋広(作画) 『イレブン』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、全43巻
- 七三太朗、高橋広 『イレブン』講談社〈講談社漫画文庫〉、全7巻