カリフォルニア物語
以下はWikipediaより引用
要約
『カリフォルニア物語』(カリフォルニアものがたり)は、吉田秋生による日本の漫画作品。
概要
作者・吉田秋生の名が一躍広まった作品として賞賛されている。作品発表当時、吉田は20歳だった。
『別冊少女コミック』(小学館)に1978年2月号から1981年12月号まで連載されていた。単行本全8巻(絶版)、文庫版全4巻が刊行されている。番外編『夢の園』も共に収録されている。文庫版では、タケカワユキヒデ、中島梓、大浦みずき、わかぎえふが巻末エッセイを寄せている。
2008年、スタジオライフにより舞台化された。
あらすじ
1975年夏、カリフォルニア州サンディエゴ在住の高校2年生だったヒースは、著名な弁護士である父親との確執や地元の麻薬密売人サイファンとの対立をきっかけに、マンハッタンのソーホーに住む友人のインディアンを頼って身を寄せる。マンハッタンに向かう途中のテキサスの田舎町で知り合ったイーヴ、ブッチ、スウェナらも順にマンハッタンに居を移し、それぞれの生き方を模索し始める。
ヒースとイーヴが共同生活を始めて2年後の夏、ブッチの作った借金を巡るトラブルでイーヴが負傷。その直後にヒースの兄のテリーが事故死するなどヒースの周辺は騒がしくなる。テリーの葬儀の為にサンディエゴに戻ったヒースは、父親やサイファンとの和解を果たすが、マンハッタンへ戻ってしばらくすると今度はイーヴが事故死し、ヒースは不幸のどん底へと突き落とされる。
一時は自暴自棄になったヒースだったが、友人たちに支えられて冷静さを取り戻し、マンハッタンから再び旅に出る。
登場人物
- 【】内は呼び名を表す。
主要人物
ヒース・スワンソン【ヒース】
カリフォルニア・サンディエゴ出身。18歳~20歳。物心がつく前に両親が離婚、父マイケルは多忙で不在がちであり、9歳年上の優秀な兄も寮生活のため、世話をするのは家政婦のみという、家族の温かさを知らない寂しい家庭に育った。エリートな兄と常に比べられ、コンプレックスを抱えたままティーンエイジャーとなる。どう頑張っても兄のようになれないジレンマと、父に認められない空しさから次第に気持ちは荒み、非行グループに身を置いた揚句、制裁的な意味合いで図らずも麻薬中毒となる。狭い町では噂になり止むを得ず高校をドロップアウトすることになるが、故郷には既に自分の居場所がないと判断し、この町に旅行中で偶然知り合ったインディアンを頼って誰にも知らせず一人ニューヨークへと旅立つ。道中、テキサスで出会ったイーヴと成り行きでマンハッタンの片隅で同居生活を送ることに。
高校時代は長距離走の選手で、優秀な成績を残した。
名前の由来は『嵐が丘』のヒロインのセリフ『ヒースの花が咲いている』から。
イーヴ・ルチアーノ【イーヴ】
15歳~17歳。父親がプエルトリコ系移民のニューヨーカー。幼い頃から父に虐待される日々を過ごし、学校に通うこともできず、当初は字も読めなかった。軽い知的障害もある。父が脳卒中で亡くなり虐待から解放されたが生活は厳しく、男娼をしていたこともある。数多の暗い過去を持つが、性格は純粋、素直で明るい。
「寒いところが苦手であったかいところに行きたい」とカリフォルニアに憧れ当地へ向かう際、それとは逆にニューヨークを目指していたヒースとテキサスで知り合い、そのままニューヨークへ戻る形で付いて行くことになり、同居生活を始めた。互いに心に傷を抱えながらも支え合い、正面からぶつかりあうように生活する日々を送るうち、次第にヒースに恋愛感情を抱く自分に気づくがストレートであるヒースと、女性として初めて想いを寄せたのが彼を慕い恋人関係にあるスウェナである事から、愛する二人の気持ちの重荷になるまいと、一人悩む日々を送るようになる。
インディアン
ブッチ(butch)には、同性愛者でいう男役という意味があり、本人もそれを気にしている。ニューヨークの住人となり貧しい生活を送る中、同棲中の恋人である喫茶店のウェイトレス、キャリーを妊娠させてしまい、堕胎費用の工面に四苦八苦する。
ニューヨークの人々
ジェーン・パーシー
リチャード・ジャクソン【リロイ】
ルシンダ・ヘイワーズ
大学院を出ており博士号を持つポルノ女優。リロイとはかつて恋人関係にあり一緒に暮らしていた。ポルノに出演する傍ら、舞台女優としてオン・ブロードウェイの主役を見事勝ち取る。ヒースへの叶わぬ想いを抱えるリロイを支える。
ヒースに深く関わる人物
マイケル・スワンソン
テレンス・スワンソン【テリー】
スーザン・ジェファーソン/スワンソン【スージー】
シャーロット
その他
サム・リード
エレイン・ウィルビー
メイジー・ウィルビー
舞台
2008年
テレビ東京・Studio Life・銀河劇場の共同プロデュース公演。男性だけで構成される演劇集団Studio Lifeにより、劇団員以外の俳優を迎えて舞台化された。生バンド演奏を組み入れ、70年代のヒット曲に乗せて登場人物の心情を歌で綴りながら、ニューヨークに集まる若者達の物語を繊細に描いた。
- 日程:2008年2月27日~3月9日
- 会場:銀河劇場
- 脚本・演出:倉田淳
- 出演(キャストを入れ替えた4バージョン公演)
ヒース役:林剛史 / 岩﨑大
イーヴ役:中川真吾(D-BOYS) / 松本慎也
インディアン役:曽世海児 / 佐藤滋
ブッチ役:tekkan / カサノボー晃
スウェナ役(ヒースの彼女):伊礼彼方 / 及川健
テレンス役(ヒースの兄):三上真史 / HILUMA(LEGOLGEL)
アレックス役:兜政孝 / 荒木健太朗
マイケル役(ヒースの父):石飛幸治 / 藤原習作(劇団め組)
スージー役(ヒースの義姉):仁田宏和 / 来栖裕之
シャーロット役:吉田隆太、多田直人(キャラメルボックス)
ケーシー役:金景太、三浦孝太
リロイ役:野島直人、廣谷航
2018年
劇団Studio Life本公演
- 日程:2018年7月20日~8月5日
- 会場:中野・THE POKET
- 脚本・演出:倉田淳
- 出演(2バージョン公演)
ヒース役:仲原裕之
イーヴ役:千葉健玖 / 若林健吾(ダブルキャスト)
インディアン役:澤井俊輝 / 宮崎卓真※客演(ダブルキャスト)
スウェナ役(ヒースの彼女):伊藤清之
テリー役(ヒースの兄):中野亮輔※客演
ブッチ役:前木健太郎 / 吉成推人(ダブルキャスト)
アレックス役:吉成推人 / 前木健太郎(ダブルキャスト)
マイケル役(ヒースの父)、ジェンキンズ警部:藤原啓児
リロイ役、ガルシア役(イーヴの義兄)、マイケルの親友役:石飛幸治
スージー役(ヒースの義姉):宇佐見輝
ケイシー役:鈴木宏明
チャーリー刑事:水野昇