クロコーチ
以下はWikipediaより引用
要約
『クロコーチ』は、リチャード・ウー(原作)およびコウノコウジ(作画)による日本の漫画、またそれを原作としたテレビドラマ。
数々の未解決事件に対し、1つの仮説を示すことが趣旨である。ジャンルとしては「ダーク・ミステリー」とされる。
日本文芸社の漫画雑誌『週刊漫画ゴラク』で、2012年にまず読切として連載され、後に長編として2018年2月23日発売号まで連載された。2013年10月からはこれを原作とした同タイトルのテレビドラマが放送された。
本作終了後に開始された同作者の漫画『警部補ダイマジン』は本作と同一の世界で数年後を舞台としており、清家などが再登場している。
あらすじ
県警捜査第二課に所属する警部補・黒河内圭太は政治家や実業家の醜聞を握って強請を行い、時に彼らの犯罪をもみ消す悪徳警官であった。県警の上司達も弱みを握られ、「県警最悪の警察官」「化物」などと呼称され恐れられる黒河内の元に、清廉潔白な若きキャリア・清家真吾管理官が配属される。清家に対して自らの犯罪を隠す気がない黒河内を清家は告発しようとするが、黒河内は自身が追っている更なる巨悪の存在を明らかにし、半ば事態に流されつつ清家は黒河内と協力することを選択する。
WEBデザイナー一家殺人事件編
黒河内は、郷田県議の殺人を揉み消し、その狙いが現職の県知事である沢渡にあることを清家に明かす。沢渡は15年前に起こり、迷宮入りしたWEBデザイナー一家殺人事件や女子高生殺人事件の真犯人であり、さらに警察内部にも協力者がいるという。清家は半信半疑だったものの、直後、清家自身も知る現職警官2人に襲われたことで、黒河内に協力することを決める。黒河内は政治家らを巧みに操って沢渡を失職させ追い込むが、一方で沢渡を立件できる有力な証人は次々と首吊り自殺に見せかけて殺されていく。
沢渡に対する決定打は無く、黒河内は沢渡に敗北を認めて阿るが、沢渡は先の2人の刑事殺しを垂れ込んで黒河内を追い込む。だが、それこそが黒河内の狙いであり、証拠偽装によって、沢渡は刑事殺しとWEBデザイナー一家殺人事件の容疑者として逮捕される。
三億円事件 / 桜吹雪会編
沢渡を逮捕させることに成功した黒河内は、更に沢渡を確実に仕留めるべく担当検事の越後を脅す。越後は、12年前にIT界の寵児と呼ばれる綾瀬から彼の粉飾事件に絡んで5000万円の賄賂を受け取った過去があり、さらに黒河内は、綾瀬のために銀行強盗を行い出所した高宮に接触して、綾瀬の灰谷殺しを証明し、逮捕する。沢渡は越後に黒河内を始末する代わりに不起訴とする取引を持ちかけ、黒河内は赤刃組の組員に襲われ重傷を追う。黒河内と清家の捜査の結果、赤刃組の背後には警察の闇組織・桜吹雪会がいた。
綾瀬を不起訴にさせた黒河内は桜吹雪会との停戦に成功したという。一方、清家は亡き父の友人でもあった遠藤から、3億円事件や桜吹雪会について教えられる。だが、その直後に遠藤は辻班に殺害されてしまう。だが、辻班も、桜吹雪会の功労者である遠藤殺害命令が下ったことに納得がいかず、城尾に掛け合うといった班長の辻は無残な死体で発見され、他の班員も次々と殺されていく。黒幕は桜吹雪会のボスである城尾と思われていたが、城尾と対面した黒河内は彼が既に実権を失っていることを見抜く。さらに桜吹雪会の設立経緯を追っていた2人は、3億事件の真犯人である桐谷英人が生きていること、消えた3億円を元手に当時のテロ対策の一環でマネー・ロンダリングされ300億円となり、桜吹雪会の原資になったことなどを突き止める。
黒河内は沢渡を桜吹雪会に殺させようと策謀し、越後に不起訴にさせる。赤刃組組長・青松は釈放直後の沢渡の命を狙うが、黒河内の狙いに気づいた越後が持ち前の正義感で沢渡を庇い、殉職する。黒河内は自分の策で越後が死んでしまったことに強いショックを受けるが越後の妻より、彼の言葉と3億円事件の有力な情報を伝言される。
やがて高橋がすべての黒幕で、金を独り占めにするために殺害指令を出していたことが判明する。高橋は城尾を殺し、すべての罪を加賀になすりつけて逃亡しようとするが、加賀と井出の逆襲にあって深手を置い、更に錯乱した綾瀬に刺されて力尽きる。桜吹雪会の上層部が壊滅した中、幹部の西郷と栗塚によって桜吹雪会は活動を停止することが決定する。後日、黒河内は、栗塚こそが桐谷本人だと気づき、3億円事件とそれに絡む公安の影の仕事、そして一連の事件の真相を知る。
警察庁長官銃撃事件 / 大人は判ってくれない編
伝説の桜吹雪会を解明した黒河内と清家だったが、これをきっかけに公安の監視対象となる。新たに赴任した清家の美人上司・緑川もまた公安であった。その中で、黒河内は霊感商法、清家は白骨死体の捜査を行っていたが、やがてそれらは15年前に起こったカルト宗教団体・ピュア達磨教の大規模テロ事件や、迷宮入りした警察庁長官銃撃事件に繋がっていく。清家父の死も、実は警察庁長官銃撃事件の極秘捜査中のことであった。
やがて事件には「囁く男」と呼ばれる赤軍テロリストであり同時に公安のS(スパイ)でもある人物が浮かび上がる。さらには、伝説のテロ組織「大人は判ってくれない」の参謀役が警察上層部に紛れこんでいることが明かされる。その謎の参謀役を捜査している公安の若王子は、彼を突き止めるために、赤軍テロ組織の内幕に詳しい桐谷(栗塚)の協力が欲しく、黒河内に協力を求める。
黒河内の捜査と、栗塚に協力を求められ帰国を果たした露口によって参謀は青沼審議官と判明するが、その矢先に栗塚が殺されてしまう。復讐を誓う黒河内は「囁く男」こと鳥尾恭児を捕まえるべく奔走するが、その途中で、これが彼らの罠であることに気づく。真の黒幕は目黒審議官であり、鳥尾と目黒は、カルト教団残党を操り原発テロを企てていた。さらにはそれすらも囮で、かつては失敗に終わった警察庁長官銃撃事件の再来を狙っていた。しかし、黒河内の機転で事件は未然に解決し、鳥尾は目黒を殺して逃亡する。
その後、清家は緑川より父の死の真相を知らされ、目黒に唆されたとはいえ、知古の先輩・野中が犯人であった。鳥尾に唆された野中は清家と緑川を人質に黒河内を殺そうとするが、先手を打った黒河内に拘束される。目黒の件、野中の件は共に警察の威信に関わるため秘匿されることとなり、不信感を抱いた清家は辞職を考えるが、鳥尾の行方を追う黒河内の説得で公安への異動を決める。
照銀事件 / スサノオの桜編
戦後間もなくできた秘密結社スサノオの桜に匿われることとなった鳥尾は、彼らの毒殺実験に関わり、不本意ながら大量虐殺に加担する日々を過ごしていた。一連の事件に鳥尾が関わっていることや、スサノオの桜の存在を掴んだ黒河内は、これが戦後間もない頃に起こった怪事件・照銀事件の再現だと気づく。清家は黒河内の介在もあり、公安でも特に警察内部を調査する通称「ピンク」に配属され、スサノオの桜や照銀事件について調べ始める。
清家は内通者のボビー海部などを通し、スサノオの桜が憲法改正などを目論んで、某アジアの大国が国会を襲撃するというシナリオの大規模テロを計画しているとわかる。公安を中心に警察はテロの主犯と思わしき中国人の男・林伊健をマークするが、黒河内は林は囮で、真の計画は別にあると推測する。やがて黒河内は、スサノオが行おうとしていることが、特殊な飲料を使った国会議員の大量毒殺と新幹線テロだと気づく。黒河内は、緑川や野中を現場復帰させテロ防止を目論み、最小限の被害に押さえ込むものの、緑川が殉職してしまう。
スサノオの桜の首領・桜木がイタリアへ高飛びし、事後を幹部の灰田に任せる。また、鳥尾は偶然から桜木に裏切り者と誤解されてしまい、彼らに命を狙われ始めたことで、改めて自身の信条に向き合い、逆に桜木や灰田の命を狙い始める。一方、黒河内はクレジットカードの不正引き出し事件の出し子の捜査を担当することになり、新しい部下・浅黄と共に行動する。出し子グループの中心核は実は桜木の孫であり、黒河内はそこから桜木に迫ろうとする。
鳥尾は灰田を襲うものの、返り討ちに遭い致命傷を負うが、予め仕掛けていた爆弾で灰田を爆死させ、黒河内に情報を託して息を引き取る。間もなく桜木は灰田以外のテロの実行犯達を謀殺して帰国を果たすが、黒河内は鳥尾が桜木邸に残した爆弾を再起動させて、彼を爆死させる。
M資金 / 沢渡一成編
スサノオの桜のテロ計画により酒井総理が辞職すると、沢渡が再び暗躍し始める。沢渡は桜木に調合してもらった薬を使って猟奇殺人を再開する一方で、国政への復帰を宣言する。当選すら絶望的かと思われていたが、沢渡はM資金の話を元に引退した政治家や無所属の政治家を味方につけて沢渡派を形成し、総理大臣職まで狙っていた。そして、政局を巧みに操ると、持ち前のポピュリズムで大衆の人気を獲得してトップ当選を果たし、総理大臣の目が見えてくる。
一方、黒河内と清家は沢渡の正体について調査し、どこかの国の破壊工作員と予想するが、ただ純粋な悪としか言えない人物像に謎は深まっていく。そんな折、警察では警察内警察「グレイ」が発足され、担当で正義感の強い白雪警視は黒河内を追い詰めようとしていた。清家は白雪よりグレイへの参加を切望され、黒河内との関係から渋るが、白雪が清家文吾殺しの真相を茜屋長官に公表させたため、最終的にグレイに入ることを決める。
与党重鎮達の要請もあり、沢渡の首相就任を防止したい警察であったが、沢渡は支配下にあるピュア達磨教や暗殺者を雇うなどして立場を盤石なものにし、次期総理に内定する。黒河内は、沢渡の犯行を立証できるかもしれない少女・マミを発見し、彼女を守ろうと奮闘するが、力及ばず沢渡の放った暗殺者に殺害されてしまう。さらに白雪は、沢渡よりも黒河内の身柄を狙う。
総理就任間近となった沢渡は、部下(白須・一色)と、自分と敵対関係にある警察関係者(清家・青沼・浅黄・牛井・栗田)らを集める。その中で自らの犯罪を告白し始め、しかし自分をもはや止めることはできないと場を挑発する。そんな中、遅刻してやってきた黒河内は有無を言わさず沢渡を拳銃で撃ち、沢渡は自分が死んでも次の時限爆弾があると言い残して絶命する。そして逮捕されようとする黒河内であったが、同席した青沼が現場から逃げるように言い、黒河内は現場から消える。
沢渡殺しの捜査を白雪が担当することとなり、猟奇殺人犯の極悪人と言えど次期総理であった人物の殺しは死刑もありうる内乱罪として黒河内を追い詰めようとする。ところが、現場に居合わせた牛井・栗田・浅黄・一色は何も見ていないと答え、青沼・白須に至っては黒河内が殺したものの正当防衛だったと主張する。白雪が期待した最後の清家は、辞表を提出し、白雪に正義とは何かと問うて証言を拒絶する。ついに諦めた白雪は、沢渡殺しの犯人はピュア達磨教と公表するように茜屋に進言し、黒河内は正式に見逃される。
警察辞職後、清家は酒井より政治家となるよう勧められる。断ろうとする清家であったが、酒井から政治家には正義も悪も必要だとし、今の清家にはその資質が備わっていると説得され、清家は政治家となることを決める。一方、黒河内は沢渡の巨額の隠し資産を追って海外におり、彼の資産を回収した上でマネーロンダリングで綺麗な金に変えていた。そして、高宮にいずれ総理となる清家の政治資金に役立ててほしいと、その資産を引き渡す。
登場人物
主要登場人物
黒河内 圭太(くろこうち けいた)
清家 真吾(せいけ しんご)
サブレギュラー・各編の重要人物
この節では編を跨いで登場するサブレギュラーか、もしくは登場は一編だけだがその編の重要人物について記載する。
現役警察関係者
白庄司 誠(しらしょうじ まこと)
牛井
野中
緑川 綾香
青沼 昭太
警察庁長官官房審議官。犯罪収益対策・国際・取調べ監督指導・サイバーセキュリティ戦略担当。
長官銃撃事件編でテロ組織「大人は判ってくれない」のメンバーの容疑者として登場し、以降、黒河内と直接的・間接的に協力し合う警察機構の最高幹部。その職責に見合う頭脳・威厳があり野心家であるが、一方で飄々とした一面も持つ。茜屋長官の右腕であり、5人の審議官中、もっとも長官職に近い。
茜屋の特命によって清家文吾と共に長官狙撃事件を調査していた過去を持ち、彼を戦友と考え、ゆえに清家に目を掛ける。黒河内についても、建前でも彼を問題視する者が多い中にあって、功績を重視して問題視しなかったり、不問に付すように誘導し、時には直接黒河内に依頼を出すこともある。
白須 不二男
茜屋
黄金崎
志摩
警察OB・警察関係者
城尾 平蔵(しろお へいぞう)
首都綜合警備保障顧問。警察OB(公安)。桜吹雪会の創設者でリーダー。
現役時代はMr.公安と呼ばれ、退職した今も恐れられる人物。表の首都綜合警備保障、裏の桜吹雪会問わず、やむを得ない事情で警察組織を追われたものの雇用や、殉職者遺族の生活を保障し、桜吹雪会のメンバー達からは恐れられつつも慕われてもいた。桜吹雪会の首魁として、組織の悪事の黒幕と思われていたが、実は数年前からピーチトムこと高橋とその弟子の加賀に組織を乗っ取られており、現在は飾りに過ぎなかった。最期は、高橋が目的を達し高飛びする際に、桐谷と別人のようになってしまったと言ったことから、逆上した彼に首を絞められ殺される。
直接的な登場は「三億円事件編」のみだが、沢渡の国政進出の仕掛け人だったり、鳥尾をスパイに仕立てた人物であるなど、その後も回想にしばしば登場し、名前もよく登場する。
犯罪者
高橋 秀男
鳥尾 恭児(とりお きょうじ)
目黒 裕司
政界
故人
清家 文吾(せいけ ぶんご)
その他
高宮 健太
用語
桜吹雪会
その正体は、Mr.公安とも呼ばれた公安の大物OBである城尾平蔵を筆頭に3億円事件の捜査で密かに手に入れた多額の金を原資に警官の福利厚生を厚くすることを目的とした組織で、理不尽な理由で退職を余儀なくされた警官の再雇用や、殉職した警官の遺族を手厚く補償する互助会のようなものであった。しかし、一方では警察の存在意義を認めさせるために暴力団(赤刃組)を背後で操る、標的の暗殺も厭わず警察の不祥事の揉み消しを行うなど危険な組織へと変貌していった。
名前の由来は設立者4名の名前の頭文字のアナグラムが「遠山金四郎(遠山金城)」になることと、また桜が警察の隠語であることに加えてスサノオの桜にあやかったものであった。
大人はわかってくれない
公安のS(スパイ)となって学生テロ組織に加わり、正義に悩んだ鳥尾恭児が創設したもので、名称はフランス映画「大人は判ってくれない」に由来する(鳥尾の名も監督のフランソワ・トリュフォーに由来)。そして、当時高校生であった目黒を計画立案の参謀として加えていた。
スサノオの桜
現組織の長である桜木の祖父が設立者で、元々は旧日本軍配下で非人道的な化学実験を行っていた組織。戦後の迷宮入り事件、照銀事件の犯人でもあり、同事件は米軍に自分たちの存在価値を認めさせるためのデモンストレーションであった。
書誌情報
- リチャード・ウー(原作)・コウノコウジ(作画) 『クロコーチ』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全23巻
- 2013年10月7日発売、ISBN 978-4-537-13081-2
- 2013年10月7日発売、ISBN 978-4-537-13082-9
- 2013年12月6日発売、ISBN 978-4-537-13108-6
- 2014年4月9日発売、ISBN 978-4-537-13151-2
- 2014年6月28日発売、ISBN 978-4-537-13178-9
- 2014年8月29日発売、ISBN 978-4-537-13194-9
- 2014年11月19日発売、ISBN 978-4-537-13221-2
- 2015年2月19日発売、ISBN 978-4-537-13261-8
- 2015年5月18日発売、ISBN 978-4-537-13287-8
- 2015年7月18日発売、ISBN 978-4-537-13313-4
- 2015年10月19日発売、ISBN 978-4-537-13353-0
- 2015年12月19日発売、ISBN 978-4-537-13381-3
- 2016年3月23日発売、ISBN 978-4-537-13421-6
- 2016年5月28日発売、ISBN 978-4-537-13445-2
- 2016年7月29日発売、ISBN 978-4-537-13464-3
- 2016年10月19日発売、ISBN 978-4-537-13497-1
- 2016年12月28日発売、ISBN 978-4-537-13527-5
- 2017年3月29日発売、ISBN 978-4-537-13564-0
- 2017年6月29日発売、ISBN 978-4-537-13597-8
- 2017年6月19日発売、ISBN 978-4-537-13626-5
- 2017年12月29日発売、ISBN 978-4-537-13672-2
- 2018年3月29日発売、ISBN 978-4-537-13715-6
- 2018年6月29日発売、ISBN 978-4-537-13765-1
テレビドラマ
2013年10月11日から12月13日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された。主演は長瀬智也。
キャッチコピーは「三億円事件、完結。」。
系列局のない秋田県では本放送から3か月後の2014年1月5日から1月27日まで秋田放送(ABS)で月曜 - 水曜の15:55 - 16:50(初回は日曜12:00 - 13:20)に放送された。
あらすじ(テレビドラマ版)
神奈川県警に所属する黒河内圭太は、とある男に女性を撲殺した状態の部屋に呼び出される。刑事のはずの黒河内は、余裕の表情でその男の証拠隠滅作業に取り掛かる。
そして、「これだけのコトさせといて、タダってわけにはいかないでしょー」と。
刑事とはいえ、自身の冨(ワイロ)あり、強請りあり、実力行使ありの、手段を選ばない極悪刑事であるクロコーチ(黒河内)。彼は、警察の闇の奥に存在する巨大なる「ある組織」の解明と追求のため、そして、日本中を震撼させた、昭和43年の「三億円事件」の真相にたどりつくため、極悪ながらも信念を背負って闇と対峙する。未解決事件で終了したこの事件の三億円の在り処はどこなのか。そして、クロコーチはなぜそれに執念を燃やすのか。
「誰が善で、誰が悪か。」
善と悪、罪と罰、正義と偽善。あらゆるしがらみが取り巻く闇への挑戦が始まった。
登場人物(テレビドラマ版)
神奈川県警察
主要人物
黒河内 圭太(くろこうち けいた)
刑事部捜査第二課黒河内班班長。警部補。「せーいかーい!」が口癖。愛車はアストンマーティン・ラピード。捜査のためなら手段を選ばず、犯行隠蔽・収賄など平気で行い、「県警の闇」と言われる。三億円事件に強い執着心を燃やす。
清家 真代(せいけ ましろ)
刑事部捜査第一課布袋班。警部補。東京大学法学部出身の女性キャリア。普段はゆったりした喋り方をしているが、捜査となるときびきびとした口調へと変わる。10年分もの膨大な事件内容を覚えており、黒河内が裏で行っている犯行を言い当てるなど記憶力・推理力に優れている。神奈川県警に出向中。
刑事部捜査第一課
布袋 善治郎(ほてい ぜんじろう)
布袋班班長。警部補。
磯村 哲也(いそむら てつや)
布袋班。巡査部長。
坪倉 太一(つぼくら たいち)
布袋班。巡査部長。
嶋 光男(しま みつお)
五島 要(ごとう かなめ)
管理官。警視。
上記二名は実は沢渡の部下で情報をつかんだ黒河内と清家を殺害するため七福神のお面を被り侵入してくるも、逆に黒河内に二人纏めて射殺され遺体は山に埋められた。黒河内の隠ぺいにより表面上は沢渡が殺害したことになっている。
牛井 孟(うしい はじめ)
課長。警視。
警察組織
澤 眞智子(さわ まちこ)
科学捜査研究所。法医学研究員。
香椎は第2子妊娠のため、第3話で降板し、以降代役として後述の芦名星演じる斑目八重子が登場する
斑目 八重子(まだらめ やえこ)
科学捜査研究所。物理研究員。
降板した香椎に代わり、第4話より登場。
龍井 秀樹(たつい ひでき)
神奈川県警察本部刑事部捜査第二課課長。警視。黒河内の上司。
薬師寺 誠(やくしじ まこと)
神奈川県警察本部警務部監察官室監察官。警視。
柿崎 清彦(かきざき きよひこ)
神奈川県警察本部刑事部部長。警視正。
堂島 則行(どうじま のりゆき)
本部長。警視監。堀の父親。
駒野(こまの)
監察医。
警視庁
高橋 秀男
警視庁公安部総務課庶務係嘱託。警察を定年退職した後、警視庁公安部に再雇用される。
政治家
郷田 文吾(ごうだ ぶんご)
神奈川県県会議員。沢渡の元秘書。
橋本 俊治(はしもと としはる)
神奈川県県会議員。沢渡の元秘書。
畑山 肇(はたけやま はじめ)
衆議院議員。
田宮 弘(たみや ひろし)
衆議院議員→現神奈川県知事。沢渡が県知事選出馬辞退後、立候補し当選。
伊地知 伝助(いじち でんすけ)
民自党所属の衆議院議員。警察庁出身者で柿崎の元上司。
沢渡 一成(さわたり かずなり)
前神奈川県知事。警察庁出身者。
桜吹雪会
警察関係者などが犯した犯罪や、警察の権力を失墜させる事案に対して、秘密裏に闇に葬り、表立った事件にならないよう処理する、現職警察官、警察官退職者を中心に結成された組織。三億円事件が発端となり結成される。
創設者
遠藤 剛史(えんどう たけし)
元警視庁刑事部捜査第一課警視。現在は遠藤司法研究所所長。
山路 武治(やまじ たけはる)
元警視庁刑事部捜査第一課警視。
金井 道夫(かない みちお)
元警視庁刑事部捜査第一課警部。
城尾 平蔵(しろお へいぞう)
元警察庁警備部公安第二課警部。首都綜合警備保障創設者で沢渡の元上司。事件発生当時、3億円事件の犯人についての情報を全て取り仕切っていた。
会員
加賀 広樹(かが ひろき)
首都綜合警備保障社長。
拘置所係官
横浜拘置支所刑務官で沢渡担当。沢渡から先生と呼ばれる。
井手 聡子
首都綜合警備保障受付。
杉 隆太郎(すぎ りゅうたろう)〈没28〉
元兵庫県警察第二機動隊特殊急襲部隊狙撃手で、元首都綜合警備保障警備員。SATが使用するレミントンM40狙撃ライフルで真代を狙撃した実行犯。
遠藤がビルから飛び降りた事件の死因について疑問に思ったことを追求し過ぎてしまい、全身の28か所の骨折及び12か所の関節を外された状態で殺害され、無残な遺体として見つかる。
園田 雅巳
神奈川県警察山手北警察署地域課。黒河内の命を狙う。
沢渡の事件関係者
葉月 トモ(はづき トモ)
ジャーナリスト。8年前に自宅への放火による火災に巻き込まれ、一酸化炭素中毒で死亡する。
清家 真次(せいけ しんじ)
警視庁立川警察署上松町派出所地域課巡査 → 警視庁警部補。真代の父親。三億円事件を捜査している中で強盗に刺され殉職。
赤松 里奈(あかまつ りな)〈没22〉
郷田の愛人。桜木町ホステス殺人事件被害者。
遠山 宗司〈没38〉
ウェブデザイナーを生業とし、沢渡からホームページ作成の依頼を受ける。他人の機密メールを覗く趣味があり、警察に逮捕された過去がある。
8年前、妻・秩佳子(演:金子路代)、娘・京子(演:飯田杏実)と共に何者かに銃殺される。
金本 真美〈没16〉
当時高校生。何者かに殺害された後に裸体のままゴミ処理場に遺棄された。
堀(ほり)〈27〉
本名は堂島武で堀という名は偽名。堂島則行の息子。郷田文吾、橋本俊治一家首吊り自殺や各地で起きた不審な首吊り自殺事案に関わる人物。
頭部から足のつま先まで全身の体毛を剃り、金髪のかつらを着用し、警察官のコスプレ姿で街や事件現場近くを徘徊している目撃情報が多数上がる。
偽名の由来は警察(ポリス)をもじって堀っス、という発言から。
浅沼 兼次(あさぬま けんじ)〈没32〉
伊地知の公設秘書。伊地知伝助後援会事務所が入るビルの屋上から転落して死亡。政治資金規正法違反の嫌疑を掛けられ、自分に被せられた汚名をそそぐために、伊地知を告発する準備を進めていた。
浅沼 兼男(あさぬま かねお)
兼次の父親。警察がたいした捜査もせず、息子の転落死を早々に自殺と断定したことに不信感を抱く。
赤刃組
広域指定暴力団組織・赤刃組は10年前に持株会社・吹雪ホールディングスの傘下に入り、90%の組織母体は民間企業へ移行、しかしその裏では警察組織が速やかに事件を収束させないといけない案件に対して、暴力団構成員が身代わり出頭していた。
赤羽 甚五郎(あかば じんごろう)
初代組長。警察組織に迎合する組の方針に異議を唱えたことで組を追われ、その後命の危険に晒される。
青松 英二
現組長。
佐野 満
構成員。黒河内を銃撃した犯人だと警察に出頭するが、彼とは面識がなく単なる人違いで襲ってしまったと証言する。
町田 育夫
ホームヘルパーあかね訪問介護員。元構成員で赤羽の担当ヘルパー。
三億円事件
澤村 英人(さわむら ひでと)
通称:少年S。元防衛大学校学生で事件当時、父親は現職警察官。
富田 ジョージ(とみた ジョージ)
カミナリ族の立川グループメンバー。アメリカ人と日本人のハーフ。
越後の事件関係者
綾川 眞之輔(あやかわ しんのすけ)
IT企業「テンライク」会長。総理大臣が私的諮問機関として招集。10年前に自身が起こした粉飾決算を越後に揉み消してもらい、その見返りに5000万円を渡す。
高宮 健太(たかみや けんた)
元赤刃組構成員。綾川とは幼馴染で同じ児童養護施設の出身。金に困っていた綾川を助けるためにパチンコ店現金輸送車を襲い、10年間小田原刑務所に服役する。
灰谷 竜次(はいたに りゅうじ)〈没36〉
フリージャーナリスト。2013年11月14日、鷹無山の山中で白骨遺体として発見される。生前は綾川を強請り、現金を脅し取ろうとしていた。
その他の人物
恬恬(てんてん)
黒河内が住んでいる部屋の管理人。
越後 弥太郎(えちご やたろう)
東京地方検察庁特別捜査部 → 横浜地方検察庁刑事部長。沢渡の取り調べを担当。10年前に起こした横領事件を黒河内に知られ、沢渡の情報を取ってくるよう脅される。
小野 聡
横浜地方検察庁検事正。越後の上司。
スタッフ
- 原作 - リチャード・ウー / コウノコウジ『クロコーチ』(日本文芸社)
- 脚本 - いずみ吉紘
- 音楽 - 出羽良彰、羽深由理
- 演出 - 渡瀬暁彦、山本剛義、平川雄一朗、大澤祐樹、岡本伸吾、武藤淳
- 主題歌 - TOKIO「ホントんとこ」(ジェイ・ストーム)
- 演出協力 - 平川雄一朗
- 構成協力 - 田中眞一
- 演出補 - 八木一介、小牧桜、西岡衣舞、佐藤郁
- 音楽プロデュース - 志田博英
- 音楽コーディネート - 溝口大悟、久世烈
- CG - 中村淳、稲生諭、井田久美子、大竹麻莉子
- スタントコーディネーター - 田渕景也、大道寺俊典
- アクション - 匠馬敏郎、角田明彦、渡辺大貴、梶聡志
- ガンエフェクト - 納富貴久男
- 全捜査アドバイザー - 五頭田ケン
- リーガルアドバイザー - 落合洋司
- 法務関係監修 - 坂本敏夫
- 編成 - 渡辺信也、辻有一
- プロデュース - 中井良彦、石丸彰彦
- 協力プロデューサー - 武藤淳
- AP - 川口舞
- 製作著作 - TBS
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
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第1話 | 10月11日 | 三億円事件〜昭和最後の謎!! 45年前の完全犯罪に悪徳刑事が挑む…犯人は生きていた |
渡瀬暁彦 | 12.0% |
第2話 | 10月18日 | ニセ警官の決着! | 山本剛義 | 11.2% |
第3話 | 10月25日 | 三億円犯人の顔 | 平川雄一朗 | 9.2% |
第4話 | 11月 | 1日ニセ警官の逃避行 | 大澤祐樹 | 9.1% |
第5話 | 11月 | 8日警察の真実暴露! | 渡瀬暁彦 | 7.2% |
第6話 | 11月15日 | 少年Sは、お前だ | 岡本伸吾 | 8.8% |
第7話 | 11月22日 | 燃える三億円! | 山本剛義 | 9.1% |
第8話 | 11月29日 | 三億円現れる! | 渡瀬暁彦 | 9.9% |
第9話 | 12月 | 6日三億円事件全真相 | 武藤淳 | 8.0% |
最終話 | 12月13日 | 完結〜三億円燃ゆ | 渡瀬暁彦 | 10.5% |
平均視聴率 9.6%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
特記
通常ドラマのエンディングに流れるテロップは『このドラマはフィクションです』だが、当ドラマは実在の未解決事件を扱っていることから『このドラマは一つの仮説である』となっている。
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TBS系 金曜ドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
なるようになるさ。
(2013.7.12 - 2013.9.20) |
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(2013.10.11 - 2013.12.13) |
夜のせんせい
(2014.1.17 - 2014.3.21) |
1989年 - 1994年 |
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