グリンゴ
以下はWikipediaより引用
要約
『グリンゴ』 (GRINGO) は、手塚治虫による日本の漫画。『ビッグコミック』(小学館)にて1987年15号(8月10日号)より1989年2号(1月25日号)まで連載され、作者の死去により未完となった。
概要
主人公・日本 人(ひもと ひとし)を通して、高度経済成長期の商社に仕えるサラリーマンの姿、異国から見た日本人像を描き「日本人とは何か」を問うた社会派サスペンス漫画。
タイトルの「グリンゴ」 (Gringo) にはスペイン語で「よそもの」という意味がある。グリンゴの語源は諸説あるが、スペイン語でギリシャやギリシャ人をさすGriegoから転じたという説が強く(要するに外国なまりが強いスペイン語を話す奴ら、聞き取れないスペイン語を話す奴らという蔑称)、現在ではおもに北アメリカ、カナダ、アメリカ合衆国の白人たちを指した蔑称である(ただし、白人のみとは限らず北米の黒人を指すこともあり、動画で北米の黒人のスペイン語を例えにグリンゴと揶揄されているものがある。さらに国や地域によっては、先進国の人たち一般を指すこともある。例えば Gringo Japones など)。
大人向けの漫画ということで、やや過激な描写も見られる。
『ルードウィヒ・B』『ネオ・ファウスト』と共に手塚の遺作となった漫画の一つである。手塚の胃癌が進行していく最中にも描き続けられ、最後の6回はすべて病院のベッドの上で描かれたものである。講談社版『手塚治虫漫画全集』の『グリンゴ』の巻末には、かつての手塚治虫の似顔絵とは似ても似つかない、骨と皮だけのようなガリガリの状態で本作を描き上げている様子が自身の漫画で描かれている。
田中圭一によるリメイク作品『グリンゴ2002』が2002年、『トラウママンガマガジン』(英知出版)創刊号に掲載された。
あらすじ
時は1982年。南米の商業都市カニヴァリアに主人公・日本人は支社長として赴任する。会社への厚い忠誠心を持った日本であったが、社内での政変によって恩人の専務が失脚、日本も僻地エセカルタに左遷される。自分を貶めた常務派やカニヴァリア副支社長の熊谷への恨みもあって、日本はこの南米の排日感情の強い発展途上国で一攫千金を目指し、鉱山の開発に着手する。ゲリラの協力と稀な幸運でレアメタルの鉱脈を突き止めた日本であったが、その2年後の1984年、政府軍がゲリラを鎮圧し、日本らは逃避行を強いられることになる。果たして日本らの運命は……?
主な登場人物
日本 人(ひもと ひとし)
アントニオ・アルバレス
影山
ホセ・ガルチア
戸隠 美穂(とがくし みほ)
サブタイトル
モデル
- 作中で後天性免疫不全症候群(エイズ)について触れられている箇所があるが、手塚プロダクションは巻末で「この認識については現在の科学的知見とやや異なっている場合があります」とコメントしている。
- 公式サイトによると、作中で日本がゲリラに誘拐される事件は、1986年フィリピンで起きた三井物産マニラ支店長誘拐事件をモデルにしているという。ちなみにこの事件の被害者男性は、手塚治虫と同じ1989年2月9日に亡くなっている。
単行本
- ビッグコミックス『グリンゴ』(小学館) 全3巻
- 手塚治虫漫画全集『グリンゴ』(講談社) 全3巻
- 小学館叢書『グリンゴ』(小学館) 全2巻
- 小学館文庫『グリンゴ』(小学館) 全2巻
- 手塚治虫文庫全集『グリンゴ』(講談社)全2巻