インテリビレッジの座敷童
以下はWikipediaより引用
要約
『インテリビレッジの座敷童』(インテリビレッジのざしきわらし)は、電撃文庫(アスキー・メディアワークス)より刊行されている鎌池和馬のライトノベル。イラストは真早。担当編集者は三木、小野寺(第3巻以降)、阿南(第3巻以降)。全9巻。
概要
電撃イラスト大賞受賞者と電撃文庫作家のコラボレーション企画『illust×story』第3回として発表され電撃文庫MAGAZINEVol.22に掲載された短編作品『テクノビレッジの座敷童』の長編文庫化作品。略称は「インテリ」など。 オカルトコメディとして紹介されているものの、視点主がバトルや謎解きなどで困難を打開する展開が多く少年漫画やミステリー的な作風が見受けられる。 基本的には『陣内忍パート』、『内幕隼パート』、『菱神舞パート』といった形式でストーリーが構成されている。地の文は視点キャラクターの一人称だが、所々で三人称の視点で描写される場面もある。
登場人物
納骨村関係者
陣内酒造
陣内 忍(じんない しのぶ)
本作の主人公。妖怪に遭遇しやすく、また妖怪に好かれる体質を持つ高校一年生。陣内家の一人息子。
性格は基本的に見栄っ張り。金髪と鋭い目付きから頭の悪い不良のように見えるが、学業の成績は悪くなく、インテリヤクザというあだ名をつけられている。クラスでは学級委員を務め、夏休みには『サナトリウム』に通うなど生真面目なところもある。
10年前はどんな妖怪とでも平等に仲良くなれると信じ、致命誘発体や負の側面の強い妖怪であれ分け隔てなく接し仲良く遊んでいた。特に縁とは生まれた以来の付き合いで、いつも彼女に抱き着かれて眠っていた影響から誰かが一緒に布団の中にいないと眠れなくなっており、現在も寝ている間に周りの人物や枕などに抱きつく癖が残っている。
思春期に入ってからは縁に対し素っ気なく、あるいは下心を持って接するようになったものの、自分の人生の半分であるとまで考え非常に大切に思っている。
「最初からヒーローになるべく生まれてきた訳ではなく、新たな道に自ら進まなければ(いくつかの諦観と共に)変化のない人生に留まり、道を踏み外せばどこまでも転がり落ちていく『人間』である」と作者は述べている。
座敷童・縁(ざしきわらし・ゆかり)
本作のメインヒロイン。東北地方発祥の妖怪。間引きや口減らしによって親に殺された赤子の集合体。個体名は忍が生まれる際女の子だった場合にと忍の母が考えていたもの。
B98・W54・H85というグラマラスな体型のどう見ても「童」に見えない着物を着た黒髪美女。面倒臭がりで家事は一切できないなどガサツで、また人見知りな性格でもあり、家人やその近しい人間や妖怪以外には顔を出さない。趣味は盆栽いじりや散策。しばしばネット通販を利用し娯楽用品などを忍名義のクレジットカードで購入し、忍や忍の父に怒られる。
家を守るという座敷童としての仕事は全く果たしておらず、唯一行う座敷童的な行いは忍の布団に忍び込んで悪戯をすることだが、思春期に入ってからは忍に布団から追い出されるようになったため、今では夜中にこっそり潜り込んでいる。自分を素直に慕っていた幼少期の忍を強く懐かしんでおり、現状の関係を思い悩んでいる。
その正体は一般的な座敷童とは異なり、赤色を好み不吉を呼び込み、家を去る際に破滅を予言するとされる「チゾメノザシキワラシ」である。また、150年程前に陣内家に来る前は百鬼夜行に身を置いており、その際「百鬼夜行試製三九式座敷童」と呼ばれる存在へと調整を施され、運命を操るという座敷童が元来持つ能力に加え、新たな運命を作り出す力を得ている。この力によって破滅をもたらす性質は著しく強化され、無自覚に世界を滅ぼしてしまう程のものとなっている。
忍の父
忍の母
忍の祖父
忍の祖母
雪女・雹(ゆきおんな・ひょう)
本作のヒロインの一人。求婚を受け入れた男性を凍死させるとされる美女の妖怪。夏が苦手。雪女としては異質であり、正確な雪が作れなかったり、夏に季節外れの氷の塊を降らせる変わり種な個体。
致命誘発体。雪女のイメージに似つかわしくない見た目13歳前後の少女で、白い着物を着て薄い蒼の髪を持つ。忍に好意を抱き頻繁に求婚する。性格は少々ヤンデレ気味。雪女の白装束は処女性を意味しており、力を増せば増す程に幼くなる。
遺産相続エージェントの「パッケージ」に組み込まれていたところを忍に解放される。その後、温度管理の難しい酒蔵に近づかないことを条件に陣内家に住んでおり、漬物用の氷室に入り浸っている。「夏場の雪女」として一部で有名とのこと。
茹だったり熱を出すと体が溶けて体長が縮む。
猫又(ねこまた)
古椿(ふるつばき)
サキュバス・ヘンリエッタ
夢と生殖を司るとされる悪魔。典型的な悪魔の姿をしたマイクロビキニ姿のグラマラスな美女。丸まった山羊の角に蝙蝠のような翼と矢印状の尻尾を持つ。男性に任意の淫夢を見せる能力を持つ。夜行性。気分で髪型を変える。
欧州にてユーロセキュアフォースを形成し、加盟国の高官達を操りEUの超国家機関を乗っ取ろうとするも失敗。インテリビレッジ風化村の一件の後、百鬼夜行の追跡を逃れるため事件関係者の中で最もガードの甘かった忍の家に押しかけ、屋根裏部屋に住み着いている。その後、百鬼夜行に居所を掴まれたがマルグリット=スタインホルス撃退に協力した事で手配書を取り下げられ和解した。悪魔故に名は隠していたがツェリカによって忍に知られてしまう。
マルグリット=スタインホルス
オーストラリアの魔女。つばの広い帽子を被り、簡素なシャツにミニスカート、その上にレインコートを羽織り絵本の中の魔女のシルエットを形作る金髪碧眼の女。日本製の妖怪を悪魔化させ、強引に黒魔術を行使できる。
オーストラリア政府の命を受けて百鬼夜行の100人の将の中の数人を殺して仲間を潜伏させ、インテリビレッジ納骨村の壊滅計画を提出したが、計画自体は菱神舞の機転によって失敗に終わる。しかし、魔女達の真の狙いはそれではなく、サキュバスと直接契約を交わし、オーストラリア現地の古い神を悪魔化する程度しかできない零落した状況から復帰しようと企んでいた。事件の渦中にて、マルグリットは一般人である陣内忍と契約していたサキュバスに目をつけ、契約の更新を持ちかけた。しかし、座敷童により大悪魔ツェリカへと契約先をすり替えられた事で、魂を取り込まれて体を乗っ取られている。その後、忍の手によって再び魂を呼び戻されて自身の肉体へ定着した。現在では亡命に近い形で陣内酒造に居候している。
青行灯(あおあんどん)
百物語の最後に現れるとされる青白い肌の鬼女の妖怪。致命誘発体。心霊や妖怪、怪奇現象を軽視し愚弄する者の前に現れる禁忌的行為に対する罰の象徴。白い着物を羽織り、青みがかかった長い黒髪で青白い肌を持ち、扇を手にしている。額からはナイフのような一本角が伸び、その先端には青白い燐光が灯っている。一人称は「ボク」で、「ラスボスちゃん」を自称。四ツ山集落の有力二家の内、当廟を輸入しなかったもう一方の勢力で研究が行われていた。川端愛により、忍たちを出題者、当廟を回答者と設定された擬似的な百物語によってアセンブルされた。そのため、青行灯という種の中でもかなり特殊にチューンアップを施された異質な個体である。
100個の怪談の質によって形や能力が変化し、百の怪異に匹敵する能力を単独で有している。そのため、本来は持っていない超常であっても、無数の怪談を組み合わせる事で類話を創造し新たな超常を獲得できる。停滞や現状維持を嫌い、変化しなければどんな相手でも容赦なく葬る一方で、気に入った相手ならたとえ人間であっても手を貸すことがある。
日本内外からメンバーを集め、標準型日本人DNA原基を簒奪して自身へ接続させることで国家そのものの崩壊を目論んだ。しかし、忍を捕食したことで100個という怪談のバランスが変質、その上、人間の感性を取り込んだことで戦意を喪失し『意識のストッパー』が発生し無力化させられた。その後は陣内酒造に居候している。
油取り(あぶらとり)
ひっそり紛れ込んでひっそい攫い、子供を殺して魚焼の串で人間の油を採る(臓物を取る)とされる妖怪。明治時代に東北地方で確認され、実際に新聞記事へ掲載された稀な妖怪。
致命誘発体。しわがれた老人の声で典型的な農夫の恰好をしており、老人というよりもミイラに近い手足を持つ。深く被って顔を隠した笠には大きな一つ目の模様が印されている。ただ現れ、ただ攫い、ただ殺すだけの「暗くなる前に家に帰ろう」などの教訓話が存在しない「恐怖の伝統」から外れた変種といえる存在。どこにいるのか誰にも分からないため対処法も存在しない。誕生してからせいぜい100年程度しか経過してないにも拘わらず、メジャーの妖怪と方を並べるレベルへと変貌した経歴を持つ。
10年前、安楽会系の「大きな犯罪組織」に攫われた忍を助けるため、百鬼夜行の支援を受けていた『カエシガミ』による自身の性質の抑制を諦める。それが発端となって忍の前で座敷童を殺しかけてしまい、座敷童の運命改変によって殺戮を快楽として享受する人格へと変質した。その時系列において、自身の性質を切り取ったタイムトラベル『パッケージ』を乗っ取り、縁の過去に干渉して過去に彼女が有していた運命を操る術を手に入れようとした。改変の度に縁に敗北していたが、一万五千回程の過去干渉によって修復不可能なレベルまで歴史情報が摩耗した際、勝敗そのものを書き換えることで彼女を取り込むことに成功する。しかし、惑歌の協力を取り付けた忍によって、現在へ跳躍していた分身が消滅させられ縁とも分離した。また、本来油取りがあるべき分身が消滅した2日後においても、青行灯の手により殺害された。
件の性質を利用した百鬼夜行製のタイムトラベル『パッケージ』により座敷童の改変前の過去に干渉した忍により、現在の時系列へ連れ帰られた。その際、『パッケージ』の保護を受けなかったために10年間の経年劣化を受け、奇しくも『カエシガミ』により自身の性質を抑制することに成功した。その後は陣内酒造へ居候している。
その他にも小豆洗い、忍の母が拾ってきたケセランパサランなどが暮らしている。
その他
小手蜜 惑歌(こてみつ まどか)
本作のヒロインの一人。忍の同級生。『小手蜜』本家正統のトラブルシューター4番機だが、一族の思想を離れて個人の財を追求するようになり、現在では日本円だけで300億円近く所持している。大手投資ファンドと共に自前の自立投資プログラムを共同運用している。「小手蜜」のランク付けでの評価はジョーカー。中学までは東京在住であった。
学校では友人が少なく「遊離」している問題児だが、本人は特に気にしていない。極度の健康マニアで健康優良児だが身体能力は高くない。スポーツブラとボクサーパンツを愛用。武装警備員を雇うなど全部一人解決できる財力を有しているため、基本的には誰にも頼らない。
担任から惑歌対策係に任命されている忍とは交友が深く、忍と座敷童が付き合い始めてから彼に初恋を抱いていた事を自覚した。
渚(なぎさ)
本作のヒロインの一人。忍の幼馴染であり同級生。栗色のゆるふわな髪、鉛色の重苦しい色をした瞳、線の細い肩に色白の肌で、胸はそこまで大きくない。家は村の外周である山の麓の方にあり、極めて小規模ながら高ブランドを確立したマイクロ牧場。ストレスゼロの鶏が産んだ卵が1個1万円で取引される。
家事が得意で勉強もできる。世界三大ヤンデレの一人と称され、ハサミ女、カッター女、ハンマー女、ワイヤー女、そして現在は彫刻刀ガールというブラックなあだ名や、3万4000通りの殺害方法を持つという噂が陰で流通している。忍曰く人間関係を『敵』『味方』『興味なし』『超絶ラブ』の4つでしか区別できない。
忍が初恋の相手であり中学2年生の時に付き合っていたが、彼の気持ちが当人には無自覚に座敷童へ向いていたために破局。「満月の夜に巨大な鉈をぶら提げて忍を探して徘徊する」「忍の脇腹を果物ナイフで、胸板をハサミで刺す」「真剣白羽取りにまで発展する」など数々の恋愛談を持つ。その後は様々な男子と付き合ったようだが、1月間も関係が続く相手は珍しかった模様。
幼少期に飼っていた、生まれた頃からの付き合いのセントバーナードが加齢に伴い痴呆を起こした際に自らの手で殺害してから現在の性格に至り、「永遠の愛」や「不滅の絆」といったものを追い駆けるようになった。また、幼少期に食肉加工場で親の仕事を目撃した事も要因の一つであるとのこと。
10年前はおどおどとした気質であり、親が過保護でなのか服装は全て家族の手作りで、軍用犬の養成プログラムが仕込まれたセントバーナードを常に伴っていた。
恋王(こいおう)
谷岡(たにおか)
米咲 尋(よねさき ひろ)
インテリビレッジ納骨村に住む10歳の少年。古道具店の一人息子。身長は130cm前後。やや人見知り。声変わり前で、甲高いソプラノの声。唐傘お化けや提灯お化けを道具代わりにしている。
妖怪になりたいという想いへ付け込まれ悪鬼羅刹の七人ミサキの「パッケージ」に巻き込まれるも忍により救出された。その後、文化交流として東京からやってきた蘭園に恋心を抱き、彼女の暴走を止めるべく忍と行動を共にし、百鬼夜行と青行灯グループとの抗争の際には巫蠱の透視者に見込まれ、数々の付喪神を従えて蘭園を救出した。
唐傘お化け
付喪神の一種。コミカルな一つ目と大きく伸びた舌を持ち、忍の父並みの渋い声を出す。150年ほど生きており、提灯と共に10年以上前から米咲家と関わりがある模様。米咲尋に対して過保護気味で、彼に雨よけとして使われている。
提灯お化け
警察関係者
内幕 隼(うちまく はやぶさ)
本作の主人公その2。警視庁刑事部捜査一課に所属する刑事。階級は巡査部長。ノンキャリア組。忍の父方の叔父で忍より10歳ほど年長(25 - 27歳)。妖怪に嫌われる体質であらゆる妖怪に問答無用で襲われる。
型にハマり気味な常識人だが少々熱血漢で、忍には正義感の権化などと思われている。死人に興味が持てず、生きている人間のためでないと働く意欲が湧かない。艶美との関わりや妖怪絡みの事件で勝手な行動をとったことが原因で庁内で若干浮いている。防犯を目的とした契約でお茶の水の学生マンションに住んでいる。
高校時代は短い髪を茶色に染め、ギラギラ光る銀のアクセサリを愛用。電動ビッグスクーターを乗り回し、そこら中で喧嘩を吹っ掛けるような不良少年だった。今と変わらず正義感が強かったが当時はそれが空回りしていたようで、助けた女性に逆におびえられるなどして全くモテなかった。田舎や妖怪が苦手であるため、未婚ながら分家制度を利用して戸籍を変えて上京して慶城意塾大学へ進学する。第一志望であるキャリア組を目指して国家公務員試験を受けるも失敗したため一課に勤務することになった。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係に係長として異動された。後に、『菱神の女』の社会復帰を志すようになる。
馬頭 厳(めず げん)
美島 純(みしま じゅん)
外堀 岳(そとぼり がく)
東条 雅(とうじょう みやび)
「菱神」の関係者
菱神 舞(ひしがみ まい)
本作の主人公その3。艶美の姉。年齢は20代。主にセクシーな服装を好み、常にタンクトップとホットパンツを愛用し、サイハイブーツを履いている。妖怪絡みの巨大犯罪を専門に扱うフリーランスのエージェント。最近では百鬼夜行の依頼を中心に受けている。
自身の式神である「死出の竜姫」を仮想敵として身一つで妖怪を圧倒できるよう体を作り変えており、至近距離でマシンガンの連射を避けるほどの優れた身体能力を誇る他、体の一部を切断されても修復キットを用いて繋ぎ合わせ、パーツの交換によって外見の年齢を維持するなどが可能。生身における戦闘力の高さから、銃に頼った時点で8割負けで、自分より弱い超常である死出の竜姫に頼った場合には10割負けと考えている。
真実を破壊する『菱神の女』と称され、『そうであるように』と振る舞う専門家。ブラフやハッタリなどの詐術に秀でる。痕跡が残ってしまうようなあからさまな武器・暗器を嫌い、自殺や事故に偽装して敵を排除する手段を好む。どれほど情報を制限・遮断しても、「私ならそうする」という本人にしか分からない理解不能なロジックで正解を引き当て真相に喰らい付く「狂人のインスピレーション」を有している。また、ポーカーフェイスの達人。
「菱神の女」として破壊しか生み出せない自身の境遇を受け入れているが、一方でその特性を抑えようと無意識の内に百鬼夜行などの組織などのしがらみに囚われたがっている。
菱神 艶美(ひしがみ えんび)
本作のヒロインの一人。東京都内のお嬢様学校(聡慧女子)に通うツインテールの中学2年生。舞の妹。姉に似ず貧乳。隼を誘惑するために普段からセパレートの水着を愛用している。雰囲気作りのために、水着のボトムにミントのパイプや手帳風のカバーをかけたスマホや虫眼鏡を引っ掛けている。惑歌の数少ない友人。
殺人事件に強い興味を持っており、隼が捜査に赴く先々に出没するため彼からは「推理マニア」のあだ名で呼ばれている。卓越した推理力を持っているが、それは人の死に関わることでないと発揮されず、学校の期末テストの点数もそれほど高くない。都内に幾つも拠点を有している。街のビラ配りやタクシーの運転手やレストランのウェイトレスや自販機の作業員や清掃員など、不特定多数の世間話を耳にしている人間達をネットのコミュニティで繋ぎ、そうしたいくつものグループを統合・管理する事で巨大な傍受システムを作り上げており、その協力者を艶美は「情報屋」と呼んでいる。
かつては姉の舞のように事件を解決するためなら手段を択ばず、真犯人を追い詰めるためなら何でもやった。容姿も異なり、ザラリと流れるロングヘアに、体全体と口元まで覆う漆黒のロングコートを着て、あちこち飾りのファスナーがついた同色のズボンを穿いていた。言動も所謂中二病的なものが目立ち、後に本人にも黒歴史だと認めている。透輝館での密室殺人事件にて初めて隼と出会い、彼女を庇った隼のために事件を解決する事を決意する。これがきっかけとなり、現在の艶美へと性格・容姿が変わっていった。
人間を破壊すると謂われる「対人」戦闘の専門家である「菱神」。本人は事件に対して推理する側へ回る事で、その性質を自覚しないようにしており、また、恋に恋することで無意識の内に「菱神の女」の特性である「離別する力」を「繋がる力」で抑え込もうとしている。その才能が開花すると地球人類の四分の一が死滅するとまで言われている。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
菱神 恭(ひしがみ きょう)
贅(ぜい)、蒐(あかね)、爛(らん)
菱神 樒(ひしがみ しきみ)
1000年以上を生きる菱神筋の始祖。帯の代わりに太い注連縄で着物の腰を巻き、長い髪を真っ白に色抜きした不気味な少女。靴は履かずに裸足。百鬼夜行の家紋は左肩に付けている。
「菱神」としては「戦」を専門とする戦闘狂。不老の術法が効き過ぎており、年齢の割に可憐な容姿が年々若返り続けている。
扱う術法は、いわゆる「地形エフェクト」。弘法大師の『飛行の三鈷杵』の伝承を利用し、三鈷杵が接触した点を基準にして『聖地』を設定して、その領地・領空内部の物体・現象・生命に干渉する。作中では、衝撃波による圧搾、万有引力の操作、物体の石化・氷結、原因不明の熱病の発症、など多岐に渡る攻撃を披露した。
『菱神の女』としての性質に抗い呪の野望に加担する事で他人の役に立とうとした。一度は舞を退けるものの、『菱神の女』としての性質に忠実に生きる舞に敗北を喫する。チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
菱神 天(ひしがみ あま)
菱神 顕(ひしがみ あらわ)
菱神 由(ひしがみ ゆう)
菱神 失(ひしがみ しつ)
菱神 浪(ひしがみ ろう)
菱神 夢(ひしがみ ゆめ)
菱神 落(ひしがみ らく)
菱神 籤(ひしがみ くじ)
裏稼業の人間・組織
百鬼夜行
祝(はふり)
すねこすり
旅人の脛をこするだけで特に人に害を為さないとされる妖怪。体長30cmほどの豆芝に似た小型犬の姿をとる。
脛に体を擦り付けるだけしか特性がなく、身体能力は見た目通り。ただし、脛に移動するときだけは目にもとまらぬ速さで移動することが可能で、人ごみで脛から脛へと移ることで高速移動ができる。
見た目によらず子持ちの父親であり、10年前にある日突然行方不明になった妻・お初を探すため、平穏な日常を捨てて裏社会に入ったというハードボイルドな過去を持つ。子供は体長5cmほどで、名前は儀助(ぎすけ)。舞と仕事をすることが多く、常識人的な性格もあって基本的に彼女に振り回されている。妻・お初を連れ戻した後も百鬼夜行には恩義を感じており、メンバーの一員として活動している。
豆狸(まめだぬき)
病魔の使役者(びょうまのしえきしゃ)
百鬼夜行の「五本指」の一角。巫蠱の透視者の兄。組織内では「堅実」を象徴する。家紋は腕章に付けている。短髪で2m近い筋肉質な体に陰気な顔つきで、SWATのような黒系の戦闘服を纏っており、無数のマガジンの代わりに呪符の束を突っ込んでいる。忠義深い性格。
自らの憎悪の想念を呪符で制御しそれに指向性を与え『病魔』の形に整えて使役する。術を構成する過程で一番面倒なのが被害を拡大させすぎない事と評されるほど戦闘能力が高く、舞曰くその力は「平安時代あたりに京の都を騒がせた貴族の怨霊クラス」であることのことで、「歩く戦略兵器」と称される。独力で呪いを完成させ、その工程を悪魔や妖怪に頼っていないが故に、寿命を削るようなストレスで内臓を痛めており、百鬼夜行が支給する香でそれを軽減していた。病魔によって細菌や菌類を自在に操り、それを標的に取り憑かせるだけではなく、時速400kmで駆ける程の肉体強化、菌糸類の増殖による構造体の形成、自らの天敵である菅原道真へ疫病を転化させ、光の刀『御刀・天神』の使用などが可能。また、火急の用で世継ぎが必要となった際に備え、推定年齢20歳を想定した祝の人工代理母を菌糸で制作している。
鎖国派に加担し風化村を襲撃したが、失敗に際して撤退、ユーロセキュアフォースを壊滅させた。その後はフリーランスとして活動を続けていたが、青行灯と百鬼夜行の衝突を目前に控え、戦力増強を図る祝の命により再び百鬼夜行へ加わった。
巫蠱の透視者(ふこのとうししゃ)
伝家の超越者(でんかのちょうえつしゃ)
神業の鞭撻者(かみわざのべんたつしゃ)
情念の捕食者(じょうねんのほしょくしゃ)
呪(まじな)
先代百鬼夜行のリーダーであり、祝の実父。腰まである艶やかな黒髪を先端で縛り礼服を着こなす、古風な片眼鏡をかけた端正な顔立ちの男。妻の迷を溺愛しており、永遠の繋がりを欲し片目を彼女と交換している。
妖怪を原初の現象・怪異へと一瞬で分解し使役する事ができ、本来は数十・数百人でアセンブルを行う『パッケージ』をたった一人で瞬時に創造できる。どんな相手でも決して侮らず、合理と効率によって最大出力で敵を撃滅する性分。
妻である迷を座敷童の特性から解放する事が叶わず、自らとは違う道を行き座敷童と共に歩く忍に憧れていた。
件のタイムトラベル『パッケージ』により過去へ干渉した忍によって暗殺計画を察知し、死を回避した。その後は、未来から来た忍の存在を消してしまわないよう、歴史が「百鬼夜行と青行灯グループの抗争」へと収束するまで暗殺された振りをして墓前市墓石山の山中に10年間潜伏していた。
娘の祝がチゾメノザシキワラシのように変貌しないか懸念しており、座敷童を徹底的に解析し安定化させるため、チゾメノザシキワラシとの戦いさえ情報源として視野に入れて自身が百鬼夜行のリーダーになる事を宣誓。チゾメノザシキワラシの災厄に備えるため日本国民総員の強靭化を狙い、墓前市墓石山の『御口様』に火車を閉じ込めゾンビパニック『パッケージ』をアセンブルした。騒動の中で彼の前に現れた忍達が火車を逃がした事で計画は破綻。迷の力を借りる事でゾンビパニック騒動を記憶を保持したまま無かった事に運命を修正し、自身は正しい因果の通り現在の時系列から消え去った。
座敷童・迷(めい)
東北地方発祥の妖怪。間引きや口減らしによって親に殺された赤子の集合体。白い装束を好む一般的な座敷童であり、居ついた家に繁栄を齎す(もたらす)。縁に似たグラマラスな体型の着物を着た黒髪美女。髪は肩のところでバッサリ切ったおかっぱ風で、顔の左半分は薄いベールで覆っており、首回りにはマウントディスプレイを下げている。片目を夫の呪と交換している。
呪の妻で祝の実母。暗殺を回避した呪が、遠隔地から密かに収集した縁のデータを元に研究して改造が施された「百鬼夜行極製四〇式座敷童」。ピーキーで不安定な代わりに高い出力を発揮し得る試製三九式の縁とは異なり、極性四〇式の迷は一律安定の力を発揮する。呪の消失後、百鬼夜行へと身を寄せる。
すねこすり・お初(はつ)
悪鬼羅刹
北条 統次(ほうじょう とうじ)
東条(とうじょう)
西条 藍(さいじょう あい)
企業監獄
伊藤 武(いとう たける)
山田 堅(やまだ けん)
羽山 丈二(はやま じょうじ)
護岸 桜(ごがん さくら)
川端 愛(かわばた めぐみ)
100以上前から今の姿のまま生きる老婆。四ツ山集落の在り方の『間違いを正す』ため、四ツ山で忍たちを巻き込み当廟を利用して青行灯のアセンブルを行った。
かつては四ツ山集落に送り込まれた間者で、大蛇(おろち)を祀る神社におり、作為的に集団を分断して有力二家を作り内部抗争を継続させて外界への憎悪を内向きに変換し、隔離されていた人々が外の世界に対し危険行動をとらないよう集落を制御していた。内部抗争による死者や間引きを望んでおらず、それらに歯止めをかけようとするも失敗、更に当廟を買い取ろうとする動きの加速を止めるため無理な介入を行った結果、間者であることが村人に露見し裏切り者の烙印を押され、住んでいた神社も打ち壊された。
後に間引きによって殺された子供達の正確なデータを求め黒山電子グループの半導体工場に潜入し、囚人を使って青行灯のアセンブルや『草薙』のメンテナンスを行った。定期的に死んだ振りをして別人の顔に乗り換えており、3巻時点では「鈴川泉(すずかわ いずみ)、17歳、女性、囚人0899番、禁錮202年」という姿に化けていた。3巻にて、全滅村に残された当廟のパッケージを利用し、八岐大蛇の討伐の図式を逆に辿ることで三種の神器の一つ『草薙』に不正アクセスして強引に力を引き出すことで菱神舞を襲ったが、返り討ちに遭い死亡した。
料亭の主様
遺産相続エージェント
CIA
シド=クラウズ
品のいい白髪に、年不相応の筋肉質な体型で、オーダーメイドのシックなスーツを纏ったオカルト博士。潜伏先の怪異を取り込んで兵器化するスペシャリストであり、徹底した攻撃型の怪異を扱う傾向がある。徹頭徹尾、自分の抱いた些細な違和感を潰すことに全力で挑むため、行動にブレがなく付け入る隙がない。常に自分より優れた部下を侍らせている。
舞とは因縁があり、過去に2、3の貸しがあるらしく、彼女曰く「ベッドでないと眠れず、箸を使えず、生の魚が食べられず、一食250g以上の赤身の肉が出てこないものは料理と認めず、他人に肌を見せる露天風呂には馴染めない」らしい。
けち火の生霊暗殺『パッケージ』や産女の赤子の伝承を利用した「オボウ力」の再現などを駆使し、インテリビレッジ金鉱島にて臼引き童のハードウェア極小破壊パッケージの乗っ取りに挑んだが、舞の妨害を受ける。辛くも均衡状態を維持していたが、望みが薄いと判断した蓮河によって射撃され、肉塊へと成り果てた。それでも生存していたらしく、その後の様子が確認できる。
蓮河 弓(はすかわ ゆみ)
青行灯メンバー
栽木 和(さいき かず)
ダークスーツを着こなす線の細い青年。幼少期に安楽会系の筋の人間に殺し屋へと改造された。10歳になった時、自身を本気で助けようとしたとある昔気質の刑事の殺害を強要され、安楽会への報復を決意する。数年後、占い師として組織に近づき、安楽会を含む四大ネットの一つを丸ごと壊滅させた。復讐を遂げ奥多摩の山中で自殺を図るも、「脆弱な善を駆逐し、強大な正義に束ね直す」ことを指針にした青行灯の提案を受け入れ、彼女の『メンバー』に人間側の代表として参加することを決意した。
妖怪『さi木カズ』として自身の肉体を完全新規の妖怪へと組み上げており、妖怪としての性質を自由に設定して存在を上書きできる創造性を有する。
件の予言を利用した百鬼夜行製のタイムトラベル『パッケージ』で、病魔の使役者が作製した栽木和を模倣した体を未来に飛ばして即時破壊。これにより外部ストレージ化した栽木和の情報のアクセスを妨害することで妖怪『さi木カズ』としての存在情報が変質し、その隙を突いた舞によって殺害された。だがその後、10歳の頃の姿で外堀の目の前に現れ、復活の可能性を口にして消えた。
松海 博(まつかい ひろし)
蘭園 幸(らんぞの さち)
10歳の天才少女。ティーン向けのファッション誌『オートフォーカス』の読者モデル兼ライター。栗色の長い巻き髪、白い薔薇のコサージュ。白いタートルネックのセーター、前の開いた赤っぽいパーカーに黒系のミニスカート、さらにその下にジーンズとチョコレート色のブーツを履いている。
『Kasane_12』というトリックアートの化粧、そしてトラウマ断線法を用いる進学塾『メディカルキャンプ』の影響から、極度のストレスを被り自分を見失っていたが、外見を気にせず相談に乗ってくれた大百足や土蜘蛛や鵺などの妖怪に心を開く。しかし、世間は妖怪達との繋がりを芳しく思わず、彼らの除霊を試みた。人間の身勝手さに憤り、同じ想いを共有する子ども達を集めて大百足との同一化『パッケージ』を自力でアセンブルした。日本全国民を全て大百足との同一化『パッケージ』に巻き込み外見の美醜に拘泥しない世界を実現しようと企んだが、文化交流として立ち寄ったインテリビレッジ納骨村で計画を露見。目撃者である忍と米咲にパッケージを解体され、警察に逮捕される。隣町の墓前市へ身柄の搬送中に、猫鬼の使役者によって暴走させられ護送車を脱出。大百足の神経毒により意識を失ったものの、青行灯の凝視法による催眠によって『メンバー』に加わる事を決意してしまう。百鬼夜行との抗争が終息した後は刑務所に護送された。出所してからは忍曰く、米咲とバカップルになったらしい。
「子供と妖怪の相性の良さ」が常人よりも突出しており、この性質の指向性を自覚的に制御することで動物型の妖怪の口寄せを行うことが可能。口寄せされた妖怪は正気を失い、彼女の意志に従って行動する。
大百足(おおむかで)
致命誘発体。自身のサイズを自由に拡縮できる。「どんな攻撃も弾く」「雷光を纏う」「嵐を起こす」「100本の足を松明のように光らせる」「体内の毒が呪いの材料になる」など、時と場合により様々な伝承が伝えられている。
文化交流でインテリビレッジ納骨村へ向かった蘭園を追い、そこで出会った陣内忍や米先尋と協力して彼女の計画を阻止した。逮捕後、墓前市へ護送中の彼女の暗殺を企む『信賞必罰』の思惑に気付き、彼らと敵対していた病魔の使役者を影から追跡した。病魔の使役者に助力し、神経毒により暴走した蘭園を無力化。彼女の影に潜む『猫鬼』との毒虫同士の殺し合いを経て、存在が上書きされ蠱毒を獲得するに至った。が、青行灯の介入によって蘭園が拉致されてしまう。彼女に寄り添う事を決意し、意に反しながらも『メンバー』に加わり最後まで彼女を守り抜いた。百鬼夜行との抗争が終息した後も彼女の元に寄り添っている。
信賞必罰
万丈 明(ばんじょう あきら)
猫鬼の使役者(びょうきのしえきしゃ)
13、14歳ぐらいの少女。肩にかかる程度の黒髪に、健康的に上気した白い肌。片目を包帯で雑に覆っている。丈の短い黄色を主体にしたへそが見える程肉抜きされたチャイナドレスと、猫の耳のような飾りをつけた青いパーカーを羽織っている。片足だけ長い靴下を、もう片方にコミカルな絆創膏をいくつも貼っている。自分を卑下する言動が多い。
『猫鬼』を利用する疫病と呪いのエキスパート。壺の中で毒虫を殺し合わせる蠱毒の変種を扱い、取り憑いた標的に様々な病気を付与する。また、敵を走査し、それを撃滅するために必要な質と量の猫鬼が自動で生産される。さらに、通り魔を利用して人の心を狂わせ、標的を凶暴化し無差別犯罪を誘発させる事も可能。
『信賞必罰』の主戦力だったが、病魔の使役者に敗北して昏倒。その後、栽木によって拉致され『メンバー』に加えられたが、百鬼夜行との抗争が終息した後は百鬼夜行へ身を寄せた。同じ病魔を扱いながらも彼女とは違う道を示した病魔の使役者に好意を寄せてベッタリ付き添っている。
火付盗賊
必要な材料を奪い、現場に火を放ち証拠を隠滅する『信賞必罰』の調達屋。20代に入るかどうかの若い女性。腰まで伸びたストレートの長い金髪に、目元には知的な印象を強める薄いレンズのメガネ。ルージュのように真っ赤なタイトスカートのドレスに黒いガーターベルト付きストッキングを身に纏う。
ピンク色の外装をした電動の丸鋸を得物とし、この刃を人間の歯に差し替える事で『狐火』の伝承を利用した火を操る。凝視法を利用した催眠的な誘導も行える。丸鋸のグリップにハート型のカラビナを取り付け、合成繊維のリードと繋げる事でモーニングスターのように扱う事もできる。
歯のストックと隠れ家を用意するために坂下 蒼(さかした そう)の一家を拘束したが、病魔の使役者に襲われて200ヶ月ほど意識を失う事になる。
金輪奈落
その他人間・組織
黒川 櫂(くろかわ かい)
飴村 流(あめむら りゅう)
八河 巴(はちかわ ともえ)
艶美の同級生。髪を三つ編みにしたメガネの少女。しなやかな筋肉に包まれておりスタイルがいい。御茶ノ水のファミリー向けのマンションに住んでいる。寝る前に自宅から少し離れたコンビニまでジョギングし、立ち読みするのが日課。刑事であった以前の父、東条雅が家庭を顧みず事件に没頭していたせいで母と離婚し、離れ離れになる。現在、母は再婚済み。
隣人である妻田澪がパッケージに巻き込まれて行方不明になった事件を独自に調査していた。刑事である父親の捜査状況の進捗具合が芳しくなく、警察官全体に不信感を抱いている。父親が『人面瘡』パッケージに深入りしたために殺害され、別人が成り代わっていたことを知らず偽物の父に殺されかけたが、隼の機転により命を救われる。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
妻田 澪(つまだ みお)
八河巴の隣人。腰まである長い黒髪に、白系の地味な長袖のセーラー、足全体を覆う黒系のストッキングを履いている。得意科目はダンスで、『タロットガールズ22』などミーハーな話題に詳しい。
悪鬼羅刹の人面瘡パッケージに組み込まれて学校内での人間関係を気にして失踪。個人所有でいくつも山を持つ程の地主である祖父母へ助けを乞い、奥多摩の小屋に隠れ住んでいた。悪鬼羅刹の東条に「人と妖怪の融合」のサンプルとして拉致されそうになったが、隼が東条を逮捕し、さらに人面瘡の嘘の核を見抜いたことで被害が消失したことで日常生活に復帰した。後遺症は残り、本人を含めて3人以上が集まると存在が希釈されてしまう。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
調達屋
長谷部 道夫(はせべ みちお)
蛍光オレンジの囚人服を着た50歳前後の男。冤罪の可能性が濃厚で議論が白熱したせい執行のサインが延々と引き伸ばされている死刑囚で、『殺せない死刑囚』と呼ばれている。長谷部の逮捕にゴーサインを出した当時の捜査関係者は、現在では異例の栄転に成功しており、ブランドイメージ的に無実判決が出てしまうと困る人間が多い。
かつて黒山電子グループの取引先であり事実上完全傘下におかれた大阪の町工場に勤務しており、黒山電子グループの一存で下町全体が餓死するような貧困システムに囚われ汚れ仕事を押し付けられる環境にいた。黒山電子グループの命を受け、地下水の利用に反対していた全滅村の村民を集団で皆殺しにした。25年前の11月9日、黒山電子グループ内の内紛で会長が殺害された際に真犯人によって犯人に仕立て上げられ、翌年1月に押し込み強盗による殺人事件の容疑者として地方警察に逮捕された。取り調べでは沈黙を貫いたが、裁判では一転して無実を主張。結局は認められず、死刑判決を受けた。現在は再審請求が通るか通らないかの瀬戸際で、詳しい調査のため警視庁へ護送される最中に通過した四ツ山ジャンクションで青行灯のアセンブルに組み込まれた。
横枝 正(よこえだ ただし)
竹光の殺し屋
阿刀 美濃里(あとう みのり)
20代中盤くらいの巨乳の女性。既婚。かんざしを使って頭の後ろで黒髪をまとめており、首にはチョーカーをつけている。お台場のハチテレビにアシスタントプロデューサーとして勤めている。艶美からは(恋敵としても性格的にも)天敵だと警戒されている。
インテリビレッジ納骨村の出身であり、高校時代は生徒会長を務めていた隼の先輩であった。当時コワモテだった隼に関わる数少ない女子であり、彼を『猟犬』と呼んでいる。忍を溺愛してアプローチを試みるものの空振りが多く、忍本人も記憶に残っていない模様。大学も隼と同じであり、同じ飲みサークルに所属する仲であった。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
姉村 楓(あねむら かえで)
その他にも、焼身自殺で目を回していた軍オタの『戦車』と小麦色の『太陽』、野次馬根性を発揮して携帯電話で事件現場を撮影していた『永遠』、胸の谷間に幽霊が映り込んだ『隠者』の靡(なびき)、ポニーテールの『女教皇』やゴスロリの『死別』、細見で片眼鏡をかけた『魔術師』や密かに男の娘疑惑のある『術法』、スマホアプリで遊んでいるくるくる縦ロールの『運命』とお姉さん系の『欲望』とオドオド小動物系の『星』、メガネと帽子で変装している『教皇』(胸は大きい)と『月』(胸は小さい)、メモ魔の『悪魔』、掴み合いを起こした『塔』の前園と『均等』の魚沢、『恋人』、『皇帝』、『吊るされた男』、『愚者』や『宇宙』などがいる。
トマス=アルバート=ジュニア
国連事務次長。米国出身。恰幅のいい白人の老人。
3年前、中央アフリカへ人道支援物資としてコンテナ型の野菜工場を大量に送り付けた。当初の予定では、太陽光発電と組み合わせて年に20回以上を行える野菜工場によって、中央アフリカの慢性的な食糧難を解決できたはずだった。しかし、地元の犯罪グループに横取りされ、麻薬栽培プラントに利用されてしまった。完全密閉型だった野菜工場は地下にも屋内も自由に隠せるため衛星写真もあてにならない状況下、早急に犯罪グループの居場所を掴まねば地域の発展が30年は遅れる。この事態を解決するために人の域を超えたインスピレーションを欲し、才能を与える代わりに精気を奪うリャナンシーの使役式を使用した。その代償として身体が壊れてしまっているため、鎮痛剤を常に服用している。
江村 良一(えむら りょういち)
インテリビレッジ金鉱島の島民。カジノ誘致を主導する遊興企業側との生活インフラの格差に憤り、過去に恫喝外交に用いられた臼引き童のハードウェア破壊『パッケージ』を再びアセンブルしてカジノのサーバーの破壊計画を企てていた組織の一人。各界に顔が利く古珠を協力者に迎えていた。組織は20人以上の島民で構成されており、彼の他に佐藤、鈴木、といった人物が明かされている。
フリーライターの羽柴 透(はしば とおる)、オカルトサイト運営者の石田 萌(いしだ めぐみ)、職業不詳で自称脚本家の毛利 鏃(もうり やじり)といった3名の不審死を受け、CIAの介入に築き、USBハードキーを安全管理してパッケージの暴走を食い止める方針へと変えた。忍達一行からの協力に応じ、無事に臼引き童のハードウェア極小破壊『パッケージ』の阻止に成功した。
古珠 亮(こだま りょう)
雨恋 遥(あまごい はるか)
14歳の現役女子中学生のネットアイドル『サイバーレイン (PSI_ver_RAIN)』。モバイルグラスを着用し、ピンク色の帽子を被り、腰まで伸びた黒髪は毛先の方だけ赤く染め、白地に赤いラインのセーラー服、膝上まであるブーツはプラスチックじみた素材に関節を足した未来デザインのものを穿いている。話題作りのために超能力を自称し、慶城意塾大学の松海博教授と共同で超能力に関する論文を投稿している。
松海教授の殺害現場に偶然居合わせ、濡れ衣を着せられそうになったため失踪。隼の任意同行へ応じ、『金輪奈落』や片桐の妨害を受けながらも警視庁本庁に辿り着き、誤解を晴らした。
チゾメノザシキワラシの災厄後は、捜査一課の中に新設された対『パッケージ』専門の零外係への民間人の協力者として採用された。
田山 直(たやま すなお)
東条 匠(とうじょう たくみ)
津川 蚕(つがわ さん)
鳴砂 送(なきしま おくり)
野崎 春(のざき はる)
紙巻(かみまき)
明原 律(あけはら りつ)
佐田 調(さだ しらべ)
天衣 猫(あもう ねこ)
星見 収斂(ほしみ しゅうれん)
星見 明逢(ほしみ あくあ)
星見 導入(ほしみ どうにゅう)
星見 看破(ほしみ かんぱ)
松島 恋(まつしま れん)
八井 敏(やつい とし)
松島 涼(まつしま りょう)
初友 鳴(はつとも なる)
豊川 龍(とよかわ りゅう)
その他妖怪・悪魔
七人ミサキ
ボウズサマ
当廟(とうびょう)
75匹をワンセットとし、壺や甕の中で飼われる妖怪。定期的に酒や握り飯を要求する代わりに、金銀財宝を他の家から盗んで来ることで主人の家を繁栄させる憑物。家の繁栄を邪魔する者を病気にする特性もある。
一匹の長さは30cm程度で、太さは小指程度の黒い蛇の姿をしており、頭の部分には金色の指輪が嵌めてある。全滅村の有力者が四国辺りの商家から買い取って、村に本来いた妖怪『大蛇(おろち)』を上書きした形でパッケージに組み込まれたが、「全滅」によって仮組みの中途半端なまま村に放置される。そのため大蛇としての特性も交じっており、無数の蛇が互いに巻き付き、喰らい合い、強靭に絡み合うことで、複数に枝分かれした、一つ一つが数十mもの巨大な蛇へと形を変化できる。四ツ山の地下水を飲んだ者を主人と認識していた。
キツネ、タヌキ、ムジナ
臼挽き童(うすひきわらし)
12、13歳程度の丈の短いミニ浴衣に、花魁のように肩を大きく出した、チューブトップのミニドレスみたいな格好の少女の姿。座敷童の亜種で、その名の通り主に古い屋敷の中で石臼の近くに現れる。それ以外はほとんど座敷童と同様で、居着いた家の家人に富と繁栄をもたらし、しかしその家から立ち去ると同時に衰退を決定づける妖怪。火事を予言したり、一族郎党が一夜で全滅するような事態に陥る、といった記録もある。悪意のない悪戯を繰り返すことも特徴であり、この場合はテリトリーである屋敷や石臼の周りを一時的に離れることも珍しくない。他にも、寝ている家人の布団に潜り込んだり、枕をひっくり返したり、布団を引っ張ったり、寝具まわりの悪戯なども有名。
金鉱島にて古珠がトランプ入れ替え『パッケージ』として組み込んでいたが、忍に敗北したことで古珠の元を離れた。江戸時代には大判や小判により富の繁栄が左右されており、これが臼挽き童の「純金を操作する性質」と解釈されたことでハードウェア極小破壊『パッケージ』に組み込まれ、インテリビレッジ計画が実現するまでの再興期間に恫喝外交の道具として用いられた過去がある。
天邪鬼(あまのじゃく)
ツェリカ=ヴィーン=アルファ=チェリディア=ルミディリエ
扱う『負の概念』が多すぎて七つの大罪の枠組みに収まらない程の大悪魔。栽木和によって、仏教の習合により『津絵利可如来』として顕現。サキュバス・ヘンリエッタの友人。
マルグリットの肉体を依代にしたため、ウェーブのかかった長い金髪を空色のリボンで束ね、真っ白な肌を鱗のような外殻で覆っている。額からは後ろへ流すように捩じれた2本の角、背中からはコウモリのような翼、尻からは太い尻尾が生えている。
人々を堕落させる疑念・憎悪・狂愛・詐称などの『神を裏切らせるもの』を自在に操り、敵味方の認識そのものを改変する事ができる。欲望を与えて人を堕落させるが、その刺激自体が強烈なため人間の肉体では耐え切れずに出血を伴う。
雪女・霙(みぞれ)
雪女・斑(はだれ)
刑部姫(おさかべひめ)
地名など
インテリビレッジ納骨村
陣内酒造、果実山にあるサナトリウム、安田銃砲店、田中農園などがある。交番、駄菓子屋、小・中・高校がそれぞれ村に一つずつあり、大学はない。ローカル単線が上下合わせて一日に5本しかない。果実山の南側の麓には子供達が秘密基地を作って、しばしば家出している。現在は立ち入り禁止になっており、果樹園をゲリラ豪雨から守る遊水地として整備されている。
墓前市(ぼぜんし)
ご当地マスコットは火車ちゃんであり、冬の祭りの主役にもなっている。祭りに合わせて、精霊市、供物市、盆歌市、散華市、迎火市など全国の13の街と提携している。
墓前市に面した山の1つ『墓石山』には休火山を利用したトンネル網があり、『御口様』と呼ばれて夏の祭りの主役にもなっている。山頂のドッグスクエアは分類上は神社となっており、『御口様』への生贄として旅行者を拉致して神職の人間に飼育される厩舎となっていた。
インテリビレッジ座礁島
主要産業は真珠とカキの栽培漁業。漁業ベースに、内陸ではドラゴンフルーツやマンゴーなどを育てている。
インテリビレッジ風化村
京都
オーストラリア
万国群体農場プロジェクト(インターナショナルプランテーションプロジェクト)
四ツ山ジャンクション
全滅村
100年以上前に霊的被害に苦しむ人間の姥捨てに近い隔離方式の療養施設として発足したため、外界から隔絶されており、安定した食料供給もままならず電気も電話線も通して貰えないほどに遠ざけられていた。30年前、谷底を流れる川から砂金が採取され村の収入源となるものの本格的な探査や採掘技術はなかったため採掘量は不安定であり、採掘量の少ない年は生活物資の不足から社会不安が生まれていた。それを解消するための儀式として、その年に生まれた赤ん坊を洞窟の中ある泉に沈めて間引きを行っていた。村には2ヶ所の墓地があり、一般の村人と間引きされた赤ん坊とで分けられている。こういった事情から、村民は地下水を不浄として飲むことを禁じていた。
砂金によって外界と接するだけの外貨を手にし、地下水を利用したがっていた黒山電子グループの企業との対立にも後押しされ、四ツ山集落の有力二家の一つは当廟を輸入して霊的に武装しようとするも、黒山電子グループに先手を打たれ村を全滅させられた。横枝正の発見と冤罪に失敗したため黒山電子グループによって村の情報そのものを抹消された。私有地の水源確保という名目で森のあちこちにカメラやセンサーが敷設され、未だ尚、彼の捜索が行われている。
黒山電子グループ・四ツ山精密半導体工場
その実態は5000人の囚人と3000人の看守から成る企業監獄。きちんと操業し納品も行っているが、半無人のオートメーションでSE数人だけで稼働している。その真の目的は、「企業にとって深刻な背信行為を働いた者」を収監することであり、内部告発者や派閥争いの敗者、消費者団体なども閉じ込めている。寮ブロックは完全なデコイであり、囚人達は地下全体を使った監房ブロックに押し込められ、衣食住を保証した上で基本的に「何もさせない」でおかれている。自殺率85%以上。
箱根
G20首脳会談にて、諸外国の各官僚がリクエストした地。
インテリビレッジ地獄峠方面
インテリビレッジ炎熱村
インテリビレッジ剣山村
インテリビレッジ金鉱島(きんこうとう)
CIAの手によって島深部の土砂の掻き出されて代わりに発泡素材を詰め、島の座標ごと北方へ5 - 10kmほど移動させられていた。その際の海上・航空管制の異常は、全て天邪鬼のパッケージによって誤認させられていた。そのため本来の座標にあった頃に比べて気温が変化し、植生にも影響が及んでいる。
重巡島(じゅうじゅんしま)
世界観と用語
基本的に現実世界と同様だが、妖怪などのオカルトが存在し世間に認知されている架空の世界が舞台となる。
インテリビレッジ
精密機械工業分野で「致命的な敗北」を喫した日本が経済再生をかけ大きく方向転換し、伝統と最先端テクノロジーを融合させて出来た諸外国と戦うための超高精度第一次産業。インテリビレッジ政策が完了し日本が再び立て直すまでの数年間はハードウェア極小破壊『パッケージ』を用いて諸外国に恫喝外交を強いていた。
三ツ星ホテルや有名百貨店が提唱し広告代理店が喧伝、これによって国土の3分の1が再開発され第1次産業が様変わりした。格安かつ大量に流入する外国産作物と差別化を図るため、高価・安全・上質が売り文句となっており、インテリビレッジで作られたものはブドウなら一房三万円、酒はコップ一杯五万円といったような価格設定となっている。地価も非常に高く、その他インテリビレッジ内の土・風・水・草・虫・魚などにも高額な値段がつけられており、その辺りの川の水も1リットル300円かかる。
外部から若者を積極的に取り入れているものの、「田舎」であることを演出するため意図的に過疎状態になっている。店や交番なども少なく、農家は優れたセキュリティ網を備えた設備や武装警備員の雇用といった対策をとっており、買い物弱者問題には徹底した光通信網とネット通販で対処している。「学校教育よりも親の仕事について家業の勉強をする方が有意義だ」という風潮から産業を担う跡取りは学校を公欠することもできるなど、独自のシステムが存在する。集落は基本的に閉鎖的であるとされる。
『昔はこんなじゃなかった』『昔に戻れば全部丸く収まる』といった思想によって、科学的な数値以上の価値を期待する人々によって新設される。
田舎が再開発されたことで、文明の発達に伴い都会で暮らし辛くなった妖怪達がインテリビレッジに集まるようになった。
妖怪
基本的に現実世界における概念と同様。近代的な都会を嫌い、古風な田舎を好む。銃火器や車の衝突といった普通の方法では傷一つ負わないが、妖怪同士の戦闘や特殊な技能を持つ人間の手にかかればその限りではない。
人間の言語で意志疎通が可能だが、喋れる種とそうでない種がいる。人間の形をとるものであっても人権などは存在せず、労働もできない。また彼らに人間が殺害されても事故死のような扱いとなるなど、現行法では裁くことができない。一方で、国家登録番号として各妖怪には「数字8桁+アルファベット2文字+〇号」という個体番号が割り振られている(現在ではあまり使われていない)。チゾメノザシキワラシの災厄後、人間と意思疎通可能な592種の妖怪に対して民法が適用される事になった。
また、妖怪の誕生は未だブラックボックスであり、「出現頻度に関わるXの乱数幅」など21世紀の難題十指に数えられている。
致命誘発体
パッケージ
組み込む妖怪を見据え、伝承を正確に紐解き、目的に合わせて一部を曲解・肥大化させて、具体的かつ物質的なアイテムに記号を盛り込み霊的に連結させる事でアセンブル(組む)される。よって、アセンブルや管理維持には大規模な人数と資金が必要となる。
組み込まれた妖怪は基本的に自覚症状に乏しい場合が多い。複数のパッケージを同時に駆動させるセパレート型など複数の方式が存在する模様。
陣内家
住居はかやぶき屋根の古民家だが祖父の方針で水回りと冷暖房はハイテクになっている。妖怪たちの間ではかなり有名であるらしく、しばしば遠方から訪れる旅の妖怪達の一夜の宿にされる。
人間の食事は居間で、妖怪の食事は仏間で、と決められているが、いただきますと言った後なら双方が移動する事まで制限されていない。
菱神
『菱神の男』は静的な集合を重視し秩序の維持や人と人を繋げる力に長け、時代の混乱期に台頭し、結果的に総合商社などの巨大で安定なシステムを作り上げる。
『菱神の女』は動的な離別を重視し、『菱神の男』が作るシステムのブレーカー役としてグローバル企業を個人で破壊し得る程に秩序の破壊に秀でるとされる。結果として、時代の退廃期に台頭して腐り切った組織を壊滅させる。このような経緯から『菱神の女』は「菱神の女は凶事を招く」という家訓がある程忌み嫌われている。出生届も出されず、本来なら生まれた瞬間に殺されるが、何かしらの理由で免れた者だけが外の世界へ放たれる。
百鬼夜行
古都の公家や貴族の旧邸宅のように内装を変えたくの字の形をした巨大な全翼機を中心に、第4.5世代と第5世代の護衛戦闘機を8機、その整備のための機材を積んだ大型輸送機2機、空中給油機1機を侍らせた大編隊を本拠地とし、「退役したパイロットを教官として集めた航空学校の一部門が航空軍需各社の最新機の性能試験を手伝っている」という名目の元で常に飛行している。全翼機の上には皿のような巨大なアンテナが取り付けられており、空中警戒管制機と同等の機能が備わっている。
栽木和に移動拠点を墜落させられた事で、菱神恭に協力を取り付けてステルス戦略爆撃機6機と空中警戒管制機1機を新調した。
開国派
鎖国派
インテリビレッジ風化村のホテルに妖怪絡みの関係者(忍達一行)を集めて座敷童のパッケージをアセンブルし、パッケージの高ブランド化を通して縁の力を底上げし回収することで、凋落の一途を辿る百鬼夜行の再興を目論んだ。
ユーロセキュアフォース
人の組織力を手にした妖魔によるコミュニティという直接的脅威という形で国外から、才子佳人を乗っ取り百鬼夜行に吸収させる形で国内から、それぞれ百鬼夜行内のパワーバランスを操作し、更に「鎖国派」の代表格として一員を送り込むことで百鬼夜行内部のクーデターを引き起こした。インテリビレッジ風化村の一件の後、引き際を見誤り、歴史的なペストの脆弱性を突いた病魔の使役者の直接攻撃により壊滅した。
才子佳人
組織の構成人数は少ないが、腕の立つ人員が多いため、大きな犯罪組織が吸収しようと躍起になっていた。そのため勢力構造が複雑で、容易に手出しできない危険な構図を敢えて作り出していた。
信州奥地の白木戸市(旧姥捨村跡地)のダムで霊的薬品のエミュレーターを製造していたが、舞により全て焼却処分されてしまい、スポンサーに見限られ彼らに皆殺しにされた。その後、スポンサーもまた霊的薬品製造の研究初期段階に確立させた「妖怪を殺害する技術」を利用して舞を襲うも返り討ちに遭い壊滅した。
悪鬼羅刹
大きな犯罪組織
安楽会
安楽会の『上』は人員、武器、資金の面で不安が残り四大ネットの中で一番格下だという評価もあるが、同時に、「世界で初めて、国家以外の勢力で核武装に成功した民間組織」という厄介な噂もある。旧ソ連の廃棄施設からMIRVの弾頭を盗んで小型核を回収したという情報、さらに海外の民間宇宙船会社を脅迫していたことも明るみに出て、二つの事実が真実の場合は弾頭攻撃が可能ということになる。
占い師として雇った栽木和に裏切られネット全体ごと壊滅した。
鬼籍会
料亭の主様
遺産相続エージェント
因果応報
常在戦場
CIA
青行灯を『ブルーランプ』と呼称し、彼女の脅威から日本を救うため臼引き童のハードウェア極小破壊『パッケージ』を乗っ取り日本製ハードウェアの信頼を失墜させ、世界恐慌を招くことで国家の買い取りを目論んだ。しかし、忍達一行により作戦は妨害されたため、アメリカは青行灯の陰謀から手を引く姿勢を示すこととなった。
信賞必罰
金輪奈落
タロットガールズ22
新橋の臨海エリアにある20階建ての巨大なビルが、丸々全て『タロットガールズ22』だけを擁するための専門の芸能事務所。低階層はジム、収録、写真撮影用スタジオなど外部スタッフを招く施設で、高階層は法務や経理など内部スタッフだけで回せる施設が集中している。最上階が社長室。数人しか存在しないマネージャーは全て取締役であり、1人で10人ものアイドルを管理している。
姥捨て団地
隼と艶美の介入によって『パッケージ』は停止させられ、警察が椀貸不動産を逮捕。部屋に住んでいた住人達も、艶美の助力によって人並みの生活を営めるレベルまで戻った。
小手蜜
「あらゆる問題を金で解決する、仕手戦の絨毯爆撃部隊」などとも噂され、日本橋を行き交う証券マン達の間では『金曜日の夕暮れに絶望して月曜日の夜明けに首を吊りたくなければ、小手蜜本家には近づくな』という格言まで広まっている。一方で、極端な乱高下を生み出す小手蜜本家の動きに乗じて一攫千金を狙う投資家はゴールドサーファーなどと揶揄される。
軍事転用可能なオートドライブ技術を海外へ売却しようとした新興のクラウド自動車を締め上げるため、周辺町工場を片っ端から敵対的買収で買い占め、特許問題で雁字搦めにした『楔の七分間』という有名な逸話もある。
書籍情報
既刊一覧
巻数 | タイトル | 初版発行日(発売日) | ISBN |
---|---|---|---|
1 | インテリビレッジの座敷童 | 2012年5月10日(同日) | ISBN 978-4-04-886554-8 |
2 | インテリビレッジの座敷童(2) | 2012年11月10日(同日) | ISBN 978-4-04-891086-6 |
3 | インテリビレッジの座敷童(3) | 2013年6月7日(同日) | ISBN 978-4-04-891611-0 |
4 | インテリビレッジの座敷童(4) | 2014年7月10日(同日) | ISBN 978-4-04-866693-0 |
5 | インテリビレッジの座敷童(5) | 2014年12月10日(同日) | ISBN 978-4-04-869097-3 |
6 | インテリビレッジの座敷童(6) | 2015年5月9日(同日) | ISBN 978-4-04-865120-2 |
7 | インテリビレッジの座敷童(7) | 2015年6月10日(同日) | ISBN 978-4-04-865121-9 |
8 | インテリビレッジの座敷童(8) | 2015年9月10日(同日) | ISBN 978-4-04-865380-0 |
9 | インテリビレッジの座敷童(9) | 2015年12月10日(同日) | ISBN 978-4-04-865564-4 |
原作未収録作品
書き下ろしブックレット
BOOK☆WALKER書き下ろしSS
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艶めきッ☆陣内忍ワールド