オール・ヘイル・メガトロン
以下はWikipediaより引用
要約
『トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン』は、アメリカなどで発売されているトランスフォーマーシリーズのコミック作品の一つで、初代アニメシリーズを基にしたアナザーストーリーを描く。発行はIDWパブリッシング(IDW Publishing)で、脚本はシェーン・マッカーシー、作画はグイド・グイディが担当した。
日本語版は2015年3月23日に小学館集英社プロダクションから発売された。
ストーリー
超ロボット生命体トランスフォーマーの住む惑星セイバートロンでは、正義の軍団サイバトロンと悪の軍団デストロンとの間で永い内戦があった。凄惨な戦いの末にセイバートロンは崩壊し、彼らは地球を新たなる戦場として戦いを続けた。そして勝ったのは悪だった…。
マトリクスを奪ってコンボイに重傷を負わせたメガトロン率いるデストロン軍団は、サイバトロン達を荒廃した故郷セイバートロンに追放すると、地球の文明の象徴と謳われるニューヨークを襲撃、アメリカ軍を瞬く間に駆逐すると、その脅威を世界へと広めようとしていた。
一方セイバートロンに追放されたサイバトロン戦士たちは、エネルゴン不足や惑星を徘徊する恐ろしいスワームに怯え、その固い絆にも不協和音が生じ始めていた。だがそこにチャー率いる精鋭部隊レッカーズが合流し、彼らは心を奮い立たせ、もう一度立ち上がろうと決心する。そして地球でも、アメリカ軍兵士スパイク・ウィトウィッキーが特命を受け、生き残った市民たちと共にデストロンに一矢報いようとしていた。
登場キャラクター
サイバトロン
コンボイの直轄部隊
元々は宇宙船アーク19で飛来したプロールを指揮官とする部隊だったが、ウルトラ・エネルゴンとも呼ばれる「オーア13」が発見されたことを機にコンボイが地球を訪れ、リーダーとなった。
レッカーズ
かつてスプラングが指揮官を務めたサイバトロンの精鋭部隊。現在はチャーが指揮を務めている。
荒っぽいメンバーが多いために上層部からはならず者扱いされて邪険にされているものの、これまで多くの危険な任務を遂行してきた。
チャー
現レッカーズの指揮官を務める歴戦の戦士。緑色のピックアップトラック風のフューチャーカーに変形する。コンボイとは彼がオライオンパックスだった頃から、ともに戦場を駆け巡ってきた盟友である。
かつて惑星チーシに不時着した際、鉱石「オーア8」の放つ放射能で神経系を破壊され、スプラングが派遣した救出部隊を異形の怪物と錯覚して次々と殺害してしまっていた。しかしサイバトロンの研究機関キミアにて、パーセプターやブレインストームらによって老朽化していた肉体をプリテンダー技術を用いて強化され、さらに精神安定剤としてオーア8の成分を合成した「シーガー」を服用することで現役復活を果たした。だがこの際、プロールに都合のいいように人格プログラムを調整されてしまい、彼自身には無自覚でプロールが発した言葉をそのまま言うようプログラムをインストールさせられている。
その後はスプラングに代わってレッカーズを率いており、セイバートロンでコンボイ直轄部隊と合流後は臨時でリーダーとなり、コンボイに代わって皆をまとめ上げる。
パーセプター
科学者。現在は右目にスコープを取り付けスナイパーとして活躍している。
元々はキミアの研究機関に所属していたが、プロールの命令でチャーの治療経過を見守ると同時に、プロールがインストールしたプログラムに不具合が起きないか見張るためにレッカーズに所属した。とは言え彼自身はプロールのこのやり方にはあまり賛同的ではなく、痛烈な皮肉を浴びせていた。
その後とある惑星でデストロンのターモイルの船に潜り込んだ際、ターモイルに返り討ちにされて重傷を負うも、同じく乗り込んでいたドリフトによって救出され一命を取り留めた。意識を取り戻した後は、己の非力さを痛感すると同時にドリフトへの借りを強く感じ、その恩義を返すために自身を強化改造し、スナイパーへと転身した。
当初の性格は初代アニメシリーズと同様に知識やうんちくをべらべらと喋りすぎるところがあったが、スナイパーに転身後は無口となっている。その豹変ぶりには多くの仲間から不評となっている。
ブラー
情報員。水色のフューチャーカーに変形する。邦訳版では初代アニメシリーズと同様にオネエ言葉交じりで話す。
戦前は連戦連勝のトップレーサーとして人気を博していたが、当時は傲慢な性格で周囲に関心を持たず、ピットクルーたちの名前すらまともに覚えていなかった。だがグレートウォーの激化でレース場までもがテロの標的となり、当時のサイバトロン総司令官ゼータプライムの勅命でレースが無期限で中止されたことにより廃業することとなってしまう。
その後は自暴自棄になりかけ、その自尊心を見透かしたスタースクリームからデストロンの勧誘を受けたが、後日ゼータプライム暗殺を目論む彼の部隊の戦闘に巻き込まれてしまう。そこで偶然オライオンパックスの部隊に救われ、彼から「レースを続けていたのは見る者の期待を常に上回りたかったからではないか」と諭されたことで、サイバトロン戦士として戦う道を選んだ。
その後、ターモイルの部隊の捕虜となっていたが、レッカーズとドリフトによって救われ、新レッカーズに加入した。初対面時は自分を青二才呼ばわりしたチャーのことを老いぼれ呼ばわりしていたが、現在では彼をボスと呼んで慕っている。
ドリフト
侍。白いフューチャーカーに変形する。銃火器は一切使わず、2本の小太刀と長刀「Great Sword」を武器とする。
かつてはデッドロックという名前のデストロン戦士で、多くのサイバトロン戦士を殺害して悪名を轟かせていた。だが上官のターモイルらとの仲間割れの末に脱走し、逃げ延びた先で中立派の集団「Circle of Light」と出会い、彼らとの交流の末に改心した。
その後はかつての贖罪と世の中を変えるために単独でデストロン達と戦っていたが、ターモイルの船に潜入した際にレッカーズと出会い、死闘の末にパーセプターを救出して船の爆破に成功した。その活躍により、「誰にだってやり直すチャンスはある」と考えたチャーから新レッカーズに勧誘され、サイバトロン戦士として戦う道を選んだ。
過去に犯した蛮行から、未だにバンブルからは嫌悪されている。
その他のサイバトロン
グリムロック
ダイノボット部隊の指揮官で、ティラノサウルスに変形する。本編未登場。
遥か昔、ダイノボット部隊が守っていたエネルゴンの備蓄を破壊したレーザーウェーブを恨み、復讐を果たすために部隊を率いて彼を追跡し、紀元前一万年の地球に飛来した。その際、化石をもとに恐竜の姿を偽装形態として選んだ。
死闘の末に両者ともども火山噴火によって流れ出した溶岩に飲まれて機能停止となっていたが、一万年後にスカイウォッチに発見され蘇生された。
復活後、恐竜の姿を変えることなく使用し、スカイウォッチやマシネーションとの死闘の末に彼らの野望を阻止するが、度重なる軍紀違反で逮捕され、現在はサイバトロンの刑務所「ガラス9」に投獄されている。
デストロン
かつてセイバートロンにおける政治的腐敗に耐えかねて反乱を起こし、グレートウォーを全宇宙へと拡大させた勢力。
サイバトロンを荒廃した故郷へ追放し、ニューヨークを圧倒的武力で制圧するも、各々が圧倒的な勝利や人間への虐殺行為に次第に疑念や不満を募らせていく。
ジェットロン
グレートウォー開戦前、メガトロンにスカウトされた部隊で、デストロン一の精鋭。
カセットロン
諜報活動を担う、メガトロンに忠誠を誓った部隊。各々がミサイルの追跡装置を狂わせることができる。
インセクトロン
グレートウォーの最中、デストロンの科学者たちが下等な金属生命体を元に誕生させた部隊。並はずれた悪意と高度な知性を併せ持つが、誕生の確率は1000分の1で、下記の3体を除く他の3000体は皆失敗作「スワーム」へと成り果てた。
ビルドロン
デストロンがモンストラクターを解析して誕生させた最初の合体戦士部隊で、建築を生業とする。
その他のデストロン
レーザーウェーブ
防衛参謀にして優秀な科学者。光線銃に変形する。劇中未登場。
遥か昔、セイバートロン星のエネルゴンの枯渇を予測し、各惑星にエネルゴンの鉱脈を作る「リジェネシス計画」をメガトロンにも内密で実行するが、紀元前一万年の地球に飛来した際、かつての恨みから追跡してきたダイノボット軍団との死闘の末に火山噴火によって流れ出した溶岩に飲まれて機能停止となっていたが、一万年後にスカイウォッチに発見・回収された。
復活後はスカイウォッチの支配下に置かれていたが、サウンドウェーブの助力で自由を手にする。しかし同じく復活したダイノボット達との死闘の末に敗れ、グリムロックやスコルポノック共々サイバトロンの刑務所「ガラス9」に投獄された。
スパイクは上層部の命令で、スカイウォッチが彼の左腕を解析して作製した銃の回収に向かった。
地球人
スパイク・ウィトウィッキー
ダニエル・ウィトウィッキー
アンディ
DJ
サラ
設定
グレートウォー
戦域は全宇宙に広がり、トランスフォーマーたちを疫病神呼ばわりして嫌悪する異星人も多い。
マシネーション
サンストリーカーとハンターを捕え、彼らを実験台にしてヘッドマスター技術を完成させると、サンストリーカーを複製したヘッドマスター部隊によって地球征服を目論んだ。だがダイノボット部隊やウルトラマグナスといったサイバトロン戦士の活躍で追い詰められ、アブラハム自ら負傷したスコルポノックのヘッドマスターとなるも、最終的にたくらみは阻止されて組織は壊滅した。
しかし彼らの悪事やトランスフォーマーたちの活躍はすべてCIAにもみ消され、救出されたサンストリーカーに心の傷を残した。
スカイウォッチ
ティレスト協定
スコルポノックはこの協定を破ってヘッドマスターを開発・強行したことでウルトラマグナスに捕らえられた。
ヘッドマスター
彼とマシネーションは捕えたハンターとサンストリーカーを改造・結合させて、地球製ヘッドマスターを開発した。またウルトラマグナスとの戦いで頭部を残して破壊されたスコルポノックは、自らもアブラハムを利用してヘッドマスターとして復活しようとした。
プリテンダー
サンダーウィングはこれによって、グレートウォーで荒廃したセイバートロン星の過酷な環境下での生存を考案したが、自身の身体で実験した結果、強大な力と引き換えに発狂してセイバートロン星を居住不可能なまでに荒廃させてしまい、闇の技術として葬り去られた。
後にブラジオンが再度試みてまたも失敗したが、スカイファイヤーが技術を改良し、デッド・ユニバースでの活動のための保護スーツを開発、それをもとに負傷したチャーの老朽化したボディの強化改造がなされた。
キミア
「理論上しか存在しえない」ような得体の知れない科学技術を応用した様々な兵器を発明しており、それらの武器のテストを担ったレッカーズ達からの印象はあまり良くない。
オーア8
太陽光線を吸収して発する放射能は、トランスフォーマーの神経系を蝕む有毒なものである。
シーガー
名称は葉巻(シガー)から。
デッド・ユニバース
通常世界からデッド・ユニバースに入った者は、生命のないゾンビのような存在と化し、元の世界では長時間生きられなくなってしまう。
書誌情報
- トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン ISBN 978-4796875141
発行:小学館集英社プロダクション 訳:中沢俊介 2015年3月23日発売