エクスタス・オンライン
以下はWikipediaより引用
要約
『エクスタス・オンライン』は、久慈マサムネによる日本のライトノベル作品。イラストは平つくねが担当している。2016年9月より2019年12月までKADOKAWAの角川スニーカー文庫から刊行された。
VRゲーム世界の魔王に転生した主人公がプレイヤーとなったクラスメイトたちを迎え撃ちながら、元の世界に帰還するために奮闘する姿を描く。
あらすじ
公立南明神高校2年A組のスクールカースト最底辺にいる堂巡駆流はVRゲーム『エグゾディア・エクソダス』に君臨する魔王ヘルシャフトに転生した。しかし、目の前に現れたプレイヤーたちは憧れの女の子、朝霧凛々子を始めとしたクラスメイトだった。彼女たちは魔王を倒せば元の世界に戻れると信じているが、実際は魔王が死んでゲームがクリアされるとプレイヤーの意識データが現実世界の肉体に宿らず、消滅して死亡する事実を駆流は知る。大切な人を救うため、駆流は最強の力と禁断の力「アダルトモード」でクラスメイトを迎え撃ち、魔王軍とクラスメイトの間を行き来しながら現実世界への帰還を目指す。
登場人物
声はオーディオドラマのもの。
主要人物
堂巡 駆流(どうめぐり かける) / 魔王ヘルシャフト
声 - 島﨑信長
本作の主人公。公立南明神高校2年A組の男子生徒。スクールカースト最底辺のぼっちで凛々子に憧れている。
学校の授業で次世代VR教育システムのテスト運用でログインして半年間の眠りの後、VRゲーム『エグゾディア・エクソダス』の魔王ヘルシャフトに転生していた。
目覚めた当初はプレイヤーとなったクラスメイト達と訳も分からず戦うことになって混乱していたが、ゲーム会社『HELLZDOMAIN(ヘルズドメイン)』で開発中だった『エグゾディア・エクソダス』のデータを作るバイトをしていたため、徐々に適応。やがて『HELLZDOMAIN』での上司である愁子と再会して、魔王が死んでゲームクリアとなれば、プレイヤーの意識データが現実世界の肉体に宿らず消滅して死ぬことを知る。またプレイヤーはゲーム内で死んでも生き返るが、敵キャラである駆流はゲームでの死がリアルの死と直結しているため、自分がクラスメイト全員の命を背負っていることを自覚。さらに魔王軍の忠誠心が無くなると魔物からも襲われることになるため、魔王軍とクラスメイトの双方を騙し、行き来し、奔走しながら現実世界への帰還を目指す。
凛々子に対しては好意を寄せているが、彼女の幸せを心から願っており、自分と結ばれなくてもいいと覚悟している。他のクラスメイトはどうでもいいが、凛々子だけは必ず現実世界へ戻すことを決意するほど大事に思っている。
魔王ヘルシャフトとしては黒い鎧の姿をしていて、最強の攻撃力や、十八歳未満禁止のアダルトモードに属する催淫魔法『エクスタス』とランダム効果の魔法『ヘル&ヘヴン』を使用する。鎧の下は現実世界での人間の姿をしており、クラスメイトの元に潜り込むことができるが、鎧を脱ぐとゲームスタート時のデフォルトであるレベル1まで低下する。さらに敵キャラであるため、いくらモンスターを倒しても経験値は貯まらず、成長しない。そのため、課金システムでステータスを上げるアイテムを購入して使用することで誤魔化している。
著者・久慈マサムネは魔王ヘルシャフトが叫ぶポエムについて、「どれだけ自分のナルシシズムを引き出すことができるのか」を意識して考えているという。
朝霧 凛々子(あさぎり りりこ)
声 - 加隈亜衣
本作のヒロインの一人。公立南明神高校2年A組の女子生徒。気さくで気取らないスクールカースト頂点のお嬢様。
ぼっちである駆流にも気兼ねなく声をかけ、学校で駆流がやった善行(実際は仕方なくやったこと)も知っている。
魔王を倒して現実世界に帰るという意思が人一倍強い。
『エグゾディア・エクソダス』では剣士を務める。
哀川 愁子(あいかわ しゅうこ)
声 - 高橋李依
本作のヒロインの一人。駆流のバイト先のゲーム会社『HELLZDOMAIN(ヘルズドメイン)』の社員で駆流の上司。
たまたま会社からログインしていたため、『エグゾディア・エクソダス』の中に閉じ込められ、魔王軍の奴隷になってしまうが、魔王となった駆流と遭遇し、協力することになる。
自身も敵キャラ設定になっているため、ゲーム内で死んだらリアルでも死亡することになっている。
雫石 乃音(しずくいし のん)
声 - 木村希美
本作のヒロインの一人。公立南明神高校2年A組の女子生徒。美少女だが毒舌家。
駆流と同じぼっちだが、神秘的な孤高の美少女と呼ばれているので、慕っている生徒も多い。
怪しげな行動をする駆流に興味を示し、やがて魔王ヘルシャフトに対しても憧れの感情を抱く。
『エグゾディア・エクソダス』では魔導士を務める。
人間SIDE
2Aギルド
魔族SIDE
魔王軍
フォルネウス
用語
エグゾディア・エクソダス
2Aギルド
ロイヤリティ
課金
エクスタス
ヘル&ヘヴン
作風とテーマ
著者・久慈マサムネは「主人公が魔王役でログインする」「魔王として魔王軍と関係を持つだけではなく、クラスにおけるスクールカースト最底辺としての立ち位置も存在する」ことが本作の特徴であるとしており、複数の顔を使い分けつつバランスを考えて目的を達成をしなければならない点が面白さに繋がっているという。また、著者は本作のテーマを「人間関係」としており、人と人との関係性が複雑な造りになっているという。
既刊一覧
- 久慈マサムネ(著) / 平つくね(イラスト) 『エクスタス・オンライン』 角川スニーカー文庫〈KADOKAWA〉、全8巻
- 「魔王はクリアを許さない」2016年9月1日発売、ISBN 978-4-04-104716-3
- 「Santa-Xを待ちきれない」2016年12月28日発売、ISBN 978-4-04-104717-0
- 「アダルトモードと課金の狭間でポエムを叫ぶ魔王」2017年6月1日発売、ISBN 978-4-04-105290-7
- 「ぼっち魔王とチート神は偽りの友情を結ぶ」2017年10月1日発売、ISBN 978-4-04-105291-4
- 「MAD動画が死亡フラグをお届けします」2018年3月1日発売、ISBN 978-4-04-106365-1
- 「二人のエルフと三つの思惑」2018年11月1日発売、ISBN 978-4-04-107088-8
- 「白金の竜姫と記憶は巡る」2019年5月1日発売、ISBN 978-4-04-107087-1
- 「それはまだ見ぬ、仮想と現実の彼方」2019年12月1日発売、ISBN 978-4-04-108975-0
漫画
鬼八頭かかしによるコミカライズ作品が、『月刊ドラゴンエイジ』(KADOKAWA・富士見書房ブランド)2017年9月号より連載していたが、2019年2月2日に作者が逝去したため同年4月号からは事実上連載中止となっている。