エデンの東
以下はWikipediaより引用
要約
『エデンの東』(エデンのひがし、英: East Of Eden)は、アメリカ合衆国の作家ジョン・スタインベックが1952年に発表した長編小説。旧約聖書の創世記におけるカインとアベルの確執、カインのエデンの東への逃亡の物語を題材に、父親からの愛を切望する息子の葛藤、反発、和解などを描いた作品である。
あらすじ
19世紀後半から第一次世界大戦に至る時期のアメリカ合衆国カリフォルニア州サリナスを舞台に、創世記のカインとアベルの物語をモチーフとして、アイルランド移民であるサミュエル・ハミルトン家と、東部から来たアダム・トラスク家の2家族の歴史を描く。
登場人物
サイラス・トラスク
アダム・トラスク
キャシー
リー
カレブ
timshel
本作は聖書創世記4章のカインとアベルの物語をモチーフとしているが、中でもプロット上、重要な役割を果たすのが英語訳聖書の翻訳間の異同である。本作は欽定訳聖書(King James Version / KJV bible)とアメリカ標準訳聖書(American Standard Version / ASV bible)が創世記4章7節の最後の部分で異なった訳であることを利用し、登場人物にこの部分についての新しい解釈を語らせ、大団円に向けた伏線としている。
欽定訳
アメリカ標準訳
太字の部分がこれらの訳では明らかに異なった意味となっている(KJVでは「あなたは罪を治めるだろう」、ASVでは「あなたは罪を治めなければならない」)。リーはヘブライ語の聖書の文言を研究した結果、"thou shalt" や "do thou" と訳されている元のヘブライ語単語(読みをラテン文字に写すと "timshel")の本来の意味は別にあると指摘した。
映画・舞台・テレビドラマ等
映画
- 1955年、エリア・カザン監督、ジェームズ・ディーン主演で映画化された。詳細は「エデンの東 (映画)」を参照
舞台
- 1995年には宝塚歌劇団花組が舞台化。詳細は「エデンの東 (宝塚歌劇)」を参照
- 2005年にグローブ座において再び舞台化。松本潤が主演した。
テレビドラマ
- 1981年、米国でティモシー・ボトムズ主演のテレビドラマシリーズが製作された。
- 1997年、TBSで2時間単発テレビドラマ化されている(主演:いしだ壱成)
- 2008年、韓国でソン・スンホン主演のテレビドラマが製作された。詳細は「エデンの東 (テレビドラマ)」を参照
日本語訳
- 野崎孝、大橋健三郎訳、早川書房(上下)、1955、新版1971、ハヤカワ文庫(全4巻)、1972、のち新装版
- 鈴江璋子、掛川和嘉子、有木恭子訳『スタインベック全集 12・13』大阪教育図書、1999
- 土屋政雄訳、早川書房(上下)、2005、ハヤカワepi文庫(全4巻)、2008
関連作品
- CIPHER - 本作をモチーフにした漫画。