漫画

エイティエイトを2でわって




以下はWikipediaより引用

要約

『エイティエイトを2でわって』は、有馬による日本の4コマ漫画。

『まんがタイムきららMAX』(芳文社)にて、2023年2月号から4月号までゲスト連載後、同年5月号から連載中。

ゲスト連載時のタイトルは『ニブンノハチジュウハチ』。タイトルの「エイティエイト(88)」とはピアノの鍵の数であり、1台のピアノを2人で弾く連弾をテーマとした漫画となっている。

あらすじ

それほど上手ではないがピアノを演奏することが大好きな少女である藤田美弦は、地元の北海道を出て、全寮制の雨久花高校に進学する。偶然にも寮での美弦の同室者は、幼い頃に同じピアノ教室で学んだことがある小林奏だった。奏は美弦とはレベル違いのピアノの実力者で、中学生にして音楽留学したほどだったが、留学先のレベルの高さに挫折し、帰国していたのだった。

そのため奏は「しばらくピアノは見たくない」と、音楽科のない雨久花高校に入学していたのだが、美弦はなんと自宅から寮の部屋に、自分のグランドピアノを持ち込んでいた。それでもかたくなにピアノは弾かないと言っていた奏だが、美弦の演奏を指導することになる。その流れでピアノの前に座らされた奏だが、2カ月ぶりのピアノを前にして不安と緊張で手が動かない。そこで美弦が横に座って、連弾でピアノを弾きはじめる。

さらには寮で寝室が隣である清花ゆずと松永来夢もピアノを演奏をするようになり、そのまま4人で地域の音楽祭にも参加する。美弦に丸め込まれるように再度ピアノに触れた奏だが、皆と触れあううちに徐々にピアノの楽しさを思い出していく。

登場人物
雨久花高校関係者

藤田 美弦(ふじた みつる)

雨久花高校1年生。本作の主人公。北海道出身。とにかくピアノ演奏が大好きな少女。4歳の時に買ってもらったトイピアノに熱中し、それを見た親から次の誕生日にグランドピアノを買い与えられた。またピアノ教室にも通うようになり、そこで奏と出会う(そのピアノ教室は先生が厳しかったため、小6の時に緩い別のピアノ教室に変えている)。ただコンクールなどに出ても予選落ちばかりで演奏の実力はあまり高くない。全寮制の学校へ進学するにあたり、寮の許可を取ってわざわざ自分のグランドピアノを自分の部屋へと持ち込んだ。
とにかく楽しくピアノを弾くが、ハノンのような地味な練習は苦手。また音やテンポが安定せず、無駄に力が入って音が大きくなりがち(よく「ズンドコ」という擬音が使われている)。好みの曲も「ズンドコ系」や速い曲ばかり。再会後の奏との初の連弾ではセコンド(低音)を担当していたが、テンポが安定しないため以後はプリモ(高音)に代わった。
性格はかなり脳天気でテンションが高く、少々強引。落ち着きがなく、壮絶に寝相が悪い。そそっかしいところもある。
小林 奏(こばやし かなで)

雨久花高校1年生。本編のもうひとりの主人公。美弦と同じく北海道が地元で(美弦とは学区違いで小学校は異なっていた)、彼女が通っていたのと同じピアノ教室におり、その時に美弦と連弾を経験している。当時から非常に演奏のレベルは高く、出場するコンクールの幼児・小学生部門でことごとく優勝するなど、天才児として知られていた。そして中学生の時フランスに音楽留学したが、そこで「コテンパンにやられました」「私レベルなんてゴロゴロいたしそれ以上だっていっくらでも」と語るほどに挫折。帰国して、ピアノも見たくなくなり、音楽科がなく地元からも遠い雨久花高校に入学した。そこで美弦と再会し、彼女のピアノ演奏につい口を出して指導をするようになり、自分も美弦との連弾を中心に再度ピアノと関わり出す。それでも自分のソロ演奏を他人に聞かせることは頑なに避けて恐れ、連弾用の曲をひとりで練習するときも美弦のピアノは使わず、わざわざ学校の音楽室を借りて行うほどだったが、地域の音楽祭に参加したとき最後にソロ演奏を予定していた美弦が腱鞘炎になったため、代わりにソロ演奏を披露した。
寮では美弦と同じ寝室で、クラスも同じ。ピアノの指導についてはスパルタで、目つきが変わり、美弦の演奏について容赦なく批評する。特にピアノに対しては非常に生真面目だがそれ以外ではけっこう抜けているところや天然なところがあり、低レベルな言い合いを美弦と行うこともしばしばで、普段は丁寧な言葉遣いもくだけたり汚くなったりする。クラシック以外の音楽はほとんど経験がなく聞いたこともあまりないため、ポップスに妙な偏見を持っている。
清花 茜音凛蘭柚香蓮(きよはな あかねりんらんゆずかれん)

雨久花高校1年生。本名が長いため普段は「ゆず」と名乗っている。寿限無のように親が名前を悩んで決めかねた結果長くなったという。
寮では美弦・奏の隣の寝室(リビングは共用のため実質4人部屋)。何度か奏とピアノコンクールで一緒になっており、奏の演奏のファンだった。お嬢様育ちで、ピアノ以外にもバイオリン、フルートなどにも手を出しており、本人曰く「色々やりすぎて全部中途半端」。美弦・奏との出会いにより再びピアノをよく弾くようになり、美弦達と共に地域の音楽祭にもピアノ演奏で参加した。
お嬢様言葉で話し、普段は午後9時に寝るほど睡眠時間が長い。体格はかなり小柄。ふわふわとした髪をよく来夢などにいじられている。
自宅は寮から車で30分の距離。来夢によるとその自宅は「玄関からリビングまで20分くらい」「お手伝いさんが20人くらい」「ゆずの部屋は50畳くらい」「お風呂は6カ所」だというが、その話には「ひとつだけ嘘」があり、ゆずも「来夢は大げさ」と言っていて、結局具体的にどれくらいの家かは曖昧。
松永 来夢(まつなが らいむ)

雨久花高校1年生。寮でゆずと同じ寝室(美弦・奏の隣部屋)。見た目はギャルだがしっかりもので、中学から一緒だったゆずの面倒を保護者のようによく見ており、朝起きられないゆずを脇に抱えたまま食堂に行くといったこともある。美弦のことを「みちゅ」、奏のことを「かなぴ」と呼ぶ。
小学生の時に鍵盤ハーモニカをやった程度でピアノに関しては完全に初心者だったが、寮で同室の他3人がピアノ経験者でピアノの話で盛り上がるため寂しくなり、自分もゆずに教わりながらピアノを始め、彼女と連弾で演奏するようになる。連弾ではプリモ(高音)を担当するが、客側から見て奥になるゆずが自分の影になり、観客から見えなくなることを不安に思う程度に身長が高いなど全体的に大柄。
九十田 唯(つくだ ゆい)

美弦達と同じクラスで吹奏楽部所属、担当楽器はバスドラム。見た目や雰囲気は「物腰やわらかおっとり癒やし系のお嬢さん」だが、音楽室の金属製の鍵を簡単にへし折り、その後防音扉を素手で外して持ち上げるなど怪力の持ち主。中学生まではその怪力を生かして運動部の助っ人ばかりしていたが、元々音楽に憧れていたという。
鴻坂 須寿菜(こうさか すずな)

合唱部所属の1年生。「歌より先生のほうが好き」と大島になついており、大島が顧問を務める合唱部に所属している。
小笠原 ちよ(おがさわら ちよ)

軽音楽部所属の1年生。地域の音楽祭ではバンドによるライブ演奏を行った。
大島 彩葉(おおしま いろは)

合唱部の顧問である教師。ふくよかで、いつも菓子を持ち歩いており、何かある度に人に与えようとする。合唱部ではピアノ演奏も担当。

その他の人物

杏奈(あんな)

ゆずの家と契約している、若い女性の調律師。元々は音大のピアノ奏者で、自分が出たコンサートで演奏したピアノの調律に惚れ込み、その調律を担当した調律師に弟子入りした。おだてると調律のことについて長々と語り出す。

用語

雨久花高校(みずあおいこうこう)
美弦達が通う全寮制の私立高校。美弦曰く自由な校風で、学食が充実している。部活動が活発。美弦たちが入居している学生寮は4人部屋で、寝室は2つに分かれておりそれぞれ2人で使用するという構造。奏は自分たちの寝室にピアノを持ち込んでいる。各部屋バス・トイレ付きに加えて大浴場もある。

書誌情報
  • 有馬『エイティエイトを2でわって』芳文社〈まんがタイムKRコミックス〉、既刊1巻(2024年1月26日現在)
  • 2024年1月26日発売、ISBN 978-4-8322-9523-0
参考文献
  • 有馬『エイティエイトを2でわって』 1巻、芳文社〈まんがタイムKRコミックス〉、2024年1月26日。ISBN 978-4-8322-9523-0。