ゴーメンガースト
以下はWikipediaより引用
要約
『ゴーメンガースト』 (Gormenghast) は、イギリスの作家マーヴィン・ピークのゴシック・ファンタジー小説である。また、その舞台となる架空の城の名前でもある。
概要
シリーズは『タイタス・グローン』 (Titus Groan, 1946) 、『ゴーメンガースト』 (Gormenghast, 1950) 、『タイタス・アローン』 (Titus Alone, 1959) の三部作とされる。中篇「闇の中の少年」 (Boy in Darkness, 1956) は、タイタスの名に言及してはいないが設定を共有している。このシリーズは一般的に「ゴーメンガースト三部作」と呼ばれるが、『タイタス・アローン』にはゴーメンガースト城は登場しない。実際、ピークが書こうとしたのは主人公タイタス・グローンの伝記であって、ゴーメンガースト城の歴史ではなかった(原書の初期の版のタイトルは「タイタスの書」だった)。
ピークはタイタスのその後と城との関わりを書き続けようとしていた。シリーズは少なくともあと2冊(仮題Titus Awakesおよび 'Gormenghast Revisited' )が予定されていたが、ピークの健康上の問題のため、書かれたのは未完成の数章と覚え書きだけだった。話としてまとまっているのは 'Titus Awakes' のわずか3ページで、三部作のOverlook Press版 (ISBN 0-87951-628-3) に収録されている。
1970年代には、ピークの未亡人メーヴ・ギルモアは、ピークの遺稿を元に彼女の独自の『タイタス・アウェイクス』( 'Titus Awakes' )を執筆していた。ピークの遺族は2009年この小説を再発見し、2011年に出版された。
ゴーメンガースト城
ゴーメンガースト城は、中世の城の側面と摂政時代のイギリスの大邸宅の側面を併せ持っている。しかし実際には小規模の都市国家のようなものであり、城とその周辺のごく限られた地域だけで閉ざされた世界を形成している。西翼に重要な建物が集中しているとされるが、世代ごとに増築がされ、四方に不似合いな建物が多数つけ加えられている。城内には書庫、大台所、彫刻保管用の広間、食堂、学校などさまざまな施設があるが、その他にも隠し部屋や秘密の通路などが無数に存在し、城の住人でさえ全容を把握してはいない。海外ではゴーメンガースト城は無秩序な広がりを持つ大型建造物の代名詞となり、ほかのフィクションでも引き合いに出されることがある。
ゴーメンガースト城の日常生活においては、儀式が重要な役割を果たす。これはとりわけ伯爵に関して顕著で、伯爵はゴーメンガーストの伝統の不透明で難解な教義を厳守することに日々多くの時間を割くよう定められている。このゴーメンガーストの厳格な法に対するタイタスの畏れと反抗は、シリーズの重要なテーマのひとつになっている。
七色の彫刻の広間 (The Hall of the Bright Carvings)
踊り場
八角部屋
猫の間
西翼
フューシャの部屋
フレイの部屋
コーラとクラリスの部屋
石の広間
書庫
灰色の控えの間
テラス
遊び部屋
涼しの間
使用人の中庭
プルーンスクワラー邸
火打ちの塔
煙突
中央書庫
学校
敷石の原
武器庫
地衣砦
大台所
墓所
秘密の地下道
城壁の門
〈外〉の街
主要な登場人物
伯爵家
タイタス・グローン (Titus Groan)
セパルクレイヴ (Sepulchrave)
ガートルード (Gertrude)
フューシャ (Fuchsia)
その他のゴーメンガースト城の住人
スティアパイク (Steerpike)
フレイ (Flay)
アルフレッド・プルーンスクワラー (Dr. Alfred Prunesquallor)
バーケンティン (Barquentine)
ベルグローヴ (Bellgrove)
灰色磨き (gray scrubbers)
城壁の外側にいる住民
七色の彫刻師 (Bright Carvers)
あらすじ
日本語訳書
- Titus Groan (1946). 『タイタス・グローン』 浅羽莢子訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1985年。 - 序文はアントニー・バージェス、解説は荒俣宏。
- Gormenghast (1950). 『ゴーメンガースト』 浅羽莢子訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1987年。
- Titus Alone (1959). 『タイタス・アローン』 浅羽莢子訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1988年。
- Titus Awakes (2011). 『タイタス・アウェイクス』マーヴィン・ピーク/メーヴ・ギルモア著 井辻朱美訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、2014年。
映像化作品
Gormenghast 『ゴーメンガースト』