キャットルーキー
題材:NPB,
以下はWikipediaより引用
要約
『キャットルーキー』は、丹羽啓介による野球漫画。1993年5月増刊号から2003年3月増刊号まで『少年サンデー超(スーパー)増刊』で連載されていた。単行本全26巻。単行本はコミックパークのオンデマンド版が入手可能であったが、2022年9月にコミックパークはサービス終了。2023年8月現在電子書籍化はされていない。
概要
日本のプロ野球パ・リーグが舞台(チーム名などは架空のものに変えられている)。パ・リーグの実在選手らをモデルとした登場人物も数多く登場する。作品は三部構成で、基本的にペナントレースの一年間を各部で描いている。第一部(単行本1巻)が「雄根小太郎編」、第二部(同2 - 16巻)が「四方二三矢編」、第三部(同17 - 26巻)が「寅島・三ヶ月編」となっており、架空球団トム・キャッツに入団したルーキーがそれぞれの部の主人公となる。なお、各主人公たちはそれぞれネコに関する名前や特徴を持っている。
あらすじ
第一部・雄根小太郎編
大和トム・キャッツのドラフト1位ルーキー雄根小太郎は、剛速球を投げる実力がありながら極度の気分屋という性格が災いして勝星を上げることができないでいた。不調の原因は、想いを寄せる女子アナ・仲井穂積と高校時代からのライバル・清本天馬の熱愛報道。だが、ふとしたことから雄根は、仲井がかつて自分と同じ高校の放送部員であり、その頃から自分のファンだったことを知って自信を取り戻す。しかし仲井は研修のためアメリカに旅立ってしまうのだった……。
経営難のために身売りの噂が絶えないトム・キャッツであったが、ある日選手たちに告げられたのは身売りどころか今季限りでのチーム解散・消滅だった。優勝すれば解散を撤回させられると考えた雄根は、テレビの生放送で優勝できなければ引退すると宣言、自らを追い込む。雄根の心意気に動かされ、チームは一丸となって快進撃を開始する。
しかし、南部ペガサスの放った刺客・デーモスの打球によって雄根は負傷し、戦線離脱を余儀なくされてしまう。果たして雄根はトム・キャッツを優勝させることができるのか……?
第二部・四方二三矢編
第一部終了直後のシーズンオフ、トム・キャッツ二軍秋季キャンプを訪れる青年の姿があった。その青年・四方二三矢は二軍監督の水原に自らの並外れた集中力をアピールする。リハビリのためにキャンプに参加していた雄根がテスト相手を買って出た。雄根の剛速球を四方は鋭いスイングと共にライトポール際に叩き込む。しかし、ファウルと判定された上に、この一振りによって筋肉を傷めた四方はあえなく三振してしまう。
敗れて納得の表情を見せる四方だったが雄根は入団を薦め、水原も同意する。やがて四方はその集中力を武器に大活躍することになる……。
第三部・寅島・三ヶ月編
第二部から1年後の夏の甲子園、東東京代表・浅草寺高校対高知代表・桂浜高校戦のスタンドにトム・キャッツのスカウト・無田の姿があった。司令塔となる捕手の獲得を水原監督から依頼された無田は、無名の浅草寺を甲子園出場に導いた主将の寅島球地に白羽の矢を立てていたのだった。一方の桂浜はエースの負傷により控え投手の三ヶ月心が登板、そのカーブの変化の鋭さに寅島は強い印象を受ける。
甲子園閉幕後、寅島は無田から正式にドラフト指名の挨拶を受けた。進学を理由に一度は断った寅島だが、三ヶ月のカーブが忘れられず、三ヶ月を一緒に指名するという条件で入団を承諾する。そして自ら三ヶ月を説得するために無田と共に高知に向かった寅島は、桂浜主将の坂本から三ヶ月の抱える事情を知らされる……。
主な登場人物
大和トム・キャッツ
モデルは当時の近鉄バファローズ。第1部では赤字により消滅の危機にあったが、リーグ優勝する活躍により黒字経営に戻り、危機を脱する。12球団中唯一、日本一になったことがなかったが、第3部で達成することになる。親会社は「オスネコヤマト」という運送業(ヤマト運輸がモデル)。
なお連載終了後ではあるが、2005年3月に近鉄バファローズはオリックス・ブルーウェーブに統合されオリックス・バファローズとなり、第1部で描かれた「身売りではなく球団消滅」に近い形となってしまった。
雄根 小太郎(おすね こたろう)
投手。第一部の主人公でドラフト1位入団。トム・キャッツのエースであり、球界一、二を争う剛球投手。トルネード投法から最高球速164km/hのストレートを繰り出す。気持ちで球を投げるタイプの投手で、気分次第で球速が大きく変化する。テンションが低いときの球速は130km/hにも満たないが、オールスターゲームの登板で映画「メジャー・リーグ」を模した演出でマウンドに登った際は「毎回これをやってくれれば30勝はできる」と豪語し、セリーグの打者を三者三球三振に討ち取った。体力も高く、シーズン終盤になると中2日や連投の登板もこなす。第一部では消滅寸前だったトム・キャッツをリーグ優勝に導き、以来「トム・キャッツ(=雄猫軍団)」のリーダーとして描かれている(なお、彼の名前「おすね・こたろう」を読み替えると「雄猫・太郎」となる)。頬のネコヒゲがトレードマーク。背番号「百」。
神童 仁志(しんどう ひとし)
四方 二三矢(しっぽう ふみや)
寅島 球地(とらしま きゅうぢ)
三ヶ月 心(みかづき しん)
投手。第三部のもう一人の主人公。通称「ミケ」。高校まで野球未経験であったが、母親の病気の治療代を稼ぐためにプロ野球選手になることを目指した。野球部では控え投手だったが、甲子園でただ一度登板した際に対戦した寅島の口添えにより、トム・キャッツに入団する。野球をするのはあくまでも金のためであり、野球を愛してはいないと公言していたが、寅島との交流により少しずつ変わっていく。建物の3階から飛び降りても怪我をしないほど柔軟な体を持ち、「球に回転数を与える」才能を持つ。また、他人のフォームを真似るのが早い。寅島の考案したウィザードと呼ばれる魔球を投げる。魔球には、ウィザード・ドライブ、ウィサード・ライザー、ウィザード・バイパーの3種類があり、いずれも"打者の目を欺く"ことを基本コンセプトにしている。また、トルネードクイックという投法も使う。背番号03。
ウィザード・ドライブ(TypeⅠ):雄根のフォームをコピーしたトルネード投法から繰り出される超カーブで、右打者専用の「消える魔球」。右打者にとって眼の近くで高速移動するため、ボールを眼で追うことが非常に困難な球である。但し、左打者には消える効果は無く、また、球質がとても軽いという欠点がある。三ヶ月は高校時代から極稀に、これに近い球を投げていたが、寅島の助言による下半身強化とトルネード投法を取り入れることにより、意識して投げられるようになった。
ウィザード・ライザー(TypeⅡ):神童のフォームをコピーしたアンダースローにトルネード投法を加えた、独自のフォームから繰り出されるライズボールであり、対左打者用に編み出された球。左打者の眼に向かって飛んでくるため、ボールの距離感を失わせる効果のある魔球である。但し、投球後に、毎回転倒するという欠点がある。
ウィザード・バイパー(TypeⅢ):130キロを越す高速ナックル。"空間イレギュラー"を起こし、蛇(=バイパー)のように蛇行する魔球である。通常のナックルよりもブレの間隔が数センチ広いだけであるが、スピードが乗っているため打者の眼には稲妻が走ったように見える。
トルネード・クイック:モーションが大きく盗塁されやすいトルネード投法の欠点を補うために三ヶ月自身が考案した超クイックモーション投法。軟体体質を生かし、脚をほとんど振り上げず上半身のみをひねって投げる。素早い投球フォームのため、打者の虚を突く究極のチェンジアップとなる。
加縫 勇治(かぬい ゆうじ)
酒希 洋(さかき ひろし)
ハッチ・ボーンズ
一塁手。第2部から登場。元メジャーリーガーの助っ人外国人選手。第1部にトムキャッツに所属していたトルーバー(モデルはジム・トレーバー)の替わりで獲得した選手。左打ち。安打狙いの通常打法と、長距離狙いの一本足打法を使い分ける。メジャーでは首位打者を獲り、優勝も経験したが、足に怪我を抱えてから成績を落とし、日本でも怪我を再発させてしまい、それ以降は音信不通の状態だったが、とある出来事から試合に復活して、チームに貢献する。第2部ではシーズンで2本しかヒットを打たず、翌年もホームランは0だった。しかし第3部ではその怪我も癒え、長距離ヒッターとしても復活。自称「ギャンブラー」であり、野球に関しての勝負勘は一流であるものの、日本に来てから実際のバクチで勝ったためしがない。背番号80。
重吉 建(しげよし けん)
井手(いで)
石伊(いしい)
エディ・ブライアン
三山(みつやま)
皆口(みなぐち)
砂野(さの)
山元 和紀(やまもと かずのり)
山崎 鉄(やまざき てつ)
前河(まえかわ)
藤村 虎生(ふじむら とらお)
水原 駿祐(みずはら しゅんすけ)
荒井 弘昌(あらい ひろあき)
南部ペガサス
モデルは西武ライオンズ。豊富な戦力を持つリーグ最強チームとして描かれている。
清本 天馬(きよもと てんま)
デーモス・ソーン
小日向 悟(こひゅうが さとる)
海道 陸(かいどう りく)
坂本 兵馬(さかもと ひょうま)
松崎 大介(まつざき だいすけ)
アポロ・アーウィン
赤星 将丸(あかぼし しょうまる)
ダイオーフェニックス
モデルは当時の福岡ダイエーホークス。前身の東海イーグルス(モデルは南海ホークス)を巨大企業ダイオーグループ(モデルはダイエー)が買収して誕生。
九條 数真(くじょう かずま)
バート・クレイトン
西久保(にしくぼ)
中松(なかまつ)
神戸フォックス
モデルは当時のオリックス・ブルーウェーブ。
稲荷 常吉(いなり つねきち)
大嶋(おおしま)
日製ファルコンズ
モデルは当時の日本ハムファイターズ。
船山 勉(ふなやま つとむ)
隼 光(はやぶさ ひかる)
ブリテン
緒笠原(おがさわら)
マリン・シャークス
その他の人物
三崎 辰子(みさき たつこ)
有森 馮子(ありもり ひょうこ)
セ・リーグのチーム
基本的にオールスターゲームのエピソードにのみ登場する。
- 東京ジャイアンティス(モデルは読売ジャイアンツ)
- ヨクルト・ラークス(モデルはヤクルトスワローズ)
- 横浜セブンスターズ(モデルは横浜ベイスターズ)
- 広嶋キグナス(モデルは広島東洋カープ)
- 中京ドルフィンズ(モデルは中日ドラゴンズ)
- 阪新ライガース(モデルは阪神タイガース)