小説

エヴリシング・フロウズ




以下はWikipediaより引用

要約

『エヴリシング・フロウズ』は、日本の小説家津村記久子による小説である。

『別册文藝春秋』2012年5月号から2013年1月号までに連載された。単行本は、2014年8月30日に文藝春秋より刊行された。単行本の装丁は、野中深雪による。単行本の装画・挿画は、内巻敦子による。文庫版は、2017年5月10日に文春文庫より刊行された。

本作のタイトルは、ティーンエイジ・ファンクラブの同名の曲から採られている。著者の津村は、「『ウエストウイング』を執筆したときに、編集担当者が、ヒロシが今後どのようになるのか知りたい、と言ったことが、本作を書くきっかけになった」との旨を述べている。

2017年にNHK-FM「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化された。

あらすじ

中学3年生のヒロシは、大阪市に住んでいる。彼の父親と母親は、ヒロシが小学3年生のときに離婚し、以降、彼は母親と2人で暮らしている。ヒロシは、体格が小柄で勉強も不得手であるが、絵を描くことについては得意である、と思っていたが、前髪が長く、顔をほとんど上げない増田が描いた絵を見て、自信をなくしてしまう。ヒロシは、3年生のクラス替えが発表された掲示板の前で、身長が高く、1人でいることが多いヤザワに話しかけられ、席がすぐ近くであったこともあり、彼と親しい仲になる。やがてヒロシは、増田の他に、ソフトボール部に所属している野末と大土居の2人組とも仲を深めていく。

主な登場人物

ヒロシ

中学3年生。
増田誓子

ヒロシの同級生。
矢澤徹也

ヒロシの同級生。ヤザワ。
野末義美

ソフトボール部の主将。
大土居紗和

ソフトボール部の副主将。

書評

批評家の佐々木敦は、「これはすぐれた『中三小説』であると同時に、それだけではない。痛みを押し流すような、爽やかな風が吹いている」と評価している。歌人の東直子は、「特筆すべきは、彼らが陥る様々な危機的状況から、大人に頼ることなく(時には彼らの苦しみは大人からもたらされる)、彼ら自身の力で切り抜けていく痛快さである」と評価している。

ラジオドラマ

2017年6月26日から7月7日まで、NHK-FM放送「青春アドベンチャー」にて、全10回で放送された。

出演
  • 前田旺志郎
  • 川原亜矢子
  • 松島海斗
  • 守殿愛生
  • 大出菜々子
  • 古妻朋瑛
  • 中瀬優乃
  • 田中冴樹
  • 東條織江
  • 山崎竜太郎
  • 松下りおん
  • 林田一高
  • 野々村のん
  • 中村未輝
スタッフ
  • 原作 - 津村記久子
  • 脚色 - 蔭岡翔
  • 音楽 - 内山修作
  • 演出 - 小島史敬
  • 技術 - 加村武
  • 音響効果 - 石川恭男
参考文献
  • 津村記久子『エヴリシング・フロウズ』文藝春秋、2014年8月。ISBN 978-4-16-390112-1。