キャプテン (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『キャプテン』は、ちばあきおによる野球漫画。本項目では、これを原作として制作された複数の作品(アニメ・実写映画)についても併せて詳述する。
概要
漫画
1972年2月号から1979年3月号まで『月刊少年ジャンプ』(別冊少年ジャンプ)(集英社)に連載された。当初は、『別冊少年ジャンプ』に『がんばらなくっちゃ』というタイトルで読み切り作品として発表され、翌号から『キャプテン』とタイトルを改めて新連載された。
それまで主流だった『魔球などの非現実的な技を活用する熱血野球漫画』と違い、『欠点を持ち合わせた等身大のキャラクターが、仲間と一緒に努力しながら(監督は不在)成長していく過程』を描いて読者に受け入れさせ、スポーツ漫画としての新たなスタイルを築き上げた。また、当初の主人公であった谷口が卒業したのちも、代々のキャプテンを主人公にすることで連載を継続した点も特徴的である。
1973年からは同社の『週刊少年ジャンプ』にも、高校進学後の谷口を中心に描いたスピンオフ作品『プレイボール』(1978年まで連載)が並行連載された。
1977年、『少年ジャンプ』系作品としては史上初めて第22回(昭和51年度)小学館漫画賞を受賞した。本作の累計発行部数は1900万部を記録しており、本作とスピンオフ作品『プレイボール』を合算すると3200万部となる。
2022年に連載50周年を迎えたことを記念し、3月に東京都の神保町にある集英社神保町3丁目ビル1階集英社ギャラリーにて、歴代墨谷二中キャプテンの4人のパネルなどの展示が行われた。
キャプテン2
『グランドジャンプむちゃ』2019年5月号よりコージィ城倉の作画による『キャプテン2』が連載開始。同作者による『プレイボール2』同様、ちばあきお原案の続編として絵柄を踏襲し、本作品の最終回からの続きを描いている。2021年5月号まで掲載された後は『グランドジャンプ』に移籍し、2021年12号より連載中。時代背景は連載終了当時のものをそのまま引き継いでるため谷口の家でオリンピックの時に買った白黒テレビやベータービデオが出たり、「サウスポー」をやっていたり、近藤が「ヤングマン」を口ずさんだりと時代背景や高校野球のルールも当時のものを引き継いでいる。
アニメ
1980年4月にテレビスペシャルとして単発アニメ化されたのを皮切りに、1983年までにアニメ映画(以下、アニメ劇場版)・連続テレビアニメ(以下、テレビシリーズ)が随時上映・放送された。詳細はアニメの節を参照。
実写映画
2007年8月18日より全国ロードショー。詳細は実写映画の節を参照。
小説
2017年4月に学研から山田明により小説化された。詳細は小説の節を参照。
野球選手への影響
後にプロ野球選手となる人が愛読していた例も多く、イチローがオリックス・ブルーウェーブ入団の際にコミックスの全巻を寮に持ち込んだことが田口壮から語られており(ただし、この時持ち込んだのは原作のコミックス全巻ではなく、テレビシリーズのVHSビデオ全巻であったとのちにイチロー本人が語っている)、元阪神タイガースの新庄剛志などは少年時代に本作品のファンであったと雑誌取材で語っている。また、アニマックスにてテレビシリーズが放送された際、当時東北楽天ゴールデンイーグルスに所属していた田中将大が本作品に関するインタビューに答えた。
あらすじ
中学2年時に野球の名門・青葉学院中学校から墨谷第二中学校(墨谷二中)に転校してきた主人公・谷口タカオは、野球部へ入部するためにグラウンドを訪れ、練習に参加しようと青葉時代のユニフォームに着替えた。そのユニフォームに気付いた野球部員は、勝手に谷口を名門青葉のレギュラー選手だったと思いこんでしまう。しかし実際は、谷口は2軍の補欠でレギュラーにはほど遠い選手だった。そのことを気が弱くて言い出せない谷口は一度は諦めかけるが、大工を営む父の叱咤激励を受けて周囲の期待に応えるべく陰ですさまじい努力を続ける。やがてそれらを見抜いていた先代キャプテンに見込まれてキャプテンに選ばれるまでになり、試行錯誤しながらチームを引っ張っていく。
谷口の卒業以降も連載は続き、新キャプテンを主人公として墨谷二中野球部が強豪へと成長する様子を描いていった。
テレビシリーズにおいて、地区大会の決勝戦で最後に試合を決めるのは必ず次期キャプテンとなる人物である。
『2』では近藤キャプテンによる夏の大会を描いたのち、近藤が墨谷高校に進学して谷口が野球部監督を務めるという流れで、『プレイボール2』とストーリーを集約している。
その他
「強敵! 金成中」では、別冊ジャンプ連載時には金成中マネージャーが事故でバットが頭に当たり気絶しているが、コミック発売時には4ページ分描きなおしている(不適切な描写の除去)。
登場人物
墨谷二中
正式名称は墨谷第二中学校。公立の学校であり、なおかつ元々が弱小校だったこともあり、青葉学院のような私立の強豪校と違って専任の監督などは存在しない。
顧問を務める教師は居るが、作中には小説版、実写映画版を除き、殆ど登場しない。そのため、事実上、キャプテンが監督を兼任せざるを得ない体制が採られている。
キャプテン
谷口 タカオ
声 - 和栗正明
第1次キャプテン。ポジションは三塁手、のちに投手を兼任。野球の名門である青葉学院から転校してきたために皆に期待されるが、実は2軍の補欠だった。当初は卑屈な面があったが、父親の叱咤と協力を受けてレギュラーに匹敵する実力をつけようと陰で努力を続け、その姿勢をキャプテンに見込まれ墨谷二中のキャプテンとなる。
控え目な性格から当初は決断力に欠け判断を誤ることもあったが、やがてキャプテンシーを開花させ、過酷なスパルタ練習で墨谷を青葉学院と互角の戦いをできるチームにまで鍛え上げる。ただし、後続のキャプテンである丸井、イガラシに対して長所短所ともに影響力があったために「少数精鋭(レギュラーもしくはベンチ入り選手のみ)で特訓を行う」という図式はイガラシ世代まで続けられ、選手層の薄さがチームの慢性的欠点になる。この点が改善されるのは、谷口を直接は知らない近藤世代を待つ事になる。
成長してからは目の前の目標に対して粘り強く真摯に取り組む性格になり、「頑張る」一辺倒の思考がときにナインの反感を買うこともあるが、諦めることなく夜間の自主練習に勤しむ姿を見た周囲をまとめ、自発的に意識改革を行うきっかけにも繋がっている。青葉学院との再試合前に松下が肩を負傷し、イガラシ以外に投手がいない状態で最後の試合に臨まなければならなくなったためにピッチャープレートへの足の掛け方もわからないところから投手としての練習を始め、ついには青葉に通用するレベルのピッチングを見せナインを驚かせた。その試合途中、指を骨折したことをナインに隠し、ファール攻めで限界のイガラシに代わってマウンドに立つが、その場にいたナインだけでなく、後に同じく試合中に怪我を負った近藤をも勇気づけるエピソードになった。テレビシリーズではこの指の骨折が原因となり、医者に「もう野球はできない」と宣告されている一方、原作では医者には行かず不養生の為に指が曲がってしまったという描写がなされている。
墨谷二中を卒業後は墨谷高校に入学する(そこでの物語が『プレイボール』である)。
テレビシリーズの最終回(26話)にも登場しており、野球を続けているかは作中語られていないものの、地区予選決勝で江田川中に苦戦するイガラシ率いる墨谷二中の応援に、墨谷高校の制服らしきものを着用し駆けつけている。「采配は全て今のキャプテンが決めることだからOBが安易に出すぎてはいけない」との考えから陰で試合を見に訪れており、じれったそうにアドバイスをしようとした丸井を諭していた。
『2』では高校卒業後、予備校に通学しながら墨高野球部の監督として後輩たちの指導をしている。当初テストの成績が散々だったことから練習と勉強を両立させる大切さを新入生の近藤に説き、自身の成績も毎日の努力の甲斐あって講師に褒められるまでに向上を見せ始めている。恋愛や異性からの好意には疎いが、選手としての実力やそれを一切鼻にかけない謙虚な振る舞いもあり、リカやサチコをはじめとした予備校のクラスメイト達からも好かれている描写が多く見られる。
2017年に描かれた小説版では、再試合は描かれず、地区大会準優勝で引退。丸井達に部を託した。また3学年下の近藤にフォークボールの投げ方を指導している。
強肩強打であり、パワーヒッター。左中間への打球が多いらしい。江田川中の井口と初めて対戦したときも、いきなり外野の頭を越すなど、打者としての能力が高い。
谷口タカオの氏名のモデルとなったのは、本作の初代編集者だった谷口忠男である。
丸井
声 - 熊谷誠二
第2次キャプテン。ポジションは一貫して二塁手で、他を守ったことが無い。二年生時には1番、新チームのキャプテン就任後は小柄ながら3番を打つ。『2』でも常時1番か2番を打っている。
持ち前の強い熱意でチームを引っ張るが、歴代キャプテンの中で最も短気で手が出やすく、「上下関係に疎いうえに自分を過信しがちな」近藤には特に厳しい。自分でもそのことを自覚しており、イガラシを副将格としてそのアドバイスをよく聞き入れるよう努める。作中において最も谷口の人柄と姿勢を尊敬している人物である。後輩には江戸っ子口調が出る乱暴な面もあるが、面倒見が良い兄貴分として接する。
谷口キャプテン期の当初は、レギュラーの中で最も実力的に劣っており、イガラシにレギュラーを奪われる。そのことで退部を考えていたが、谷口のひたむきな姿を見て考え直し、自主練習をはじめて青葉学院戦では見事なプレイを見せて谷口を驚かせた。
キャプテン就任後は谷口の方針に依存しがちで、そんな部分と空回りが災いし、部員たちとの間に溝が生まれてしまう。最初の試合となった春の選抜では、下馬評で圧倒的有利だったが広島の港南中にまさかのサヨナラ負けを喫し1回戦敗退。当初はミスを繰り返した近藤に当たり散らし、その態度が顰蹙を買い一度はキャプテンを解任されるが、イガラシに諭され、全国大会を勝ち抜くための対策を怠っていたことを痛感する。
キャプテンに再就任すると夏の全国大会優勝を果たすため、選抜出場校に掛け合い36チームとの練習試合を組み、全勝するためのスパルタ合宿を慣行。部員の大半がハードスケジュールに耐え切れずに脱落しながらも合宿を乗り越え、見事36戦全勝を果たす。夏の大会は地区大会を圧倒的な力で勝ち進み、決勝で春の選抜優勝校・青葉学院と対戦。事実上の全国大会決勝ともいわれたこの試合を延長18回の死闘の末に制するが、この試合でほとんどの部員が負傷。それに代われるだけの選手がいない層の薄さが災いし、全国大会は棄権せざるを得なくなってしまった。小説版では全国大会には出場できたが、原作と同じ理由で和合中学に初戦で敗退する。
卒業後も墨谷の練習や試合にしきりに顔を出し、試合ではベンチの上からアドバイスを出していた(当初はベンチ内にいたが、監督ではない部外者ということで審判に注意され、以後はベンチの上から審判に分からないようにアドバイスしている)。さらには応援団の統率や対戦相手の情報を集めたり、野球部の合宿の面倒を見たり、イガラシが行き詰った際にさり気無くアドバイスや練習試合の手配をするなど、常に外部から墨谷野球部を支え続けた。長期連載の『キャプテン』において第1話から最終話まで登場し続けた唯一の人物。
『2』でも夏の全国大会応援に登場。文武両道の練習スタイルに変更した近藤を当初は批判していたが、最後には彼らの奮闘を認め、近藤のやろうとしてた事を認めた上で墨谷高校に進学するよう勧めた。谷口達の引退後は墨谷高校野球部のキャプテンを引き継ぎ、就任直後に責任感とチーム全体の実力向上を急ぐあまり、墨谷二中時代の練習を強要して負傷者を出してしまった反省から以前よりも後輩に対して落ち着いた対応を心がけるようになっている。
俊足で守備の上手さには定評があり、セカンドからセンターまで走ってフライを捕るなど、守備範囲が非常に広い。バッティングスタイルとしてはライナー性の打球が多く、アベレージヒッターだが、少なくとも2本のホームランを放っている。歴代キャプテンの中では唯一、投手と4番打者の経験が無かった。
原作においては、近藤キャプテン時に登場した時は墨谷高校の制服を着用している。
テレビシリーズのオープニングでは背番号3を付けている。
学年は谷口よりも下だが、谷口は2年の途中から墨谷二中に編入しているため、数ヶ月の差ではあるものの、墨谷二中野球部員としては丸井の方が谷口の先輩にあたる。
そのため、先代キャプテンのことを谷口よりも前から知っている。
谷口からキャプテンの座を受け継いだため、作中における2代目の主人公であるが、次代のキャプテンとなるイガラシと同様に主人公(2代目)でありながら下の名前は設定されていない。
イガラシ(五十嵐)
声 - 木村陽司(テレビシリーズ)/ 中田光利(劇場版)
第3次キャプテン。小柄な体格ながら天才肌で、青葉の監督をして化け物と言わしめる体力と、ポジションは一通りどこでもやってきたという優れた野球センスを併せ持つ。作中では三塁手・二塁手・投手として活躍した。
入学時から中学生離れした言動が多く、谷口以上に勝つためにはどんな犠牲も厭わない考えを持つ。言いたいことを無愛想にはっきりと言うその性格を先輩達に疎まれ、谷口キャプテン期に、ノックの際に高木に殴られた事もある。しかし、1年時から実力は抜きんでており、谷口の決断でレギュラーとしてセカンドを守る(この時、丸井が外された)。試合中、松下の負傷から急遽ピッチャーとして登板し、落ちるシュート(シンカー系)など多彩な変化球を披露し、務めを果たした。谷口の猛練習を最も積極的に受け入れ、チームの中心選手として先輩ナイン達の敬意を勝ち取った。
2年生時には棘のある発言も少なくなり、周りと協調したり感情に走りがちな丸井を冷静な視点で補佐する役割を負う。打順も丸井を差し置いて4番に入った。
キャプテンとなってからは春の選抜優勝を目標に谷口・丸井以上の猛練習を行ったが、勝利・実力至上主義によるあまりのスパルタぶりと選手の怪我が問題になり、出場辞退を招いてしまう。それにより活動再開後も正規の時間でしか練習ができなくなってしまったが、夏の大会では数々の強豪チームを破り、悲願の全国制覇を達成した。
冷静沈着なイメージが強いが、1年生の頃は自分より実力や意識が劣る選手を見下すような発言が多い上にかなり短気であり、谷口に対してさえ業を煮し影で帽子を投げつけて批判したり、金成中学戦では激昂したところを丸井に諭されたこともある。2年生時にも、キャプテンとなった丸井が感情に任せて近藤を殴り倒した場面を見た際には声を荒げて批判したこともあり、根は熱いものを持っている。テスト成績は学年10番以内を取るほど学業においても優秀で、合宿の際には勉強法を指導したこともある。
卒業後は墨谷高校に進学する。実家は中華そば屋(テレビシリーズでは初回登場時のみ「五十嵐亭」との看板が見られたが、2回目以降では看板の位置やデザインと共に、店名も「五十番」に変更されていた)を経営しており、慎二という2歳下の弟がいる。
『2』では近藤達が墨谷高校に進学した際に2年生として登場し、チーム作りに悩む丸井を先輩の半田とともに補佐する。
小説版では前述した特訓による騒動に責任を感じ退部を考えるが、谷口・丸井とのキャッチボールと副キャプテンになった久保の叱咤で立ち直り続投を決意。謝罪とともに再入部を志願した松尾とも和解する。
走攻守そろった選手であり、総合的な能力が高い。バッターとしてはパワー型であり、長打を放つ描写が多い。ピッチャーとしてはスピードのあるストレートに加え、多彩な変化球を織り混ぜながら精密なコントロールでコースを突くピッチングをする。球質が軽いことが弱点で自身でも自覚しており、長打を警戒する場面では近藤にマウンドを任せることもある。しかし実際に長打を打たれるシーンはほとんどなく、ホームランを打たれたのも1年生時の青葉戦のみである。
丸井からキャプテンの座を受け継いだため、作中における3代目の主人公であるが、先代のキャプテンである丸井と同様に主人公(3代目)でありながら下の名前は設定されていない。
近藤 茂一(こんどう しげかず)
声 - 中尾隆聖
第4次キャプテン。ポジションは投手と右翼手。三塁手も1回だけ守っている。関西弁を話す。
入部当時から中学生離れした巨体と剛速球の持ち主だったが、それゆえ当初は自惚れが強く、横柄な態度で丸井を激怒させ退部させられそうになる。しかもひたむきさが全くなく、苦手な守備練習や体力トレーニングになると途端にさぼろうとする。また常識的なルールさえ理解していない言動で周囲をあきれさせる事が多い。彼の実力を見込んだイガラシの推挙と指導をうけるも、選抜ではミスを連発し敗戦を招く。夏の大会に向けた合宿では、離脱者が続出するハードスケジュールの中、1年生で唯一最後まで残り、イガラシに次ぐ墨谷のエースとして成長。投打で1年生時の地区大会優勝、2年生時の全国大会優勝に貢献する。しかし依然として大事な場面での凡ミスや無神経な発言があり、丸井からはよく蹴られ、チームメイトを幾度と無く怒らせていた。
キャプテンとなってからは、「自分が卒業した後、どのようなチームを残すか」を考えるよう父親に諭され、精神面でも落ち着きを見せるようになる。これまでのキャプテン達とは違って選手層を厚くするための育成型練習をし、素質のある後輩の抜擢と後輩らへの面倒見のよさでチームを引っ張る。
春の選抜では苦戦しながらも勝ち進むが、準々決勝の富戸中戦で近藤は危険プレーで退場、牧野と佐藤は負傷退場と立て続けに主力を欠いてしまう。そのため1年生を起用せざるをえなくなるが、1年生達の予想外の活躍により、最後は敗れるも互角に渡り合う事が出来た。一方で近藤自身は退場後はふてくされてチームの指揮を放棄するなど、身勝手な一面も見せている。
球質の重い剛速球投手で打撃ではクリーンナップを任される強打者だが、バントなどの小技や守備が苦手で鈍足。入部当初はバント処理やセットポジションも満足にこなせなかったが、その後は下手なりに改善される。3年生の時にはキレのある変化球も覚えた。
一見へらへらとしたお調子者に見えるが、1年生時の青葉との決勝戦では、肩を壊しながらも最後まで完投にこだわり、2年時の南海中戦ではホームのクロスプレイで右手の爪が剥がれるも、リリーフしたが、前の試合で疲労の影響が出ていて疲労困憊になったイガラシを見て、指を庇った状態での投げ方を模索し、丸井からかつて指を骨折しても投手として投げた谷口の話を聞いたことで、爪を庇わない投げ方で疲労困憊のイガラシに代わり9回にリリーフをするなど、ときに丸井やイガラシすらうならせる根性を内に秘めている。
『2』では、家庭教師でワセダ大学生の相木から得たヒントや助言を元に、練習スタイルを練習時間よりも練習内容の密度を重視して、学習時間も確保する文武両道路線に変更するなど、試行錯誤しながらチームを引っ張っていく。富戸中との再戦に敗れたが、後輩である慎二や佐々木達に道を示し、大きな遺産を残した。墨谷高校を第一志望に挙げ、合格する。
野球部入部時に監督に就任した谷口と初めて顔を合わせ、キャッチボールをする。上級生の呼び方も基本的には「さん」付けに改めているが、かつて激闘を繰り広げた井口には昔の癖で「はん」付で呼んでしまい、その度に叱られている。入部当初は中学の時とは軟球と違う硬球に怖がっていたが、かつて谷口が特訓してた場所での井口とのマンツーマンの特訓を経て徐々に克服。井口が捕手を兼任するための特訓中には松川の走り込みで並走を続けることで投手としての体力を向上させ、大学生チームの選手からのアドバイスもあって実力を向上させていき、先発や中継ぎを任されるまでに成長し夏の地区予選では新入生で唯一ベンチ入りするまでに成長する。
原作では谷口が卒業してから入学しているので、自身が指をケガをした時に、丸井から谷口が骨折したエピソードを紹介されるだけで、両者が直接対面するシーンは無い。しかしテレビシリーズのオープニングラストで谷口、丸井、イガラシと共に墨谷二中のユニフォームを着て走っているシーンで顔を揃えている。テレビシリーズではイガラシがキャプテンの時に、球場へ谷口が応援に来たことがあり、会話こそないものの対面は果たしている。
小説では春の選抜における失敗と合宿を耐え抜いて自信を取り戻したことがきっかけで、早い段階で性格が改善した。最終巻では谷口からフォークの投げ方を教わっている。イガラシの引退後は原作同様キャプテンとして部員達に挨拶をする場面で締めくくられた。
テレビシリーズにおいて、基本的に中学生達の演技は子役(当時)の役者が演じているのだが、彼のみ声優である中尾隆聖が演じている。
両親のことをパパ、ママと言う。
選手
松下
声 - 大見川高行
谷口キャプテン期のエース。右投げ右打ち。他のチームメイトと同様にイガラシのでしゃばりを快く思わず、彼を登用する谷口と度々対立する。墨谷の中心選手の一人であるが、投手としての実力はあくまで地方大会レベルであり、対青葉学院戦では「あんなスローボールでよく決勝に勝ち上がったものだ」と青葉の監督に酷評される。それでも打たせて取る投球でよく健闘したが、最終回に1軍を投入した青葉学院の猛打に合い、右肩に打球の直撃を食らって退場、マウンドをイガラシに託した。その時の負傷により、再試合の時はベンチには入っていない。初戦の江田川戦では3番、イガラシが加わった2回戦以降は2番を打っていた。
『プレイボール』でも城東高校の控え投手として再登場。谷口からは実力は中学時代よりも遥かに向上していると評価されるが、早々に降板する羽目になる。
テレビシリーズでは眼鏡をかけていて、後に描かれたアニメ版『プレイボール』では、元祖眼鏡ピッチャーの中山の眼鏡の形を変えることになった。また原作では基本的に他の部員同様チームメイトだった頃には谷口がキャプテンを務めていたことから丁寧語を使っていたが、プレイボール以降は友人として対等に接している。性格も直情的な性格に描かれているが、テレビシリーズでは青葉再戦に備えて投手練習する谷口を手伝うなどの仲間想いな描写も追加された。アニメ版『プレイボール』でも墨谷高校の対戦時、ワンポイントリリーフで登板し谷口を抑えるなど、やはり原作にはない描写が追加されている。青葉学院戦の再試合には腕に包帯を巻いて応援にかけつけ、墨谷勝利の際には男泣きした。
『2』でも登場し、谷口が通学する予備校のクラスメイトになる。眼鏡を外し、髪型もリーゼント風になった。谷口の変わらぬ努力に舌を巻き、時には寄り道に付き合うなど友情は変わっていない。
小山
浅間
声 - 鴨治忠司(テレビシリーズ)/ 岩田光央(劇場版)
谷口キャプテン期の中堅手。右投げ右打ち。谷口による地獄の特訓の時は背番号7だったが、基本的には背番号8でセンターを守っている。フェンスに激突してボールをキャッチした際、心配して駆け寄ったチームメイトに対し、「バーロー!これくらいどうってことねーよ!」と怒鳴り返している。なお、原作・テレビシリーズでは谷口と同級生であったが、テレビスペシャル(テレビシリーズに先駆けて放送)では丸井と同級生だった。
青葉学院戦再試合では最終回に佐野が放った大飛球がセンターに行った際、疲労のため座り込んでしまっていた。
加藤 正男
声 - 結城知仁(テレビシリーズ)/ 西脇政敏(劇場版)
谷口・丸井キャプテン期の一塁手。丸井と同期。左投げ左打ち。2年生時は6番、3年生時は2番を打っていた。谷口キャプテン期の初戦である江田川中戦では右投げになっていたが、以後の試合では左投げである。延長戦となった青葉学院とのゲームでは、最後はまっすぐ歩くことさえままならず、バットの握りが逆のまま持ち豪快に三振した。テレビシリーズでは一本足打法を披露している。左投げ投手攻略のため、練習では打撃投手を務めたこともある。
墨谷二中卒業後は墨谷高校へ入学し、『プレイボール』にも登場。同作品の漫画では、丸井と同じ朝日高校に進学しており、丸井と共に朝日高校の制服で墨谷二中を訪れている。テレビシリーズではこの点が修正され、墨谷高校の制服で登場。
小説版では丸井のキャプテン就任時に副キャプテンとして丸井を補佐する。
高木
遠藤
島田
声 - 金谷佳(テレビシリーズ)/ 大栗清史(劇場版)
谷口・丸井キャプテン期の右翼手。丸井と同期。右投げ右打ち(テレビシリーズでは左投げ左打ち、井口が左打者に弱い事で発覚した)。谷口キャプテン期に9番、丸井キャプテン期には主に1番を打っていた。近藤が「ライトを守っているところを人に見られると恥ずかしい」と発言したときには怒った丸井より先に近藤を殴り飛ばしていた。ただし、その試合後のバスの中では、丸井から「おまえのせいで負けた」と罵倒されて小さくなっている近藤に「疲れたろ。座れよ」と席を譲ろうとした。俊足で、谷口キャプテン時代、青葉学院との再試合では9回2死から、敬遠策を観客に揶揄され消沈した青葉のエース佐野の隙をつき、ホームスチールを決めている。丸井キャプテン時代の延長戦となった青葉学院とのゲームでは、守備の時にフェンスに激突し倒れたのをつけこまれ、狙い打ちされたが再びフェンスに激突しながら捕った。
9番打者となっているが、安打を打つことが多い。墨谷二中卒業後は墨谷高校へ入学し、『プレイボール』の中でも見ることができる。彼が最も開花するのは高校時代からとなる。
西田
声 - 松永大
アニメオリジナルのキャラクター。設定は丸井と同学年。2年生時・3年生時共に遊撃手。右投げ右打ち。彼がいたために原作で遊撃手だった「高木」は左翼手になり、谷口キャプテン期に本来の左翼手であった「遠藤」が彼らより下級生になる。原作で「高木」が行っていた行為はほとんど彼がやることになる(イガラシとの内野連携での乱闘、青葉再戦序盤のエラーなど)。転校してきた谷口が青葉のユニフォームに着替えるのを横目に「キザなユニホーム着やがって」と悪態をつくが、青葉と気付くと豹変した。何かとイガラシと衝突していたが青葉再戦の最終回で「イガラシ…この回抑えれば俺たちの勝ちだ、頑張れよ」と互いに理解し合うようになった(テレビシリーズと原作では試合内容が若干異なる)。スペシャル版とは顔が異なる。
河野
久保
声 - 坂井茂樹
丸井・イガラシキャプテン期の左翼手・中堅手。イガラシと同期。右投げ右打ち。丸井キャプテン期では主に7番レフト、イガラシキャプテン期では3番センターと主力の選手である。強打者であり、江田川中の井口からホームランを放つシーンもある。作中、墨谷ナインのうち、キャプテン4人(谷口・丸井・イガラシ・近藤)以外でホームランを打っているのは、この久保だけである。イガラシキャプテン期の全国大会決勝・和合中戦では、2点ビハインドの9回裏2死1塁の場面で、起死回生の三塁打を放ち、逆転劇の口火を切る。また、イガラシキャプテン期の墨谷二中のレギュラーで3年生だったのは、イガラシ・久保・小室の3人だけである(テレビシリーズでは「遠藤」もここに入る)。墨谷二中卒業後、墨谷高校に入学し、『プレイボール』の中でも見ることができる。
小説版ではイガラシのキャプテン就任に伴い副キャプテンになった。
テレビシリーズでイガラシが投手の時は三塁手、近藤が投手の時は右翼手に入る。背番号も原作では「8」、テレビシリーズでは「5」となっている。
小室
声 - 鳥海勝美
丸井・イガラシキャプテン期の捕手。イガラシと同期。右投げ右打ち。丸井キャプテン期は5番、イガラシキャプテン期は6番を打った。テレビシリーズでは丸井キャプテン期に7番を打っている。冷静なイガラシに代わって近藤を怒鳴りつける場面もよく見られる。原作では巨漢であるが、テレビシリーズではスマートに描かれている。キャッチャーとしてはリード面で甘さが見られ、疲労している投手をうっかり忘れている場合もあった。近藤負傷時も丸井から「いくら鈍いって言ったって奴だって生き物だぜ」と言われ、またはイガラシが疲労している時には、丸井からの伝言をベンチからの伝令として「小室のバカタレに間を取るように言え」と言われ、捕手として甘さも目に着いた。
『プレイボール』における丸井の台詞によると墨谷二中から「中学選手権に導いたイガラシと他2名」が墨谷高校に進学する予定とあり、実際にイガラシと久保は『プレイボール』にも登場しているが、小室だけは姿が見られない。
背番号12の選手
牧野 辰也
声 - 松田辰也
イガラシ・近藤キャプテン期の左翼手・捕手。突き出たクチビルが特徴。名前は『2』で明かされた。近藤の同級生。右投げ右打ち。2年生時から2番レフトのレギュラーとして活躍し、近藤キャプテン期では3番捕手と副キャプテンを務めた。北戸中戦では初回に3盗を決め、相手バッテリーから「何て足の速い…」と驚かれており、俊足でもある。直球には強いが変化球に弱く、3年生時、練習で近藤の変化球を打てなかった。几帳面なしっかり者であり、近藤などよりもよほどキャプテンに向いた人物に思えるが、神経質な面をイガラシが考慮して補佐役に回したらしい。後輩も「牧野さんじゃカリカリしすぎる」と、近藤がキャプテンであることに納得している。万事に鷹揚な近藤や、ともすれば甘えがちになる後輩達を厳しく叱咤する役割を果たす。イガラシキャプテン期では地味な存在だったが、近藤期になると、怒り役として存在感が増した。水と油な近藤とのバッテリーは衝突が多かったがベンチ外から丸井に「ピッチャーのヘマぐらいで癇癪起こすとは、お前も随分偉くなったな」と皮肉を言われて以後、上手くリードして行く事になる。ただし、レフトからコンバートされたての急造捕手という面もあり、近藤のウエストボールをノーサインで行われると相手の盗塁に対処出来ない場面もみられた。実質副将的役割を担っており自身が負傷退場した富戸戦で退場になって腐っていた近藤に対し「お前の頭が冷えるまで俺が指示をだす」と見事な采配を振った時もあった。作中でイガラシから1度だけ井口と呼ばれたことがある。
『2』では近藤、曽根、佐藤とともに墨谷高校に進学し、野球部のチームメイトになる。
テレビシリーズでは左翼手の遠藤がイガラシキャプテン期にも登場しているため、控え選手となっている。
曽根 光央
声 - 岩田光央
イガラシ・近藤キャプテン期の遊撃手(テレビシリーズでは中堅手)。顔のほくろが特徴。近藤の同級生。右投げ右打ち。イガラシキャプテン期では出塁率7割のトップバッターとして活躍した。近藤キャプテン期では6番を打つ。江田川中の井口を最初に偵察に行っている(その時の様子を、「シュートが直角に曲がる」と表現している)。近藤キャプテン期に富戸戦で牧野が負傷退場した時はキャッチャーを務めた。選球眼が良い。3年生時は何かと衝突する近藤と牧野の仲裁役に廻る事が多い。
『2』では近藤、牧野、佐藤と共に墨谷高校に進学した。
佐藤 基広
進藤
イガラシ 慎二
声 - 池田真
イガラシ・近藤キャプテン期の内野手。右投げ右打ち。イガラシの2歳下の弟で、兄を追って墨谷二中の野球部に入部。チームメイトからは「ジュニア」「弟はん」などと呼ばれているが兄の卒業後は「イガラシ」と呼ばれるようになる。顔は兄と似ているが、性格は兄とは対照的に柔和で愛想が良く、おだてに弱い丸井などとは相性が良い。野球センスも兄に負けず非凡なものがあり、入部直後の選抜テストでは、昨年の大会による肩の故障から治りたての近藤の本気のストレートを難なく打ち返すなど、丸井に続く墨谷の二塁手のレギュラーとして、1年時から活躍した。打順は当初7番だったが、全国大会で試合を重ねるうちに8番、9番と徐々に下がっている。全国大会決勝の和合中では、9回の打席では凡退するも相手の投手が球威が落ちていると見破った。テレビシリーズでは2番を打つ。ミートが上手く、入部時のテストでは肩の故障によるブランクがあったとは言え、唯一近藤の球をまともに打ち返した。おまけに俊足である。2年時、近藤がカーブをマスターしていい気になり始めたため、牧野から「誰かカーブを投げられるやつはいないか?」と訊かれ、「しょんべん程度なら…」と手を挙げ打撃投手を務めるも「ほんとにしょんべんカーブだな」と牧野に言われた。近藤キャプテン期には三塁手にコンバートされ、トップバッターを務める。部員の事(人数など)を全く把握していない近藤に代わり記者のインタビューに答えた事もあった。
何度か自宅で兄との遣り取りがみられたが、早朝練習前の朝食を作ることもあった。野球部でも兄に対してはキャプテンとしてよりも、兄弟として接する方が多く、対等な口調で話す。兄弟でもあることから、同時に兄が作った春の選抜に向けての殺人的練習スケジュールの内容を見て最初に驚愕するのも彼であった。
松尾 直樹
声 - 土方博一
イガラシ・近藤キャプテン期のユーティリティープレイヤー。イガラシ慎二と同期。右投げ右打ち。近藤が投手の時は右翼手、イガラシが投手の時は三塁手を務める。近藤キャプテン期では二塁手にコンバートされた。テレビシリーズでは遊撃手を務める。1年時にレギュラーに抜擢されるが、イガラシの勉学を犠牲にした猛練習が問題視されている最中に、運悪く頭部に大怪我を負ってしまい、春の大会辞退の要因となってしまう(テレビシリーズでは足がもつれて倒れた時に骨折した。その後、回復。母親は「春の選抜は申し訳ない」と謝罪した事を本人が明かした)。母親は教育ママだが、彼自身は一度失ったレギュラーの座を影の努力で取り戻すなど、ひとかどの根性を持ち合わせている。イガラシキャプテン期には9番(全国大会の決勝戦のみ7番、テレビシリーズでは8番)、近藤キャプテン期には2番を打った。長打力が低く、バントをする描写が多い。
南海中との乱闘では無表情で相手選手を踏みつけたり、バットで殴り掛かろうとして審判に止められているシーンが小さく描かれている。
鳥井
山下
青木
佐々木(JOY)
近藤キャプテン期の投手。1年生。左投げ両打ち。あだ名は「JOY」。背番号12。野球部の練習が厳しそうだったため、一度は入部を断念するが、いつの間にか入部していた。「JOY」と描かれたTシャツを着ていることがあだ名の由来。選手能力のデータを近藤に提出した牧野にポジション分けを依頼された際も「佐々木ってだれ?」と言われ名前を覚えられていないほどであった。左腕から繰り出す速球を近藤に見出されてベンチ入りメンバーに抜擢される。打撃も非凡で、南ヶ浜中戦ではノーヒットの佐藤に代わって代打出場し、見事にサヨナラ打を記録している。富戸戦では近藤の退場を受けてマウンドに立つ。マウンド度胸もあり1年生とは思えない強かさ。最初は打たれ、3イニング連続で失点を許していたが、尻上がりに調子を上げていき、4イニング目は0点に抑えた。スイッチヒッターであり、左打席の方が長打力は低くなるがミート率は高い。
『2』でも近藤に次ぐ投手として活躍。当初は近藤の方針に反発し変化球を練習していたが、近藤を相手に変化球をことごとく打たれてしまったことで考えを改め、彼の方針に従ってストレートを磨く練習に切り替えた。富戸中学との準々決勝では次代を見据えた近藤の判断で7回から途中出場。サヨナラ負けに終わるも、ストレートにとことん拘る気迫と思い切りの良いピッチングで近藤達や富戸ナインを感嘆させた。ピッチングを見てた丸井からは春よりも大きく成長したと褒められ、墨二始まって以来の大エースが誕生するかもしれないと大いに期待された。近藤らの卒業後は墨谷の絶対的なエースへ成長して、春のセンバツ優勝に貢献した。
滝
安井
近藤キャプテン期の右翼手。佐々木と同期。右投げ右打ち。1年生時から9番ライトのレギュラーに抜擢されている。富戸戦では、杉本の大飛球をフェンスにぶつかりながらも捕球し、丸井に賞賛される。また、スタンドにいた丸井の野次を鵜呑みにしてセーフティバントを試み、見事に出塁。その後、2塁まで進むが、「そら!」と声を発してスタートしたため、バッテリーに外され、打者であった松尾のバントが失敗に終わる。
橋本
田中
同地区の学校
青葉学院
作中でも最強クラスの実力を誇る名門校。校舎かと間違われるほどの寮や専用の球場などの充実した設備をもつ。選手層の厚さは、予選は2軍だけで戦っても充分というレベルであり、1軍と2軍の上下関係は非常に厳しい。
谷口・丸井キャプテン期ではそれぞれ最後の対戦相手として熱戦を繰り広げるが、イガラシ期では地区大会準決勝で江田川中に敗れている。1軍の9人のうち6人は谷口・丸井両方の墨谷と対戦している。
スペシャル版では16人の選手を使ったといわれていることから捕手以外にも交代しなかった選手がいることになる。
青葉学院監督(部長)
声 - 森山周一郎
監督。トレードマークはサングラス。エース佐野を擁して谷口・丸井キャプテン期の墨谷二中に立ちふさがった(ただし漫画では部長と呼ばれ、野球部長として指揮を執っている)。勝負への執念に長けた辣腕家であり、ときにスポーツマンシップにそぐわない指示をナインに出すことも辞さず、味方の応援団から野次られることもある。墨谷との初対戦では、苛立ちのあまり、ベンチで煙草を吸うシーンもある。
しかし、根底では大人としての本分を忘れない人格者であり、要所要所で彼の台詞は作品の大きなアクセントとなっている。丸井時代の墨谷には昼食中に「あまり食べ過ぎると試合中に苦しくなる」と敵である丸井に注意するほど好人物として描かれた。また、イガラシにサヨナラホームランを打たれ敗れた際、疲労で倒れ歩くこともままならない様子を見て取り、捕手の村野に何をしている、走塁を助けてやれと指示も出している(イガラシは手助けを辞退し一人で歩き始めた)自チームがサヨナラ負けを喫してしまったものの、両チーム、特に墨谷ナインの頑張りに感動し、拍手を送り涙も流した。
佐野
声 - 永久勲雄(テレビシリーズ)/ 安田裕司(劇場版)
投手。左投げ左打ち。実写映画版では右投げ。9番打者。人一倍小柄なその体つきからは、にわかに信じがたいほどの快速球を投げる超中学級投手。また、キレのあるカーブも投げる。しかし、かねてから彼の存在をマークしていた谷口によって、墨谷二中とは互角の勝負を強いられた。不敵な性格の天才肌の選手であるが、小さな体で名門野球部を支え、また、3年生の夏には強力打線の丸井墨谷を相手に、9回でついにグラウンド上で昏倒するという執念の投球を見せた。原作ではサル顔の上手投げ投手で、かなりの無口であったが、アニメ化の際に端整な顔立ちの横手投げ投手として、性格も含め華やかに描かれている。テレビシリーズでは「谷口だけには負けたくない」とライバル心を覗かせる一幕も見られた。
投手ということで9番に座っているが、打者としても非凡なセンスを持っているようで、谷口墨谷との対戦では、ホームランを打っている。
その後、『プレイボール』にも登場し、東都実業高校に進学した。
大橋
背番号13の選手
倉田
キャッチャー
中野
藤田
※ この他、テレビシリーズ(およびスペシャル)では「イヌガサ(衣笠)」「カケス(掛布)(劇場版では「カケブ」)」「トイ(土井)」「カワエ(江川)」など、当時のプロ野球選手にそっくりなキャラクターが青葉学院のメンバーで、「佐野」以外は全員名前が異なる。テレビスペシャルとテレビシリーズでは顔はそのままで名前だけ異なるキャラもいる(例、3塁手ス、カケフ ア、犬笠 遊撃手ス、犬笠 ア、山下)また原作では先発は全員2軍だが、テレビシリーズおよびテレビスペシャルでは捕手のみ1軍。
江田川中学
かつては墨谷二中と同等の力しかなかったが、井口が入学してから一気に強くなった。そして井口が最上級生になってからはさらに急成長して、青葉学院を破って墨谷二中と全国への切符を争うまでになる。
谷口キャプテン期の墨谷二中と対戦した時の力は井口がいるため投手力はまあまあ高いものの、打撃力と守備力が低かった。特に守備は散々であり、丸井に「お家芸」と野次られるほど。井口キャプテン期には投手力、打撃力が格段に向上したが、守備力は相変わらず低い(多少は向上した)。
井口 源次
声 - 大山大介
投手。左投げ左打ち(ただし、劇場版では右投げであり、顔も全く違う)。4番打者。体の大きさを生かした剛球が持ち味。イガラシの小学生時代の野球仲間でもある。先輩に疎まれたイガラシと違い、入学後すぐに弱小野球部のエースの座を獲得し、谷口キャプテン期の墨谷二中と戦うことになるが、イガラシが谷口へ助言を行ったことで敗れている。墨谷二中との初戦の時点では立ち上がりの制球が凄まじく悪いほか、左打者にめっぽう弱く、そこを突かれ敗れた。
その後、左打者に弱いなどの欠点を克服、キレのあるカーブやシュートを身につけ、ずば抜けた実力をもって他のナインも鍛え上げて、3年生時には佐野の抜けた青葉学院に替わるライバルとして、イガラシ率いる墨谷二中と再度対決することになる。特にシュートは直角に見えるほどのキレをもつ。テレビシリーズで描かれるのはこのイガラシ対井口の対決までである。準決勝の青葉戦は2塁を踏ませず完封勝ちしている。
引退後はイガラシらと共に墨谷高校に進学し、谷口の後輩になる。選手としては実力はあるが、当初は態度と言葉づかいもお世辞にも良くなく、『プレイボール』で墨谷高校に入学、丸井と顔を合わせた時は「あんた、誰だっけ」と話し、激昂させ、「口の聞き方もロクに知らないらしいな」と呆れられ、谷口からも言葉遣いを咎められるほどだったが、続編で丸井から共に硬球の使い方を教わってからは礼儀を弁え、チームの一員としての自覚を持って行動するなど謙虚な姿勢を見せるようになる。
『2』では墨谷高校の2年生として登場。『プレイボール』での経験を通じて精神面でも大きな成長が見られ、新入生の近藤から「はん」付で呼ばれることに腹を立てながらも粘り強く指導を続けるなど、面倒見のいい一面を見せている。
近藤のコーチを続けていくうちに捕手としての練習を始め、猛練習の甲斐もあって公式戦でマスクを被るまでに技術を向上させる。
藤木
金成中学
毎年のように上位に進出する強豪チーム。礼儀正しいようで、実は慇懃無礼。谷口キャプテン期ではデータ野球で墨谷二中を苦しめたが、イガラシキャプテン期のときは惨敗を喫した。弱体化した印象が強いが『プレイボール』での田所の台詞から、強豪であるという評価は変わりない。
谷口キャプテン期では、相手の得意なコースにわざと投げることで打たせ、打球の落下地点に先回りして打ち取る手法だったが、イガラシ期では相手の苦手なコースを攻める手法に変化している。
マネージャー
春の全国大会出場校
港南中学
南ヶ浜中学
近藤キャプテン期で対決。
白井
臼井
富戸中学
近藤時代の選抜大会準々決勝で対戦した、伊豆地方にある名門。攻撃力が高い層の厚いチームだが、投手陣は多彩なものの絶対的エースは存在しない上、荒っぽい性格の選手が多くラフプレーが目立つ。
試合中のトラブルによる近藤の退場、レギュラーの負傷退場が重なり、結果的に墨谷の敗戦を招く事になる。作中に登場する一部のレギュラー選手には話し言葉の語尾に「〜ら」とつける選手が多い。
『2』でも夏の全国大会準々決勝で墨谷二中と対戦するが、春の反省を活かしてラフプレーを改め、相手チームにも謙虚に振る舞うようになる。
杉本
富戸中のキャッチャー
捕手。右打ち右投げ。4番打者。4番キャッチャーとしてチームを引っ張る、富戸中きっての長距離ヒッター。青葉学院のキャッチャー同様名前は不明。荒っぽく狡い性格で、体を逸らして、わざと走者に体当たりするという乱暴かつ悪質なブロックを2度も行い、1度目は被害者の松尾の心配をした近藤との小競り合いの際にしらばっくれ、2度目では牧野のアピールにより走塁妨害が認められて1点を失うことに(ただしこのプレーで牧野は負傷退場となってしまう)。元々小競り合いや直前のイニングに起こった(後述の)石井のスライディング、そして1度目の悪質なブロックに腹を立てていた近藤は、それを見て我慢の限界に達したのかワザと三塁手の足を払い、ボールがこぼれた間にホームに生還と仕返しをしようと捕手である彼に体当たり(スパイクを向けたスライディング)をした結果、退場処分にされてしまう。
ちなみに、彼の悪質なプレーは走塁妨害という形で1度罰則こそ受けたものの特に注意を受けることなく試合終了を迎える。
練習試合相手の36校
春の全国大会でまさかの初戦負けを喫した丸井が返り咲くために練習試合を組んだ学校たち。
丸井は1日3試合というハードスケジュールを組んだほか、相手はいずれも強豪校。
川下中学
浦上中学
選抜大会観戦中に丸井に練習試合を申し込まれたチーム。気性が激しいものの、全国レベルの強豪と認識されている。
他校の生徒、選手に対してぞんざいな口を利くなど、マナーが悪い。
主将
夏の全国大会出場校
白新中学
イガラシ期が初戦で対決した北海道の学校。
遠藤
大石
北戸中学
東北地方から初出場し、8強入りしたチーム。投手の球質から「重い球」に強く、イガラシより近藤の方が相性が良い。
戸田
山口
増本
南海中学
イガラシ期の準決勝で対決。
片岡
和合中学
イガラシ期の決勝で対決した西日本屈指の強豪校。前年度の優勝校であるほか、イガラシ期の墨谷二中が出場を取り下げた春の全国大会では決勝で青葉学院を破って優勝している。
和合中学監督
中川
下坂
長尾
朝日高校
墨谷高校に入れなかった丸井が入った高校。硬式野球部は無いが、軟式野球部が存在。丸井もそこに所属していた。
江田川中の井口が投げる速球対策に悩むイガラシに対し、丸井が練習試合の話を持ちかけたことで墨谷二中と関わりを持つようになる。
菅野
保護者その他
歴代キャプテンの中で、親が出てくる描写があるのは谷口、近藤だけ。
谷口タカオの父
声 - 雨森雅司(テレビシリーズ)/ ハナ肇(テレビスペシャル)
大工を営む江戸っ子気質の父親。野球に関してはまるで素人ながら、青葉のレギュラーと誤解されて落ち込むタカオを見かね、「やりもしない内に諦めるな!」と叱咤して自己流の特訓を考案し、野球以上に人として重要な事を教えた。大工の腕を活かして特製のピッチングマシンを作り、影の猛練習の担い手になった。思うように成果が出ないながらも特訓に耐え抜いた際は泣きながら成長を喜んでいた。
テレビシリーズでは地区予選決勝の青葉戦まで禁酒を通し、タカオは感激のあまり涙した。
『プレイボール』でも登場し、野球を諦めサッカー部に入ったタカオの為に、自分の酒代を削ってボールを買ったり、葛藤の末に野球に復帰することを決めた際は喜んだり自分の経験を踏まえて助言を送るなど、厳しいながらも息子を見守る良い父親として描かれていた。
小説版では職業が鉄工所経営になっている。
谷口タカオの母
声 - 麻生美代子
息子思いな良き下町情緒あふれる女性。常にタカオの心配をしているため、そのことから夫婦喧嘩に発展することも。『プレイボール』では、野球に熱心過ぎて勉強が疎かになりがちな彼を諫める場面もあるが、試合前の朝食にご馳走を作る、夫と試合の応援に行くなど活躍を喜んでいる面も見られた。
毎朝新聞の記者・カメラマン
声 - 山田俊司
初めて選抜に選ばれた谷口率いる墨谷二中を取材したのが縁で、その後も度々学校に訪れて野球部の顔なじみとなる。その取材の過程や結果において、青葉学院との再試合が実現したり、本大会を辞退せざるをえなくなったりと、時折墨谷二中野球部の行く末に影響を与えている。近藤の代まで取材に来ている事が確認されている。
吉岡 章三
松尾直樹の母
近藤 茂太
自動車修理工場を営む近藤の父(近藤は両親をパパ・ママと呼ぶ)。甲子園出場経験およびノンプロで野球(社会人野球)をしていた経験がある。イガラシキャプテン期に野球部のあり方が保護者会で問題になった際、率先してイガラシと野球部を弁護した。近藤がキャプテンに就任してからは、直接野球部の面倒を見ることも多くなり、影の監督的な存在となった。息子の試合前の体調管理も行っており野球部をマイクロバスで送迎する程の熱烈なサポートぶりを見せた。近藤の敏腕キャプテンぶりは「親父さんの入れ知恵だったのか」と丸井も納得させた。息子同様、関西弁を使う。
『2』では相木や今野が息子の指南役をしているため、成長を促す意味で自分で答えを出すよう突き放す発言も多いが、試合の応援に駆けつけるなど気前の良い人物として描かれる。
試合
通常、中学野球は7回まで(硬式、軟式ともに)だが、本作品に関しては全ての試合が9回まで行われている(コールドゲームを除く)。
谷口キャプテン
- 夏の地区予選
- 1回戦 江田川中(○ 2x-1)
- 2回戦 金成中 (○ 7-6)テレビシリーズでは(○12-6)
- 準決勝 隅田中(『プレイボール』でのみ語られる)
- 決勝戦 青葉学院(● 10-11)実写版では(●5-6)
- 再試合 青葉学院(○ 10×-9)テレビシリーズおよびテレビスペシャルでは(○7-6)
- 1回戦 江田川中(○ 2x-1)
- 2回戦 金成中 (○ 7-6)テレビシリーズでは(○12-6)
- 準決勝 隅田中(『プレイボール』でのみ語られる)
- 決勝戦 青葉学院(● 10-11)実写版では(●5-6)
- 再試合 青葉学院(○ 10×-9)テレビシリーズおよびテレビスペシャルでは(○7-6)
丸井キャプテン
- 春の選抜大会
- 1回戦 港南中(● 2-3x)
- 36校との練習試合
- 川下中(△ 2-2 不戦勝という形で墨谷が勝利。テレビシリーズでは ○3-2)
- 明星中(○5-2)
- 浦上中(○4-2)
- その他33校との試合は対戦校、スコア共に不明だが墨谷が全勝している
- 夏の地区予選(唯一墨谷が戦ったチームがすべて書かれている大会)
- 4回戦(シード) 江東中(○ 16-0)2回コールド
- 5回戦 向島中(○ 不明)
- 6回戦 福山中(○ 不明)
- 7回戦 柳島中(○ 不明)
- 決勝戦(8回戦)青葉学院(○ 7x-5)延長18回
- 1回戦 港南中(● 2-3x)
- 川下中(△ 2-2 不戦勝という形で墨谷が勝利。テレビシリーズでは ○3-2)
- 明星中(○5-2)
- 浦上中(○4-2)
- その他33校との試合は対戦校、スコア共に不明だが墨谷が全勝している
- 4回戦(シード) 江東中(○ 16-0)2回コールド
- 5回戦 向島中(○ 不明)
- 6回戦 福山中(○ 不明)
- 7回戦 柳島中(○ 不明)
- 決勝戦(8回戦)青葉学院(○ 7x-5)延長18回
イガラシキャプテン
- 夏の地区予選
- 1回戦 金成中(○ 不明)2回コールド テレビシリーズでは○13-0(9回まで)
- 2回戦 曳舟中 (○ 12-0)
- 3回戦 寺島中 (○ 18-0)
- 準決勝 向島中 (○ 不明) ※丸井の発言から
- 決勝 江田川中(○ 9-2)延長10回 テレビシリーズでは○2-1(9回まで)
- 夏の全国大会
- 1回戦 白新中(○ 18-3)
- 準々決勝 北戸中(○ 6x-5)
- 準決勝 南海中(○ 2-1)
- 決勝 和合中(○ 4x-3)
- 1回戦 金成中(○ 不明)2回コールド テレビシリーズでは○13-0(9回まで)
- 2回戦 曳舟中 (○ 12-0)
- 3回戦 寺島中 (○ 18-0)
- 準決勝 向島中 (○ 不明) ※丸井の発言から
- 決勝 江田川中(○ 9-2)延長10回 テレビシリーズでは○2-1(9回まで)
- 1回戦 白新中(○ 18-3)
- 準々決勝 北戸中(○ 6x-5)
- 準決勝 南海中(○ 2-1)
- 決勝 和合中(○ 4x-3)
近藤キャプテン
- 春の選抜大会
- 1回戦 南ヶ浜中(○ 2x-1)
- 準々決勝 富戸中(● 2-3)
- 1回戦 南ヶ浜中(○ 2x-1)
- 準々決勝 富戸中(● 2-3)
書誌情報
キャプテン
- ちばあきお『キャプテン』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、全26巻 - 初版にISBNはない
- 1974年4月初版発行
- 1974年6月初版発行
- 1974年8月初版発行
- 1974年10月初版発行
- 1974年11月初版発行
- 1975年1月初版発行
- 1975年3月初版発行
- 1975年5月初版発行
- 1975年7月初版発行
- 1975年10月初版発行
- 1976年1月初版発行
- 1976年6月初版発行
- 1976年10月初版発行
- 1977年2月初版発行
- 1977年5月初版発行
- 1977年8月初版発行
- 1977年11月初版発行
- 1978年2月初版発行
- 1978年5月初版発行
- 1978年8月初版発行
- 1978年11月初版発行
- 1979年5月初版発行
- 1979年8月初版発行
- 1979年8月初版発行
- 1980年3月初版発行
- 1980年6月初版発行
- ちばあきお『キャプテン』ホーム社〈ジャンプコミックスセレクション〉、全15巻
- 「ほやほやキャプテンの巻」1986年3月初版発行、ISBN 4-8342-1001-4
- 「対決 青葉学院の巻」1986年4月初版発行、ISBN 4-8342-1002-2
- 「栄光の日本一の巻」1986年5月初版発行、ISBN 4-8342-1003-0
- 1986年6月初版発行、ISBN 4-8342-1004-9
- 1986年7月初版発行、ISBN 4-8342-1005-7
- 1986年8月初版発行、ISBN 4-8342-1006-5
- 「燃えるイガラシの巻」1986年9月初版発行、ISBN 4-8342-1007-3
- 1986年10月初版発行、ISBN 4-8342-1008-1
- 1986年11月初版発行、ISBN 4-8342-1009-X
- 「炎天下の激闘の巻」1986年12月初版発行、ISBN 4-8342-1010-3
- 「乱闘のはてにの巻」1987年1月初版発行、ISBN 4-8342-1011-1
- 「どろの中の攻防の巻」1987年2月初版発行、ISBN 4-8342-1012-X
- 「死闘のはてにの巻」1987年3月初版発行、ISBN 4-8342-1013-8
- 1987年4月初版発行、ISBN 4-8342-1014-6
- 1987年5月初版発行、ISBN 4-8342-1015-4
- ちばあきお『キャプテン 愛蔵版』ホーム社、全15巻
- 「ほやほやキャプテンの巻」1991年9月初版発行、ISBN 4-8342-8051-9
- 「対決青葉学院の巻」1991年10月初版発行、ISBN 4-8342-8052-7
- 「栄光の日本一の巻」1991年11月初版発行、ISBN 4-8342-8053-5
- 「合宿にかけろ!の巻」1991年12月初版発行、ISBN 4-8342-8054-3
- 「死闘!十八回の巻」1992年1月初版発行、ISBN 4-8342-8055-1
- 「泣くな墨谷ナインの巻」1992年2月初版発行、ISBN 4-8342-8056-X
- 「燃えるイガラシの巻」1992年3月初版発行、ISBN 4-8342-8057-8
- 「九回裏の大攻防の巻」1992年4月初版発行、ISBN 4-8342-8058-6
- 「全国大会に突入!!の巻」1992年5月初版発行、ISBN 4-8342-8059-4
- 「炎天下の激闘の巻」1992年6月初版発行、ISBN 4-8342-8060-8
- 「乱闘のはてにの巻」1992年7月初版発行、ISBN 4-8342-8061-6
- 「どろの中の攻防の巻」1992年8月初版発行、ISBN 4-8342-8062-4
- 「死闘のはてにの巻」1992年9月初版発行、ISBN 4-8342-8063-2
- 「サインはVなあんちゃっての巻」1992年10月初版発行、ISBN 4-8342-8064-0
- 「近藤主将大絶叫の巻」1992年11月初版発行、ISBN 4-8342-8065-9
- ちばあきお『キャプテン』集英社〈集英社文庫 コミック版〉、全15巻
- 1995年8月18日発売、ISBN 4-08-617061-2
- 1995年8月18日発売、ISBN 4-08-617062-0
- 1995年10月18日発売、ISBN 4-08-617063-9
- 1995年10月18日発売、ISBN 4-08-617064-7
- 1995年11月17日発売、ISBN 4-08-617065-5
- 1995年11月17日発売、ISBN 4-08-617066-3
- 1995年12月15日発売、ISBN 4-08-617067-1
- 1995年12月15日発売、ISBN 4-08-617068-X
- 1996年1月18日発売、ISBN 4-08-617069-8
- 1996年1月18日発売、ISBN 4-08-617070-1
- 1996年2月16日発売、ISBN 4-08-617071-X
- 1996年2月16日発売、ISBN 4-08-617072-8
- 1996年3月15日発売、ISBN 4-08-617073-6
- 1996年3月15日発売、ISBN 4-08-617074-4
- 1996年3月15日発売、ISBN 4-08-617075-2
- ちばあきお『キャプテン 完全版』ホーム社〈ホームコミックス〉、全18巻
- 2009年10月初版発行、ISBN 978-4-8342-8398-3
- 2009年10月初版発行、ISBN 978-4-8342-8399-0
- 2009年11月初版発行、ISBN 978-4-8342-8400-3
- 2009年11月初版発行、ISBN 978-4-8342-8401-0
- 2009年12月初版発行、ISBN 978-4-8342-8402-7
- 2009年12月初版発行、ISBN 978-4-8342-8403-4
- 2010年1月初版発行、ISBN 978-4-8342-8404-1
- 2010年1月初版発行、ISBN 978-4-8342-8405-8
- 2010年2月初版発行、ISBN 978-4-8342-8406-5
- 2010年2月初版発行、ISBN 978-4-8342-8407-2
- 2010年3月初版発行、ISBN 978-4-8342-8408-9
- 2010年3月初版発行、ISBN 978-4-8342-8409-6
- 2010年4月初版発行、ISBN 978-4-8342-8411-9
- 2010年4月初版発行、ISBN 978-4-8342-8412-6
- 2010年4月初版発行、ISBN 978-4-8342-8416-4
- 2010年4月初版発行、ISBN 978-4-8342-8417-1
- 2010年6月初版発行、ISBN 978-4-8342-8418-8
- 2010年6月初版発行、ISBN 978-4-8342-8419-5
キャプテン2
- ちばあきお(原案)・コージィ城倉『キャプテン2』集英社〈ジャンプコミックス〉、既刊10巻(2023年11月17日現在)
- 2021年5月19日発売、ISBN 978-4-08-882694-3
- 2021年8月18日発売、ISBN 978-4-08-882753-7
- 2021年10月19日発売、ISBN 978-4-08-882863-3
- 2022年3月18日発売、ISBN 978-4-08-883069-8
- 2022年7月19日発売、ISBN 978-4-08-883179-4
- 2022年10月19日発売、ISBN 978-4-08-883310-1
- 2023年1月19日発売、ISBN 978-4-08-883355-2
- 2023年3月17日発売、ISBN 978-4-08-883516-7
- 2023年7月19日発売、ISBN 978-4-08-883605-8
- 2023年11月17日発売、ISBN 978-4-08-883837-3
アニメ
1980年4月2日(水曜日)に、19:30 - 20:54(JST)の時間帯において、テレビスペシャルとして単発で初めてアニメ化された。ニールセン調べで17.5%の好視聴率を獲得し、放送した日本テレビへは反響の手紙が殺到。これを受けて、同年8月20日に再試合を描いた新作場面30分を追加して21:00 - 22:56(水曜ロードショー)の2時間枠で再放送が行なわれ、前回を上回る視聴率20.7%を得た。
1981年の夏休みには劇場アニメ映画が公開され、さらにテレビシリーズ化が決定した。テレビシリーズは1983年1月10日から7月4日まで、日本テレビ系列で毎週月曜19:00 - 19:30(JST)に全26話が放送された。ストーリーは谷口の墨谷二中野球部への入部から、イガラシキャプテン期の夏の地区大会決勝戦で江田川中と対戦するまでが描かれており、またアニメ制作に当たっては、監督の出崎哲が率いるアニメ制作会社マジックバスが大きな役割を果たした。2021年4月25日より、tvkにおいても毎週日曜20:27 - 20:55(JST)にて、テレビシリーズの再放送が実施されている。
2021年7月に同作品とサンリオのキャラクター・けろけろけろっぴがコラボレートし、コラボイラストが公開されている。
キャスト
- 谷口 タカオ - 和栗正明
- 丸井 - 熊谷誠二
- イガラシ - 中田光利(映画)・木村陽司(テレビ)
- 近藤 茂一 - 中尾隆聖
- 松下 - 大見川高行
- 小山 - 手塚学(映画)・長谷有洋(テレビ)
- 加藤 - 西脇政敏
- 西田 - 松永大
- 高木 - 小山梓
- 浅間 - 岩田光央
- 島田 - 大栗清史
- 小室 - 鳥海勝美
- イガラシ 慎二 - 池田真
- 松尾 - 土方博一
- 番長 - 酒井晴人
- 佐野 - 安田裕司
- 青葉中の監督 - 森山周一郎
- アナウンサー - 千田光男
- 谷口の父 - ハナ肇(映画)・雨森雅司(テレビ)
- 谷口の母 - 麻生美代子
- 予告ナレーター、主審 - 稲葉実
スタッフ
- 原作 - ちばあきお
- 監督 - 出崎哲
- 助監督 - 神井裕行(テレビスペシャル番組)
- 製作 - 村田英憲
- 企画 - 吉川斌(日本テレビ)・霜田正信(エイケン)
- プロデューサー - 武井英彦(日本テレビ)・渡辺米彦(エイケン)
- 総作画監督 - 国保誠・清水恵蔵
- 美術監督 - 遠藤守俊
- 撮影監督 - 高橋昭治
- 色彩設定 - 鬼沢富士男
- 録音監督 - 壺井正
- 音楽 - 木森敏之
- 動画チェック - 伊藤ひろ子・小椋真由美・宇田八郎・北川美樹・関口重晴
- チェッカー - 中沢邦夫
- 特殊効果 - 堀田みな
- 編集 - 川名雅彦・平田光宏
- 現像 - 東洋現像所
- 効果 - 石田秀憲・小林真二・井上裕(イシダサウンド)
- 調整 - 栗林秀年
- 録音 - グロービジョン
- 協力 - マジックバス・スタジオコスモス・はだしプロ・サカエ企画・ノムラタイプ・スタジオルック・サンルック・ポップ・キュープロ・アートアニメスタジオ
- 制作担当 - 関孝行・深見克彦・井上博明・近藤栄三・若林敏生
- 制作 - 日本テレビ、エイケン
※テレビスペシャル「キャプテン」および劇場版映画「キャプテン」(日本ヘラルド・1981年7月4日公開・95分・ビスタサイズ)の主要スタッフ・キャストも概ねテレビシリーズに準じている。
主題歌
オープニングテーマ
「君は何かができる」
「君は何かができる」
エンディングテーマ
「ありがとう」
「ありがとう」
※レーベル - 日本コロムビア
放送リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 作画 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1983年 1月10日 |
キャプテン誕生 | 城山昇 | 出崎哲 | はしもとなおと | 清水恵蔵 |
2 | 1月17日 | いよいよ初試合 | 小和田良博 | |||
3 | 1月24日 | 強敵!金成中 | 角田利隆 | 金子勲 | ||
4 | 1月31日 | 結束 | 津野二朗 | |||
5 | 2月7日 | 対決!青葉学院 | 永樹凡人 | 小沢範久 | 上村栄司 | |
6 | 2月14日 | ピンチ!墨谷ナイン | はしもとなおと | 清水恵蔵 | ||
7 | 2月21日 | 勝利はいずれに | 小和田良博 | はしもとなおと | ||
8 | 2月28日 | 再試合決定 | 藤川桂介 | 角田利隆 | 金子勲 | |
9 | 3月7日 | キャプテンに続け!! | 城山昇 | 永樹凡人 | 石田晋一 | 上村栄司 |
10 | 3月14日 | 谷口キャプテンの登板 | 吉田浩 | 角田利隆 | 金子勲 | |
11 | 3月21日 | 死闘!!9回の攻防 | 小和田良博 | はしもとなおと | 清水恵蔵 | |
12 | 3月28日 | 新キャプテンは誰に? | 永樹凡人 | 角田利隆 | 飯野皓 | |
13 | 4月4日 | 丸井キャプテン奮戦! | 藤川桂介 | 出崎哲 | はしもとなおと | 清水恵蔵 |
14 | 4月11日 | 先制2点を守れ!! | 角田利隆 | 金子勲 | ||
15 | 4月18日 | 再起を賭けた合宿 | 小和田良博 | はしもとなおと | 清水恵蔵 | |
16 | 4月25日 | 連続36試合! | 永樹凡人 | 石田晋一 | 上村栄司 | |
17 | 5月2日 | 墨谷快進撃 | 城山昇 | 角田利隆 | 清水恵蔵 | |
18 | 5月9日 | 宿敵青葉学院 | 出崎哲 | はしもとなおと | ||
19 | 5月16日 | 死闘!18回 | ||||
20 | 5月23日 | 新キャプテンの初仕事 | 藤川桂介 | 永樹凡人 | 角田利隆 | 金子勲 |
21 | 5月30日 | イガラシの特訓 | 石田晋一 | |||
22 | 6月6日 | めざせ!選抜大会 | 城山昇 | 永樹凡人 | 飯野皓 | |
23 | 6月13日 | 思わぬ伏兵 | 出崎哲 | はしもとなおと | 清水恵蔵 | |
24 | 6月20日 | 丸井先輩の助言 | 藤川桂介 | 角田利隆 | 金子勲 | |
25 | 6月27日 | エース井口対イガラシ | 城山昇 | 永樹凡人 | はしもとなおと | 清水恵蔵 |
26 | 7月4日 | 激突!9回裏 | 出崎哲 |
放送局
出典は個別に出典が提示されているものを除き1983年5月中旬 - 6月上旬時点とする。系列は制作局での本放送当時のものとする。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送時間 | ネット状況 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ | 日本テレビ系列 | 月曜 19:00 - 19:30 | 【制作局】 | |
北海道 | 札幌テレビ放送 | 同時ネット | |||
岩手県 | テレビ岩手 | ||||
宮城県 | ミヤギテレビ | ||||
福島県 | 福島中央テレビ | ||||
新潟県 | テレビ新潟 | ||||
静岡県 | 静岡第一テレビ | ||||
中京広域圏 | 中京テレビ | ||||
近畿広域圏 | 読売テレビ | ||||
広島県 | 広島テレビ | ||||
香川県・岡山県 | 西日本放送 | ||||
福岡県 | 福岡放送 | ||||
熊本県 | 熊本県民テレビ | ||||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | ||||
秋田県 | 秋田放送 | 木曜 17:00 - 17:30 | 遅れネット | ||
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
金曜 16:30 - 17:00 | ||
福井県 | 福井放送 | 日本テレビ系列 | 火曜 17:00 - 17:30 | 1983年8月2日まで放送 | |
宮崎県 | 宮崎放送 | TBS系列 | 月曜 17:25 - 17:55 |
2016年にはBS12トゥエルビにてデジタルリマスター版が放送された。
映像ソフト
- 2004年7月にエイベックスよりDVD-BOXが発売された。
ネット配信
- 2020年9月9日より、エイケンのYouTube公式チャンネル「エイケン公式チャンネル」にて、毎週水曜に無料配信が実施されている。配信は第1話のみ常時配信、第2話以降は1週間のみの期間限定配信となっている。
実写映画
2007年8月18日公開。布施紀行主演・室賀厚監督。2021年7月30日に、テレビシリーズと同様にtvkにて、同作品の地上波テレビ放送が実施された(「映画の時間」枠、19:00 - 21:00)。
キャスト
- 谷口 タカオ - 布施紀行
- 丸井 - 小川拓哉
- イガラシ - 中西健
- 佐々木 舞(新聞部員、オリジナルキャラクター) - 岩田さゆり
- 三咲 静香(墨谷第二中学校教諭および野球部顧問、オリジナルキャラクター) - 小林麻央
- 青葉学院野球部監督 権藤 - 菅田俊
- 墨谷第二中学校 教諭 佐伯(3-D担任) - 江原修
- 谷口 孝江(タカオの母) - 宮崎美子
- 谷口 茂夫(タカオの父) - 筧利夫
- 町内会会長 - 柏原寛司
- 実況 - 義田貴士
- ゲスト解説 - 宮本和知
- 佐野 - 河野朝哉
- サブ - 永井浩介
- 高津 - 石井竜二
- 土橋 - 木村大貴
- 笠原 - 横田椋
- エキストラ協力 - 宇都宮市立国本中学校、宇都宮市立陽東中学校、宇都宮市立星が丘中学校、宇都宮市立陽北中学校、宇都宮市立陽西中学校、船生クラブ、塩谷町立船生中学校、黒磯柔道クラブ、作新学院女子短期大学、宇都宮アート&スポーツ専門学校
スタッフ(映画版)
- 原作 - ちばあきお
- 監督・脚本 - 室賀厚
- 特別協力 - SSK
- 撮影協力 - 宇都宮市、宇都宮市政110周年記念事業実行委員会、宇都宮市体育文化振興公社、宇都宮市国本地区体育協議会、宇都宮観光コンベンション協会、宇都宮コンベンション給食協議会、宇都宮商工会議所青年部、芳賀町、塩谷町、芳賀町教育委員会生涯学習推進室、栃木県ソフトボール協会、北宇都宮駐屯地 ほか
- 音楽 - 安川午朗
- スタントコーディネーター - 柴原孝典
- CG - Giraffe Entertainment、Motor Drive
- 技術協力 - 松下電器産業
- ポスプロ - ヌーベルポスプロセンター
- MA - シネマサウンドワークス
- ラボ - IMAGICA
- 企画 - 福井政文、阿部祐督
- プロデュース - 阿部祐督、棚橋裕之、木藤幸江、生田英隆、太田富雄、谷口忠男、上野境介
- 製作者 - 迫田真司、小谷靖、永井秀之、山路則隆、玉村輝雄、大橋孝史
- エグゼクティブプロデューサー - 市橋耕治、尾越浩文
- 協力 - 有限会社エフアイユー(現:有限会社ちばあきおプロダクション)、エイケン
- 制作プロダクション・配給 - トルネード・フィルム
- 制作 - キャプテン製作委員会(IMAGICAイメージワークス・Entertainment FARM・ポニーキャニオン・アサツー ディ・ケイ・集英社・ホーム社・トルネード・フィルム)
- 上映時間 - 98分
主題歌(映画版)
- 主題歌:Lead「空の彼方へ」
- 挿入歌:Lead「君は何かができる」
備考(映画版)
- スポ根ものではヒロインにあたる佐々木舞(岩田さゆり)の出番は少なく、ヒロイン的なポジションでは、野球無知の野球部顧問・三咲静香を演じる(小林麻央)がそれを演じる。セリフは棒読みながら岩田よりも出番が多く、10回近く衣装を替える。中学教師役のため、珍しくないお嬢さんファッションだが、着ることがないと見られる『死亡遊戯』や『キル・ビル Vol.1』みたいな黄色のジャージ上下を恥ずかしがりながら着るシーンがある。
小説
2017年3月9日、学研出版より「部活系空色ノベルズ」シリーズの一冊として、「キャプテン」の谷口編をベースとした小説版が、「キャプテン 君は何かができる」というタイトルで刊行された。
著者は山田明、カバーイラストはloundraw。
以降、同年6月1日に丸井編となる「キャプテン 答えより大事なもの」、7月20日に五十嵐編を描いた「キャプテン それが青春なんだ」と続編が発売され、2018年2月3日には全3巻セットも発売された。
各巻の副題については、テレビシリーズのオープニングテーマから、それぞれ曲名や歌詞の一部を採る形で付けられている。
- キャプテン 君は何かができる <著 - 山田明>(2017年3月9日)ISBN 978-4-05-204596-7
- キャプテン 答えより大事なもの <著 - 山田明>(2017年6月1日)ISBN 978-4-05-204646-9
- キャプテン それが青春なんだ <著 - 山田明>(2017年7月8日)ISBN 978-4-05-204682-7
- 部活系空色ノベルズ キャプテン 全3巻 <著 - 山田明>(2018年2月3日)
原作との主だった相違点として、以下の点が挙げられる。
- 谷口、丸井、イガラシそれぞれに、悩みを共有する同級生の女子がいる。
- 舞台設定が現代に移ったことを反映し、コンビニエンスストアやSNSなどの描写や言及がある。
- 原作では、近藤と牧野の会話を除いてはキャプテンに学年を問わず敬語を使っていたが、同作品では同級生どうし対等な口調で接している。
- 青葉中学との再試合省略や、丸井世代が夏の全国大会に出場するなど、展開に一部変更が見られる。