オメガトライブ (漫画)
漫画:オメガトライブ
作者:玉井雪雄,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ,
レーベル:ビッグスピリッツコミックススペシャル,
巻数:全14巻,
漫画:オメガトライブ キングダム
作者:玉井雪雄,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ,
レーベル:ビッグスピリッツコミックススペシャル,
巻数:全11巻,
漫画:OMEGA ONE
作者:玉井雪雄,
出版社:小学館,
レーベル:裏少年サンデーコミックス,
発表期間:2021年11月22日 - 2024年1月1日,
巻数:既刊3巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『オメガトライブ』は、玉井雪雄による日本の漫画作品。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)において2001年40号から2005年24号まで連載された。
その後、『オメガトライブ キングダム』(以降、『キングダム』と省略)と改題して同誌2005年29号から連載を再開し、2008年29号にて完結。シリーズの最終章『オメガトライブ キングダム クロニクル』(以降、『クロニクル』と省略)は『キングダム』連載最終回にて冠されたタイトルであり、単行本『キングダム』第11巻(最終巻)に収録された。
2021年11月22日からは、新章となる『OMEGA ONE』(オメガワン)が『マンガワン』(同社)ならびに『裏サンデー』(同社)にて連載中。
本作品は戯曲『ファウスト』が元となっている。
ストーリー
オメガトライブのストーリー
アフリカの奥地で実父に殺されそうになった主人公吾妻晴は、『かつて全てだったものの一部』『全ての生物の根元』『全てを滅ぼし前進させる力』の統合された意志WILLと契約を交わし、新人類「オメガ」として覚醒(進化)する。アメリカのオメガである大統領夫人イブ・L・ホークスからオメガ同士による次世代の進化を賭けた『種の衝突』の事実を聞かされた晴は、かつての自分と同様に社会に適合できない若者たちを取り込み、日本の実権を握るために3年以内の祭り(クーデター)の実現を目指す。押し掛け部下の謎の男桜一郎が率先して実務を担当する事により「究極種党」の発足にこぎつける。
過去に自らが通っていたセラピー事務所へ侵入した際に遭遇した引きこもりの若者「覆面の三人組」を配下に収め、全国の引きこもりから仲間を集める計画に乗り出す。次のターゲットを暴走族に定め、巨大暴走族「極東連合」との対決を経て、そのリーダー梶秋一を同士とすることに成功する。
オメガトライブの各章
晴の覚醒編(第1話 - 第39話)
梶の覚醒編(第40話 - 第74話)
防衛大学編(第75話 - 第107話)
政界立志編(第108話 - 第152話)
オメガトライブ キングダムのストーリー
日本クーデターまで残り1年となった究極種党は、いよいよ「祭り」のための準備を開始する。吾妻晴=HALは民間警備会社の代表として、梶秋一は国会議員として、「大日本合県国」の建国を目指す。
オメガトライブ キングダム クロニクルのストーリー
世界の人口は急激に減少していた。何らかの要因で出生率がゼロに近くなっていたのだ。それを打破するために研究者が発表した方法は、男と女に加えて「第3の性(トリプル)」と呼ばれる人間を交えて性交することだった。このトリプルこそ「第六の男」そのものであった。
子供を作るためにトリプルを認める、認めないでアメリカ合衆国は3つに分裂。その内の1つは「第六の男」の影響下に、もう1つは自身が州知事に就いたイブ・L・ホークスの影響下にあり、ついには戦争状態に陥った。
そんな中、日本だけは諸外国と比較し、通常の出生率を維持していた。日本は鎖国し、世界は次第に「第六の男」による支配に落ち着き、オメガたちの争いにも決着が着いたかに思われた。
しかし、百数十年の時が流れ、日本を除くほとんどを「第六の男」型人類が占めるようになったとき、分散コンピューティングのように人類の脳を使って、人類の未来を計算した結果が判明する。全にして個であり、個にして全という分裂増殖の「第六の男」型人類では、これ以上変異することもなく、進化の袋小路に陥っていたのだった。
更に数千年の時が流れ、完全であるが故に多様性を失った「第六の男」型人類は、新型ウイルスによって一気に全滅した。
地球上の新たな覇者になったのは日本に残り原始時代のような暮らしに戻っていた日本オメガの子孫たちであった。そんな子孫を吾妻晴と同じ容貌をしたWILLが眺めていた。
OMEGA ONEのストーリー
日本が再び鎖国をして135年が経った。
登場人物
吾妻晴(あづま はる)
主人公。日本オメガであり正統種。元引きこもり。社会復帰プログラムツアーでケニアを旅行中、保険金目当てで父親に殺されかける。瀕死の状態であったがWILLと契約を交わしてオメガ(ホモサピエンス・オメガシス)へと進化し、一命を取り留める。日本に帰国してからは新宿東口にて演説活動を行う一方でクロックアップを使いこなすために筋力トレーニングに励むが、恵美と英姫に出会って生活が安定すると次第に意志が衰弱していく。人里はなれた地方でひっそりと暮らす決心をするが、広島に向かう途中でバスジャックに遭って拉致され、イブから『種の衝突』の事実を聞かされる。次世代闘争に参加するために究極種党を立ち上げ、3年以内の日本クーデターを目標に掲げる。親が子を殺さない世界の確立を目指す。
『キングダム』では民間警備会社「桜印警備保障」の代表HALとして登場。頭髪は剃り上げている。特性は『太陽=光』。外国人ピッキング窃盗団をテロリストに仕立てあげ、自作自演の大救出劇で一気に国民の注目を集める。1年以内の日本クーデターを目指す。
梶秋一(かじ しゅういち)
第2の主人公。幼少期に母親から受けた虐待が原因で、脳内麻薬を大量に発生させその鎮痛作用によって無痛覚になるという「後天性無痛覚症」となっている。嫌いな食べ物は「納豆」。造型上のモデルはお笑い芸人・演説家の鳥肌実。
首都圏有数の暴走族「極東戦線」の元10代目総長。引退後は現役時代に作ったネットワークを利用して有限会社「極東企画」を立ち上げ、実業家として成功を収める。
引きこもりに続いて暴走族を勢力下に収めようとする晴と究極種党による族狩りを受け、極東戦線の影響力が低下した事により、事業そのものの運営に支障をきたすこととなる。究極種党の敵対行為と極東戦線第12代目総長のふがいなさに激怒し、第13代目新総長として現役復帰するとともに、他の暴走族を傘下に入れて「極東連合」を設立。晴との決闘において自らも絶望を発現していたためオメガへと進化。その渦中で中国オメガに襲撃された際、晴に救われたことをきっかけに和解し、初の族出身の総理大臣が実現するまで休戦する。
「政界立志編」では、3年後に予定される「祭り」で現政権が転覆して「大日本合県国」が誕生する計画にあわせ、国会議員になるために代議士の斉藤道夫の秘書に就く。『オメガトライブ』は、梶が衆議院議員に当選したところで幕を下ろす。
『キングダム』では、日本オメガのβにして 衆議院議員1回生。総理大臣の椅子を獲得するため、改憲推進派の盛田派に属する。
『クロニクル』では、総理の座を早海勇介に譲るものの派閥の領袖として大きな影響力を持っている。劉智健の遺言に従い「第六の男」に対抗するために鎖国政策を採るが、それによる不況などから国内の反発を招き、暴漢に襲われ、歩行、会話が行えなくなる重傷を負う。
玉井雪雄の次回作『かもめ☆チャンス』では、外見、性格ともにほとんど同じキャラクターでプロロードレーサー梶俊一として登場する。
日本オメガ・究極種党
桜一郎(さくら いちろう)
羽柴恵美(はしば めぐみ)
金木英姫(かねき よんひ)
冬吾・F・カプラン(とうご)
劉水華(リュウ シュイホア)
早海勇介(はやみ ゆうすけ)
荒戸源一郎(あらと げんいちろう)
極東連合
真島昌士(まじま まさし)
古屋研三(ふるや けんぞう)
青木五郎(あおき ごろう)
異種オメガ
イブ・L・ホークス
アメリカオメガ(卒業生=グラデュエイター)。米国大統領夫人。特性は『火』、スタイルは『権力』。6歳の時、借金返済の目途が立たなくなった両親に農場へ売られてしまう。養父から性的虐待を受けて家を飛び出したところを火山噴火に巻き込まれ、オメガへと進化する。あくる日、「特性」で農場ごと焼き払って養父の莫大な財産を相続する。
他種よりもいち早く日本オメガの存在を察知し、『種の衝突』へと引き込んだ張本人であり、卓越した先見性を持つ。夫である大統領を支える傍ら、自らは弱者救済の活動を行うなど対外的には有能なファーストレディを装うが、実際は大統領を傀儡として政治の実権を握っている。晴に対しては自ら情報提供や私財をはたいて支援する一方、「坊や」と呼びつけ、自分の意のままに動く子供のように考えているフシがある。影響力のあるルチアーニと劉を警戒し、たびたび彼を牽制している。
『クロニクル』では州知事に就任し、分裂したアメリカの一方のリーダーとなり「第六の男」支配下のアメリカと激しく争うが、政治家としてもオメガとしても敗北する。
劉智健(リュウ チーチェン)
ファンダル・アブドゥル・ハキム
中東オメガ(救世主)。特性は『大地』。厳密に言えば大地を含みこんだところの微生物を操る。サウダイ共和国の第7王子で「日・中東石油開発事業」の交渉のため来日する。自分を捨て、一族の恥さらしにした張本人である母親に対して愛憎の念を抱く一方で日本オメガのスタンダードに反発を感じるなど、表面とは裏腹に複雑な性格を持つ。国会議事堂で梶と対決するが劉智健に襲われ、片腕を失う。共に劉を倒したことで和解し、国会議員・梶秋一の後援者となる。口癖は『パドゥーン』。
『キングダム』では「桜印警備保障」のサウダイ共和国での大手顧客となっている。また、失った右手には義手を使用している。
「第六の男」の正体にたどり着くが、「第六の男」との同化を拒んで自殺した。
ルチアーニ枢機卿
イタリアオメガ。特性は『運』、スタイルは『宗教』。生命体のもつ運=生命を自在に操ることができる。ローマ教皇の座を虎視眈々と狙う野心家で、高い知能と枢機卿の地位、独自のパイプを利用し世界中で暗躍しており、曲者揃いのオメガ達の中でも1・2を争う実力者である。イブとは一応協力関係にあるものの、内心では自分より下に見ている。
生存しているαの中では最古参。末期の癌であり月に一度来日し抗癌剤による治療を受けているが、「第六の男」の計略で癌の遺伝子治療と若返りを受けている。
「祭り」の直前に教皇が亡くなり、コンクラーヴェによって新たな教皇に選出されるも、晴とのオメガ同士の戦いに敗北し、死亡。第六の男の策略もあり、遺伝子が従来のイタリアオメガの系譜とは異なっていたため、イタリアオメガβのα昇格も行われず、イタリアオメガの系譜は断たれることとなった。
第六の男(だいろくのおとこ)
行方不明のオメガ。人種・特性・スタイル、共に詳細不明。本編ではトムと名乗っている。劉智健は蒙古(モンゴコロイド) イブは黒色人種(ネグロイド)ハキムは白色人種(コーカソイド)と主張(又は認識)が食い違っている。イブとハキムは過去に「第六の男」と接触・戦闘したと思しき描写が作中にあり、その時の彼の容姿の描写は 長髪で金髪、人種は白色人種(少なくとも黒色人種では無い)だった。
正体は、インド系のラマヌジャン姓を持つ人物で、同姓を持つシュリニヴァーサ・ラマヌジャンと同様の数学的な天才であった。同様の数学的天才であった父は計算した結果、人の未来に絶望しトムを殺害しようとする。その時にトムはオメガに進化した。
特性は身体全体を分裂させることによる生殖(増殖)であり、外見なども任意に変えることができる。桜一郎をはじめ他のオメガαの傍に自身の分裂体を配し、この戦いを背後から操っていた。それぞれの個体は、同一の意識を持つが常時リンクしているわけではない。
親と子という概念が人類の悲劇の元であるとし、自身の分裂生殖の優位性を語った。事実、「第3の性」としての地位を確立し、新人類としていったんは地球上に君臨するが、進化の袋小路に陥り、多様性も失っていたことで、500年後に蔓延したウイルスによりほぼ絶滅することとなる。
ダミークーデター部隊(墨守隊)
その他
WILL
木原功一(きはら こういち)
小菅守(こすげ まもる)
斉藤道夫(さいとう みちお)
千堂満次(せんどう みつつぐ)
松平貞之助(まつだいら さだのすけ)
用語
オメガ
α(アルファ)
β(ベータ)
洗脳
種の衝突
特性
スタイル
書誌情報
- 玉井雪雄『オメガトライブ』小学館〈ビッグコミックス〉、全14巻
- 2001年12月25日発売、ISBN 4-09-185622-5
- 2002年3月30日発売、ISBN 4-09-185623-3
- 2002年6月29日発売、ISBN 4-09-185624-1
- 2002年10月30日発売、ISBN 4-09-185625-X
- 2003年2月28日発売、ISBN 4-09-185625-X
- 2003年5月30日発売、ISBN 4-09-185627-6
- 2003年8月30日発売、ISBN 4-09-185628-4
- 2003年12月25日発売、ISBN 4-09-185629-2
- 2004年4月30日発売、ISBN 4-09-185630-6
- 2004年6月30日発売、ISBN 4-09-185660-8
- 2004年11月30日発売、ISBN 4-09-187481-9
- 2005年2月28日発売、ISBN 4-09-187482-7
- 2005年5月30日発売、ISBN 4-09-187483-5
- 2005年10月28日発売、ISBN 4-09-187484-3
- 玉井雪雄『オメガトライブ キングダム』小学館〈ビッグコミックス〉、全11巻
- 2005年10月28日発売、ISBN 4-09-187485-1
- 2006年2月28日発売、ISBN 4-09-180168-4
- 2006年5月30日発売、ISBN 4-09-180367-9
- 2006年8月30日発売、ISBN 4-09-180639-2
- 2006年11月30日発売、ISBN 4-09-180806-9
- 2007年3月30日発売、ISBN 978-4-09-181164-6
- 2007年7月30日発売、ISBN 978-4-09-181244-5
- 2007年9月28日発売、ISBN 978-4-09-181447-0
- 2007年12月26日発売、ISBN 978-4-09-181558-3
- 2008年4月26日発売、ISBN 978-4-09-181856-0
- 2008年7月30日発売、ISBN 978-4-09-182094-5
- 玉井雪雄『OMEGA ONE』小学館〈裏少年サンデーコミックス〉、既刊3巻(2023年1月12日現在)
- 2022年4月19日発売、ISBN 978-4-09-851086-3
- 2022年8月19日発売、ISBN 978-4-09-851245-4
- 2023年1月12日発売、ISBN 978-4-09-851540-0
グッズ
2005年、「サマーソニック」にて「『オメガトライブ』梶秋一 初代大統領バージョン」が100体のみ「ART STORM」より限定販売され、同年11月より通販で購入が可能となった。