ギフト±
以下はWikipediaより引用
要約
『ギフト±』(ギフトプラスマイナス)は、ナガテユカによる日本の漫画。『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて、2015年4月3日号(同年3月20日発売)から2022年9月2日号(同年8月19日発売)まで連載。2022年8月現在で紙と電子書籍を合わせた累計部数は370万部を突破している。
ストーリー
女子高生の鈴原環は交友関係を持たず、無為な日々を過ごしているが、裏では凶悪犯を解体し、正規のルートでは臓器移植を行えない者のために臓器売買を行っていた。その彼女を巡り事件が起きる中、探偵の阿藤圭介は臓器売買の事件の真相に迫るも元同業者の加藤警部に殺害されてしまう。彼の遺志を継いだ恋人・桜田と暴露記事を潰された気鋭の記者・廣瀬直也が臓器売買と「たまき」を巡る事件を追う。
用語
クジラ
黒幇(ヘイパン)
プティシャトン
極秋会
リードレスペースメーカー
登場人物
声はWebアニメ(アニメビーンズ)版の声優。
主要人物
鈴原環(すずはら たまき)
声 - 梅田彩佳
本作の主人公。心臓手術の手術痕がある女子高校生。独善的な死生観を持ち、反省や更生が見込めない大人を「ターゲット」=「クジラ」として、生きて意識のあるまま解体し、タカシの臓器売買を支える。
タカシと同様、「臓器提供者(ドナー)」としてこの世に生み出された「デザイナーベビー」である。亡き秋光正の妾・真琴の死に際し作成された受精卵が冷凍保存され、代理母出産により「受給者(レシピエント)」である渉に対する「ドナー」として造られた。そのため、戸籍が無い。幼少期、健康体で生を受けたにも関わらず、林(英琢磨)の叔父によって不要な心臓の移植手術を受け、取り出された生来の心臓はタカシの義兄(実は甥)・渉に移植された。生来の心臓の代わりに移植された心臓は一種のペースメーカーの役割も果たしており、感情を抑え込まれていたが、琢磨との再会により、徐々に感情が息を吹き返し始めて「人形」から「人間」に戻ってゆく。しかし、琢磨に対する恋心を封印し、「臓器のリサイクル」という仕事のために狩りと解体を続行する。
タカシ / 秋光崇(あきみつ たかし)
声 - 鬼塚真吾
臓器売買グループを取り仕切る男子大学生。組織を運営する資金力や人脈を持ち、ハッキングや現場へ出向き情報収集も行う。兄妹同然の環を「愛玩人形」として執着している。
戸籍上において、極秋会病院を運営していた秋光家の2代目当主・聡の次男とされている。しかしその正体は、実父であり戸籍上の祖父でもある秋光正と、当時15歳だった妾・鈴原真琴の間に生を受けた私生児である。正嫡の異母兄・聡の実子の渉が病弱であるため、異母兄弟でありながら異母兄の養子(戸籍上の次男)として迎えられると同時に、甥の義弟(戸籍上の弟)として戸籍を手に入れた。渉が正統な後継者とされているが、回復が望めないことも予測していたため、万が一の渉の代わりに後継者として極秋会を継ぐべく養子に迎えられた。当初は渉に心臓を移植すべく環より先に造られた「デザイナーベビー」だったが、移植可能な年齢に達しても渉の体力が手術に耐えられないと判明し、移植は見送られた。劣悪な家庭環境に生まれ育った影響もあり、自分自身とその母・真琴に瓜二つの鈴原環に固執する。復讐のため、自身の策略で先の院長だった聡を廃人にし、極秋会病院を乗っ取る。実質的に極秋会を牛耳ってはいるが、正の遺言により正統後継者だった渉の世話係として生かされている状態にある。
英琢磨(はなぶさ たくま) / 林(はやし)
声 - 斎藤寛仁
元医師で「英医院放火殺人事件」の犯人として指名手配されている。闇医師としてタカシの臓器売買と密接な関係にあり、手術に必要な新鮮な臓器を提供して貰っている。少年時代、母の付き添いで訪れた英医院で真琴と出会い、彼女の死後、14年ほど経ったころに環と出会った過去を持つ。
叔父である英医院の院長・英幾雄が環の心臓が健康であるにも関わらず心臓の移植手術を行ったことを知って殺害されそうになるが、意識が戻った際、淡々と幾雄を解剖する環の姿を目撃。環の異常性を知りつつも彼女を守るため、証拠隠滅に放火して警察に追われる身となった。タカシに捜索協力を要請してまで捜す環が「解体」を行う実行犯になっており、環はタカシの元にいることを知らなかった。また、まだ堅気だったころの甘さが抜けきっておらず、タカシの正体(秋光崇の素性)や、初恋の少女・真琴と彼女の面影を異常なまでに宿す環に関係がある事実を知っても逃避してしまう。さらには、環が一連の事件に関与していることを思い知らされ、彼女のための心臓移植手術が不可能となり、抹殺されるのは確実になり、桜田と廣瀬の助けで国外に脱出する。
臓器売買グループの関係者
神崎梨世(かんざき りよ) / 王梨世(ワン リーシー)
加藤 善人(かとう よしと)
リュウ / 劉達善(リウ ダーシ) / 斉藤達善(さいとう たつよし)
残留孤児の3世。チャイニーズマフィアの一員の男性。隻眼。老いたと口を滑らせたことと臓器売買の商品の元である「羊」を複数潰したことにより、元のボスに左眼の眼球を抉られて独眼になる。大陸、島、在日、残留の闇のネットワークに精通している。大陸でも日本でも残留風情がと蔑まされ、組織の方針を巡り水面下で対立していた大陸系黒幇(ヘイパン)のボスの1人である老大(ボス)「呉園良」を殺して組織を乗っ取った。日本の臓器売買の進出を狙う。民進党の次期総裁と目される松川議員に接近する。後にバック(曹)に切られて逃亡した松川の居場所を加藤に密告し、環か自分自身か選ぶよう迫って加藤と決別した。
環を「羊」にしようとして返り討ちに遭い、その後も悪夢に襲われるトラウマとなる。
極秋会の関係者
秋光正(あきみつ ただし)
鈴原真琴(すずはら まこと)
秋光渉(あきみつ わたる)
秋光家・極秋会の正統後継者だった青年。創業者である会長・正の正嫡の孫息子であり、タカシの戸籍上の父(義父)である聡の唯一の息子。タカシの甥であり、彼の戸籍上の兄(義兄)でもあるため、タカシからは「兄さん」と呼ばれている。先天性心臓疾患を抱えて生を受けたため、タカシに続いて「臓器提供者(ドナー)」として生み出された環の健康な心臓を移植された「臓器受給者(レシピエント)」である。病弱な身体と心臓の欠陥によりタカシの心臓を移植される予定だったが、体力が足りずに見送られたため、成長と共に不具合も大きくなり環の心臓を移植されても移植に適した時期を完全に逸してしまい、植物状態に陥ってしまう。生命維持装置で生かされているだけの死体も同然の状況が続いており、正の遺言に縛られているタカシの世話を受けることで生き続けることが可能となっている。
警察関係者
阿藤圭介(あとう けいすけ)
声 - 武井和歩
探偵。元警察官。琢磨に依頼されて行方不明となった環の調査を行っている。5年前、児童売春クラブ「プティシャトン」の経営者・日高孝太郎変死事件を警察が政財界の指示に従って練炭自殺で握り潰したため、失望して警察を辞職した。臓器売買と環を追っていたが、環に接触して「君を捜している人間がいる」と告げた直後に加藤に射殺された。死に際、恋人でもある後輩の女性刑事・桜田に連絡し、自身に代わって「正義の味方」になって欲しいと言い残して絶命した。
幼いころ、酒乱でDVの父親に母親や妹と共に虐待されながらも必死に母親と妹を守ろうとしたが、母親は妹だけを守って家出して自身は捨てられてしまう。それでも女性や子供を守ろうと必死だった。そのため、警察官を志して警部補にまでなるが、腐り果てた警察の実態に裏切られた。
桜田瑞希(さくらだ みずき)
事件関係者
廣瀬直也(ひろせ なおや)
気鋭の記者。社会の闇がもたらす理不尽を憎んでおり、警察を信じていない。かつて「ニチブン出版」に勤務していたが、極秋会の創業者・秋光正と児童売春クラブ「プティシャトン」経営者変死事件と極秋会の創業者・秋光正の児童買春疑惑を暴露するも回収騒動で記事を潰されたため、単独で事件を追っている。「プティシャトン」事件と臓器売買の闇を追っており、腎不全による腎臓透析により日本が潰れる危険性に業を煮やした日本政府が臓器移植を推進することを懸念している。再犯確実なクズとされる人間が「クジラ」という解体による同意無しの「臓器提供者(ドナー)」とされていることを桜田に告げられ、捜査を協力して欲しいと依頼されて彼女と共闘する。消させても構わないかのような桜田を案じており、ふとしたことで彼女と肉体関係を結ぶ。
鈴原環の学園関係者
ターゲット
A少年(仮称)
相澤華南(あいざわ かなん)
声 - 咲々木瞳
性依存症の女性。16歳の時に公園トイレで出産し、乳児遺棄で逮捕される。出所後も不安定な心を満たすため、妊娠と乳児遺棄を繰り返すも、環により子宮を含む一部の内臓を摘出され、彼女の通報によって再逮捕された。
書誌情報
- ナガテユカ 『ギフト±』 日本文芸社 〈ニチブンコミックス〉、全26巻
- 2015年7月18日発売、ISBN 978-4-537-13312-7
- 2015年10月19日発売、ISBN 978-4-537-13352-3
- 2016年1月18日発売、ISBN 978-4-537-13394-3
- 2016年4月18日発売、ISBN 978-4-537-13430-8
- 2016年7月19日発売、ISBN 978-4-537-13468-1
- 2016年10月28日発売、ISBN 978-4-537-13502-2
- 2017年2月18日発売、ISBN 978-4-537-13550-3
- 2017年5月19日発売、ISBN 978-4-537-13583-1
- 2017年9月7日発売、ISBN 978-4-537-13623-4
- 2017年12月18日発売、ISBN 978-4-537-13668-5
- 2018年3月19日発売、ISBN 978-4-537-13710-1
- 2018年6月20日発売、ISBN 978-4-537-13760-6
- 2018年9月18日発売、ISBN 978-4-537-13809-2
- 2018年12月19日発売、ISBN 978-4-537-13859-7
- 2019年3月19日発売、ISBN 978-4-537-13895-5
- 2019年6月28日発売、ISBN 978-4-537-13940-2
- 2019年10月9日発売、ISBN 978-4-537-13986-0
- 2020年2月28日発売、ISBN 978-4-537-14208-2
- 2020年7月9日発売、ISBN 978-4-537-14261-7
- 2020年10月29日発売、ISBN 978-4-537-14300-3
- 2021年2月27日発売、ISBN 978-4-537-14344-7
- 2021年7月16日発売、ISBN 978-4-537-14391-1
- 2021年11月29日発売、ISBN 978-4-537-14435-2
- 2022年2月28日発売、ISBN 978-4-537-14470-3
- 2022年5月27日発売、ISBN 978-4-537-14511-3
- 2022年10月19日発売、ISBN 978-4-537-14556-4
Webアニメ
2018年9月21日より、アニメ視聴アプリ「アニメBeans」にて配信される。
スタッフ
- 監督・絵コンテ・演出 - 伊藤史夫
- 音響監督 - 赤間明吉
- プロデューサー - 大久保圭
- アニメーションプロデューサー - 生田目聡
- 制作 - Acca eff