ウィッチャーII 屈辱の刻
以下はWikipediaより引用
要約
『ウィッチャーII 屈辱の刻』(くつじょくのとき、ポーランド語: Czas pogardy)は、1995年に発表されたポーランドのファンタジー作家アンドレイ・サプコフスキによる長編小説。同作者の代表作であるウィッチャーシリーズの長編第2作目である。
日本語版は2017年に早川書房より出版された。
あらすじ
前作において北方諸国の王たちは密約を結んでニルフガードへの反攻とシリの確保を企てていたが、これらは諜報員によってニルフガード皇帝エムヒルには筒抜けであった。エムヒルは先の戦いの敗北の要因として魔法院の存在を疎ましく思っている。一方、リヴィアのゲラルトはリエンスの背後にいる黒幕の正体を探るため、情報屋のゴトリンガーとフェンを頼り、そこで今の世界情勢や、シリがエルフの「古き血脈」を受け継ぐ危険な存在であることを教えられる。
イェネファーはシリを、北方の魔術師らを束ねる魔法院の総本山でもあるアレツザの魔法学校で学ばせようと考える。アレツザに向かう途中のある街において、人目を避けなければならないシリは、暴走した見世物小屋のワイバーンを仕留めるという活躍をしてしまう。偶然、現場に居合わせたイェネファーの師であり、現魔法学校校長ティサイアらにシリは捕まるも、慌ててイェネファーが釈明し、場を取り持つ。イェネファーはシリの出自を隠すため、あえて付き人としてぞんざいに扱うも、耐えられなくなったシリは逃亡を図る。シリはスコイア=テルのエルフや、幽鬼のワイルドハントに襲われるも何とか逃げ延びる。やがて追いついたイェネファーと共にゲラルトに合流し、3人でアレツザのあるサネッド島へ向かう。
サネッド島では団結してニルフガードに対抗するため、北方諸国に仕える魔術師たちが一同に会し、盛大なパーティが開かれている。イェネファーの連れとして参加したゲラルトに、若き有力魔術師ヴィルゲフォルツや、大国レダニアの諜報部長ディクストラが仲間に引き入れようと声を掛けてくるが、ゲラルトは中立を理由にいずれも断る。
翌朝、魔法院はレダニアに仕える宮廷魔術師フィリパ・エイルハート一派によるクーデターが起きていた。フィリパは、ヴィルゲフォルツがニルフガードに通じている裏切り者だとし、彼やフランチェスカ・フィンダベアを代表とする帝国派を一掃しようと考えていた。中立派で有力者であるティサイアは、この動きを北方諸国の王たちが魔法院を支配するための口実と捉え、ヴィルゲフォルツを守り、フィリパを牽制する。そこにシリを連れたイェネファーが現れる。シリはトランス状態となり、ニルフガードが北方諸国に侵攻し、レダニア王は暗殺されたと予言する。ティサイアはヴィルゲフォルツら帝国派を解放するも、フィリパの懸念通り、帝国派は既にスコイア=テル軍やリエンス、黒騎士ことカヒルを島内に潜ませており、彼らが魔術師たちを攻撃し始める。この混戦の中で次々と魔法院の有力者が命を落としていく。ディクストラに拘束されたゲラルトは隙を見て逃げ出し、シリやイェネファーを守るため、キーラ・メッツらと協力する。シリはウィッチャー仕込みの剣技でカヒルを退け、カモメの塔へと逃げる。ゲラルトは彼女の行方を追うヴィルゲフォルツに立ちふさがるが、一方的な敗北を喫し重傷を負う。シリは不安定な能力を使ってどこかへと転移し、塔も崩壊する。塔の崩壊の際に顔に傷を負うも、ヴィルゲフォルツは魔法院の壊滅という一定の目標を達成し、ニルフガード軍として引き上げる。ゲラルトはトリスやティサイアに助けられると「門」でブロキロンの森に転移させられ、逃げ延びる。生き残った魔術師たちは魔法院の再建を誓うも、絶望したティサイアは自殺する。
サネッド島の反乱からしばらく経ち、未だブロキロンで療養中のゲラルトは、親友ダンディリオンの訪問を受ける。北方諸国のうち、エイダーンとライリアはニルフガード軍によって壊滅的な被害を受け、テメリアは帝国の軍門に下り、レダニアではヴィジミル王が暗殺されたという。さらにシリがニルフガードに確保されたという噂もあり、完治をまたずゲラルトは森を発ち、南方のニルフガード領に向かう。一方、ニルフガードではエムヒルとシリの婚約が発表され、帝国はシントラ統治の正当性を得る。しかし、このシリは偽者であり、帝国は裏で本者の行方を探していた。
本者のシリは北方諸国から遠く離れた見知らぬ砂漠の土地にいた。食料や水の危機、あるいは怪物の襲撃といった苦難に見舞われ、生き延びようとするも、ついには倒れる。そこを通りかかった盗賊団に、ニルフガードへの賞金目当てに捕まる。酒場にて、シリは別の盗賊団に同じように賞金目当てで捕まったエルフ、ケイレイと出会う。ケイレイは「ネズミ」と呼ばれる盗賊団の一員であり、間もなく彼を助けに来た仲間たちによって酒場は制圧され、戦闘力が評価されてシリは彼らの仲間となる。シリは予知夢で見た恐れられた太古の魔女からファルカと名乗って出自を隠す。「ネズミ」のメンバーたちは戦争難民であり、シリは彼らに強い仲間意識を持つ。
登場人物
主要人物
主人公らの協力者
魔法院
北方の魔術師らを束ねる歴史ある組織。意思決定機関として評議会がある。サネッド島に本拠とアレツザ魔法学校を有する。北方諸国各国に顧問として魔術師を派遣し、地域の安定に寄与してきたという自負がある。
北方諸国