カーター版ネクロノミコン
以下はWikipediaより引用
要約
クトゥルフ神話の架空の文献「ネクロノミコン」のうち、アメリカ合衆国の作家リン・カーターが創造したものについて解説する。
リン・カーターの『ネクロノミコン』(原題:英: The Necronomicon:The Dee Translation)は、「ネクロノミコン」を創作した作品である。翻訳ジョン・ディー、注釈リン・カーターという体裁をとる。歴史パートと魔術パートで構成される。神話の第二世代作家であるラムジー・キャンベル、ブライアン・ラムレイ、リチャード・L・ティアニーなどの設定が取り込まれている。
晩年のカーターは病を患い、趣味のために作品を書くようになり、「ネクロノミコン」や「エイボンの書」を自ら創造する試みに着手した。内容は断片的に発表され、1988年のカーターの死により未完に終わる。最終的に、1996年にまとめられて発表された。
森瀬繚は、カーターが体系化したクトゥルフ神話の設定の集大成と評する。ドナルド・タイスンは本作などのネクロノミコンに不満があり、自ら新たに『ネクロノミコン アルハザードの放浪』を手がけた。サンディ・ピーターセンの『クトゥルフ神話TRPG』は、カーター神話を意識しつつ、さらに独自の体系化を試みたものとなっている。
一、挿話の書
アブドゥル・アルハザードを主人公とする歴史小説パート。8つの掌編小説で構成される。10枠が予告され第四と第十の物語は準備中とされていたが、カーターの逝去により書かれることがなかった。
第一の物語 ヤクトゥーブの運命
材料を入手した師は、余らを連れて、召喚の儀式を行う。呼び出された赤い怪物は、対価の瓶を投げ捨てるや、師を惨殺しむさぼり喰らう。余らは命からがら逃げ出す。すべては卑劣なイブン・ガゾウルの仕業であり、彼は資金を乱財したあげく、瓶には霊液の代わりに尿を入れて誤魔化したのである。
第二の物語 メンフィスの地下にあらわれたもの
第三の物語 円柱都市にて
第五の物語 モスクの地下墓所
第六の物語 ムノムクアー
第七の物語 時間を超越した狂気
第八の物語 黒い蓮の夢
第九の物語 星の影
二、準備の書
9章構成。空間と物質の四元と、永遠と非存在の第五元について(四大霊のこと)。刻限と季節について(星辰のこと)。旧支配者と旧神について。
三、門の書
19章構成。この世界の外の世界について。
四、解放の書
4章構成。召喚したものを退散させることの重要性について。ムナールから産出する五芒星形の石について。
収録
- 学研『魔道書ネクロノミコン外伝』大瀧啓裕訳
関連作品
クトゥルー神話の神神、クトゥルー神話の魔道書
ネクロノミコン断章
エイボンの書 クトゥルフ神話カルトブック
クトゥルフの呼び声 (TRPG)
付け加えると、ケイオシアム社は『カーター版ネクロノミコン』や『エイボンの書 クトゥルフ神話カルトブック』を刊行している。