カウンタック (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『カウンタック』は、梅澤春人による日本の漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2004年41号より2012年41号まで連載された。2012年9月時点でコミックス累計発行部数は400万部を突破している。由来は主人公の空山舜が手に入れたランボルギーニ・カウンタックからきている。
概要
主人公の空山舜が子供の頃の夢だったランボルギーニ・カウンタック LP400を手に入れ、今までのショボい人生と決別。カウンタックを通じて様々な人との交流やバトルを描く。劇中にはランボルギーニ、フェラーリを始め、数々のスーパーカーが登場する。
あらすじ
カネなし女ナシのサラリーマン空山舜。彼女にフラれてやけ酒をあおっていたある日、実家から一通の手紙が転送されてきた。差出人の欄には、何と自分の名前が…。
それは舜が小学生のとき、25年後の自分宛てに書いた手紙だった。「25年後の自分は社長になってランボルギーニ・カウンタックを買っている」と書かれたハガキと、カウンタックLP400のスーパーカーカードが封入されていた。それを見た舜は奮起し、25年前の夢をかなえるべくLP400を買うことを決意する。
そして数日後、インターネットでカウンタックの情報を集めていた舜は、ワンオーナーのLP400を譲りたいというページを見つけた。そのページに書かれていた条件は、カウンタックを欲しい理由を書いてメールで送ってほしい、というもの。半信半疑ながら、舜はLP400に対する「想い」と「夢」を書いて送信。「条件が合わない場合は返信が無い」とされていたが、わずか1時間後、舜のもとへメールが返信されたのだった。待ち合わせ場所に現れたのは、ロールス・ロイス・ファントムに乗った若い女性。彼女に導かれるままに大富豪・浦島龍童の元に案内された舜は、新車同様のオーラを放つLP400に出会う・・・
登場人物
主要キャラ
空山舜(そらやま しゅん)
この物語の主人公。34歳のサラリーマン。LP400を浦島龍童から250万円と言う破格で譲り受ける。元走り屋で、そのときはトヨタ・MR2 (AW11型)を駆っていた。高校を卒業してからは無目的に上京しフリーターとなっていたが、28歳のときに父親が倒れたのを機に車を手放して走り屋をやめるとともに、現在の会社に就職した。
金もなく、彼女もなく、酒をあおって腐っていくばかりの生活だったが、カウンタックを手に入れてからはさまざまな人たちと知り合い、刺激的な毎日を送るようになる。
非常に高度なドライビングテクニックの持ち主で、ステージを問わず圧倒的な強さを見せ、初めて乗った車でも少し乗っただけですぐに順応し、自在に運転できるほどのテクニックを有する。走り屋時代の経験から峠道を攻めるのが一番好きで、レインバトルは得意だと語っている。
後に、自身が子供の頃に描いた「夢の車」ヒエロが、浦島グループの新型電気自動車として商品化され、大々的に世界に売り出されることになる。そのための新会社設立にあたり、浦島から「LP400を手放すことと引き換えに新会社の株式50%を与えられ、アメリカに移住して社長となる」「今まで通り、LP400と一緒に一サラリーマンとして暮らす」という、人生を大きく左右する選択肢を突きつけられる。「社長となる」という夢と「LP400」という夢のどちらを取るか苦悩するが、最終的にLP400との「絆」を信じて、いつの日か再会することを誓って手放し、アメリカに移住して社長となった。
早乙女若奈(さおとめ わかな)
浦島龍童(うらしま りゅうどう)
正体不明の大富豪の老人。LP400を譲渡するHPを開設した張本人。車以外にもさまざまな乗り物をコレクションしているようで、自宅敷地内の倉庫にはコンコルドも眠っている。車名の「Countach(この場合の発音は『クンタッシ』。イタリア・ピエモンテ地方の『驚き』『感動』を表す感嘆詞)」にちなみ、自分を一番感動させ、驚かせたメールの送り主にカウンタックを譲渡しようと考えていた。
本人も空山に負けず劣らずの車好きで、若かりし頃はヨーロッパの各地でワンメイクレースや草レースに挑む日々を送っていた。そんなある日に大事故を起こし、当時存命だった妻と「2度とレースをしない」と約束していた。
しかし、妻の死後10年目になって、自分にとって最後のレースをしたいと思い立ち、詳細が謎に包まれたカーレース大会「アルティメットラン」への参加を決意。舜の手がけたデザインをベースにしたオリジナルスーパーカー「メビウス」で予選を突破するも、ゴール直後のクラッシュで負傷。決勝レースのドライバーを舜に託す。
後に「メビウス」をより進歩させた新型車「ヒエロ」を世界に向けて大々的に売り出すことにし、そのための新会社設立にあたり、舜を社長として選出した。
牛若寅男(うしわか とらお)
沢田玲(さわだ れい)
サブキャラ
美奈子(本名不詳)
ヒトミ(本名不詳)
ミルク
数夫(かずお)(姓不明)
女性パパラッチ
水島和之(みずしま かずゆき)
石川社長(いしかわしゃちょう)
片山部長(かたやまぶちょう)
大山社長(おおやましゃちょう)
各エピソード毎の登場人物
シンちゃん(本名不詳)
さまざまなフェラーリを乗り回す金髪の男。第1話で美奈子を舜から奪い「ごめんねぇ~負け犬クン」と捨てゼリフを残して去るが、後に高速道路の料金所で鉢合わせたり、寅さんのガレージで再び鉢合わせたりと、何かと舜と因縁がある。舜をオービスの餌食にしようとして逆にやり返され、免許停止処分を受けたことがある。
一見すると大金持ちの青年だが、元々は金持ちではなくただの無職(年収150万円のフリーター時代もあった)で、宝くじや競馬で大金を手に入れており、その金でスーパーカーを入手しているかなりの幸運の持ち主。と同時に、フェラーリを自在に乗りこなす度胸と腕前も兼ね備えている。その一方で自分の当てた金に群がる人間が周囲にいる生活が長く、人間関係に関してはどこか突き放した考え方をしている節も。
自らのスーパーカーライフを綴ったブログを開設し、最新記事で2台目のF40を入手したことを公表している(1台目は運転ミスで炎上し廃車。後にこの2台目も中国人実業家に1億円で売却された)。他人には非常に高飛車で嫌味な態度で接する。寅さんからも「スーパーカーが本気で好きで手に入れたと感じられない」と一蹴されたこともあるが、本人なりにスーパーカーに対する愛情は本物だったようで、スーパーカー(特にフェラーリ)に対する態度に関しては真摯な一面を覗かせることもある(事実、自分のミスで最初のF40を廃車にしてしまった際は後悔と罪悪感、自身の実力不足から落涙。序盤でも「フェラーリ以上の女はいない」と心の中で言い切るほどの入れ込み具合を見せた)。
ある日、F430スクーデリアで峠道をドライブしていた際、早乙女とデート中だった舜と遭遇。いつものように勝負をけしかけるが「勝負に勝ったら、今後一切自分や早乙女にちょっかいを出さない」という条件を舜から突きつけられる。これを承諾し「ダイヤルイン」」方式でのレースを行うが惜敗。その後、2台目のF40を売却した縁で知り合った中国人実業家に誘われる形で、中国に渡って事業を始めることを決意。同時に、舜を負け犬と罵ったことを詫びて去っていった。
立花樹利(たちばな じゅり)
梅澤漫画らしいキャラクターで、外見・言動がロックな女性。職業はポールダンスダンサー(広義ではストリッパーだが、狭義においてはストリッパーではない)。峠道にてバーンアウトドリフトを敢行し、他車の視界を奪い危険に晒すドライビングを行う。これにより滉一はガードレールの餌食となり、舜は彼女にバトルを挑んだ。そのバトルで舜からバーンアウトに匹敵する仕打ちを食らったことで、その後はバーンアウトドリフトは控えている模様。愛車はシボレー・コルベットC5Z06で、後にキャラウェイ・C4コルベット"スレッジハンマー"を購入。コルベットに関する知識が鋭いところがある。
その後も度々再登場しており、霧山とのバトルで舜に好意があることを悟る。仕事が仕事なだけに客に口説かれることがよくあるらしいが、負けた事がない事もあり、その度に「車でバトルして勝ったら付き合ってやる」と軽くあしらってきた。しかしそのロック(?)な対応が災いし、霧山と不利なバトルをすることになる。
中学生時代は大きな不良チームを率いるほどのワルで、それを見かねた父親にアメリカ留学させられた経験があるが、そこで得たものはポールダンス、ドラッグレース、コルベットの3つだけで、特に車に関してはコルベット以外はみんなゴミだと語っている。
不良チーム時代の宿敵だった破鬼京花との再会・対決の一件を経て、舜への恋心を吹っ切り、新しい自分を見つけるためにC5コルベットとスレッジハンマーを手放し、しばらく帰国しない覚悟を決めて京花と共にアメリカに渡った。そして新しい愛車として、C3型コルベットを購入している。
矢沢滉一(やざわ こういち)
九藤竜一(くどう(?) りゅういち)
大家さん(本名不詳)
霧山悟(きりやま さとる)
樹利をつけ狙う男。蛇のような印象を与える男で、本名が明らかになる前は、単行本の次巻予告にて「蛇男(ヘビオ)」のニックネームで呼ばれた。樹利のコルベットに蹴りを入れて挑発し「自分が勝ったら一晩付き合う」という条件で、蛇の女峠でのバトルをけしかける。樹利は挑発に乗ってバトルを受けるも、左足を負傷していたために本来の運転が出来ず途中でスピン。仲裁に割って入った舜が代わってバトルする羽目になる。愛車はダッジ・バイパーSRT-10。
魔愚堕羅の総長を務めていたことがあり、子分もいるが、バトルの後に舜が(魔愚堕羅六代目総長である)滉一の友人と知って(悟の慌てっぷりから過去に面識があった模様)、舜に対して頭が上がらなくなっていた。
ジョナサン・スミス
樹利の友人で、米軍基地に勤務する軍人。市販のハイオクガソリンを入れたために不調になったC2コルベットのL88エンジンをわずか1時間でオーバーホールし、オクタン価103以上の燃料を補給して完全な状態に戻した。分かっていないのか、あるいは上手く言えないのか不明だが、舜のことを「ソリヤマさん」と呼ぶ。
後のエピソードでは、亜久目に捕われた樹里と舜を助けるため、米軍の払い下げ品で入手した私物の輸送ヘリに乗り、ドラッグレース用のC1コルベットを積んで現れる。この頃は日本人の女性社長と結婚したのを機に、日本語をほぼ不自由なく話せるまでになっているのだが、舜のことは相変わらず「ソリヤマさん」と呼ぶ。
軍人らしく腕っぷしも強く亜久目の部下に鎖で拘束された際にも、ドラッグレース前のバーンアウトのスキール音と煙に隠れて鎖をはずし、彼の部下に制裁を加えた。
神谷聖(かみや さとし)
10年前から大家さんの家の隣に住んでいる男で、舜と同い年の34歳だが、外見は実年齢よりかなり若く見える。高校時代、夜遊びを繰り返していた自分のことを思って叱ってくれた祖母に対して、心にもない冷たい言葉を投げかけてしまったことがきっかけで自己嫌悪に陥り、周囲とのコミュニケーションを避けるようになる。それ以来、インターネットの株取引に没入し、その収入(10億円近く稼いでいる)だけで引きこもりのような生活をしていたが、舜のLP400を見て子供の頃の夢を思い出し、世界でわずか3台のみ生産されたウルフカウンタックの1号車を手に入れる。ただし車両登録を済ませていない上、彼自身も教習所での嫌な経験から運転免許を持っていないために、公道を走ることは出来ない。本心は運転をしてみたいという彼の願いを叶えるため、早乙女と舜が一計を講じ、富士スピードウェイを走行することになる。
その後、一念発起して免許を取得。現在は三重県の実家に帰郷し、親孝行の傍らでウルフカウンタックの運転を楽しんでいる。
小野寺涼(おのでら りょう)
九石丈司(くいし じょうじ)
大阪からやって来た借金取り。寅さんの弟子であった水島(サブ登場人物参照)の生前の借金2000万円を完済させるべく、寅さんの元を訪れ、水島の遺したデ・トマソ・パンテーラのパーツ一式を渡すよう要求する。寅さんは「自分がパンテーラを実費で買い取る代わりに、引渡しは出来ない」と返答。対して、九石は「組み上げたパンテーラで自分とのレースに勝ったらその条件を飲む。負けた場合はパンテーラを没収、さらに延滞金を支払わせる」というムチャな条件での取引を持ちかける。愛車はフォード・GT。見た目こそアフロのイケメンでヤクザのような態度で接するが、実は幽霊が大の苦手。非常に深刻らしく、偶然突いてしまった寅さんに対して恋人が本気で抗議したほど。アクシデントでレースに負けて愛車は損傷、自分も入院と踏んだり蹴ったりな状況に加えてこの弱点のせいで寅さんから精神攻撃を食らい、水島の借金を完全に諦める羽目になった。
LP5000QV(クワトロバルボーレ)のオーナー&ユキナ
未来真弓(みき まゆみ)
三矢本鉄太(みやもと てつた)
真弓の地元に住む高校2年生だが、走り屋の先輩の車を借りて無免許で走り回った末、事故を起こして補導されたという経歴を持つ。幼い頃からAW11に憧れる彼は、真弓の店にAW11改が入庫したのを知り、売ってくれるように頼み込むも、補導歴を知る彼女はこれを断固として拒否。
その後、舜が店に来たのを目撃し「買われてしまう」と勘違いした挙句、店からAW11改を強奪するという暴挙に出る。マイケル・ジャクソンの曲を聴くことで恐怖心が吹き飛び、その間はよりアグレッシブな走りが出来るようになる。無免許でありながら並以上のテクニックを持っているが、サーキット用に改造された車を峠道でうまく操ることが出来ず、路面のギャップをいなしきれずにスピンして停車。当然ながらAW11改を取り上げられるが、追いかけてきた舜から「縁があればまたいつかこの車に会える」という言葉をかけられた。
最終話の時期には高校を卒業して普通免許を取り、いつの日かAW11改を購入することを夢見て働いていた。それを知った真弓から、倉庫に保管していたAW11改を見せられたことで舜に感謝の電話を入れる。このことは、舜がLP400を手放してアメリカに移住する大きな後押しとなった。
岡本彩花(おかもと あやか)
舜が接待ゴルフで相手をすることになった取引先の社員。ゴルフに不慣れでミスを連発する舜を見て「わざとミスショットしている」と的外れな非難をする。そして契約の判断は自分に一任されていると主張し「真剣勝負をしなければ今回の契約はなしにする」と強要する。同行していた相手先の石川社長がギックリ腰で倒れた為、ゴルフは中断したが「石川社長の愛車であるLP400に乗り、自分が操るミウラに勝ったら契約を結ぶ」というとんでもない条件の勝負を持ちかける。
自分名義の愛車は持たないが、石川社長のスーパーカーコレクションの一つであるランボルギーニ・ミウラSVを強引にねじ伏せる腕と度胸、そしてサディスティックな性格を合わせ持つ。
夢野美咲(ゆめの みさき)
売れっ子グラビアアイドルで、BMW・M1を愛車とする。父親は車好きが高じて家に生活費を入れなくなり、それがきっかけで離婚されてしまったという生粋のカーキチで、M1も20歳の誕生日に父からもらったもの。ドアに携帯電話のストラップを挟み込み、電話を車外にぶら下げた状態なのに気づかず高速道路を走行していた際、偶然通りかかった舜がそれに気づき、併走して身振り手振りで知らせようとした。だが、ナンパの申し込みと勘違いした彼女はそのままLP400を千切ろうとし、バトルに突入。結局高速道路に携帯電話を落としてしまい、舜がそれを拾って交番に届けた。
後日、昼のバラエティ番組に出演した際にそのエピソードを披露し、名も知らぬ拾い主に公共の電波を通してお礼を言う。しかし後日、街中を歩いている最中にまたも携帯を落として舜に拾われる。これを運命と感じた彼女は舜をデートに誘うが、途中からマセラティ・クアトロポルテのタクシーに追いかけられ、デートは思わぬ方向へ進むことになる。
奔田(ほんだ)・錫木(すずき)
西日本警察(架空の警察管区)の高速機動隊員。奔田が上司にあたり、2人一組でパトロールに当たっている。神谷の祖母が危篤との知らせを受けて、ウルフカウンタックで名古屋に向かっていた神谷と舜をパトカー(フェアレディZ バージョンnismo・高速パトロール隊仕様)で追跡し、スピード違反で神谷を検挙。その後、運転を替わった舜がなおもスピードを上げるのを見た奔田は「こちらが赤灯とサイレンをつけて走ったのでは対等ではない。対等な勝負をして、実力で負かしてしっかり懲らしめる」と、Zのスピードリミッターをカット。200km/h超のバトルに突入する。しかし、舜に振り切られたことで負けを認め、名古屋の病院で神谷が祖母の最期を看取ったのを確認し、今回の件を不問として帰っていった。
亜久目(あくめ)
舜が取引先の社長と共に入ってしまったぼったくりバーのオーナー。代金の支払を拒否した舜と、助けに入った樹利を拉致して、ドラッグレースマシンの後部に縛り付けてゼロヨンの距離を引きずる「引きずりの刑」にかけようとするが、樹利の「車の運転なら舜は誰にも負けない」という挑発に乗り、ドラッグレースでの勝負を要求してきた。「プロストリートクラス」でのドラッグレースを得意とし、マフィアが主催する闇レースでいくつもの勝ち星を上げてきたほどの腕前を持つ。逆らう者に対しては殺害もいとわないなど、倫理観が著しく欠如した男。愛車はドラッグレース仕様に改造されたフォード・マスタング。
レース後、彼の部下サトルに扮したジョニーに気づかず近づいたため殴り飛ばされ一旦昏倒するが、すぐに目を覚まし、コルベットの後ろにしがみつきナイフを振りかざし襲い掛かるが、舜にパラシュート(フィニッシュ後に使おうとしたがスピンしたために使わなかった)で吹き飛ばされる。その後に自分の敗北を付きつけられたうえ、樹利から「今後舜たちに手を出すようなことがあれば地獄に堕とす」というジョニーからの警告を伝えられ落胆した。
美咲の父
クリストファー・ギルバード
作中におけるF1ドライバーの中で、3年連続ワールドチャンピオンに輝くほどの素晴らしい速さを持つドライバーだが、ある日突然引退を発表。その際に「私は世界一速いレーサーではない。私がここに居るのは只の運命の悪戯に過ぎない」という言葉を残した。
実は、アルティメット・ランのディフェンディングチャンピオンである「イオタ"5084ファントム"」のドライバーであり、引退を決意したのも、舜の駆るメビウスに敗れたことで自分より速い男がいる事を悟ったのが理由であった。イオタのドライバーが彼であったことと、引退の真の理由は浦島と早乙女だけが知る事実で、世間的には父の経営する大企業グループを継ぐための引退だと噂されている。
破鬼京花(やぶき きょうか)
樹利の中学生時代のライバル。かつては大きな不良チームを率いていた筋金入りのワルで「殺しと薬物以外の犯罪は全てやった」と豪語している。しかし、父親が大物政治家という家庭に育ったため、起こした犯罪は全て父が警察に手を回してもみ消してきた。その立場を利用して、京花に対抗して樹利が組んでいたチームを解散に追い込み、互いのリーダー同士によるチキンレースで決着をつける運びとなる。結果として樹利が勝ち、そのリベンジをしようとするが、中学卒業後に樹利がアメリカ留学してしまったことでそれも叶わなくなり、心の奥底で屈辱感を抱いていた。
どんな更生施設に入れられても結局更生しきれず、見かねた父親によって警察官にさせられ、現在はスズキ・GSX1300Rハヤブサの白バイを駆って高速パトロール隊に所属。樹利が新たに購入した「C4コルベット"スレッジハンマー"」の試乗でスピード違反を犯した舜を検挙し、同乗していた樹利と再会。かつての因縁が蘇ったことで「樹利が勝ったら舜の免停を取り消す」という条件のチキンレースを挑み、スレッジハンマーに対抗するために父親の所有するブガッティ・ヴェイロンを持ちだす。
工事途中で放棄された全長25kmの高速道路を使い、崖っぷちギリギリを目指して時速400kmからのフルブレーキングという常軌を逸したチキンレースの結果、高速道路の切れ目を飛び越え、運よく向こう側に着地したものの両者ともにクラッシュ。潰れかけた車から樹利に助けだされて対話したことでわだかまりが消え、樹利の自由な生き方に憧れを抱く。その後、新しい生き方を見つけるために警察を辞職し、樹利と共に渡米した。
主な登場車
ランボルギーニ・カウンタックLP400
後に、前後重量バランスやホイールベースなどの個体データがメーカー公称値通り(もしくは、それを超える)という非常に精度の高い個体だということが判明する。
エアロスペシャルから元の姿に戻された際に、寅さんの海外土産として、ダッシュボードにマルチェロ・ガンディーニの直筆サインが入れられた。
舜の乗っている黒いモデルの他、取引先の石川社長の愛車である赤いモデルも登場している。こちらの赤いモデルはボディが鉄製という、おそらく世界で一台であろう非常にレアなモデルである。
作中では終始圧倒的な存在感と魅力を放っており、人目のつくところでは常に注目の的であった。
LP400 エアロスペシャル
ポルシェ928GTS
フェラーリ・360モデナ
シボレー・C5コルベット Z06
スバル・レガシィB4
日産・R32スカイラインGT-R
ポルシェ・911カレラ(993)
ポルシェ・911ターボ(993)
ディーノ246GT
トヨタ・MR2(AW11)
舜曰く「無意識のうちにMR2の姿をカウンタックと重ねたのかもしれない」と語っている。
ランチア・ストラトス
ランボルギーニ・ディアブロ VTロードスター
上記の他、LP400を車検に出す際に、浦島が代車として舜に貸し出したものも登場している。早乙女とのドライブ中にシンちゃんのF40に遭遇、車体に傷をつけられて激怒した舜によってバトルに突入する。
フェラーリ・365GT4BB
メルセデス・ベンツ・E36AMGステーションワゴン
購入当時にディーラーで登録されたモデルはわずか50台で、そのうちの1台という貴重なモデル。シート色を特別にオーダーするなど、寅さんのこだわりが込められた逸品。
ある部分に不具合を抱えており、エンジンを始動するためには特別な「儀式」を必要としたが、雑誌のインタビューでネタばらししてしまい、修理しない理由であった「防犯用」としての意味が無くなったため、その後修理した模様である。
ランボルギーニ・イオタ“5084ファントム”
前回の「アルティメットラン」のチャンピオンカーでもあり、今回も予選Bグループから出場。圧倒的な強さで予選を通過し、日本での決勝ラウンドでメビウスと対決。首都高3周のレースの末、僅差でメビウス1号車に敗れた。かつてクラッシュしたオリジナルのイオタのパーツが一部使用されているが、どこに使用されているのかは最後まで明らかにならなかった。その後、現オーナーであるF1ドライバーのクリストファー・ギルバードの元を離れ、別のオーナーに譲られた。
ランボルギーニ・ミウラS
シボレー・C2コルベット スティング・レイ
ダッジ・バイパーSRT-10
ウォルター・ウルフ カウンタック(1号車)
デ・トマソ・パンテーラ
パンテーラGT4“N”
取り寄せたフロントガラスが割れていたというトラブルに見舞われるも、最終モデルの「ノーバ・パンテーラ」の空力パーツ「ノーバウィング」を使用することで、フロントガラス無しでも問題なく空力効果を出せるようになっている。
GT4にノーバ・パンテーラを組み合わせて製作されたことに由来し、「ノーバ(NUOVAと表記)」の頭文字“N”が冠された。
フォード・GT
パンテーラに幅寄せを行って苦しめたが、終盤の幅寄せではパンテーラが引かなかったため、体当たりを行う。その際にスピンし、高速道路脇に手向けてあった花(以前、九石とバトルした時に事故で亡くなった人の家族が手向けたもの)が左フロントタイヤに引っかかってしまう。その後、合流してきた車を避けようとして急ブレーキをかけた瞬間、花が引っかかった左フロントタイヤのブレーキが利かず、バランスを崩してクラッシュしてしまう。
ランボルギーニ・カウンタックLP5000クワトロバルボーレ
デロリアン・DMC-12
フェラーリ・F40
MR2(AW11)改
舜がこの車を見に訪れた晩、真弓がうっかりキーを挿しっぱなしにしていたために高校生の三矢本に奪われてしまい、奪還のために舜のLP400とカーチェイスを繰り広げることとなる。
カーチェイスの終盤でドリフトした際、サーキット向けに調整された硬すぎる足回りのため、路面のギャップをいなしきれずにスピンしたが、運良く待避所に突っ込み事なきを得た。その後は公道向けの足回りに調整され、舜が慣らし運転を兼ねて試乗している。
ランボルギーニ・ミウラSV
BMW・M1
日産・フェアレディZ Z33 バージョンnismo(高速パトロールカー仕様)
現実には、紙面同様のバージョンが栃木県警察に寄贈されている。
シボレー・C1コルベット プロストリートクラス仕様
フォード・マスタング1969年式 プロストリートクラス仕様
マセラティ・クアトロポルテ(4代目)エボルツィオーネ タクシー仕様
シトロエン・C-METISSE(C-メキセ)
メビウス
1号車:決勝ラウンドで用いられるガソリンエンジンタイプ。マニュアル車。後輪にトラクション強化剤を吹きつける装置が備えられており、スタート前にこれを使用することで、加速開始から300mまではトラクションを大きく高めることができる。最高速度は362km/hと、モーター併用の2号車には劣るものの、ハイブリッドシステムを省いたシンプルな車体設計のおかげで車重はわずか890kgに抑えられている。
2号車:予選ラウンドで使用されたハイブリッドカータイプ。セミオートマチック車。V8・3.6リッターOHVエンジンをミッドにレイアウトし、そこにモーターを組み合わせた仕様で、モーターのみで走行する「エコ(E)」、コンピュータの判断で動力を制御する「オートマティック(A)」、全リミッターを解除して走行できる「レーシング(R)」モードの3モードを選択して走行できる。他にもKERSの技術を応用した加速装置、速度感応式可変ディフューザーなど数々のハイテク装備が満載されているにも拘らず、車体重量はわずか1000kgジャストに抑えられている。最高速度は400km/h以上にも達するが、車載コンピュータが路面や車体の状況を逐次判断し、危険と判断した時点で加速を頭打ちにするセイフティ機能が設定されている。このセイフティはドライバーの操作で解除できるが、車体を極めて不安定にする諸刃の剣である。
3号車:エンジンを廃した電気自動車タイプ。浦島の予想以上の完成度を示したことから、浦島グループの新型電気自動車として大々的に発売されることになった。
ヒエロ(HIERO)
なお架空の車であるが、作者梅澤春人主導により実車が制作され、東京モーターショー2015でも展示されたことがある。
日産・GT-R
フェラーリ・430スクーデリア
キャラウェイ・C4コルベット"スレッジハンマー"
スズキ・GSX1300Rハヤブサ(白バイ仕様)
ブガッティ・ヴェイロン
シボレー・C3コルベット
メルセデス・ベンツ・SLRマクラーレン
書誌情報
ヤングジャンプ・コミックスから発売。