コミック昭和史
以下はWikipediaより引用
要約
『コミック昭和史』(コミックしょうわし)は、水木しげるによる日本の漫画。単に『昭和史』と表記されることもある。
概要
1988年11月から1989年12月にかけて、講談社より全8巻構成で出版された書き下ろし作品。1994年に文庫版、2015年に『水木しげる漫画大全集』から全4巻が出版された。
ねずみ男を狂言回しに、昭和の出来事を振り返りながら自身の半生を描いている。砂かけ婆、子泣き爺も途中から狂言回しに加わり、鬼太郎、目玉おやじ、猫娘、ぬりかべ、ぬらりひょんらも要所で姿を見せる。
水木しげるの軌跡はそのまま昭和史に重なっており、実体験から知る当時の流行や庶民の生活なども描かれている。また、水木は太平洋戦争の場面になると、どうしても力が入ってしまうと述べており、特に多くのページを費やしている。本作品に対しては「戦争で死んだ人への鎮魂を込めた自分史」とも述べている。
本作は1989年(平成元年)に第13回講談社漫画賞(一般部門)を、2015年(平成27年)にはアイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞した。また、2013年に英語版、2017年には台湾版が出版された。
各巻の概要
第1巻 関東大震災〜満州事変
第2巻 満州事変〜日中全面戦争
第3巻 日中全面戦争〜太平洋戦争開始
第4巻 太平洋戦争前半
第5巻 太平洋戦争後半
第6巻 終戦から朝鮮戦争
| 年 | 主な出来事 | 水木しげる自伝 | 
|---|---|---|
| 1945年(昭和20年) | 広島市への原子爆弾投下 長崎市への原子爆弾投下 玉音放送により終戦が告げられる。 GHQによる戦後改革。  | 
野戦病院へ移る。 現地人のトライ族との交流が始まる。 終戦により現地除隊を望むが断念。  | 
| 1946年(昭和21年) | 極東国際軍事裁判 日本国憲法公布。  | 
復員。腕の再手術で相模原病院へ。 順番待ちで長期間病院で暮らし、 その間に米の買出し等を行う。 武蔵野美術学校へ入学。 魚屋、輪タク業などを営む。  | 
| 1947年(昭和22年) | 日本国憲法施行。 | |
| 1949年(昭和24年) | 下山事件、三鷹事件、松川事件発生。 | |
| 1950年(昭和25年) | 朝鮮戦争開戦。 | 神戸の「水木通り」で家を購入。 住人のつてで紙芝居画家になる。  | 
| 1951年(昭和26年) | ||
| 1957年(昭和32年) | 紙芝居が衰退。 活路を見出すべく上京。  | 
第7巻 講和から復興
| 年 | 主な出来事 | 水木しげる自伝 | 
|---|---|---|
| 1951年(昭和26年) | サンフランシスコ講和条約調印。 日米安保条約調印。  | 
|
| 1955年(昭和30年) | 社会党再統一 保守合同し自由民主党が成立。  | 
|
| 1957年(昭和32年) | 『ロケットマン』を描き、貸本漫画家へ。 調布に家を購入。  | |
| 1959年(昭和34年) | 岩戸景気が以後3年続く。 皇太子が正田美智子と結婚。 安保闘争  | |
| 1961年(昭和36年) | 結婚。極貧生活のなか長女誕生。 | |
| 1964年(昭和39年) | 米国がベトナム戦争へ参戦。 東京オリンピック開催。  | 
『ガロ』で雑誌デビュー。 | 
| 1965年(昭和40年) | いざなぎ景気が始まる。 | 『テレビくん』が講談社児童漫画賞受賞。 『ゲゲゲの鬼太郎』等が始まり多忙期へ。  | 
| 1967年(昭和42年) | 好況の一方で公害が問題になり、 公害対策基本法公布。  | |
| 1968年(昭和43年) | 三億円事件 | |
| 1969年(昭和44年) | 東大紛争 | |
| 1970年(昭和45年) | 元上官と共に戦場だった南方を訪問。 ラバウルにも行き、現地人と再会する。  | 
第8巻 高度成長以降
| 年 | 主な出来事 | 水木しげる自伝 | 
|---|---|---|
| 1970年(昭和45年) | 日本万国博覧会開催。 よど号ハイジャック事件 三島事件  | 
多忙期の心象風景。  アシスタントの話など。  | 
| 1971年(昭和46年) | 円ドル相場が変動相場制へ。 | |
| 1972年(昭和47年) | あさま山荘事件 沖縄返還  | |
| 1973年(昭和48年) | 石油ショックから狂乱物価へ。 | |
| 1976年(昭和51年) | ロッキード事件 | |
| 1979年(昭和54年) | 第二次オイルショック。 | |
| 1980年(昭和55年) | 金属バット事件 | 南方を始め、世界中を旅行。 多くの妖怪画を描き始める。 父、死去。 鬼太郎再ブーム。  | 
| 1984年(昭和59年) | グリコ・森永事件が翌年まで続く。 | |
| 1985年(昭和60年) | 日航ジャンボ機墜落事故 | |
| 1986年(昭和61年) | チェルノブイリ原子力発電所事故 | |
| 1987年(昭和62年) | 大韓航空機爆破事件 | |
| 1988年(昭和63年) | リクルート事件 | |
| 1989年(平成元年) | 昭和天皇崩御。平成に改元。 | 近所の寺に自分の墓を作る。 『コミック昭和史』が講談社漫画賞受賞。  | 
主な登場人物
括弧内の数字は登場巻数。
- 水木しげる(1 - 8)
 - のんのんばあ(1、2) - 幼少期、家にお手伝いに来ていたお婆さん。
 
家族・親族
- 父・亮一(1 - 8)
 - 母・琴江(1 - 8)
 - 兄・宗平(1 - 6、8)
 - 弟・幸夫(1、2、6 - 8)
 - 祖父・辰司(1 - 3) - バタビヤで印刷会社を興す。
 - 親類・彦一(1 - 3) - 辰司の人員募集に応じバタビヤに渡った。
 - 妻(7、8)
 - 長女(7、8)
 - 次女( 8 )
 
戦争・南方
- 赤崎( 4 ) - 戦友。入営以来の仲。
 - 小林(3、4) - 戦友。体が弱い。
 - 境田( 4 ) - 同郷の戦友。
 - 成瀬少佐(4、5) - 玉砕命令を出す。
 - 児玉中隊長(4、5) - 玉砕命令を拒否。
 - 宮軍曹(5、7、8) - 上官。戦後、一緒に南方を訪問する。
 - トペトロ(6、7、8) - ラバウルの現地人。戦後も付き合いが続く。
 - エプペ(6、8) - ラバウルの現地人。人妻。
 
同僚・知人
- 鈴木勝丸(6、7) - 紙芝居説明にかけては日本一と言われる。
 - 加太こうじ(6、7) - 紙芝居の大家。
 - 田辺一鶴( 7 ) - 講談師。水木の紙芝居制作を手伝う。
 - 桜井昌一( 7 ) - 東考社で『悪魔くん』を発行。
 - 長井勝一( 7 ) - 漫画雑誌の『ガロ』を創刊する。
 - つげ義春( 7 ) - 漫画家。一時アシスタントを務める。
 - 池上遼一( 7 ) - 漫画家。一時アシスタントを務める。
 - 白土三平( 7 ) - 漫画家。
 - 豊川( 7 ) - アシスタント。
 - 鈴木( 8 ) - 岐阜県出身のアシスタント。
 
関連作品
- のんのんばあとオレ - 少年時代の体験を基にした自伝。
 - 総員玉砕せよ! - 戦争体験を基にした戦記漫画。
 - ボクの一生はゲゲゲの楽園だ - 『コミック昭和史』より世界情勢などの記述を大幅に削り、自身や身内を中心に新たに加筆再構成した自伝漫画。平成以降のエピソードも加筆されている。文庫版は『完全版 水木しげる伝』。
 - ゲゲゲの女房 - 妻・武良布枝の自伝。一部のエピソードが重なる。2010年にテレビドラマ化。
 
書誌情報
全て講談社からの発行。
- 講談社コミックス、全8巻
 
- 講談社文庫、全8巻
 
- 水木しげる漫画大全集、全4巻
 
参考書籍
- 『コミック昭和史』第1巻〜第8巻(講談社文庫)
 
| 代表作 | |
|---|---|
| 貸本漫画 | |
| 雑誌連載 | |
| 描き下ろし | |
| 短編 | 
| 1980年代 | |
|---|---|
| 1990年代 | |
| 2000年代 | |
| 2010年代 | |
| 2020年代 | 
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