漫画

サタノファニ


漫画

作者:山田恵庸,

出版社:講談社,

掲載誌:週刊ヤングマガジン,

レーベル:ヤンマガKCスペシャル,

発表期間:ヤングマガジン:2017年15号 - 2023年34号ヤンマガWeb:2023年9月6日 -,

巻数:既刊27巻,



以下はWikipediaより引用

要約

『サタノファニ』 (SATANOPHANY) は、山田恵庸による日本の漫画作品。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2017年15号から2023年34号まで連載された。その後『ヤンマガWeb』に移籍し、同年9月6日より連載中。

概要

作者が『イブニング』(講談社)で連載していた『DEATHTOPIA』の連載終了から4か月後に『週刊ヤングマガジン』へ移籍し、連載が開始された。無自覚のうちに凶悪殺人を犯して孤島の女子刑務所へ収容された普通の女子高生をヒロインとして、少女ばかりの受刑者たちとの物語が描かれる。

青年誌ならではのグロテスク描写やセクシー描写は『DEATHTOPIA』に続いて本作にも盛り込まれている。公式サイトに「サスペンス×エロス×ヴァイオレンス」と掲げており、『DEATHTOPIA』では避けられていた直接的な描写が盛り込まれているほか、単行本化の際にページ単位で加筆している箇所もある。

公式Twitterによれば、作者は本作を1年以上前から企画していたそうである。なお、作者の過去作の登場人物が、名前や設定を一部変えつつスターシステムで主要人物などに登場している。

タイトル名の "satanophany" は古代ギリシア語に由来する英語の語句で、「悪魔憑き」を意味する。

プロモーション

第1話は、『週刊ヤングマガジン』春の5大新連載攻勢第1弾として2017年15号電子書籍版の表紙+巻頭カラー62ページという待遇での開始を経て、『ヤングマガジン』公式サイトで無料公開された。その後、本作と岡本倫の『パラレルパラダイス』(2017年16号 - )の新連載を記念し、小田急線、西武線、東武本線南部、京急線、東武半蔵門線の各車両のドアやドア横には、2017年3月15日から同年4月10日まで両作品のダブルイラストステッカーが貼られた。

2018年3月6日には、本作と『パラレルパラダイス』と蘇募ロウの『なんでここに先生が!?』の女性キャラクターを用いた3作品合同企画「ヤングマガジン出張グラビア カゲキ袋とじ企画」によるオールカラーグラビアが、単行本第4巻の初版限定としてフィルムパック内に投げ込みチラシ形式で挟み込まれた。

ストーリー

第1話 - 第6話
男女5人による強姦未遂を経て「メデューサ症候群」を発症し、彼らを惨殺した女子高生の甘城千歌は、収容先の羽黒刑務所で鬼ヶ原小夜子、カチュア・ラストルグエヴァ、切嶋カレン、槇村霧子、石動美依那、巴あや、真垣詩音、黒木洋子ら「メデューサ」と称される受刑者の少女8人と出会う。
千歌に小夜子は受刑者同士の殺し合いを語り、美依那はかつて収容されていた受刑者が精神に異常を来した後、何者かによって殺害されていたことを語る。その夜、電子錠で施錠中のはずが開錠されていたドアから外へ出た千歌は、昏倒している小夜子を発見する。そこに現れた美依那に絞殺されかけたうえ、カレンも現れたところで、千歌の意識は途絶える。
翌日、病室では千歌が昨夜の記憶の欠落に気づき、別の病室では昏睡中の小夜子のもとを所長の間久部が訪れる。
第7話 - 第15話
間久部が小夜子を凌辱する一方、女医の間久部香澄に首の絞痕は自傷行為によるものと説明されたうえ、精神安定剤と称した薬を飲まされた千歌は、自室から発見された紙切れを調査してミラーニューロンが鍵であることを知る。
1週間後の午前0時、千歌たち8人はメデューサ症候群を発症させられ、「第10次殺人実験」に出向く。唯一、千歌は完全な発症に至らないままカレンに負傷させられたうえ、そこに現れたカチュアにも負傷させられるが、完全な発症を迎えて逆襲に転じる。カチュアが一時撤退し、カレンが千歌との一騎打ちに挑む頃、別の場所では美依那とあやが渡り合い、洋子に静観される詩音が霧子を追い詰める。まもなく、「第10次殺人実験」は終了させられ、千歌たちは催眠ガスによって眠らされる。
翌日、香澄が千歌たちの負傷を昨夜に自殺した詩音によるものと偽る一方、千歌の兄の道隆が留学先から帰国する。
第16話 - 第24話
詩音の真相を知らない千歌のもとには退院した小夜子が現れるが、彼女の記憶の一部は香澄によって消去されていた。道隆が千歌の真相を求めて動き出す一方、堂島瀬里と堂島真希の入所を知った香澄は、千歌たちに植えつけた実在の殺人鬼の人格が本人の人格に影響を与え始めたことを確信する。
香澄が次の「殺人実験」の準備に入って3日後、船で千歌との面会に訪れた道隆は、夜中に潜水で再上陸する。所内では「第11次殺人実験」が開始され、千歌はカチュアの罠に弄ばれるも逆襲に転じ、小夜子はカレン・美依那・あやと対峙する。
再び交戦しかけた千歌とカチュアは瀬里と真希に介入され、千歌はカチュアを囮に用いて反撃に出る。小夜子は青酸ガスを用いて美依那の身体の自由を奪うが、息を止めていたあやと耐性を持つカレンに反撃される。
第25話 - 第33話
道隆はドローンを用いて所内を調査するが、「殺人実験」とは無関係の刑務官の西に発見される。千歌は霧子・洋子・瀬里と交戦し、小夜子に拘束されたカレンは逆襲に転じる。道隆は西と共に調査を続行するが、発症中の千歌の姿に驚愕する。
「第11次殺人実験」が急遽終了されてなお皆と共に発症中の千歌に殺害されそうになったうえ、「鬼ゴッコ」の標的として解放された道隆は、瀬里・美依那・小夜子・霧子による負傷に苦しみながら港へ向かう。先回りしていた千歌は道隆を殺害する直前で我に返り、発症を装って彼を脱出させる。一方、文経出版社では千歌の事件の真相を探ろうという動きが起こる。
行方をくらませた道隆は、千歌の事件を洗い直す過程で彼女の弁護士と羽黒刑務所の後ろ盾である五菱日本重工がつながっていたことを知る。1週間後、羽黒刑務所には間久部の手引きで男性の受刑者たち10人が収容される。
第34話 - 第42話
弁護士を調査中の道隆は五菱日本重工の刺客に襲われるが、文経出版社の女性記者の胡桃沢秋穂に救われる。一方、男性の受刑者たち10人が千歌たち10人の強姦に出向く中、香澄たちは強姦のストレスによるメデューサ症候群の発症と、発症による本来の人格への侵食を観察する。
自分から抱かれたカレン以外の9人が強姦を回避した後、島内の廃村を舞台として「第12次殺人実験」が開始される。千歌たち10人は男性の受刑者たち10人との交戦を命じられ、2人ずつに分かれて応戦する。道隆と共に「第11次殺人実験」を目撃した記憶を消されたはずが覚えていた西が広島市街で、秋穂と共に潜伏した道隆が東京都内でそれぞれ真実を公表するための策を練る中、相手にとどめを刺そうとしていた千歌は制止に現れた本来の人格とせめぎ合う。
第43話 - 第51話
霧子は発症の時間切れの危機に瀕するも覚醒し、千歌と平行して相手の殺害に成功する。そして、人格の融合が進んだ小夜子の銃撃を最後に男性側は全滅し、「第12次殺人実験」は終了する。
自分の中に殺人鬼の人格が存在することを自覚させられた千歌たち10人のうち、千歌に至っては摂食障害にすら陥るほど苦悩する中、東京拘置所を訪れて羽黒刑務所への収容が近い少女の二葉真央に面会した道隆は、次のメデューサ候補である女子高生の西園寺玲音のもとへ向かう。真央と同じ主治医の須藤による投薬や洗脳で発症を迎えつつあった玲音は、断続的な発症を経てついには親友を殺害しそうになるが、駆けつけた道隆に間一髪で制止されて我に返る。翌日、玲音の通う高校では先日の彼女の様子が知られており、親友にも避けられた玲音は愕然となる。
第52話 - 第60話
道隆は五菱日本重工の関係者を装い、須藤に接触する。玲音の洗脳作業中、彼女の傍で自信満々と本性を明かす須藤に対し、道隆の指示で服薬を止めていた玲音は須藤に怒りの飛び膝蹴りを見舞う。須藤を脅迫し、彼の師匠の内田篤に会う算段をつけた道隆は、殺人鬼と化さずに済んだ玲音の回復を信じる一方、西を介して千歌へ手紙を送る。
五菱日本重工は、用済みとなった暴力団の天童組の排除と千歌たち10人の実戦テストを兼ね、組長の水野智己をはじめ主だった組員たち35人が乗船中のクルーズ船に、ワンナイトクルーズへの招待を偽って千歌たち10人を乗船させる。その夜、千歌たち10人は千歌が小夜子に変装するなどの策を講じ、天童組の排除に取りかかる。カチュアは幹部の1人である難波一輝を殺害するが、それに際して自分たちの情報が天童組に漏洩していたことを知り、裏切り者の存在を疑う。
第61話 - 第69話
幹部たちにわざと捕らえられて水野のもとに赴いた千歌は、ふとしたことから正体が露呈したために襲撃へ転じ、小夜子や美依那と共に彼らを追い詰めるが、幹部の1人である烏丸勇一郎による反撃に一旦撤退を余儀なくされる。逃げ切れなかった小夜子が水野たちによる拷問に苦悶していく中、霧子・あや・洋子・瀬里・真希は想定外の反撃に苦戦させられていく。
カチュアはカレンを裏切り者と判断するも情報漏洩は香澄の不手際によるものだったことが判明し、カレンの疑いは晴れる。洋子は幹部の1人である谷祐二から求婚されていたところにカレンとカチュアが救援に現れたことをきっかけに襲撃へ転じるが、彼女たち3人の攻撃はすべて谷に弾かれていく。一方、霧子が幹部の1人にして男の娘である流動仁奈を自分側へ寝返らせたことを知った千歌は、改めて水野の抹殺と彼らによるさらなる拷問に苦悶中の小夜子の救出を決意する。
第70話 - 第78話
洋子はカレンとカチュアの奇襲による隙を突いて谷の殺害に成功するが、彼が遺した言葉でかつての人間らしさを取り戻し、号泣する。あやが幹部の1人である不動勇気への反撃に転じて彼を殺害した後、瀬里と真希も幹部の1人である滝川浩を殺害するが、脱獄を目論む彼女たちは香澄の居所を探る。一方、水野による浣腸で脱糞させられた小夜子のもとへは仁奈が現れ、水野と烏丸を美依那と霧子のもとへ連れ出して彼女たちに襲撃させ、千歌に小夜子を救出させる。
千歌は小夜子を抱えて香澄のもとへ急ごうとするも船内を直行できず、救命ボートへ一旦潜伏すると小夜子の思いに応えてわずかな安らぎを得るが、そこに現れた幹部の1人である神崎京子に苦戦を強いられ、血の泡を吐かされるまで追い詰められた結果、香澄の求める完全な殺人鬼の人格に覚醒する。
第79話 - 第88話
千歌は小夜子との奇策も用いて神崎を感電による気絶に追い込み、海へ転落させる。美依那と霧子のもとへあや・瀬里・真希・カレン・カチュアも加わっての猛攻は、きわめて頑強な肉体を誇る水野と人間離れした身体能力を持つ烏丸にすべてしのがれて圧倒されたうえ、そこに現れた生き残りの幹部たちとも戦闘となる。しかし、もはや一般客たちによる目撃も気にしない激戦の果てに千歌と小夜子も駆けつけたことから、幹部たちは谷に恋慕する楊紅花を除いて全滅する。
船内の各所では、幹部たちの無残な死体を発見した一般客たちがパニックを起こし始める。そんな中、水野との最終決戦に臨んだ千歌は、それまで美依那たちが彼に積み重ねていたダメージがようやく目に見える形で響いたことも重なり、小夜子たちに見守られながら辛勝を収める。
第89話 - 第97話
水野の死と平行し、発症切れを迎えていた瀬里と真希は香澄を急襲するが、瀬里と真希を失敗作と断じた香澄はクルーズ船の証拠隠滅を兼ねた爆破を前倒しし、仁奈・神崎・楊は一般客たちに混じって脱出する。香澄の命令で瀬里と真希を追い詰めた千歌たちは香澄の非道な言動に憤慨して彼女を拘束し、脱出中に瀬里と真希の脱獄を成功させようと反逆する。そのことを知った五菱日本重工は、発症切れを迎えつつある千歌たちに特別機動警備隊を差し向ける。
やがて大阪港に到着し、瀬里と真希を見送ろうとする千歌たちの前に、特別機動警備隊が立ち塞がる。それに先駆けて発症切れを迎えていた千歌たちは抵抗の果てに拘束されるが、瀬里と真希を脱獄させることには成功する。瀬里と真希は新大阪駅から一旦新神戸駅へ向かうことによって特別機動警備隊の追跡を振り切り、改めて名古屋へ向かう。
第98話 -
名古屋に到着するも再会した父の明に死を望まれ、遺族たちに命を狙われた瀬里は、同じく窮地に陥った真希を守って殺人鬼の人格に身を委ね、死亡する。真希は孤独な逃亡生活に入り、道隆のもとには西から連絡が入る。道隆が真希と内田の行方を追い、新興宗教団体の真聖教団へ向かうも連絡が途絶えて1か月後、事態の急変に決意を新たにする西や真聖教団を警戒する五菱日本重工を余所に、負傷や懲罰房から復帰した千歌たち8人は束の間の刑務作業に勤しむ。
2か月後、特別機動警備隊は真聖教団の本拠地である神無村の甲州九龍城を訪れるが、「野良メデューサ」と称される友坂えり、桜川円、根津遊理ら3人やその同志となっていた真希による奇襲に遭い、壊滅させられる。さらに1か月後、神無村の学校へ千歌と小夜子は「転入」するが、それは彼女たちの母や姉を偽って甲州九龍城へ潜入した美依那や霧子と同じく、野良メデューサの全滅を狙う香澄の命令によるものだった。一方、東京拘置所では真央が真希に射殺され、横浜では玲音が野良メデューサの1人・犬養ひよ里に襲撃されるも親友に救われる。甲州九龍城にて真希が次の儀式に備えての断食に励む中、民家にて周囲を警戒しながら日常生活に入った千歌・小夜子・美依那・霧子はひよ里に急襲され、千歌は即座に発症してひよ里を圧倒するが、変装したまま彼女に圧倒される美依那の姿に千歌は動揺し、ひよ里に殴打されて拘束される。

登場人物
羽黒刑務所
女性受刑者
生存者

甘城千歌()

本作の主人公兼ヒロイン。スリーサイズは90(Fカップ)・59・88、血液型はO、パーソナルナンバーはLB0009。
物語開始の半年前までは常磐学園()の「ミス常磐学園」に輝くほどの女子高生だったが、アルバイト先の先輩である男女5人による強姦未遂に遭った際にメデューサ症候群を発症し、その場にあった物品で彼らを惨殺したため、無期懲役の判決を下されて羽黒刑務所の受刑者となる。
学校では午前の授業終了30分前から学食でラーメン5杯を食べてなお、昼休みにも教室でランチジャーの昼食を食べるほどの大食いであるが、まったく太らない体質にして巨乳であるため、級友たちには羨望の的にされていた。また、5年前に見せた共感性の高さは、現在でも道隆の記憶に色濃く残っている。それゆえ、後述の完全覚醒後には小夜子との同性愛に目覚めて初めてのセックスに至ったうえ、その後のカヤックフィッシング中に流れ着いた島では本来の人格でも彼女の思いに応える形でセックスに耽っており、さらにその後も小夜子と本来の人格で何度ものセックスに耽るようになり、完全な恋人同士となっている。
幼少時からバレエを習っていたこともあり、身体の柔軟性はきわめて高い。一方、ゴキブリを苦手としている。
「スイッチ」は、常磐学園の制服。口調が不敵な男言葉に変化し、近場のものを武器として用いるほか、相手の首筋に噛みつくことも辞さないなど、臨機応変な戦法を取る。「ベース」はヘンリー・リー・ルーカス。対天童組戦で神崎に追い詰められた際には発火率100%の完全な覚醒を迎え、彼女はおろか小夜子をも戦慄させるルーカスの人格による策で神崎を気絶させ、海へ転落させている。また、水野との最終決戦では「第10次殺人実験」の際にもカチュアやカレンに見せたバレエゆえの動きで、彼を翻弄している。覚醒した直後の堂島姉妹の逃亡ほう助の際には薬が切れたことで夜人格の力を出せなくなっていたが、対真聖教団戦からは発火薬を必要としなくなっており、ひよ里による急襲に際して彼女の殺気を感じただけで覚醒し、応戦している。
真聖教団のアジトに乗り込み、教団と交戦するが、しぐまに動きを読まれて敗北。小夜子やカレンと共に拘束され、目の前で小夜子がしぐまに犯されたことでしぐまに復讐を誓う。
石動美依那()

千歌よりも少し前に入所した受刑者。スリーサイズは84(Eカップ)・55・82、血液型はA、パーソナルナンバーはLB0004。少なくとも児童3人を絞殺し、川に遺棄した。マスコミには「河畔の絞殺魔」()と称されている。
平時か発症時に関係なく手先の器用さや要領の良さが散見されており、特に前者は発症時において「ミイナマジック」と称する糸による操演、早着替えによる脱出、相手の武器を掠め取っての反撃、頭頂から四肢まで全身を覆い隠す肉襦袢状の変装などに用いられている。
「スイッチ」は、十字架付きのネックレスやナイフを備えたマッドピエロ姿。また血によるフェイスペイントを施すこともある。対天童組戦では手錠やチェーンも用いているが、その際には「フーディーニでも抜けられない」と豪語している。「ベース」は、ジョン・ウェイン・ゲイシー。
なお、山田のTwitterによれば、連載開始前の設定では貧乳かつ小柄だったが、諸般の事情で巨乳になって身長も少し伸びたほか、一般誌ではロリはまずいだろうとの判断や、当時の担当編集者の好みだったという。また、女性受刑者では最年少であるという。
巴あや()

受刑者の1人。スリーサイズは78(Aカップ)・56・82、血液型はA、パーソナルナンバーはLB0005。斧やナイフで20人以上を殺傷した「日向村()皆殺し事件」の犯人であり、犯行以前には村人たちによる迫害や暴力に晒されていたことが、台詞の端々から示唆されている。
平時は無口であり、刑務作業時以外は大浴場や大食堂での悪戯にも参加しないなど、他の受刑者たちと距離を置いている。しかし「殺人実験」の際にはミラーニューロンの活動域が最高値を記録する「天才」ぶりを発揮するほか、常人をはるかに上回る身体能力や剣術を発揮する。身体能力については平時においても相当に高い。しかし、円との一進一退の戦いで隙を突かれ敗北し、しぐまに捕まったカレン共々五菱の支配から解放される。
他の受刑者たちより貧乳であることを平時から気にしており、発症中にはそのことを挙げる相手に逆襲する姿も見られる。
「スイッチ」は、額に鉢巻を締めた特攻服(多くの場合前を留めておらず、また暗所では鉢巻きにライトを差している)。日本刀を主な武器とするが、「第12次殺人実験」以降では鉈も装備した二刀流で戦う事もある。「ベース」は、都井睦雄。
鬼ヶ原小夜子()

受刑者の1人。受刑者たちの雑役夫でもある。スリーサイズは78(Bカップ)・54・82、血液型はA、パーソナルナンバーはLB0003。ロングヘア(対天童組戦以降はショートヘア)にヘアバンドが特徴。高学歴の女性ばかりを殺害して脳を奪った連続殺人犯であり、マスコミに「東京女子大学生連続殺人事件」と称された犯行当時、女子高生ゆえに名前は「少女A」と伏せられていたが、まもなくインターネット上へ流出して騒動となったため、千歌にも入所前から存在を知られている。幼少時に両親を亡くして遺産を相続したうえ、その1つである土地が高く売れたため、金銭にはまったく困っていない。
レズビアンであり、千歌のことは当初から気に入っている。当初こそ熱烈な思いは道隆へのブラコンを抱える千歌の本来の人格に戸惑われていたが、ルーカスの人格の影響を受けた彼女の別人格には馴染まれていき、対天童組戦の最中には救命ボート内でのセックスを経て受け入れられ、恋人関係となって人格の融合が進んだ対真聖教団戦の時点では空き時間や就寝前のセックスが日常化するまでに至っている。
真聖教団のアジトに乗り込み交戦するが、千歌やカレンと共に拘束されて衣服を剥ぎ取られ、「信者になってもらう」という口実のもと、千歌の目の前でしぐまに犯された。
「スイッチ」はナチス・ドイツの軍服姿、「ベース」はヨーゼフ・メンゲレ。
カチュア・ラストルグエヴァ

受刑者の1人。スリーサイズは93(Gカップ)・60・91、血液型はB、パーソナルナンバーはLB0006。ロシア人とのハーフ。出会い系で会った男性を次々に殺害していたことから、マスコミには「ワンナイトキラー」と称されている。なお、第21話での本人の言では、実際の被害者には女性も含まれていた様子。その性への奔放さは男性との戦闘にも役立っており、幸太郎や難波を殺害する際にはそれぞれの油断を誘うと同時に、自身の欲求不満を解消している。
「スイッチ」は、パパーハをかぶったケープ付きコート。両太腿に装着したレッグホルスターには(対天童組戦では胸の谷間にも)くない似の片刃となっている小型ナイフを多数忍ばせており、それらを用いての待ち伏せや騙し討ちを得意とする。「ベース」はアンドレイ・チカチーロ。
外見、名前と裏腹に京都生まれの京都育ちであり、京言葉でしゃべる。第32話での船釣りの際には、瀬里の釣り上げたサバの生き腐れを防ごうとその首を千歌に折らせ、幼少期から鯖折りを体験済みであることを明かしている。また、第104話のカヤックフィッシングであやと同船した際には、京都の海沿いの田舎町にて育ったこと、ロシアンパブのホステスだった母は自分を出産してすぐにロシアへ帰国したこと、幼少時はよくいじめられて泣いて帰ると父がよく釣りに連れていってくれたこと、中学生になってからは容貌が母に似てきたことから父に日々強姦されていたこと、そして16歳の時に父を殺害したことを明かしている。
作者の山田は「最も好きなキャラ」について、「凄く使いやすい」という理由からカチュアを挙げている。
切嶋カレン()

受刑者の1人。スリーサイズは94(Gカップ)・62・96、血液型はA、パーソナルナンバーはLB0001。元はローラの源氏名で雑誌で紹介された事もある人気風俗嬢。気に入った男性の眼球を収集していたため、マスコミには「眼球収集者」と称されている。
「スイッチ」は全裸に直のボンデージ姿。ハサミや鎖のほか、棘付きの鞭を用いる。また、「第11次殺人実験」では小夜子の用いた青酸ガスを吸ってもすぐに反撃できた理由が、かつてのキメセクによる耐性であることを告白している。「ベース」はアルバート・フィッシュ。棘付きの鞭を用いる戦法もフィッシュの人格の影響によるものであり、「第10次殺人事件」では発症前の千歌を負傷させて鞭から滴る彼女の血液を飲む、千歌の柔らかそうな肉への食欲といったサディズムやカニバリズムを見せた一方、発症後の千歌によるフィストファックへの期待といったマゾヒズムを見せている。
なお、フィッシュの人格の影響で人体の限界を超える体力(特に男性の首をひねり折るような腕力)を発揮することができ、筋繊維が切れる痛みは快感に変換することで耐えている。一方、肉体の強度は平時のままであることから、第14話では千歌の肘打ち、第68話では谷の肘打ちでそれぞれ肝臓を強打され、快感に変換しきれず苦悶している。最初の襲撃で千歌と小夜子を逃がす殿となって、しぐまに捕まり法悦を受け肉体が衰弱し、円に敗北したあや共々五菱の支配から解放される。
槇村霧子()

受刑者の1人。通称はキリコ。スリーサイズは88(Eカップ)・57・89、血液型はB、パーソナルナンバーはLB0007。人気バンド「クロニクル」の元ヴォーカル「KIRIKO」として知られていたが、ファンを6人絞殺した。
生前の詩音ほど露骨ではないものの普段から欲求不満を訴えていたが、実際は仁奈に犯されるまでは処女だった。バンド活動が軌道に乗るまではさまざまなアルバイトに励んでおり、ブリシャブパーティーの際には魚屋での経験を生かした技能を見せた。
「スイッチ」はステージ衣装。ギターを殴打に用いるが、本当の武器は弦に仕込んだ鋼鉄のピアノ線(対天童組戦以降は超高分子量ポリエチレン)によるワイヤーソーであり、ギターを振ることで投げられたこれを捕縛や切断に用いる。「ベース」はボストン絞殺魔事件で知られ、また軍ボクシングのチャンピオンでもあったアルバート・デサルボ(英語版)。彼の人格を同じく植えつけられた詩音と違って経験が無いにもかかわらず、「第12次殺人実験」では適合率で彼女を大きく上回ったうえ、覚醒後に州チャンピオンだったというフロイドをボクシングで圧倒している。それ以降はボクシングによる近接戦闘も見せるようになった。また夜の記憶が消されなくなってからはトレーニングルームで鍛えるようにもなる。
なお、山田のTwitterによれば、女性受刑者では最年長であるという。また、企画段階から「ベース」はデザルボだったが、当時の姓は卜部()だったという。
黒木洋子()

受刑者の1人。スリーサイズは90(Fカップ)・60・90、血液型はAB、パーソナルナンバーはLB0008。セミロングヘアにチョーカーが特徴。千歌の入所時点での9人中唯一、ヒゲ爺も罪状を知らないうえ、事件の報道も無かった。なお、魚は流石に捌けないが出汁の用意を担当するなど料理は好きであることや、バレーボール対決では学生時代はバレーボール部だったこと、甘いものも好きであることを明かしている。口数はあまり多くないが人当たりやノリは良く、性技も含めて上手に立ち回っている。
「スイッチ」は、髑髏マーク入りベレー帽をかぶった迷彩服。トレンチナイフを用いての急襲を得意としている。「ベース」は、アーサー・ショウクロス(英語版)。
実は羽黒刑務所の設立以前からC国で活動していた職業凶手であり、当時の香澄がメデューサ症候群の研究を進めるために五菱日本重工に集めさせた、殺人を躊躇しない名無しの子供たちの1人だった。現在の名前も、自分を育て上げた「機関」によって着けられた識別用のチョーカーの色にちなむ通称「黒」()から転じた偽名に過ぎず、本名は不明である。まもなく、ミラーニューロンの活性化とマーダーモデルへの反応を示した唯一の成功例としてショウクロスの人格を植えつけられ、日本の高校に通わされた。その後友人だけを殺害するようになったが遺体を完璧に処理したために犯行は明らかにならず、香澄が無期懲役の記録を偽造して収容させたという。
自動車の運転技術も優れており、対天童組戦での谷による重傷を経て人間らしさを取り戻した後、香澄による応急処置を受けただけの満身創痍の身を押して堂島姉妹の脱獄に加担した際には、羽黒特別機動警備隊のマイクロバスを強奪したうえでドリフト走行による体当たりすら行なっている。
堂島真希()

詩音の死後、姉の瀬里と共に入所した受刑者。スリーサイズは90(Hカップ)・57・88、血液型はA、パーソナルナンバーはLB0010。関東一円の若い女性たちを次々と襲い、彼女たちの顔を至近距離からスラッグ弾で破壊した「フェイスレス事件」の犯人の1人にして明の娘であり、瀬里と共に彼の猟銃を持ち出して犯行におよんだが、動機は不明のまま入所することとなった。ショートヘアと眼鏡、瀬里より大きいバストサイズが特徴。腐女子でもあり、自室にはBL系グッズを揃えている。
瀬里とは逆に弱気な性格をしているうえに明への思慕もまだ残しており、常に怯えている。しかし、メデューサ症候群を発症中には人格が瀬里と入れ替わって強気な性格の「姉」となるうえ、名前も入れ替わって「瀬里」と呼ばれる。
水野の死後は瀬里と共に脱獄に動くが、彼女の抱える千歌たち(特に霧子)への友情を察して心配する、遺族たちによる報復を自分たちだけが幸せになろうとしたことへの「罰」と考えるなど、瀬里以上に儚げな面も覗かせている。また、後者の際には満身創痍となっていく瀬里の目の前で遺族の男性による強姦の危機に遭い、彼女が殺人鬼の人格に身を委ねて遺族たちを全滅させたことによって辛くも助かるが、致命傷を負った瀬里の最期を看取ることとなる。涙ながらに瀬里の遺体に眼鏡を手向けた後は下水道へ下りて単独での逃亡を始め、名古屋市の外れをさまよっていたところを真聖教団の信者たちに確保される。
真聖教団では「ハリシャ」との別名を与えられ、神無村の中学生として生活する一方、羽黒特別機動警備隊への奇襲の際には300mの距離から鹿を1発で仕留められるほどの狙撃能力を発揮して隊長を負傷させたほか、東京拘置所にて真央が羽黒刑務所への護送車に乗車する際には遠く離れた超高層ビルの屋上から彼女を車体越しに射殺する。その後は「ダーキニー」となるための儀式に備えて断食に入っており、羽黒特別機動警備隊の隊長の射殺こそ思い留まったものの、真聖教団による洗脳で自我を失いつつあったが、血の儀の際に瀬里の幻影に止められるのと同時に自らの肉体の主導権を瀬里の人格に委ねる。
「スイッチ」はメイド服(真聖教団ではセーラー服)。ショットガンや9mm拳銃(真聖教団ではライフル)を用いるうえ、CARシステム()にも長けており、「第11次殺人実験」でカチュアの仕掛けた無双網に絡め取られた際には、CARシステムを用いて反撃に転じている。「ベース」はサディアス・ルウィンドン。

死亡者

砂川沙羅()

美依那の入所前にパーソナルナンバーのLB0004を与えられていた受刑者。物語開始時点で故人であり、海上ファームにて美依那に説明する小夜子の台詞によれば、羽黒刑務所の稼働開始当初に彼女やカレン、詩音と同じく収容された「最初の囚人」だったという。
海上ファームのシャワー室にて千歌に説明する美依那の台詞によれば、精神に異常を来して「天井から私が私を見てる」などと錯乱した後、夜中に廊下で何者かによって全身を切り刻まれて殺害されたうえ、脳を奪われたという。それゆえに小夜子が疑われたが、彼女の身に覚えがないうえに犯行時間や現場が受刑者は出歩けなくなる夜中の廊下だったことから、真相は不明となっている。
「第12次殺人実験」終了後の千歌に説明する小夜子の台詞によれば、生前は彼女と同じくレズビアンとして深い仲だったことから、メデューサ症候群を発症した小夜子の殺害対象となってしまった模様。
真垣詩音()

物語開始時点でパーソナルナンバーのLB0002を与えられていた受刑者。スリーサイズは95(Dカップ)・64・95、血液型はO。ボブカットに右目尻の泣きぼくろが特徴。空手とボクシングの経験者。警察官3人を撲殺した。マスコミには「北海の撲殺魔」と称されている。
体重が56キログラムの千歌を片腕で持ち上げる腕力や、視認できるほど隆起した腹筋を持っているうえ、勇ましく男言葉で喋るが、洋子に欲求不満を解消してもらう際には一転して女性らしい言動になる。
「スイッチ」は防刃仕様の革ジャンと右足を露出したデニム。手には指抜きグローブを着けている。「ベース」は霧子と同じくデサルボであるが、彼女と違って適合率は低かったことが、死後に行なわれた「第12次殺人実験」の最中に香澄の台詞で説明されている。
腕力による一撃は最大で放てば相手の顔面を破壊できるほど強力であるが、ミラーニューロンの活動域は存命当時の面々で最も低く、「第10次殺人実験」では開始から45分で最も早く影響が出ており、香澄から「デキが悪い」と酷評される。実験終了後には、何者かによって頸動脈を切断されて殺処分されたうえ、遺体は香澄たちによる開頭手術を経て脳に電極を刺され、多光子顕微鏡でミラーニューロンの動きを調べる実験に用いられた。真相を知らないまま目覚めた千歌たちには、昨夜に錯乱して彼女たちを負傷させたうえに自分の首を切り裂いて自殺したとの旨が、香澄によって偽証されている。
なお、海上ファームにて美依那に説明する小夜子の台詞によれば、心底から嫌悪されていたわけではないが、彼女に自分のバストサイズを自慢することは嫌がられていた模様。
堂島瀬里()

詩音の死後、妹の真希と共に入所した受刑者。スリーサイズは83(Cカップ)・56・84、血液型はA。パーソナルナンバーはLB0002。「フェイスレス事件」の犯人の1人にして明の娘。ロングヘアが特徴。
強気な性格をしており、入所直後に舎房服を霧子に破かれた際には、即座に反撃している。しかし、メデューサ症候群を発症中には人格が真希と入れ替わって弱気な性格の「妹」となるうえ、名前も入れ替わって「真希」と呼ばれる。また、「第11次殺人実験」で真希のショットガンの暴発による昏倒から回復した際には、瀬里の強気な性格へ復帰したうえに身体能力がカチュアを圧倒するまでに向上している。
「第12次殺人実験」の終了後、このままではいずれ殺害されると考え、真希を連れての脱獄を決意する。サンクチュアリ号では対天童組戦を経て水野の死を境に千歌たちへの義理は果たしたと判断し、彼女のもとへ駆けつける面々とは別行動を取って真希と共に発症切れの状態で脱獄に動く。香澄の言葉に逆上して高木を射殺したことから千歌たち8人に追い詰められるが、彼女たちの共感や助力を得られた結果、大阪港から真希と共に逃がされて名古屋へ向かう。しかし、名古屋では明に改めて決別されたうえ、遺族たちによる報復に遭って満身創痍となり、せめて真希だけでも守ろうと殺人鬼の人格に望んで身を委ねた結果、遺族たちを全滅させるものの最後の1人による脇腹への一撃が致命傷となり、真希に単独での逃亡を命じて死亡する。真希に眼鏡を手向けられて微笑を浮かべた遺体は、彼女の逃亡後に駆けつけた羽黒特別機動警備隊によって極秘に回収され、処分された。死してもなお、真希の肉体の主導権を委ねており、これにより、小夜子が射殺されることも真希が血の儀でしぐまに乗っ取られることを防いでいた。
「スイッチ」はメイド服。真希と同じくショットガンや9mm拳銃(サプレッサー装着モデル)を用いる。「ベース」はゲイリー・ルウィンドン。
なお、山田のTwitterによれば、企画段階では主人公だったうえ、「ベース」は岡田以蔵だったという。

男性受刑者

坂上和成()

髭面の受刑者。パーソナルナンバーはLB2001。元愚連隊。レイプや人身売買など、金銭のためなら何でもやる無軌道な半グレ集団の主犯格であり、舎弟の勉と共に14人以上の少女を手にかけていた。勉が被害者の少女を死亡させたことから、彼と同じく無期懲役となって岐阜刑務所に収容されていた。受刑者同士のネットワークにより、岡山刑務所に勤務していた西の経歴も把握するなど情報収集に長けており、羽黒刑務所への収容時には彼を脅迫している。
小夜子によるマッサージ中の千歌のもとへ現れ、勉と共に彼女を強姦しようと襲いかかるが、豹変した小夜子にシャープペンシルで右眼球をえぐり出される。激怒して小夜子を先に強姦することを告げたところ、駆けつけた吾妻に拳銃で威嚇されて勉と共に引き上げる。
「第12次殺人実験」では、右目に黒い眼帯を装着した姿でチェーンソーを手にして千歌と瀬里に襲いかかるが、勉を瀬里に殺害されたうえ、チェーンソーを千歌に封じられて驚愕し、悟の介入に乗じて逃走する。逃げ込んだ先の廃屋にて俊之の最期を見届けて小夜子と洋子をやり過ごすが、合流したフロイドに千歌たち10人の時間切れの件を説明したことが災いし、欲情した彼によって肛門を犯される。霧子によってフロイドが殺害された後、島の外れを訪れて日の出を眺めながら改心していたところ、現れた小夜子に命乞いするも射殺される。
芝原邦夫()

眼鏡をかけた受刑者。パーソナルナンバーはLB2002。元小学校教師。ロリコンの連続幼女レイプで旭川刑務所に収容されていた。
強姦の際にはトイレで美依那に襲いかかるが、吾妻に威嚇されて引き上げる。
「第12次殺人実験」では、再び美依那に襲いかかって廃屋に連れ込み、押し倒して彼女の乳房をまさぐろうとするが、「お兄ちゃん」「パパ」「先生」などと欲情する呼称を試されて興奮した隙に手錠で束縛され、ナイフで刺されてネックレスで絞め上げられる。実験終了後に間久部が見ていた報告によれば、そのまま美依那にネックレスで絞殺された模様。
矢野竜介()

モヒカン頭で刺青肌の受刑者。斜視でヘロイン中毒。薬物販売で収容されていた。
強姦の際にはカチュアに襲いかかるも失敗する。
「第12次殺人実験」では、秀男を殺害した直後のあやに金属バットを武器として襲いかかる。鉈で左腕を切断されるも薬物中毒のために大したダメージにはならず、戦闘を続行する。実験終了後に間久部が見ていた報告によれば、あやに鉈でバラバラに切断されて死亡した模様。
村田勉()

鷲鼻の受刑者。パーソナルナンバーはLB2004。坂上の舎弟。坂上と同様の犯罪に加えて過度の犯行による殺人も犯したことから、同じく無期懲役となって岐阜刑務所に収容されていた。きわめて長大な巨根の持ち主。
「第12次殺人実験」では、コルトM1991A1を手にして和成と共に千歌と瀬里に襲いかかる。股間を露出して千歌を強姦しようと迫ったところ、逃走したと見せかけて距離を取った瀬里にショットガンで左耳を狙撃されて逆上し、近距離戦で反撃するも敵わず至近距離からの射撃で股間と顔を破壊され、死亡する。
美濃秀男()

丸刈りで糸目の受刑者。左目の目尻にはほくろがある。人妻を寝取り、そのことに気づいた彼女の夫を殺害したうえ、何股もかけていたことを知った人妻も殺害し、府中刑務所に収容されていた。
強姦の際には悟と共に堂島姉妹に襲いかかるも失敗する。
「第12次殺人実験」では、あやに襲いかかるも鉈で頭部を口元から横一線に両断され、死亡する。
フロイド・キング

黒人の受刑者。異常性欲者であり、レイプの常習犯として収容されていた。元ボクサーで、自身曰く「ステイツでは州のチャンピオンだった」という。
強姦の際には霧子に襲いかかるもあやによる棒での返り討ちに遭い、右頬と右腕を負傷する。
「第12次殺人実験」では、相手を探して1人で歩いていたところを和成に呼び止められて合流するが、彼から聞かされた千歌たち10人の時間切れの件に欲情し、彼を襲ってアナルセックスを行なう。数回の射精を経た直後、賢者タイムによる隙を突いた霧子のワイヤーを筋力で引きちぎったうえ、真希のショットガンのゴム弾を脇腹で平然と受けるなど、彼女たちによる連撃を屈強な肉体と欲情で耐え切る。まもなく、真希に爪先を撃たれて口に銃口を突っ込まれた直後に発症切れを迎えた彼女を殴って気絶させ、霧子を追い詰めて全裸での強姦に取りかかるが、覚醒した彼女にボクシングで圧倒されたうえにワイヤーで梁越しに吊り上げられ、直下に横たわっていた和成の顔に大量の精液を浴びせながら絞殺される。
水谷俊之()

細目の受刑者。パーソナルナンバーはLB2007。レイプ目的で母子3人を殺害したが少年ゆえに大幅に減刑され、収容されていた。
強姦の際には洋子にナイフを突きつけるも返り討ちに遭い、鼻を負傷する。
「第12次殺人実験」では、戦況を分析している小夜子と洋子のもとへ現れて二丁拳銃を構えながら彼女たちを威嚇するが、前述の返り討ちを挙げられて逆上したところに洋子の投擲した無数のトレンチナイフで滅多刺しにされ、死亡する。なお、持っていた拳銃の1つであるルガーは小夜子に持ち去られ、後に和成を射殺する際に用いられた。
今田勇太郎() / 今田幸太郎()

兄・勇太郎と弟・幸太郎の双子の受刑者。2人とも垂れ目。銃の密売で収容されていた。パーソナルナンバーは勇太郎がLB2008、幸太郎がLB2009。
2人とも軽薄な性格の持ち主であり、カレンとの3Pの際には、勇太郎は彼女の膣の絡みつきようを「ミミズ千匹」、幸太郎は肛門の締めつけようを「とんでもねえ名アナル」とそれぞれ高評したうえ、事後には3Pの堪能ぶりを他の男性の受刑者たちに自慢して疎まれる。
「第12次殺人実験」では、マシンガンを手にして千歌たち10人の射殺を目論むも初弾は小夜子に気づかれたことから失敗した後、弾丸の雨をすべて回避する囮役のあやの体術や自分の「スイッチ」を糸で操る美依那のトリックに翻弄され、なおも撃ち続けて弾切れを迎える。まもなく、移動先の林にて待ち受けていたカチュアとカレンの誘惑に応じ、立ち並んでの青姦を経て絶頂を迎える直前、勇太郎は駅弁中のカレンによって両手での首折りで、幸太郎は立位中のカチュアによって両腕のナイフで、それぞれ殺害される。なお、まだ機能していた幸太郎の身体は騎乗位へ移行したカチュアに顔面を切り刻まれながら絶頂を迎えて大量の精液を放ち、それを胎内で受け止めた彼女にも絶頂を迎えさせている。その後、カチュアはカレンと共に満足した艶やかな表情で、小夜子と洋子のもとへ合流している。
大谷悟()

オールバックの受刑者。パーソナルナンバーはLB2010。顔には斜め十字の大きな傷跡がある。暴走族仲間と共に拉致したカップルを、土中から顔だけ出した生き埋めにしてリンチで殺害し、収容されていた。正体は第1話で千歌への強姦を目論むも彼女に惨殺された男性3人のうち1人であるヒロの兄であり、共に施設で育った弟への歪んだ溺愛(前述のカップルのことも、「ヒロをいじめた」という理由で殺害した)から千歌のことを逆恨みしている。
「第12次殺人実験」では、勉を殺害されて驚愕する和成のもとへ現れ、木刀で瀬里を突き倒して千歌に正体を明かす。千歌が手にした瀬里のショットガンを負けたことが無いという喧嘩の腕前と木刀の一撃で歪曲させて使用不能にすると、千歌を圧倒して気絶寸前にまで追い込むが、ヒロのことを嘲笑する彼女に激怒した隙を突かれて和成のチェーンソーから抜き取られていたソーチェンを頭部に巻きつけられて両目を切り裂かれた後、そのまま喉に巻きつけられる形で絞殺される。絶命直前の怨嗟の言葉は、当時の記憶を消されなかった千歌を一時的に摂食障害に陥らせる(食べても、殺害時の記憶が呼び起こされて嘔吐してしまう)ほど苦しめることとなった。

関係者

間久部()

羽黒刑務所の所長。名は不明。重犯罪者の更生に力を入れる方針から自分を受刑者たちにとっての「父」、職員たちを「家族」とそれぞれ位置づけ、自分のことを受刑者たちに「お父さん」と呼ばせているが、笑顔から覗くその目つきは初対面の千歌をして、「嘘をついてる人の目」と言わしめている。
裏の顔は千歌の想像に違わない下種な性格をしており、「殺人実験」に加担するのみならず、その凄惨な光景をストレス解消のために見物しているうえ、実験終了後には昏倒中の千歌たちのいずれかを自分の変態性欲の捌け口としても扱っている。変態性欲は香澄たちにも知られており、「第10次殺人実験」の終了後には千歌の失禁で湿ったパンティーを贈られ、「第11次殺人実験」の際には頭から被っている。また、精力は絶倫であり、昏睡中の小夜子を凌辱した際には、彼女の口元から腹までの広範囲へ一度に大量の精液を浴びせる、対天童組戦後にはそのデータを基に制作されたVR映像『さんくちゅあり号ヤクザ皆殺しシリーズ』をHMDで観賞しながら吾妻をアナルセックスで犯す、対真聖教団戦に際しては吾妻を交えて香澄との近親相姦3Pに耽るなど、異常さも彼女と同様である。
普通にはまだたどり着けないはずの羽黒刑務所へたどり着いた道隆を危険視し、彼に監視をつけさせようと五菱日本重工に連絡するが、裏をかかれる形で羽黒刑務所へ潜入されたことを知るとただちに殺害を命じている。また、「殺人実験」の仕上げにかかった五菱日本重工の要請に応じて男性の受刑者たち10人を収容した際には、「第12次殺人実験」を経て殺害された彼らの遺体を秘密裏に処分させている。
西()

男性刑務官。名は不明。冷徹な目つきや口調が特徴。吾妻を伴って船で千歌の身柄を引き取る際、女子刑務所の刑務官にしては若いことを清水に珍しがられるが、受刑者の管理には何の問題もない旨を答え、乗船した千歌には羽黒刑務所の異様さをつぶやいて彼女を哀れむ。
生真面目な性格や法の執行者としての自覚から、物語開始当初は「殺人実験」を知らないままそれによる所内の異変や、受刑者たちの安否を気にかけている。また、受刑者たちの一部には軽視されており、第10話では入浴の監督中に脱衣場へ引きずり込まれ、千歌とあや以外の全裸の彼女たちからセックスの相手に誰を選ぶかを尋ねられたうえ、制止に入ろうとして転ばされた千歌の下敷きとなり、彼女以外から冷やかされるという悪戯に遭っている。なお、第34話の和成の台詞によれば、岡山刑務所での配属中に所長の汚職を密告したことから羽黒刑務所へ左遷された模様。
「第11次殺人実験」では非番中の夜釣りに興じようとした際に道隆を発見し、昆虫型ドローンで映された所内の映像から「殺人実験」の存在を知る。逃走しようとした道隆にスタンガンを当てられて怯むが、千歌による攻撃から彼をかばって千歌・美依那・あや・小夜子・霧子・洋子に包囲された後、本性を現した吾妻と五菱日本重工の警備員たちに取り押さえられる。吾妻の台詞によれば、実は過去にも「殺人実験」を二度目撃しており、そのたびに香澄を糾弾してはシナプス・リポジショナーで記憶を消去されていたという。しかし、今回は何らかの原因によって消去が失敗したために忘れておらず、現場へ復帰した後も香澄に悟られないよう、以前と同様に振る舞っている。
「第12次殺人実験」では丸田たちと同様に非番を割り当てられる形で広島市街へ遠ざけられており、自らの非力さに焦りながら食事していたところ、道隆への協力で25万円を得て祝杯を挙げていた清掃業者の船長と出会う。その後、船長を介して道隆とメールで連絡を取り、彼からの手紙を千歌に届けている。千歌たちが対天童組戦から懲罰房を経て復帰した後には刑務作業の半ドン終了に喜ぶ彼女たちをカヤックフィッシングに誘うが、カヤックの転覆を経て別の小島へ流れ着いた千歌と小夜子を発見して保護する際には、セックス中だった彼女たちの姿に呆れて激怒する美依那を余所に目を背けながら赤面する。
丸田()

男性刑務官。名は不明。不精な目つきや口調が特徴。ヒゲ爺に仕入れてもらったカレンの風俗嬢当時の取材DVDを吾妻と共に警備室で見る、所内の異変を気にする西の言葉を取り合わない、不在中における受刑者たちの生命の危機を察しても調べないなど、欲望に忠実な事なかれ主義者である。日頃の業務についても、監視機器の性能に甘えて直視せず、横を向いて食事するなど手を抜いている姿が散見される。
性風俗店の常連であることやカレンのファンであることは隠しておらず、ブリシャブパーティーの際には彼女の隣に座って告白したうえ、ツーショットの記念写真を吾妻に撮らせている。また、バレーボール対決の際には審判を務めており、弱々しいサーブでユニフォーム越しに大きく揺れるカレンの乳房を眺め、鼻の下を伸ばしている。
千歌たち10人がサンクチュアリ号へ乗船する直前には同僚たちと共に非番の名目で羽黒刑務所から出されており、自身は広島にて天童組の関係店舗とは知らないままオッパブ「LOVE COLLECTION」に入っていたところを石黒に命じられた組員たちに拉致され、千歌たち9人の顔と名前を白状させられるが、拷問に遭う中でも前述の理由からカレンの顔と名前だけは隠し通している。そういった経験により、羽黒刑務所の裏の顔に薄々気づいている様子は西だけでなく吾妻にも気取られているが、香澄にはいざとなればシナプス・リポジショナーで記憶を消せると楽観視されている。
吾妻()

女性警備員。名は不明。雀斑顔にツインテールが特徴。受刑者の千歌にも親しげに接するほど人当たりは良いが、業務についてはきわめて鈍感であること、五菱日本重工から出向してきたばかりの若い新人であること、入所時に脱衣が不要である身体検査で脱ぎ始めた彼女を止めずに眺めて鼻血を出すといった態度から、西には疎まれている。
裏の顔は香澄の部下であり、口調も彼女と同様の高慢さに満ちているうえ、髪は結わえていない。また、警備員たちに取り押さえさせた西の抗議に中指を立てて反発するほどのレズビアンにして、沙羅や詩音の遺体の写真を自慢げに見せるほどの死体愛好癖()の気も持っている。
「第12次殺人実験」の開始前にはレズビアンゆえの思い入れから独断行動に走り、男性の受刑者たちに強姦されそうになった千歌たちを救助する側に回る。そのため、終了後には間久部へのフェラチオや飲精を「お仕置き」として香澄に強要され、所長室にて「第12次殺人実験」の報告を楽しげに見る間久部を満足させるまで、香澄による監視のもとで意見も許されずにひざまずかされたまま、何度も彼の放つ大量の精液にむせび泣くこととなった。その後、サンクチュアリ号では千歌たち10人の「お目付け役」として羽を伸ばす一方、彼女たちとの入浴時に香澄の命令で盗聴器を仕掛ける、対天童組戦用の武器類を自室で管理する、壁面降下中に神崎の攻撃で海へ落下した千歌と美依那を救命浮き輪とロープで救出するなど暗躍するが、先述の経緯から香澄には恨みを持ち続けていたため、堂島姉妹に共感した千歌たち8人が香澄に反逆した際には、後先を考えず彼女を殴って気絶させている。
対天童組戦後には千歌たち10人に加担したことから羽黒特別機動警備隊の隊長に殴り飛ばされたうえ、香澄に「オナホ」と称されて間久部と彼女による凌辱に遭い、前者からはアナルセックス、後者からはクンニからの飲尿という性処理を強要される。また、その際には元はコソ泥だったところを香澄に拾われ、メデューサのプロトタイプにされたことが明かされているが、吾妻本人は「あいつ」こと自分の「ベース」に身を委ねることを嫌悪している。
ヒゲ爺

羽黒刑務所に出入りしている商会の老人。本名は不明。ほぼ禿げ上がった頭に白髪の髭、アロハシャツ姿が特徴。代金さえ支払ってもらえれば下着からロボットまで何でも仕入れるが、そのがめつさは受刑者たちや刑務官たちの一部に苦々しく思われている。
小夜子の自室で全裸の彼女に千歌が押し倒された際にはその光景をゴキブリ型スパイ用ロボットで盗撮する、千歌の自室に「入所祝い」と称してラデュレのマカロンを差し入れた際には新たな同ロボットを持ち込む、千歌たち10人が「第11次殺人実験」による負傷から復帰した際には彼女たちのもとへダロワイヨのモンブランを5つだけ差し入れてバレーボール対決を行なわせる、千歌たち8人が対天童組戦による負傷から復帰した後には浜辺のビキニ姿の洋子に鼻の下を伸ばしながら付き添うなど、老いてなお性欲に忠実な一面も見せている。
羽黒特別機動警備隊()

対天童組戦に乗じて千歌たち10人が脱獄した際に備え、羽黒刑務所が名古屋港にて待機させていた特別機動警備隊。現実世界でのそれからさらにはみ出した男性たちを五菱日本重工が出資して編成した面々で占められており、全員がプロテクターを装着して柔剣道全国レベルの猛者である。
水野が死亡した後は任務終了に伴ってマイクロバスで新名神高速道路を帰投していたが、その途中で千歌たち10人が反逆したことをクルーザーの操縦士からの秘密連絡で知り、彼女たちの行き先である大阪港へ先回りして待ち受ける。制止に入ってきた吾妻を平手打ちで殴り飛ばして千歌たち9人の拘束に取りかかるが、後を追ってきた洋子がマイクロバスに残っていた1人を負傷させ、車体を奪ってドリフト走行で突っ込んできたことにより、拘束に取りかかっていた全員が跳ね飛ばされる。全員とも動けなくなるほどの負傷には至っていなかったことから、堂島姉妹には脱獄されるも千歌たち8人と吾妻の拘束には成功し、彼女たちを羽黒刑務所への護送に回した後は堂島姉妹の追跡に取りかかるが、明が遺族たちの報復を成功させるために偽の情報を流したことによって出遅れた結果、相討ちとなった瀬里と遺族たちの遺体のもとへ駆けつけることとなった。
瀬里の遺体を回収した後は真希の追跡に入るが、先述の帰投時からすでに千歌たち10人のことを軽視していたうえ、拘束の成功以降はメデューサそのものを軽視するようになっており、甲州九龍城にてパンチパーマの隊員は括り罠で吊り上げられたところを助けに入ったナイフ使いの隊員ごと円によって大型ハンマーで撲殺され、左頬に裂傷のある隊員は遊理の自室から逃げ遅れ、顔左半分に火傷のある木場()はえりにスタンガンとエネマグラを用いられての逆レイプに遭うという最期をそれぞれ迎えている。
なお、右眼に傷のある隻眼の隊長は孤立したところを真希にライフルで左足を撃たれた後、えり・円・遊理による拷問に遭って精神を崩壊させられた結果、甲州九龍城の一室に下半身裸で拘束されて脱糞すら気にしない廃人と化し、次の儀式にて真希に殺害させるためだけに生かされている。

五菱日本重工

間久部香澄()

「第9次殺人実験」の終了後、その記憶を消去されて翌朝に目覚めた千歌を診察した女医。当初は細身な自分の美貌に胸を張るお調子者を気取っていたが、正体は五菱日本重工の「殺人実験」の主任にして間久部の娘であり、彼と同様に冷酷な裏の顔を持っている。
先述の診察の際には千歌の首の絞痕を罪の意識によるストレスが原因の自傷行為によるものであると説明し、発火薬を精神安定剤と称して飲ませ、その後の「第10次殺人実験」の際には部下たちを率いて嬉々としながらモニターを眺めるなど、受刑者たちのことは使い捨てのモルモットとしか見ていない。それは殺処分後の詩音に対しても同様であり、彼女の遺体に平然と開頭手術や脳への通電実験を行なう姿は、高木を驚愕させている。「第11次殺人実験」を経て道隆の殺害を命じた際には、彼の喉元にナイフを突きつけた千歌が我に返り、自分の腕を刺すことで殺害を装って道隆を脱出させたことを、後に看破している。
サンクチュアリ号では千歌たち10人と同じく自分も高木と共に偽名を用いて乗船し、千歌たち10人を吾妻に補助させ、自分たちは千歌たち10人のデータを取るためにとある客室から監視しており、水野の自室についても内通者のウェイターから捕捉している。やがて、水野の死亡を確認した後は高木や吾妻と共に撤収と証拠隠滅に動くが、堂島姉妹の襲来や瀬里による高木の射殺を経て堂島姉妹を失敗作と断じ、千歌たち8人に堂島姉妹の抹殺を命じる。しかし、それまでの非道な言動に千歌たち10人の人格融合が進んでいたことも重なり、堂島姉妹に共感した千歌たち8人はおろか吾妻にまで反逆され、殴り倒されて拘束される。クルーザー内にて一旦気絶から目覚めた際には、千歌らメデューサたちの初めての犯行が彼女たちではなく自分のせいだったにもかかわらず、すべての責任を千歌らメデューサたちに転嫁する発言すら行なったため、さらに立腹した千歌からは腹へ回し蹴りを入れられて再び気絶させられるが、発症切れを迎えた千歌たち8人が吾妻と共に羽黒特別機動警備隊によって拘束された後には羽黒刑務所にて復帰し、千歌たち8人には負傷の治療を施したうえで回復した者から順番に懲罰房への収容、吾妻には高木の代用としての性処理を命じる。
以上の経緯ゆえ、復帰した以降は裏の顔を隠すことは止めており、対真聖教団戦では本来の人格の千歌たち8人に平然と瀬里の最期や真希の現状を明かしたうえ、野良メデューサたちの全滅を命じている。
先述の裏の顔に加え、高木などの若い新人男性を誘惑しては肉体関係を結ぶことを味見と称して趣味とする、淫蕩さも持ち合わせている。また、肉体関係については間久部とも結んでいることが所長室で共に男性の受刑者たち10人のデータを見る際の会話から示唆された後、千歌たち8人に野良メデューサたちの全滅を命じた後日に吾妻を交えた3Pで明示されている。
高木()

香澄の部下の若い男性。名は不明。初参加の「第10次殺人実験」の時点ではまだ血に不慣れな新人であり、冷酷になりきれない弱気な一面を見せていたが、自分にメデューサ症候群の驚異や詩音の脳内映像を披露したうえ、誘惑して肉体関係を結ぶ香澄の異常さや淫蕩さに、感化される。
背面立位で香澄を突き、共に白衣のままで彼女を抱きしめながら絶頂を迎える姿は可愛いと評され、事後にも満足した彼女からコーヒーでねぎらわれるが、シナプス・リポジショナーに着目してその理論の一部を大学へ持ち帰りたいと欲張ったことから彼女の怒りを買い、筋弛緩剤を投与されたうえで事後の記憶を消去され、現場に復帰している。
サンクチュアリ号では香澄と共に千歌たち10人を監視していた客室へ堂島姉妹に踏み込まれた後、香澄の言葉に絶望した瀬里に敗北を認めさせてフランキスパス12を没収しようとしたところ、逆上した彼女による発砲で左頭部を破壊され、死亡する。凄惨な遺体は香澄に驚かれたものの悲しまれることはなく、その後に香澄が堂島姉妹による連行中に船体の爆破を前倒ししたことからも、置き去りにされている。
五菱日本重工の社長

五菱日本重工の社長を務める初老の男性。本名は不明。メデューサ症候群を発症した少女たちや羽黒刑務所での「殺人実験」についての報告を三上から聞く一方で後述の瑠璃子()を寵愛するほか、その後に裏の世界での仕事に長年使っていた水野が自分たちの「計画」に手を出してきた際には彼の殺害を平然と命じるなど、独善的かつ冷徹な性格の持ち主である。
当初は人間の脳に着目してDNAで実験するもヘイフリック限界に阻まれて失敗したため、ミラーニューロンに着目して少女たちにメデューサ症候群を発症させている。その目的は傍らの車椅子に佇む少女の瑠璃子にまつわる記憶の継続にあり、それは不死であることと同じという。
三上()

五菱日本重工の社長の部下を務める美女。名は不明。社長にメデューサ症候群を発症した少女たちや「殺人実験」についての情報を報告し、普通の少女を実在した殺人鬼へ変えてしまうミラーニューロンの恐ろしさを語る。
須藤()

愛慶病院にて真央と玲音を担当する医者。名は不明。優男の内面に冷酷な性格を秘めた自信家であり、自分を慕う玲音にも真央に続いて投薬とHMDによる洗脳でメデューサ症候群を発症させようと目論む。秋穂の調査によれば、千歌が逮捕された時期である半年前に東京の病院から愛慶病院へ移ってきたという。
五菱日本重工の三村を詐称した道隆や服薬を止めて施術中を装っていた玲音の目の前にて、千歌にはヘンリー・リー・ルーカスの人格、真央にはジャック・ザ・リッパーの人格、玲音にはリチャード・チェイスの人格をそれぞれ植えつけ、彼女を3人目の「作品」に仕上げる途中であることや、希望に満ちた美少女が自分の手で殺人鬼に変貌していく様子を楽しんでいることを、盗聴器を介して秋穂に録音されているとも知らず自信満々に明かした結果、道隆たちに騙されたことに逆上して彼の絞殺を目論むが、玲音の怒りの飛び膝蹴りで顔面を潰される。その後、五菱日本重工にとっては末端の存在に過ぎないことから、口封じを恐れて道隆に脅迫されるまま協力せざるを得なくなり、彼に師匠の内田を紹介する。
内田篤()

須藤の師匠。須藤を協力させた後の道隆と秋穂の会話によれば、須藤を五菱日本重工の「計画」に引き込んだうえ、現在は慶聖病院()にいるというが、道隆が名古屋海浜資料館の殺害現場偽装を看破した後に須藤からさらなる情報を聞き出した秋穂の台詞によれば、真聖教団に捕らわれているために連絡が取れない模様。

天童組

水野智己()

先日、天童組の組長に就任したばかりの男性。感情が高ぶると血管が何本も浮き出るスキンヘッド、左側の口元を縦に走る傷跡、筋骨隆々の体格が特徴。幹部たちからは「オヤジ」と敬われており、仁奈曰くツキノワグマを絞め殺したという柔道5段の猛者でもある。
五菱日本重工に通じていた組員のケンジを部下たちに拷問させて同社からの刺客が乗船していることを吐かせたうえ、淡々とした口調で「魚のエサになれやぁ」とサンクチュアリ号のタービンに巻き込ませて殺害させるなど、性格はきわめて冷酷である。また、その後は自室での筋トレ中に筋肉との会話を邪魔されたという理由で組員のヒロシの肛門を犯す、全裸での拉致下にある小夜子を石黒に拷問させたうえで目の前のタライへ脱糞させようとグリセリン浣腸を重ねるなど、両刀遣いやスカトロの気も持ち合わせている。
就任以前から長年に渡って五菱日本重工の社長のビジネスパートナーだったが、人工的に殺人鬼を造ることで裏から経済を操る「計画」の手綱を握ろうと目論み、就任祝いを理由として彼にメデューサを要求したために切り捨てられ、組ごと千歌たち10人のターゲットにされる。船内で小夜子と偶然出会ったことを経て、ヒロシの肛門を犯す際にはケンジに吐かせた情報を思い出し、小夜子たちのことを刺客と看破する。
瀬里・真希・カレン・カチュアによる猛攻に遭った際には、至近距離から浴びたそれぞれの武器をすべて筋肉でしのいで柔道の大技で圧倒したうえ、カレンによる4階分の高さからの投棄に受身で耐えて起き上がるという強さを見せる。しかし、千歌との最終決戦では彼女のバレエゆえの動きに翻弄され、左眼をナイフで斬られたところに彼女以外の一同による武器の助勢も加わってさらなる負傷に遭い、追い詰められる。最後は千歌を4階下へ投棄するが、彼女に死角から首へ絡められていた霧子のワイヤーを解けず、それまでの瀬里たちの猛攻によるダメージが響いて肛門(括約筋)に力が入らなかったために自分も落下する。千歌の制服によるエアブレーキで体勢を入れ替えられた後、落下先に立てられていたパーティションのポールが肛門に突き刺さるようにされた。最後はポールを抜こうとあがくも叶わず千歌にワイヤーで締め上げられ、ポールが口まで貫通して死亡する。絶命直前に叫んだ五菱日本重工や桐生正臣への恨みの言葉は、この時点ではそれらの存在を知らない千歌に疑問を投げかけることとなった。
烏丸勇一郎()

水野のボディーガードの1人。名は不明。元警察官にして日本刀を手にした剣道家。水野と同じくスカトロの気も持ち合わせており、後述の重傷を経て拉致された小夜子が彼による浣腸や自らによる傷口への拷問に耐えきれず目の前で脱糞した際には、顔を背けず嬉しそうに嗅ぐ姿も描かれている。また、警察官当時は所属先の公安部から天童組に潜入しており、ささいなミスから発覚しての拷問を経て失明するが、全身の関節を外せるうえに靭帯を伸ばせるという特技を持っていたことから、拷問の場にいた組員たちを逆襲して殺害する。しかし、失明も影響して警察に見捨てられたうえ、水野からは強さに惚れたという理由で正式加入を誘われたことから、忠誠心は警察から天童組へ移った。
水野の自室にて小夜子と美依那の急造した投光器2つによる一斉照射に晒された際には、盲目ゆえに唯一怯まず反撃に出ており、水野を射殺しようとする千歌の拳銃を切断して小夜子の腹を投光器越しに貫き、重傷を負わせる。美依那には銃撃されて斬撃を身代わりマジックで回避されるが、背広の下に防弾チョッキを着込んでいたため、銃撃に耐えている。
霧子側へ寝返った仁奈によって水野と共にホールへ連れ出された際には、道化師に扮した霧子と美依那の策によってスピーカーの大音響で一時的に聴覚を封じられたうえ、無数の風船で周囲を塞がれて正確な気配すら察知できなくなるが、ヘビのように舌を突き出して嗅覚で水野の危機を察知すると、周囲の子供連れの一般客を斬ることもためらわず水野の命を優先し、反撃に出る。美依那には手錠とチェーンで動きを封じられるも抜け出し、水野の全身を縛っていた霧子のワイヤーを切断して美依那を追い詰めるが、駆けつけたあやとの交戦では関節を外しての突きを経て互角に斬り合う。最後はあやの斬撃を防刃ジャケットで防いで反撃に転じようとしたところ、香澄による応急処置を終えて駆けつけた小夜子によって後頭部から顔面をサーベルで貫通され、死亡する。遺体は香澄が船体の爆破を前倒しした後、パニックを起こして客室から出てきた乗客たちに水野の遺体共々発見され、船内の混乱に拍車をかけている。
馬場ハリー()

水野のボディーガードの1人。スキンヘッドに帽子を被った元ヘヴィ級キックボクサー。
水野の自室では小夜子と美依那の投光器に怯むが、回復した後は室外へ一旦退却する千歌・美依那・小夜子を追って壁を蹴り壊す強さを見せる。
千歌たち10人による船内の異変を実感し、石黒や楊と共にエントランスロビーへ駆けつけた際にはカレンによって階下へ投棄される水野の姿に焦るが、その直後にカチュアやカレンと対峙した際には水野との戦闘で投げナイフを使い果たしていたカチュアを焦らせる。しかし、戦闘開始の直前にワイクルー・ラムムアイに没頭した隙を背後から忍び寄ってきた堂島姉妹に突かれ、気づかないまま踊り終えてファイティングポーズを取った直後、彼女たちによる至近距離からの斉射で頭部を破壊され、殺害される。遺体は右拳を勢い良く繰り出し、その場に崩れ落ちた。
作中では明言されていないが、オランダ人と日本人のハーフであることや、試合中の負傷で引退して当時のタニマチだった水野のボディーガードに転身したことが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
神崎京子()

水野のボディーガードの1人。筋骨隆々の元女子プロレスラー。筋肉は後述の戦闘の際に攻撃だけでなく防御にも役立っており、千歌のスリーブガン(英語版)によって発射されたコルト.25オートの.25ACP弾の直撃をしのいでいる。
展望浴室では入浴中に騒いだ千歌たち10人を睨みつけて立ち去った後、水野の自室ではジョオと赤尾を殺害してなお楊へ襲いかかった千歌をラリアットで殴り倒して踏みつけ、小夜子と美依那の投光器に怯むも回復した後はロープを用いての壁面降下中の千歌と美依那に飛びかかり、美依那を気絶させて小夜子を強奪している。
気性こそ荒いものの水野や烏丸と違ってスカトロの気は持ち合わせておらず、小夜子への浣腸が佳境に入った際にはすでに酒を嗜んでいたこともあり、室外へ逃れている。また、小夜子の脱糞後には烏丸に指示されたタライの後始末に仕方なく応じ、すぐさま船外へ投棄したうえで彼らのことを内心で「変態共が」と蔑むと、展望浴室にてあやと再会するも互いにやる気をなくしていたことからやり過ごすが、先に入浴を終えた彼女には衣服を自分のものと取り替えられており、不動の脂汗や精液の悪臭が染みついているうえに小さすぎるあやの衣服を仕方なく着る羽目になる。しかし、石黒から水野たちの異変を知らされて闘志を燃やし、救命ボートに一旦潜伏中の千歌と小夜子のもとへ消火斧を手にして乱入する。前述の.25ACP弾はおろか、小夜子が救命ボートを傾けさせて千歌が蹴り落とした200kgの水タンクの直撃すら消火斧でしのぐうえ、紐と小石受けに水タンクを固定していたベルト、弾にコルト.25オートそのものをそれぞれ用いた急ごしらえのスリングで眉間を割られて昏倒するも短時間で復帰し、ナイフを脇腹に突き立てられてなお追い詰めるが、完全な覚醒を迎えた彼女に左耳を引きちぎられたうえ、消火用の放水ポンプと破壊された外壁からの高圧電流によって気絶し、海へ転落する。海中では気づいた直後に襲ってきたサメを返り討ちにして千歌への復讐を決心するが、そういった強さは消耗に喘ぐ彼女から、「今まで会った中で一番タフだった」と評されている。その後、仁奈の乗り込んだ救命ボートへ泳ぎ着くと、天童組の立て直しを決意した彼に、千歌との再戦と給料の3倍増しを対価として付き従う。
作中では明言されていないが、好きなタイプは神木隆之介であることが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
石黒守()

天童組の若頭。糸目が特徴。幹部たちからは「カシラ」と敬われている。
水野の組長就任の祝賀会でボストン絞殺魔事件を例に挙げ、五菱日本重工の「計画」を説明する。広島に残してきた組員たちに丸田を拉致させて千歌たち9人の顔と名前を白状させ、それをもとに彼女たちへの反撃に出るが、カレンの顔と名前だけは隠し通されたため、これが彼女とカチュアによるさらなる反撃へつながることとなる。
かつて鍼灸師だった経験から人体の経路経穴や急所を熟知しており、水野の自室へ拉致された小夜子の身体には、水野の「ジョオと赤尾の弔いにうんと苦しめてから殺せ」との命令で何本もの鍼を突き刺す拷問を行なっている。
千歌たち10人による船内の異変を実感し、馬場や楊と共にエントランスロビーへ駆けつけた際にはカレンによって階下へ投棄される水野の姿に焦るが、その直後に交戦した美依那を堂島姉妹による追跡を振り切って茶室に拉致し、麻痺させる経穴を突き刺して床畳に磔としたうえ、美依那と同世代である自分の娘を強姦したいという歪んだ願望を明かし、美依那の強姦を目論む。しかし、シックスナイン中に誘惑されて美依那の麻痺を解除したことから、挟射からの口内射精を経て後背位で犯す直前には彼女の膣内へ自分から奪われた鍼が仕込まれていたことに気づけず、亀頭に3本もの鍼が突き刺さるという惨状を目の当たりにして悶絶した後、麻痺させる経穴を突き刺されて身動きを封じられたうえで絞殺される。
作中では明言されていないが、水野の専属マッサージも担当していることや恐妻家であることが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
難波一輝()

天童組の幹部の1人。口髭と胸毛が特徴。
水野のことは敬っているが、小夜子を警戒する彼には疑問を持ちながら舎弟たち3人と麻雀を打っていたところ、訪れたカチュアの賭け麻雀を経ての「体払い」に応じ、トイレへ移動して彼女とのセックスに耽る。麻雀中に石黒から届いたメールによってカチュアの正体を知っており、彼女の意識を飛ばしかけるほど隆々とした巨根を用いる背面座位での結合中に絞殺しようと目論むが、事前にウォシュレットの配管の接続先をウォッカの瓶へ変更されていたことに気づけず、ウォッカを肛門に浴びせられて直腸から吸収させられ、身動きも発声もままならない急性アルコール中毒に陥る。結合したまま対面座位へ移行したカチュアに小型ナイフで喉を刺されて声を封じられながら絶頂を迎えた後、膣内射精を終えたばかりの巨根を小型ナイフで切断され、出血多量で死亡する。
作中では明言されていないが、趣味の麻雀が高じてネット麻雀で「雀聖」の称号を持つことが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
穴村譲二()

天童組の幹部の1人。明るく染めた頭髪が特徴の優男。水野たちにはジョオの通称で呼ばれている。
無類のパンツ好きであり、水野の命令で小夜子を探していた最中には、遭遇した千歌と美依那のスカート内を覗いて彼女たちにビンタされたことから、水野の自室では千歌をボディーチェックした際に他の面々が気づけなかった変装に気づくが、逆襲へ転じた彼女に両足での首折りで殺害される。遺体は小夜子が水野の自室へ拉致された後、号泣する彼のもとで馬場と神崎によって赤尾共々船外へ投棄され、水葬された。
なお、水葬直前の水野の台詞によれば、生前はJK売りのシノギに張り切っていたという。
流動仁奈()

天童組の幹部の1人。スリーサイズは82(ノーカップ)・73・87、血液型はA。小柄な体格に黒髪のツインテールとゴスロリ姿が特徴。実は男の娘にして水野の息子であり、本名は水野仁()。「流動」は母方の姓である。
当初は水野の命令を受け、霧子に大ファンを自称して接触する。カラオケルームでは霧子に押し倒されてのディープキスを受け入れ、絞殺されかかったところを隠し持っていたスタンガンで逆襲し、組み敷く。露出させた霧子の美巨乳を賞賛して興奮するあまり自分のパンティーからはみ出て勃起したペニスに触れることもなく射精し、大量の精液を彼女の胸元へ浴びせて驚愕させると、陵辱や殺害を他の組員ではなく自分で行なって心中するため、霧子の首筋と自分のペニスに天童組の「商品」を注射してのキメセクにおよぶ。まもなく、霧子の処女を奪ったことを自覚すると大量に射精し、共に生きたいとの思いから組を抜けることを決心するが、彼女の束縛を解いたところに「商品」のもたらす快感も手伝って形勢を逆転され、犯されながら協力を誓う。やがて、脱糞後の小夜子を犯そうとしていた水野や烏丸のもとへ髪を下ろした仁としての礼服姿で現れ、水野たちを霧子や美依那のもとへ連れ出す形で千歌に小夜子を救出させる。ホールにて水野たちを霧子や美依那に襲撃させると、今夜限りで仁の名前を捨てて霧子の従僕の仁奈として生きることや、天童組は自分が継ぐことを水野に宣言するが、彼の全身を縛っていた霧子のワイヤーを烏丸に切断され、彼女をかばって水野の蹴りを浴びてしまう。水野の死後は直面した彼の遺体に息子として涙し、霧子の歌ってくれた鎮魂歌に感動する。
千歌・美依那・霧子に明かしたところによれば、水野のことは殺したいほど憎んでいるという。先述の宣言の際には、その理由がかつて水野に肛門を犯されたためであること、それゆえに彼のことを変態と蔑んでいること、父と思ったことは一度もないことをそれぞれ明かしている。
サンクチュアリ号から脱出する際には、天童組の残党をまとめ上げる立場であることからも霧子に付き添えなかったが、落胆しかけていたところを彼女からディープキスを経て再会を約束され、感涙する。その後、一般客たちに混じって救命ボートで脱出したところに泳ぎ着いてきた神崎と合流し、天童組を立て直す決意を述べて彼女を自分の「牙」とする。
赤尾学()

天童組の幹部の1人。名は不明。鷲鼻と太いもみ上げが特徴。
水野の自室にてジョオを殺害した千歌に短刀で襲いかかるが、カウンター気味に机上の万年筆で胸を一突きされて殺害される。短刀は千歌に奪われて彼女が楊へ襲いかかる際に用いられ、遺体は小夜子が水野の自室へ拉致された後、号泣する彼のもとで馬場と神崎によってジョオ共々船外へ投棄され、水葬された。
なお、水葬直前の水野の台詞によれば、生前は生まれたばかりの子供のためにオレオレ詐欺に精を出していたという。
作中では明言されていないが、烏丸とは剣道仲間であることや美人の妻を持っていることが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
不動勇気()

天童組の幹部の1人。名は不明。おかっぱ頭と190cm近い身長の肥満体が特徴。肥満体のぶよぶよとした大量の脂肪は、それを感じさせない迅速な移動を駆使しながらの格闘戦の際に時間差で衝撃を相手に伝えて破壊力を倍化させるうえ、脂汗は相手の刀剣類の切れ味を著しく低下させる効力を持つ。
映画館にて舎弟たち4人を斬殺したあやを強力な掌底打ちで突き飛ばし、脂汗で彼女の刀の切れ味を封じたうえ、失神したあやを肥満体と脂汗による「脂地獄」で包み込み、ニホンミツバチの蜂球に例えながら締め上げたところ、その内部で目覚めた彼女にペニスを偶然弄られたことから射精してしまい、大量の精液を浴びたあやの身体が滑り良くなったことによって脱出される。計算ずくの脱出との勘違いから激昂してあやをスクリーンまで突き飛ばすが、怒りが頂点に達した彼女によって破られたそれを巻きつけられて身動きを封じられ、刀で右眼を貫かれたうえに全身を細切れにされて死亡する。
谷祐二()

天童組の幹部の1人。白髪だらけの頭髪と彫りの深い顔が特徴。烏丸たち3人に譲るまでは水野のボディーガードを単独で担当していたほど、中国拳法の硬気功に長けた使い手でもある。
ダンスホールでのチークダンス中に自分を毒針つきの指輪で殺害しようとした洋子を制止し、舎弟たち5人に包囲させたうえで酒に誘う。洋子に政界や警察にも顔が利くことを明かしての求婚を断られたところ、チークダンスを装って彼女の救出に現れたカチュアとカレンによる同時攻撃をフォークを用いた洋子による喉への攻撃共々弾いたうえ、彼女には格闘戦の末に左脇腹の肋骨や左足の脛骨をへし折る重傷を負わせる。硬気功の弱点を推定したカチュアとカレンの連続奇襲を受けるもそれらを弾いた際の隙を洋子に突かれて接近され、自分の拳銃から抜き取られていた9mmルガー弾を密着状態から指輪越しに殴る形で発射されたことにより、心臓を貫かれて死亡する。洋子への思いは本物であり、死の間際に吐露した言葉は彼女に紅との記憶を呼び起こさせ、人間らしさを取り戻した洋子を号泣させている。その後、遺体は舎弟たち5人共々洋子の指示を受けたカチュアとカレンによって船外へ投棄されたことが、香澄と電話中のカチュアの台詞で明かされている。
楊紅花()

天童組の幹部の1人。スリーサイズは89(Eカップ)・60・89、血液型はAB。ボブヘアと吊り目、チャイナドレスが特徴。
船内の廊下にて千歌や小夜子とすれ違った際には、小夜子のことを気にする水野を「ロリコン?」と茶化したために「デカ女」などと、彼や石黒と同等の背高な体格を罵られている。中国拳法の遣い手でもあり、水野の自室にて赤尾を殺害した直後の千歌に短刀で襲いかかられた際には、切っ先を打ち払ってしのぐも彼女のスカートで視界を遮られたために死を覚悟したところを、神崎のラリアットで救われている。
千歌たち10人による船内の異変を実感し、石黒や馬場と共にエントランスロビーへ駆けつけた際にはカレンによって階下へ投棄される水野の姿に焦るが、その直後に霧子と交戦した際には蹴り技の連撃を繰り出し、それを回避し切れなかった彼女に鼻血を出させる。しかし、さらなる連撃から割れたワイン瓶を用いての打撃を霧子に左手で防がれたうえ、右腕を掴まれて回避を封じられたところに右拳の一撃を顔面に浴び、倒される。その場は死亡したと思われていたが、鼻骨や前歯を砕かれたものの気絶だけで済んでおり、香澄の起爆によって船内がパニックとなった際には目覚め、天童組の壊滅を悟る。堂島姉妹がクルーザーのもとへ逃走した際には彼女たちを圧倒し、谷を殺害したのが誰なのかを問い詰めたところ、そこに千歌たち8人も現れたことから形勢不利と判断し、谷の敵討ちを誓って姿を消すと一般客たちに混じって救命ボートで脱出する。
教団編にてリルカとして紙袋をかぶった姿で登場。その実は顔の傷を隠し羽黒への復讐に燃える彼女であった。後にダーキニー化し楊新海(ヤンシンハイ)となる。砕かれた歯はチタン合金製に治し谷の復讐と洋子に立ち向かう。スコップ格闘術を駆使して戦うが谷の硬気功を模した洋子の前に敗れ楊紅花へ戻る。復帰後は特級四川飯店にてアルバイトしており、正しい中華の食べ方など指南している。洋子とは同じ男を好きになったとして関係は良好。
作中では明言されていないが、元々は中国の黒社会の関係者であり、暴力団との取引仲介人を経て天童組へ移籍したことや谷に惚れていたことが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
山本信三()

天童組の幹部の1人。パンチパーマの髪型と背中にコイの刺青を彫った肥満体が特徴。
水野による命令の後、舎弟たち3人と共にカレンを自室へ連れ込んで全裸での5Pに耽る(5Pに先駆け、カジノバーにて舎弟たち3人のうち2人と談笑するカレンの姿や、その後に山本の自室へ突入してきたカチュアに説明するカレンの台詞から、実際にはカレンが談笑の際に舎弟2人のことを確認したうえで自分を山本の自室へ案内させていたことが示唆されている)。カレンを裏切り者と思い込んだカチュアがルームサービスを偽って突入してきた際には、カレンに舎弟たち3人を惨殺されて自分も満身創痍となっており、天童組の組名や水野の非道さを挙げて凄んでみせるが、それらを嬉々として受け流しながらオナニーに耽る彼女には逆効果でしかなく、右眼を抉り出されて丸田の件を白状したうえで左眼も抉り出されて惨殺される。山本たち4人が脱ぎ捨てていた衣服は、彼らの殺害後に天童組に顔を知られたことを懸念するカチュアがカレンとのペアを偽装するための男装に用いられている。
作中では明言されていないが、バリバリの武闘派であるほか、水野とはゴルフを共に回るほどウマが合うことが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。
滝川浩()

天童組の幹部の1人。短い前髪とサングラスが特徴。
拳銃を手にした舎弟たち6人と共に自分はフランキスパス12を手にし、機関室にて堂島姉妹と交戦する。銃撃戦で当初は優勢に立つもまもなく舎弟たち全員を殺害され、弾切れに追い込んだつもりが狭い一角へ誘導されて挑発に遭い、激怒するあまり同銃の短所を忘れて発砲したところ、室内の各所を経た兆弾を上半身に浴びて動けなくなり(この誘導や挑発は、発砲直前に伏せれば滝川のみが被弾するとの計算によるものだったが、実際には計算外の数発が真希の左上腕にも命中したことから、彼女の身体に入っていた瀬里は真希に謝罪している)、瀬里に同銃を奪われて射殺される。
作中では明言されていないが、天童組の武器調達を担当しているほか、最近離婚して若い後妻を抱えていることが、単行本第9巻巻末の「天童組名鑑」で明かされている。

真聖教団

零元しぐま

真聖教団の教祖。スリーサイズは86(Eカップ)・59・90、血液型はA。人前にはほとんど姿を現さない。素顔は絶世の美女だが、両性具有者で、S状結腸に届くほど長くて大きい陰茎が生えている。
X線透視(イントロスコピー)という、人の体内をX線写真のように「観る」事が出来る特殊能力者で、この能力により、医師でも分からない人の病巣も観る事が可能。

野良メデューサ

友坂えり()

野良メデューサの1人。「ベース」はテッド・バンディ。元は五菱日本重工の諜報部のエースであり、羽黒特別機動警備隊の隊長から高評されていたが、真聖教団へ潜入してすぐに捕まった後は教祖から気に入られ、メデューサ化した。そのため、後述のように異常性欲の持ち主でもある。
普段は果物屋として暮らしており、メデューサ化を隠し続けて2か月後には甲州九龍城へ羽黒特別機動警備隊を誘い込むと、真希のもとへ案内すると偽って彼らを円や遊理に奇襲させて次々と殺害させたうえ、自分は「好み」()の木場を隊長から引き離して別室へ連れ込み、スタンガンで身動きを封じてエネマグラで強制的に勃起させ、騎乗位での逆レイプを堪能する。
五菱日本重工の情報を真聖教団へ漏らした裏切り者でもあり、幹部たちや野良メデューサたちと一堂に会した場では、その立場ゆえに千歌たちを討ち漏らした場合への懸念による弱音を吐いている。
桜川円()

野良メデューサの1人。「ベース」はエドモンド・ケンパー。両手持ちの長い柄の大型ハンマーを軽々と振るう。
甲州九龍城に住む出家信者であり、普段はスポーツ部の助っ人かつ恥ずかしがり屋の高校生として振る舞う一方、羽黒特別機動警備隊への奇襲の際には狭い廊下を気にせず大型ハンマーを振るい、壁を削りながら関口と河瀬を撲殺して隊長たちを驚愕させる。あやと仲良くなるが、龍野によってあやとの一進一退の攻防を繰り広げたのちに隙を突いたあやに勝利したことで、彼女を五菱の支配から解放することに貢献する。
根津遊理()

野良メデューサの1人。「ベース」はジェフリー・ダーマー。
1か月前に転入してきて甲州九龍城に住む出家信者であり、普段は平に「ネズミ」と称されるなど無愛想な高校生として振る舞う一方、羽黒特別機動警備隊への奇襲の際には円のもとから逃走してきた隊長たちを自室にてガスマスクを装着した下着姿と饒舌な言動で出迎え、室内に並ぶ人骨に驚愕した彼らをガスで弱らせたうえで冷蔵庫内に満載しておいた解体後の人体を披露し、逃げ遅れた1人を殺害する。
犬養ひよ里(ほの香)()

野良メデューサの1人。「ベース」はトミー・リン・セルズ(英語版)。スカートの下にスパッツを穿いた制服姿で、優れた体術を活かしてカランビットナイフ(英語版)や金属バットを振るうほか、千歌を拘束して金属バットによる破瓜に臨む際には、ワイヤーも用いている。別名は「カマラ」。
普段は神無村の高校生として生活し、人懐っこい言動で学級委員を務める一方、横浜では玲音の「ベース」を言い当てて襲いかかるが、フェイントを経て彼女を蹴り倒したうえでナイフを喉元に突き立てかけたところ、古田とモン吉による妨害に遭ったため、自転車で神無村へ帰還する。その後、自分たちへの刺客である千歌たちが全員揃ってから一網打尽にするという教祖の思惑を無視し、空木宅を彼女たちが入居した日の夜に信者たちを率いて急襲する。実はひよ里の名は3つ子の姉の名前であり本名は「ほの香」。
犬養ひよ里()(本物)

千歌が神無村の学校で出会った本物のひよ里。野良メデューサの1人で、ほの香の3つ子の姉の1人。対真聖教団戦で霧子と戦うも、思わぬ出来事で気絶し、しぐまと運命を共にしたと思われたが、千歌たちが教団に寝返った時には行方知らずとなった。
犬養まり亜()

野良メデューサの1人で、ほの香の3つ子の姉の1人。実は野良メデューサの中で唯一ダーキニーではなく、対真聖教団戦でも千歌たち五菱側のメデューサと交戦するも、教祖のしぐまが戦死し、五菱サイドの思わぬ分裂により千歌たちが教団側に寝返るという偶然が重なったこともあり、生存を果たした野良メデューサの1人となり、戦死したしぐまに代わり新たな教祖に就任した。内心はしぐまを殺害した千歌たちを心底憎んでいるが、彼女たちが自分たちの味方になったことを悟り、一旦は怨恨を断ち切り、冷静に協力関係を築くことを提案し、彼女たちに行方不明となったひよ里の捜索を兼ねて五菱に協力している医師たちの抹殺を命じるなど、共通の敵である五菱の内部崩壊を企図する。
平 樹()

神無村の学校へ「転入」した千歌と同じクラスの男子学生。正体は野良メデューサの1人で、ベースは千歌と同じヘンリー・リー・ルーカス。しぐまを「母上」と呼び慕っている一方、下品な言葉を発するなど横暴な面を見せる。

幹部

龍野辰巳()

野良メデューサを施術した医師。
幹部たちや野良メデューサたちが一堂に集った場にて、えりにカマラ(ひよ里)が香澄のメデューサである千歌よりも強いことを挙げ、自分の施術したダーキニー(野良メデューサ)たちの強さ、ひよ里の「ベース」がセルズであること、彼がアメリカ史上最も危険な殺人鬼だったことを明かす。

道隆と彼の協力者たち

甘城道隆()

千歌の8歳年上の兄。シンシナティ大学に留学しており、第15話で2年ぶりに帰国する。大学院での専攻分野である犯罪心理学を活用する洞察力や対話能力に長けているが、身体能力はあまり高くなく、近接して対峙した際や奇襲された際には遅れを取って窮地に陥る姿が散見される。千歌が友人たちにブラコンと冷やかされるのに対して自らは極度のシスコンであり、千歌のことになると人目も気にしないほどの愛情を露わにする。
両親には千歌への連絡を「受験勉強で忙しい」という理由で半年前から止められており、彼女の犯行や現状を知らないまま再会を楽しみに帰郷するが、非難の落書きの数々にまみれた実家と屋内に残されたゴシップ誌の記事を目の当たりにする。まもなく、友人の江口に依頼して羽黒刑務所を突き止めると、千歌との面会を経て羽黒刑務所への不審を抱き、清掃業者の船で帰ると見せかけてその夜に潜水で再上陸を果たす。敷地外に潜伏しながら昆虫型ドローンを用いて所内の調査を始めたところで非番中の西に発見されて押さえ込まれるが、その際にも彼を誘導してフリージャーナリストの倉木()と詐称し、偽名で調査を続行する冷静さを見せている。防波堤にて一瞬だけ正気に戻った千歌に脱出させられた後、「殺人実験」の目撃者として五菱日本重工に命を狙われることとなる。
秋穂と共にラブホテルを仮拠点とした後はメデューサ症候群や五菱日本重工について情報の収集や交換に勤しみ、玲音の完全発症を阻止して須藤から内田への渡りをつけさせ、西からのメールを受け取る。仮拠点を横浜のラブホテルへ移し、名古屋での大量殺人事件のニュースを見ていたところ、西からの電話で千歌たち10人とサンクチュアリ号の関係を疑って名古屋へ向かい、鑑識員に変装して瀬里による犯行、明による堂島姉妹への裏切り、瀬里の死亡、五菱日本重工による現場偽装を看破した後、秋穂からの電話を受けて神無村へ向かうが、その後は音信不通となったことがカヤックフィッシング中の西のモノローグで明かされている。
江口()

道隆の友人で法曹。名は不明。帰郷して千歌の事件を知った道隆から久々の電話を受け、司法試験に受かったことを明かす。優れた手腕を見込まれて千歌の事件の調査を依頼され、彼女の収容先が羽黒刑務所であることを突き止めて道隆に知らせた結果、彼に受刑者の機密情報を流した旨について五菱日本重工から自分の法律事務所へクレームを入れられるが、道隆の身を案じてそんな者は知らないと突き返している。
千歌の事件については依頼に際して読んだ裁判記録からも不審を抱いており、彼女の弁護士の佐田島()が五菱日本重工とつながっていたことを道隆が推察して接触を図るに至っている。
胡桃沢秋穂()

文経出版社の女性記者。メデューサ症候群による一連の事件、特に千歌の事件に不審を持つも取材の続行を上司に却下されて自棄酒に走り、秋葉原のコスプレ居酒屋で酔って暴れていたところを江口と密会中の道隆に目撃される。その時点では悪印象しか持たれていなかったが、後に五菱日本重工の刺客たちに拉致されかけていた道隆を偶然見かけて救ったことから、彼に「使えるかも」と評されて行動を共にする。
私生活こそだらしないものの、須藤の本性を知ってモノローグで「外道」と唾棄するなど、メデューサ症候群やその元凶である医者、そして五菱日本重工には深い怒りを抱いている。
道隆に協力して情報の収集や交換に勤しむ一方、ラブホテルでは常にソファーで就寝する彼に気を許し、飲酒で酔った勢いからも胸元を肌蹴させてベッドでの同衾に誘うなど、砕けた様子も見せるようになっている。また、千歌を救出するまでは彼女以外の女性に興味を持たず、目の前の自分による誘惑にも動じないという様子については「真性シスコン」()と酷評する一方、無関心を装いながらも実は玲音と古田のために奔走し、彼女たちの友情や玲音の回復を信じる様子については、素直に感心している。その後はさらに道隆に気を許しており、入浴直後にバスタオル姿のまま彼のもとへ現れるなど、大胆な様子を見せている。
道隆が単身で名古屋へ向かった際には須藤との連絡係として横浜に置かれており、名古屋での大量殺人事件についての調査結果、須藤から内田が真聖教団へ呼ばれたまま戻ってこないこと、真聖教団の基本情報やミラーニューロンの研究ぶりを道隆へ伝える。
西園寺玲音()

真央が入院中に仲良くなった女子高生。スリーサイズは85(Cカップ)・58・86、血液型はO。走り高跳びの記録保持者であり、古田から羨まれるうえ、須藤曰くファンクラブが存在するほどの美貌の持ち主でもある。日頃は亡父に代わり、病弱な母を新聞配達で支えながら暮らしている。1年前に靭帯を負傷したことから愛慶病院で手術を受けて回復したが、膝に水が溜まりやすいことから現在も通院しており、須藤による投薬とHMDを装着させられての脳波分析()を受けている。手術後の入院中には、殺人を犯すリアルな夢を見たことをLINEで真央に告白していた。
当初は悪戯で負傷した級友たちの出血を見ての失神中に古田の首から吸血するという悪夢を見たうえ、就寝中には悪夢の内容と同様に発症して隣家のインコを斬首して吸血するなど、本格的な発症に向けて高まりつつある吸血衝動に驚愕する。その後、自分から放たれる殺人鬼の気配に怯えたモン吉に噛みつかれた際には発症を迎え、吸血してしまう。古田にも襲いかかったところを道隆に制止されて我に返り、驚愕して駆け去る姿が目撃者の主婦によって流布された結果、部活の顧問の熊谷()に浸け込まれて強姦されかかるが、道隆から発症の詳細を聞かされた古田によって救出される。古田に勧められ、道隆の指示で服薬を止めて愛慶病院にてHMDによる施術中を装った結果、須藤の冷酷な本性を知って涙し、彼に怒りの飛び膝蹴りを叩き込む。事件解決後には部活に復帰したほか、道隆による緊急搬送で助かっていたモン吉から以前と変わらず懐かれる。
4か月後、吸血衝動に襲われないままオリンピック強化選手として選出されるなど平穏に暮らしていたが、須藤の件から真聖教団に存在を知られてひよ里に襲撃され、絶体絶命に陥ったところをモン吉と古田が駆けつけたことによって救われる。
古田()

玲音の同級生の少女。名は不明。陸上部部長。玲音とは日頃の授業や部活だけでなく、放課後のカラオケや自宅でのゲームを共にするほどの親友である。
当初は玲音に続いて道隆に接触され、玲音への友情から一度は彼を拒絶するが、メデューサ症候群を発症した玲音に愛犬のモン吉が吸血される姿に驚愕し、続いて襲われかけたところを駆けつけた道隆にかばわれたうえ、ただちにモン吉を自動車で動物病院へ緊急搬送してくれたことから信用する。熊谷による玲音への強姦の窮地に際しては、それまでの彼の態度や後輩たちの言葉から事態を察して現場へ駆けつけ、熊谷を鞄で殴り倒して玲音を救出したうえで彼の股間丸出しの姿をスマホで撮って学校へ送り、本性を暴かれたことによる退職へ追い込む。また、その後も須藤の件を道隆に告白することを玲音に勧める、事件解決後にはモン吉のもとへ案内して共に感涙する、ひよ里による襲撃の窮地へモン吉と共に駆けつけるなど、玲音を以前と変わらず揺るがない友情で支え続けている。

その他の人物

清水()

羽黒刑務所への収容が決まった千歌を、拘置所から港まで連行した中年の男性刑務官。名は不明。
気さくで優しい性格をしており、連行中に千歌の空腹を知ると大衆食堂へ立ち寄ってコロッケ定食をおごる、港にて迎えの船を待つ間にはタバコを薦める、彼女が乗船する際には出所時にコロッケをたくさん食べさせることを約束するなど、型にはまらない対応をしてみせる。また、刑務官としての20年間の経験から千歌の犯行時の状況を鑑み、無期懲役は重過ぎると思っているうえ、彼女と同世代の娘を持つ身であることからも犯行を信じられずにいる。
その後は真央の連行も担当しており、彼女が羽黒刑務所へ収容される際には、東京拘置所にて護送車への引き継ぎと見送りの場に立つ。約束を守るためにもタバコを止めたことを千歌への伝言として真央に頼んだ直後、真希の長距離狙撃による真央の凄惨な最期を目の当たりにし、絶叫する。
千歌の両親

千歌にバレエや勉強を強いては彼女に反発されていた、共働きの両親。
作中に実際の登場はないが、千歌が迎えの船へ乗船する際やヒゲ爺と初対面した際の台詞によれば、彼女の犯行を知った際には見放しており、拘置所での面会時にも着替えすら差し入れなかった模様。そのため、羽黒刑務所での自室に足りない物資の代金は実家から回収する旨を述べるヒゲ爺に、千歌は両親が同意しないであろうことを明かしている。また、道隆が面会に訪れた際の千歌の台詞によれば、父は道隆の人生まで壊させまいと考え、千歌に道隆への連絡を止めさせていた模様。そのため、道隆にはモノローグで「クソオヤジめ」と酷評されている。
二葉真央()

横浜のラブホテルにて派遣型風俗嬢4人を次々と殺害した少女。19歳。ウェーブのかかった逆七三分けのロングヘアが特徴。
腹部から局部までを異常な形状の刃物で切り裂くという手口からも、「現代のジャック・ザ・リッパー」と称される。逮捕されたことやメデューサ症候群の13人目の発症者であることが三上から五菱日本重工の社長へ説明された後、本編に登場して東京拘置所にて道隆の面会を受け、本来は先端恐怖症でナイフすら触れないこと、発症前に盲腸で愛慶病院に入院して須藤に診てもらっていたこと、入院中に玲音と仲良くなっていたことをそれぞれ告白する。
4か月後、羽黒刑務所への収容に際して清水から千歌への伝言を承った直後、真希の対物ライフルによる長距離狙撃で護送車越しに下腹部を撃ち抜かれて上下に分断され、事態を理解できず虚ろな表情のまま死亡する。
紅()

幼少時、まだ「黒」でしかない洋子が「機関」で共に暮らした、相思相愛のルームメイトにしてバディ。「紅」は「黒」と同様、チョーカーの色にちなむ通称に過ぎず、本名は不明。短めのポニーテールが特徴。
「機関」から「卒業試験」と称したバディ同士での殺し合いを命じられた結果、洋子に殺害される。洋子と同じく「機関」に「機械」として育てられた1人であり、他人を「モノ」として見る訓練を受け、「機械に心はない」と教えられていた彼女は、紅を殺害する際に自分の心の軋む音を初めて聞いたことから、何度もその音を聞きたい一心で職業凶手としての完成に至る。
容姿は『DEATHTOPIA』の登場人物の陽子()に酷似しているが、山田のTwitterによれば無関係であるという。
高橋()

サンクチュアリ号の船長。名は不明。口髭と薄い頭頂部が特徴。
当初は乗船してまもないカレンの色香に誘われてカジノにて彼女とセックスに耽り、後背位での性技や膣内射精を目の前で大量のメダルを排出するメダルゲームのジャックポットに例えられ、高評される。その後、ルーカスの人格に覚醒した千歌の策に乗せられた際には、真相を知らないまま甲板にて上級乗組員たち2人と共に神崎の逮捕に出向くが、彼女の逆襲に遭って3人とも海へ投棄される。
千歌たち10人と天童組の交戦や、それによる高橋たちの不在という異常事態は、操縦室から通信士の山下寛()によって「殺人鬼の殺し合い」と称され、第5管区海上保安本部へ伝えられた後、香澄の起爆による船内のパニックに際して彼が暫定的に脱出の指揮を執ることとなる。
堂島明()

堂島姉妹を一旦は見放した父。株式会社堂島の社長を務める資産家であり、口髭が特徴。
かつては妻が事故死したことから仕事に逃げており、堂島姉妹の事件を経てもサンクチュアリ号からの電話でネイビス連邦の国籍を用意する旨や見放す旨を口にしていたが、その際に用意一式を名古屋港にて使いの者を介して渡す手筈を整えており、それに従って彼女たちは脱獄に動く。やがて、名古屋港湾水族館にて堂島姉妹のもとへ現れて予定外の1日デートで喜ばせるが、それは彼女たちとの最後の思い出を作るためであり、ポートビルにて共に夕日を眺めながら改めて愛を告げるも遺族への賠償金のために堂島姉妹の死を望んでいることを告げると、遺族たちによる凄惨な最期を見届けることには耐えられず、立ち去る。その直後、名古屋港近くの公園にて首を吊って自殺しており、遺体がまもなく発見されたことが香澄が見たテレビのニュースで報じられたうえ、羽黒特別機動警備隊の隠蔽工作によって遺族たちへの殺人罪が被せられている。
堂島姉妹による犠牲者の遺族たち

堂島姉妹への報復を果たすため、ポートビルへ集まってきた人々。真希の逃走後に駆けつけた羽黒特別機動警備隊の台詞によれば、武本を含めて26人もの男女が参加していた模様。喪服姿の男女の誰もが犠牲者の遺影や武本の手配したサプレッサー付きの拳銃を手にしており、「因果応報」と唱えながら堂島姉妹を追い詰めて拘束したうえ、名古屋海浜資料館にて銃弾を1人につき1発ずつ瀬里の身体へ撃ち込んでいくが、男性の1人が彼女の目の前で真希の強姦を目論んだことから、殺人鬼の人格に望んで身を委ねた瀬里に逆襲されて拳銃を奪われた結果、瀕死の1人が致命傷を負わせたものの全滅させられる。 武本() 大学に合格したばかりの孫娘の恵梨香()を殺害された老人。名は不明。薄い頭髪に冷めた目つきが特徴。 賠償金の不足分を堂島姉妹の命と引き換えに肩代わりするという契約のもと、ポートビルにて明と共に夕日を眺めていた彼女たちのもとへ現れ、拳銃を手にして恵梨香の遺影や怨嗟の言葉と共に報復の指揮を執るが、殺人鬼の人格に望んで身を委ねた瀬里による逆襲をも目の当たりにすることとなり、その場から離れた真希を射殺しようと追い詰めたところで瀕死の瀬里に背後から射殺される。
武本()

大学に合格したばかりの孫娘の恵梨香()を殺害された老人。名は不明。薄い頭髪に冷めた目つきが特徴。
賠償金の不足分を堂島姉妹の命と引き換えに肩代わりするという契約のもと、ポートビルにて明と共に夕日を眺めていた彼女たちのもとへ現れ、拳銃を手にして恵梨香の遺影や怨嗟の言葉と共に報復の指揮を執るが、殺人鬼の人格に望んで身を委ねた瀬里による逆襲をも目の当たりにすることとなり、その場から離れた真希を射殺しようと追い詰めたところで瀕死の瀬里に背後から射殺される。
高橋()

神無村の学校へ「転入」した千歌と同じクラスの女子学生。名は不明。
魚住()

神無村の学校へ「転入」した千歌と同じクラスの女子学生。名は不明。
リナ / ミサ

神無村の学校へ「転入」した千歌と同じクラスの女子学生。双子で容貌は酷似しているが、髪色はミサの方が濃い。姓は不明。
相良ハル()

神無村の学校へ「転入」した千歌と同じクラスの女子学生。

用語

ミラーニューロン
西暦1996年に、イタリア・パルマ大学の学者であるジャコモ・リッツォラッティ(英語版)たちによって発見された、脳神経細胞。現実世界での詳細は、ミラーニューロンの記事を参照。作中世界では、メデューサ症候群の引き金ともなっている。
小夜子は独自の調査を経てタブレットでミラーニューロンについての電子書籍を購読するまでに至ったが、それらについての記憶は「第10次殺人実験」の終了後に香澄によって消去されている。
メデューサ症候群()
作中世界の日本では、2015年までに女子が起こした殺人犯罪は年間6 - 7件程度だったが、その後は一気に倍増した。普通の女子が一晩で殺人鬼に変貌するその凄惨さはマスコミによってギリシア神話に例えられ、羽黒刑務所に収容される彼女たちは同神話に登場する怪物「メデューサ」、惨殺中の記憶がまったく残らない変貌ぶりは「メデューサ症候群」と、それぞれ称されるようになった。
「殺人実験」では発火薬によって夜中に発症させられることもあり、千歌たちは「シンデレラ」や「実験人形」()とも称されている。また、当初は発症中に人格が平時の記憶を維持したまま独立しているうえ、再度発症した際には前回の発症中の記憶も復活することが、美依那やカレンの台詞から示唆されている。それらに加え、発症者の目は発症中の千歌と対峙した際の道隆に、「大学の研修過程で見た死刑囚の目」や「底なし沼のようながらんどうの目」と評されている。さらに対天童組戦での千歌の目は、彼女が神崎に血の泡を吐かされたうえに小夜子の命すら狙われるほど追い詰められた結果、ルーカスの人格とのシンクロ率100%を果たして完全な覚醒を迎え、瞳孔がネコ科の野獣のような形状と化している。
五菱日本重工の隠蔽工作によって世間には自然に発症すると思われているが、実際には発症者が事前の入院中に各病院にて五菱日本重工の息のかかった主治医による発火薬の投与やキットによる洗脳処理を受け続けた結果、発症に至る。また、発症の初期段階に至った玲音がそれまで懐かれていたモン吉に怯えられて噛みつかれるなど、被験者は平時でも殺人鬼の気配を放つようになる。その後、須藤が道隆に明かしたところによれば、五菱日本重工に指示された日本全国の医師たち数十人が、入院中の老若男女に発症させるための施術を無判別にキットで行なっているが、まだ2 - 3千人のうち10数例しか成功例がないうえ、反応するのは10代の少女が多いという。
「殺人実験」の際に発現する殺人鬼の人格は、その開始当初は約1時間しか維持されなかったが、人格の融合や香澄の研究が進むにつれて長くなり、対天童組戦の時点では約5時間まで維持されるようになっている。しかし、維持時間には「第10次殺人実験」での詩音や「第11次殺人実験」での真希のように個人差があるゆえ、対天童組戦でも瀬里と真希が水野の最期を見届けた時点で本来の人格に復帰している。その後、対真聖教団戦に際して間久部や吾妻との3Pを経た後の香澄の台詞によれば、一度完全な覚醒を迎えた者は完成に至っており、身に迫る危険や死の匂いを嗅ぎ取るなどちょっとした刺激を受けるだけで、本来の人格から再度覚醒するという。それゆえ、この時点での千歌に以前のような発火薬の投与や服用は不要となっている。
なお、山田のTwitterによれば、企画当時の担当者と共に考えたものであり、「殺人鬼の女体化はまだやってないんじゃないか?」ということが発想の発端となっているうえ、『魔界転生』『仮面ライダー龍騎』『Fate』辺りの影響を受けているという。
サタノファニ
前述のように、「悪魔憑き」を意味する英語の語句。
作中世界では、沙羅が精神に異常を来して錯乱する様子が「サタノファニのようだった」と評されているほか、千歌たちに殺人鬼の人格が覚醒した様子を表現する際にも用いられている。
五菱日本重工()
羽黒刑務所の運営に深く関与している民間会社。設立協力だけでなく人員派遣も担当しているが、その裏では間久部など一部の関係者と結託して内部構造を改変し、当初は千歌たちに夜間だけメデューサ症候群を発症させ、殺人鬼の人格を植えつけられた彼女たちの交戦データを取るという「殺人実験」を行なわせている。
ゴミの量からそれを排出する人数を割り出した道隆の台詞によれば、表向きに派遣した者たちとは別に「殺人実験」の関係者たちを30人近く派遣し、所内のどこかに潜伏させている模様。
西や丸田などの刑務官は最初から矯正局によって普通に配属されたわけではなく、何かしらの問題を起こして羽黒刑務所へ左遷された身であり、上に強く出られない弱い立場として実験環境の法的な体裁を整えるために利用されているが、1年間の勤務を終えれば五菱日本重工によってそれなりの待遇が約束されている。
道隆に「殺人実験」を目撃された後は彼の追跡と平行して情報の出所をたどり、江口の法律事務所にクレームを入れている。また、道隆が偽名で佐田島に接触を図った際には、居留守でやり過ごした彼からの連絡を受け、道隆を拉致しようと刺客たちを差し向けるが、自動車で偶然通りかかった秋穂に妨害され、失敗に終わっている。
殺人実験()
メデューサ症候群を発症させられた千歌たちが夜中に目覚めさせられた後、開錠されたドアから廊下に出て交戦する様子を香澄たちが分析するという、人体実験。千歌たちの本来の人格に殺人鬼の能力や精神を付加し、飼い慣らすことを目的としている。
千歌たち全員が一堂に会するとただの混戦になることから、あらかじめ彼女たちを離して収容しておいたり、実験場を区分けして移動に制限をかけたりしている。そのため、第10次のように千歌・カレン・カチュアが早々と合流することは珍しいという。屋内での実験を終了させる際には天井から催眠ガスが放出され、千歌たちは強制的に眠らされて回収される。
千歌がメデューサ症候群の完全な発症に至らない状態で出向いたのが第10次、発症しないまま初めて出向いたのが第9次であるため、小夜子がこの実験の存在を知ったのは第8次以前である模様。
なお、遺体については五菱日本重工の息のかかった医師に偽の死亡診断書を書かせる、行政に怪しまれないように遺体安置所での保管を経て少しずつ火葬場に回す、羽黒刑務所の職員たちにそれとなく言い含めて口止めするといった偽装工作が、間久部の指示で行なわれている。 第11次殺人実験 千歌たちが10人となったことを踏まえて彼女たちを5人ずつに分け、各チームに「花嫁」として白のウェディングドレス姿の千歌と黒のウェディングドレス姿の小夜子を配置し、残りの4人ずつに自チームの「花嫁」を殺害させるという趣向が取られている。また、チーム内の4人のうち1人にはミクロンレベルの毒カプセルが血管に注入されており、助かるには時間切れとなる45分以内に「花嫁」を殺害する必要がある。一方、「花嫁」が助かるには時間切れまで逃げ延びるか自チームの4人を殺害する必要があるため、いずれにしても各チームに必ず1人は死者が出るほか、香澄の性格の悪さを分析したカチュアによれば、別チームの者を殺害するとペナルティを受けるという。カチュアは香澄の指示で黒チームを示す黒のコサージュを臀部に着けており、罠から脱出して自分を組み伏せた千歌にそれを理由として殺害の中止を願うも半ば聞き入れられず、左腕を骨折させられる。また、コサージュは千歌によって白に差し替えられたため、そのことに気づかないまま彼女の策に乗って囮となったカチュアは瀬里と真希に追撃される際に驚いたうえ、瀬里に重傷を負わされる。その後、道隆の介入によって切り上げられており、毒を投与されていた者たちには解毒薬が投与され、まだ動ける者たちと共に彼の殺害を命じられたことが、香澄の台詞で明かされている。 第12次殺人実験 開始以前の日に男性の受刑者たち10人に千歌たち10人への強姦を教唆し、前者の欲望と後者の不安を高めた(香澄の命令を無視して千歌たち9人の救助に動いた吾妻の介入もあって強姦は未遂に終わったが、それに先駆けてカレンだけは自分から彼らの棟を訪れ、居合わせた今田兄弟との3Pに耽っている)後、当日には双方を廃村へ配置して交戦させるという趣向が取られている。千歌たち10人はすでに「スイッチ」へ着替えさせられていたが、2人ずつに分かれた男性の受刑者たち10人には彼女たちを死刑囚として殺害させるという理由(実際の理由は、発症中の千歌たち10人に男性の受刑者たち10人を殺害させるためである)で間久部から実弾仕様の銃器類などが与えられており、それまでの戦い方では発症の時間切れを迎えて嬲られることが確実であるため、千歌たち10人も2人ずつに分かれて個別に応戦している。小夜子は他の面々以上に人格の融合が進んでいたことから、他の面々が時間切れを迎えて久しい夜明けの時点でもまだ覚醒状態にあり、和成による命乞いを却下して射殺するに至った。また、その結果を踏まえて千歌たち10人の記憶の消去が見送られたため、彼女たちは自分の別人格の存在とそれによる凄惨な犯行を自覚させられることとなった。
第11次殺人実験
千歌たちが10人となったことを踏まえて彼女たちを5人ずつに分け、各チームに「花嫁」として白のウェディングドレス姿の千歌と黒のウェディングドレス姿の小夜子を配置し、残りの4人ずつに自チームの「花嫁」を殺害させるという趣向が取られている。また、チーム内の4人のうち1人にはミクロンレベルの毒カプセルが血管に注入されており、助かるには時間切れとなる45分以内に「花嫁」を殺害する必要がある。一方、「花嫁」が助かるには時間切れまで逃げ延びるか自チームの4人を殺害する必要があるため、いずれにしても各チームに必ず1人は死者が出るほか、香澄の性格の悪さを分析したカチュアによれば、別チームの者を殺害するとペナルティを受けるという。カチュアは香澄の指示で黒チームを示す黒のコサージュを臀部に着けており、罠から脱出して自分を組み伏せた千歌にそれを理由として殺害の中止を願うも半ば聞き入れられず、左腕を骨折させられる。また、コサージュは千歌によって白に差し替えられたため、そのことに気づかないまま彼女の策に乗って囮となったカチュアは瀬里と真希に追撃される際に驚いたうえ、瀬里に重傷を負わされる。その後、道隆の介入によって切り上げられており、毒を投与されていた者たちには解毒薬が投与され、まだ動ける者たちと共に彼の殺害を命じられたことが、香澄の台詞で明かされている。
第12次殺人実験
開始以前の日に男性の受刑者たち10人に千歌たち10人への強姦を教唆し、前者の欲望と後者の不安を高めた(香澄の命令を無視して千歌たち9人の救助に動いた吾妻の介入もあって強姦は未遂に終わったが、それに先駆けてカレンだけは自分から彼らの棟を訪れ、居合わせた今田兄弟との3Pに耽っている)後、当日には双方を廃村へ配置して交戦させるという趣向が取られている。千歌たち10人はすでに「スイッチ」へ着替えさせられていたが、2人ずつに分かれた男性の受刑者たち10人には彼女たちを死刑囚として殺害させるという理由(実際の理由は、発症中の千歌たち10人に男性の受刑者たち10人を殺害させるためである)で間久部から実弾仕様の銃器類などが与えられており、それまでの戦い方では発症の時間切れを迎えて嬲られることが確実であるため、千歌たち10人も2人ずつに分かれて個別に応戦している。小夜子は他の面々以上に人格の融合が進んでいたことから、他の面々が時間切れを迎えて久しい夜明けの時点でもまだ覚醒状態にあり、和成による命乞いを却下して射殺するに至った。また、その結果を踏まえて千歌たち10人の記憶の消去が見送られたため、彼女たちは自分の別人格の存在とそれによる凄惨な犯行を自覚させられることとなった。
ベース
「殺人実験」の際に千歌たちを支配する別人格「マーダーモデル」の基礎となった、実在の殺人鬼の総称。ミラーニューロンを利用し、千歌たちに植えつけられている。
本来、別人格は表に出てこないものであるが、メデューサ症候群を発症させるための投薬やプログラム、そして「殺人実験」を重ねるうち、本人の人格に影響を与えながら融合していく。また、霧子と詩音の両方へ移植されたデサルボの人格のように、適合さえすれば何人にでも移植できる。
天童組()
広域暴力団「明石会」系列のヤクザ組織。サンクチュアリ号には水野の組長就任の内祝いのため、主だった組員たち35人が乗り込んでいたが、五菱日本重工の社長に切り捨てられた水野ごと、千歌たちメデューサのターゲットにされる。
武闘派を謳い、柔道5段の水野を始め構成員は戦闘に長けた者たちが多い。一方で組長になった水野が命を狙われているという非常時にも関わらず自身の欲を優先させる者も多く、さらに連絡も電話とメールで確認する程度と、危機意識が甘かった点も見られた。
船内での激戦を経て、水野に反逆しメデューサに協力した仁奈と海に落とされたが生存していた神崎を除いた33名が殺害された結果、主だった上位陣が消え組織としては事務所や広島に残してきた一般組員たちだけと弱体化を迎えるが、その後は組を仁奈が継ぎ、神崎が荒事をまとめるようになった。五菱日本重工としては扱いやすくなったことから関係が修復され、上部団体への資金提供や根回しによる組織の立て直しが行なわれている。
カヤックフィッシング
対天童組戦から懲罰房を経て復帰した千歌たち8人を、西が連れ出したレクリエーション。海上ファームにて土曜日ゆえの刑務作業の半ドン終了時に西が提案したが、以前の船釣りと同様に釣りであることには変わりがないことから、千歌・美依那・霧子からは露骨に眉をひそめられている。また、海上へ繰り出す際には懲罰房にて鈍ったインナーマッスルを鍛えるのに最適である旨を西が力説したため、美依那と霧子からはさらに苦々しく思われたほか、彼が魚群探知機まで用意していたことはカチュアからも眉をひそめられている。
谷による骨折からのリハビリで浜辺からヒゲ爺と共に見学中の洋子を除き、西は千歌たち7人のために2人乗りのカヤック4隻を用意していたが、これにはレクリエーションとは別に監視を装って千歌と同船し、音信不通となった道隆のことについて2人きりで話し合いたいという目的も含まれていた。しかし、千歌と小夜子の(対天童組戦の最中にセックスまで至ったことによる)ぎこちなさを心配した美依那が、カチュアから同船を誘われていた千歌に小夜子を押し付ける形で同船させたため、自分は美依那と同船して巨大な鯛を釣ってみせながら単独での戦いを決意する。一方、乗船した千歌はアタリがないことから沖合いまで漕ぎ出た後、小夜子とのセックスを思い出して動揺したうえ、涙ぐんだ彼女に時めいて思わず体勢を崩したことからカヤックを転覆させてしまい、溺れた彼女を抱えたまま流れ着いた別の小島にて呼吸停止に陥っていた小夜子への人工呼吸に励んだ結果、息を吹き返した彼女に欲情してセックスを始めたところを、ヒゲ爺の通報で西と共に駆けつけた美依那から激怒される。
真聖教団()
逆三角形に覗く目を絡み合う2匹のヘビが囲むといったシンボルマークのもと、Y県神無村に本部を構える新興宗教団体。
秋穂や五菱日本重工の社長の台詞によれば、ここ数年で信者数を増やす勢いによって全国に支部をいくつも構えているうえ、五菱日本重工とは違うアプローチでミラーニューロンを研究しているという。また、対天童組戦以降の1か月間にメデューサ症候群を発症した少女たちを、野良メデューサや真希を用いて次々と殺害していることから、挑発と判断した香澄から千歌たち8人に野良メデューサの全滅が命じられることとなったが、五菱との戦いによって10人の野良メデューサのうち、6人が死亡。協力者の内田と教祖のしぐまが戦死し、多数の信者も死亡したが、五菱側のメデューサも友坂との戦いで重傷を負ったカチュアを除き全員が教団に寝返ることとなった(真希は先述のとおり先に教団に与しており、カレンとあやは間久部に処分される前に龍野の策略でマイクロチップを摘出、残る5人は間久部に処分された後に龍野の手で摘出されるのと同時に蘇生措置を施される形でそれぞれ寝返っている。)。後に犬養三姉妹の1人・まり亜が新たな教祖として教団の再興と五菱の打倒を掲げることとなる。
信者や野良メデューサが「唵 荼枳尼 薩婆訶」()との聖音を用いているほか、以下の呼称からも、真言宗系仏教・密教・インド神話からの引用が見られる。
ダーキニー
インド神話における鬼女にして仏教における荼枳尼天のことであるが、真聖教団では教祖に選ばれた少女(五菱日本重工や羽黒刑務所でいうところの野良メデューサ)のことを指す。選ばれる際には何日もの断食を命じられ、その間は教祖から与えられる「聖水」しか口にできない。
洗脳の結果、マーダーモデルの人格だけでなく活動当時の記憶も植えつけられていることが、千歌を圧倒した際のひよ里の台詞から示唆されている。
なお、少年の場合はダーカと呼称されている模様。

舞台

羽黒刑務所()
五菱日本重工による協力を得て造られた、日本初のLB級女子刑務所で対真聖教団戦までの千歌たちの拠点。瀬戸内海のとある孤島に存在しており、物語開始時点では東京の常磐学園から収容されてきた千歌をはじめ、メデューサ症候群を経て凶悪殺人を犯した女性たち9人が、日本各地から収容されている。
女子刑務所の過剰収容の緩和を目的とした官民協働刑務所(現実世界では、島根県の島根あさひ社会復帰促進センターや山口県の美祢社会復帰促進センターなどが相当する)の1つであり、受刑者100人を収容可能な棟が3つ建っているが、物語開始時点ではまだ試用期間にあり、受刑者は千歌を含めて9人のみと少ない。日本初ということからも慎重に少しずつ受刑者を増やし、1年後の本格始動を目指している。しかし、一般の官民協働刑務所のような広報活動を行なっていなかったことから、千歌の収容先を探していた江口に不審を抱かれたうえ、千歌との面会に訪れた道隆には、3日ごとに回収されるにしては多すぎるゴミの量から、ガーボロジーで真相を推察される。また、江口のもたらした情報によれば、フェンスは高さ5 - 7mで敷地を3重に囲むうえに振動センサー付き、監視カメラは15m間隔で取り付けられているほか、フェンス前には遮光式の赤外線センサー、敷地内には拡散式のレーザーセンサーがそれぞれ張り巡らされていることから、道隆に「難攻不落の要塞」と言わしめている。
CTをはじめ金属探知機や薬物検知機などのハイテク機器が備えられており、入所時の身体検査すら脱衣せずに行なえる。受刑者たちには後述のブレスレットを左手首に、耳錠を左耳にそれぞれ取りつけることが義務づけられているが、その代わりに所内をある程度は自由に出歩けるようになっている。また、それぞれに個室が与えられている(ただし、夜中はドアが電子錠で施錠され、廊下へ出られなくなる)うえ、食事は大半の食材を海上ファームでの刑務作業による半自給自足で豪華に食べ放題と、前述の目的に合致しない一面があり、小夜子に不審を抱かれている。
一般刑務所と同様に作業報奨金が発生する刑務作業(土日は作業が免除されるという工程も同様であり、ブリシャブパーティーはそれを活用して日曜日に割り当てられた)こそあるものの常駐の購買課はまだ開設されていないことから、受刑者が必要な物資はヒゲ爺を介して商会から仕入れる。刑務所ゆえに検閲を通す必要があるうえ、インターネットは利用できないが、本はおろかテレビ・タブレット・ゲーム機などの所持は許可されている。また、受刑者と外部の者の面会も可能であるが、入所の経緯もあって面会を申し込む者はおらず、道隆が最初となった。
所外ではかつての島民に飼われていた数羽のクジャクが野生化しており、カラスのようにゴミを漁っては業者に追い払われている。その食性から生じるペリットに混入していたマイクロピペットのチップは、道隆に羽黒刑務所への不審を抱かせる一因となった。
刑務官や警備員など20人が住み込みで勤務しており(住み込みではない給食やハウスクリーニングなどの業者も含めれば、30人以上が出入りしている)、そのうち矯正局の刑務官6人、五菱日本重工の警備員6人の計12人が受刑者たちの処遇を担当しているが、後述の「殺人実験」の際には真相を隠蔽するためにも必ず、刑務官より早く警備員が現場に駆けつけている。
「殺人実験」の際、千歌たちは個室ごと交戦用の階層(交戦内容に対応できるように高さも広さもさまざまなものが用意されており、使用可能な罠や薬品すら存在する)へ移動させられての交戦を経て再び眠らされた後、五菱日本重工の警備員によって医療センターへ運ばれ、傍目には自傷行為による負傷と見えるようにするためにも治療が施されるが、吾妻に「ユニット組めますよ」と高評されるほどの美少女や美女ばかりであることから、覚醒するまでの間には間久部の変態性欲の捌け口にされることがある。
男性の受刑者たち10人の収容時には、千歌たち10人とは別の棟が割り当てられた。内部は千歌たち10人の棟と同様であるが、自室にてカレンとの3P中の今田兄弟が本来なら看守の不在中に警備員を買収してカレンを犯しに行く予定だったことを明かしているうえ、彼女の方も自分からこの棟へ易々と入れたことにセキュリティの甘さを実感している。
羽黒刑務所が建つ孤島は北西と南東に伸びたラッカセイのような形状であり、羽黒刑務所は孤島の南東側、海上ファームや港は羽黒刑務所の南側や西側に存在するほか、孤島の北西側には「第12次殺人実験」の舞台となる砲台跡や旧集落が存在する。
なお、山田のTwitterによれば、孤島は大久野島や宇治島など、瀬戸内海のいくつかの島をモデルとしているという。 医療センター 羽黒刑務所内の医療施設。医療重点施設並みの医療システムを備えており、有事の際には迅速な処置が行なえるようになっている。 「第9次殺人実験」の際に失神した千歌はここの病室にて目覚めたが、看護師には小夜子と同様に自室で倒れていたと説明されており、その前夜にベッドへ入った以降の記憶は欠落している。また、集中治療室では治療を終えて収容された小夜子が、昏睡状態のまま間久部に凌辱される。 「第10次殺人実験」の終了後には千歌・美依那・カチュア・カレン・霧子が病室にて目覚め、千歌たちの負傷は錯乱した詩音によること、動揺した千歌たちに香澄が強い精神安定剤を使ったこと、詩音が自殺したことを香澄から偽証される。 「第11次殺人実験」の終了後には病室にて千歌たち10人の記憶消去に取りかかろうとした香澄が、千歌が一瞬だけ我に返って道隆を脱出させたことを彼女の左腕の負傷から看破し、部下たちに道隆の捜索を命じる。 矯正プログラム室 受刑者たちが矯正プログラムを受ける教室。前方へ下り傾斜が付いた階段状となっており、道徳のビデオ視聴のほか、特殊な映像や音を用いたヒーリング、カウンセリングなどを行なう。 「第9次殺人実験」を経て目覚めた千歌は香澄に診察されてから訪れるが、美依那に首の絞痕を自傷行為によるものと説明したことで、その場の全員とも自分と同じく自傷行為中の記憶が欠落していることを知る。 中央センター 羽黒刑務所内の管理施設。管理室では夜勤中の刑務官による監視カメラを介しての監視が行なわれているが、「殺人実験」が行なわれる際には間久部によってダミー映像に切り替えられるため、真相に気づく者はいない。 研究室 羽黒刑務所内のどこかに存在し、香澄たちが「殺人実験」を監視する部屋。実験開始と共に切り替えられた監視カメラの映像や音声を流すモニターや機器が多数設置されており、千歌たちのミラーニューロンの状態についても計測されている。 懲罰房 受刑者たちが規則違反を犯した際に収容される小部屋。細長い室内に畳が盾に並べられており、その先には洋式便器が設置されている。 対天童組戦後には、負傷した千歌たち8人が堂島姉妹の脱獄に加担したことを理由として回復した者から順番に収容を命じられ、完了した者から順番に刑務作業への復帰を果たしている。 体育館 羽黒刑務所内の運動施設。やや小規模ながら内装は通常の体育館と同様となっており、後述のバレーボールなども行なえる。 千歌たち10人が「第11次殺人実験」による負傷から復帰した後、彼女たちのもとへヒゲ爺がダロワイヨのモンブランを5つだけ差し入れたため、それを景品として千歌が率いるAチーム5人と洋子が率いるBチーム5人のバレーボール対決が行なわれる。接戦の末にブロックを決めて勝利したと喜ぶ千歌に、丸田は彼女の巨乳がブロックの際にタッチネットとなっていたことを指摘し、反則負けを告げる。千歌は腹を鳴らしながら落胆するが、Bチームに入っていた小夜子からモンブランを譲られる。そんな千歌たち10人の姿は、収容されたばかりの男性の受刑者たち10人に覗かれており、まもなくトイレでのオナニーに耽る彼らにとっては格好の題材となった。
医療センター
羽黒刑務所内の医療施設。医療重点施設並みの医療システムを備えており、有事の際には迅速な処置が行なえるようになっている。
「第9次殺人実験」の際に失神した千歌はここの病室にて目覚めたが、看護師には小夜子と同様に自室で倒れていたと説明されており、その前夜にベッドへ入った以降の記憶は欠落している。また、集中治療室では治療を終えて収容された小夜子が、昏睡状態のまま間久部に凌辱される。
「第10次殺人実験」の終了後には千歌・美依那・カチュア・カレン・霧子が病室にて目覚め、千歌たちの負傷は錯乱した詩音によること、動揺した千歌たちに香澄が強い精神安定剤を使ったこと、詩音が自殺したことを香澄から偽証される。
「第11次殺人実験」の終了後には病室にて千歌たち10人の記憶消去に取りかかろうとした香澄が、千歌が一瞬だけ我に返って道隆を脱出させたことを彼女の左腕の負傷から看破し、部下たちに道隆の捜索を命じる。
矯正プログラム室
受刑者たちが矯正プログラムを受ける教室。前方へ下り傾斜が付いた階段状となっており、道徳のビデオ視聴のほか、特殊な映像や音を用いたヒーリング、カウンセリングなどを行なう。
「第9次殺人実験」を経て目覚めた千歌は香澄に診察されてから訪れるが、美依那に首の絞痕を自傷行為によるものと説明したことで、その場の全員とも自分と同じく自傷行為中の記憶が欠落していることを知る。
中央センター
羽黒刑務所内の管理施設。管理室では夜勤中の刑務官による監視カメラを介しての監視が行なわれているが、「殺人実験」が行なわれる際には間久部によってダミー映像に切り替えられるため、真相に気づく者はいない。
研究室
羽黒刑務所内のどこかに存在し、香澄たちが「殺人実験」を監視する部屋。実験開始と共に切り替えられた監視カメラの映像や音声を流すモニターや機器が多数設置されており、千歌たちのミラーニューロンの状態についても計測されている。
懲罰房
受刑者たちが規則違反を犯した際に収容される小部屋。細長い室内に畳が盾に並べられており、その先には洋式便器が設置されている。
対天童組戦後には、負傷した千歌たち8人が堂島姉妹の脱獄に加担したことを理由として回復した者から順番に収容を命じられ、完了した者から順番に刑務作業への復帰を果たしている。
体育館
羽黒刑務所内の運動施設。やや小規模ながら内装は通常の体育館と同様となっており、後述のバレーボールなども行なえる。
千歌たち10人が「第11次殺人実験」による負傷から復帰した後、彼女たちのもとへヒゲ爺がダロワイヨのモンブランを5つだけ差し入れたため、それを景品として千歌が率いるAチーム5人と洋子が率いるBチーム5人のバレーボール対決が行なわれる。接戦の末にブロックを決めて勝利したと喜ぶ千歌に、丸田は彼女の巨乳がブロックの際にタッチネットとなっていたことを指摘し、反則負けを告げる。千歌は腹を鳴らしながら落胆するが、Bチームに入っていた小夜子からモンブランを譲られる。そんな千歌たち10人の姿は、収容されたばかりの男性の受刑者たち10人に覗かれており、まもなくトイレでのオナニーに耽る彼らにとっては格好の題材となった。
海上ファーム
羽黒刑務所が建つ孤島の沿岸に浮かぶ、巨大な筏状の施設。刑務作業の一環としての半自給自足を実現させるための太陽電池・汚水肥料変換装置・海水淡水化装置を備え、世界の食糧難を救うための実験的な一面も兼ねて導入されている。海上なので害虫や病気による被害が少なく、船で曳航して移動できるという。
刑務作業中に身体が汚れてもすぐ洗えるようシャワー室も備えており、第4話では美依那が千歌を魚の生け簀へ蹴り落として自分も飛び込むことで監視の目を逃れ、シャワーを浴びながら彼女との2人きりの対話を実現させている。また、ブリシャブパーティーで2匹目のブリを揚げに美依那が小夜子に付き添って訪れた際には、バストサイズをからかってきた彼女を悪戯心で生け簀へ蹴り落としているが、溺れてまもなく救出された小夜子はメンゲレの人格に汚染されていることが判明している。
第103話では農園も描かれており、水耕栽培で育ったトマトを収穫する刑務作業に勤しんでいた美依那・あや・小夜子・カチュア・カレン・霧子・洋子のもとへ2週間ぶりに懲罰房から解放された千歌が合流し、出迎えた小夜子を対天童組戦中のセックスの記憶から意識してしまう。一方、その2階部分からは羽黒刑務所を視察に訪れていた五菱日本重工の社長・瑠璃子・三上が、間久部や香澄と共に千歌たち8人の姿を眺めながら自分たちの目的を再確認し合うが、彼らの姿も千歌たち8人からは見えており、千歌と美依那は対天童組戦での記憶から五菱日本重工がメデューサを作ったという情報に行き着いたところで、半ドンゆえの作業終了と撤収を命じてきた西からカヤックフィッシングに連れ出される。
孤島の港
羽黒刑務所が建つ孤島の港。本土との玄関口として、住み込み勤務の刑務官や出入り業者の操船による船に用いられており、船着き場と消波ブロックを左右に配した防波堤の先端には灯台が立っている。
道隆は「第11次殺人実験」のことを知らないまま再上陸した後、沖に停泊させておいた清掃業者の船による脱出に備え、灯台に照らされる消波ブロックの隙間にドライスーツを隠していたが、逃走を経て千歌に先回りされて使えなくさせられたうえ、喉元にナイフを突きつけられる。しかし、そこでかろうじて我に返った千歌が美依那たちから道隆を守ろうと、まだ発症中を装って自分の腕を刺したうえで彼を海へ突き落としたことに加え、先述の船の船長が帰りの遅い道隆を捜索して救出したことから、彼は九死に一生を得る。
愛慶病院()
真央と玲音の入院先。横浜市に存在する5階建ての病院。
かつて東京で千歌にメデューサ症候群を発症させた須藤はここへ異動した後に真央を発症させ、玲音にも発症させようと目論むが、真央から玲音の情報を得た道隆と秋穂によって阻止される。道隆が名古屋海浜資料館の現場偽装を看破した後には、須藤のもとを訪れていた秋穂から道隆のもとへ内田と真聖教団のことについて連絡が入る。
サンクチュアリ号
道隆と秋穂が須藤の目論見を阻止してから数日後、千歌たち10人がワンナイトクルーズへの招待を偽られて乗船したクルーズ船。全長198メートル、幅25メートル、12階建ての船体に、ゲームセンター、フィットネスジム、プール、映画館などが入居している。
第55話では、プールにて泳ぎ終えた千歌と小夜子が立ち寄るラウンジ、カチュアが一般客たちとの賭け麻雀を楽しむ雀卓、洋子のピアノ伴奏で霧子が歌うバー、あやがダンクシュートを決めて一般客たちに驚かれるバスケットゴール、カレンが高橋とのセックスを楽しむカジノ、瀬里が真希を連れて明への電話をかける公衆電話、千歌と小夜子が宿泊する2人用客室、第56話では千歌たち10人と吾妻が入浴する展望浴室、第59話・第60話ではカチュアと難波たち4人が利用するトイレ、第60話では霧子と仁奈が利用するカラオケルーム、第64話では洋子と谷がチークダンスを踊るダンスホール、第75話では千歌が水野の自室から救出した小夜子と共に一旦潜伏してセックスに耽る救命ボートなども描かれている。
乗船中の天童組の面々を排除するという実戦テストを兼ねた「任務」を課せられた千歌たち10人は、まず船内の把握を兼ねてそれぞれが各所を楽しんだ後、「任務」に当たることとなる。監視カメラは高木によってダミー映像に切り替えられており、一般客には気づかれないようにされているが、千歌たち10人には「第11次殺人実験」や「第12次殺人実験」の際と同様に毒薬が投与されており、「任務」の放棄や船外への脱出は不可能となっている。また、戦闘に必要な武器類はあらかじめ持ち込まれており、吾妻が管理している。千歌は小夜子や美依那と組むと小夜子の顔がすでに知られていることを利用して彼女に変装し、わざと水野や天童組の幹部たちのもとへ連行されて彼らと交戦するが、その手強さに苦戦を強いられる。それらに先駆け、船底には香澄による証拠隠滅の切り札として、合計30キログラムのプラスチック爆弾が仕掛けられる。
第90話での香澄の説明によれば、広島港から出航後、豊後水道、太平洋、紀伊半島沖を迂回して名古屋港へ向かう航路を進んでいたが、前述の経緯から紀伊半島の100キロメートル沖にて海保のヘリコプターの到着を待つための停泊中には3分の距離に羽黒刑務所のクルーザーが待機していたが、堂島姉妹の逆襲や脱獄に遭った香澄が証拠隠滅を早めようと起爆を前倒ししたことから、一般客や船員たちはパニックを経て救命ボートでの脱出に辛くも成功し、爆沈していくサンクチュアリ号を目の当たりにすることとなった。
船体は、全長の数値こそ延長されているものの日本クルーズ客船のぱしふぃっくびいなすに酷似しており(同船は全長183.4メートル)、内部施設の種類や配置も一致している。
クルーザー
サンクチュアリ号からの脱出に備えて羽黒刑務所が待機させていたクルーザー。横付けしての脱出後、距離を取ってサンクチュアリ号を爆沈させてから名古屋港へ向かうという手筈になっており、千歌たち10人に投与されていた毒薬の解毒剤も積まれている。
夜明けが迫る船内にて、堂島姉妹は小夜子に大阪港へ着いた後はタクシーで新大阪駅へ、さらに新幹線で名古屋駅へ着いた後は名古屋港へ向かうよう指示されたうえ、カチュアには彼女がサンクチュアリ号内の賭け麻雀で稼いだ1万円札の束を餞別として贈られて霧子に喜ばれ、彼女たちに感謝する。
堂島姉妹に共感して香澄に反逆した千歌たち8人に脅迫された操縦士の男性は、堂島姉妹の脱獄を成功させるという目的や燃料が残り少ないという理由からも大阪港へ向かわされていたが、彼女たちの発症切れによる人格の復帰で生じた隙にポケット内のスマホで五菱日本重工に連絡しており、羽黒特別機動警備隊が先回りすることとなる。
大阪港
千歌たち10人と吾妻がクルーザーで到着した目的地。夜が明けていく中、堂島姉妹が小夜子に弁天町駅にてタクシーを拾うよう指示され、霧子ら他の面々にも別れを惜しまれながら見送られた直後、待ち構えていた羽黒特別機動警備隊に拘束されそうになるが、クルーザーにて待っていた洋子が操縦士から拳銃を奪い、彼らのマイクロバスを乗っ取って突っ込ませるという機転により、辛くも難を逃れる。
堂島姉妹がタクシーで新大阪駅へ急ぐ一方、千歌たち8人と吾妻は羽黒特別機動警備隊に拘束され、香澄と共にマイクロバスへ乗り込まされる。
新幹線
24時間営業の店舗で私服を購入して「スイッチ」のメイド服から着替えた堂島姉妹が、名古屋駅への移動に利用した列車。新大阪駅6時発東京駅行きののぞみ200号ではなく、博多駅行きのこだまに乗車して新神戸駅へ向かうことにより、待ち構えていた羽黒特別機動警備隊から一旦逃れたうえで改めて名古屋駅へ向かう。そうとは知らずのぞみ200号に乗車した羽黒特別機動警備隊はトイレに堂島姉妹が隠れていると思い込んで扉を破壊し、SMプレイ中だった無関係のカップルを目の当たりにして裏をかかれる結果となった。
なお、こだまの方にも強面の男性が乗車しており、険しい表情で向かってくる姿を羽黒特別機動警備隊と思った堂島姉妹はトイレに隠れてやり過ごすが、彼は本当に急な便意をもよおして扉を叩き続けただけの無関係な者だった。
名古屋港湾水族館 / ポートビル / 名古屋海浜資料館
名古屋港へ到着した堂島姉妹がサンクチュアリ号内からの電話で受けた指示に従って訪れた、待ち合わせ場所。名古屋港湾水族館にて堂島姉妹は使いの者に代わって現れた明との再会やデートにとまどいながらも喜ぶと、彼の用意していた衣装に着替えて父の愛を実感するが、夕日に包まれていく貸し切りのポートビルにて、実はネイビス連邦の国籍の購入資金(1人につき25万ドル)は遺族たちへの賠償金ですでに失われていることを明かされたうえ、明の立ち去った後には武本をはじめ遺族たちに追い詰められて拘束され、名古屋海浜資料館にて凄惨な報復に遭う。
瀬里が死亡して真希が逃亡した後には羽黒特別機動警備隊が瀬里の遺体だけを回収し、彼女による遺族たちの全滅は錯乱した明によるものと偽装されたが、鑑識員に変装して訪れた道隆には偽装であることを看破される。
神無村()
真聖教団が本部を構えるY県の村。五菱日本重工の社長の台詞によれば、他の地域に比べて行方不明者が目立って多いうえ、五菱日本重工の協力者がいない「空白地帯」だという。また、羽黒特別機動警備隊の隊長の台詞によれば、経済的に真聖教団に依存していることから完全にその支配下にあるほか、ひよ里の台詞によれば、出家信者たちが甲州九龍城に、在家信者たちが昔ながらの民家にそれぞれ暮らしているという。
千歌の台詞によれば彼女と小夜子が「転入」した学校は各学年1クラスだけで占められた中高一貫校であり、千歌は高等部2年、小夜子は高等部3年、真希は中等部に在籍している模様。 甲州九龍城() 真聖教団の本部が存在し後に五菱を裏切った千歌たちの新たな拠点となる巨大な建物。羽黒特別機動警備隊の隊長の台詞によれば、かつて過疎化を経て住民不在となった団地が真聖教団に買い上げられ、何度もの違法増築を経て1つの巨大な建物と化した結果、現実世界の香港に実在していた九龍城のような外形と化しているうえ、その頂点には真聖教団の象徴とうかがえるピラミッド状の神殿が建っている。 商店街の裏口から入れる狭い路地は迷路のように複雑な構成となっているが、野良メデューサたちにとっては庭に等しい場所でもあり、羽黒特別機動警備隊は彼女たちによって壊滅の憂き目に遭う。 千歌たちが住む一軒家 対真聖教団戦に際し、千歌・美依那・小夜子・霧子が女性だけの空木家を偽って住む2階建ての一軒家。 千歌は髪型をポニーテールに変えて「空木ちか」、小夜子は千歌の姉として「空木さよ」との偽名をそれぞれ用いるほか、霧子は偽名は不明だが鮮魚店にてアルバイトに励む姉を、美依那は全身を包む肉襦袢で中年女性の姿に変装して「ちか」たち3人を育てながら東京から転居してきた母をそれぞれ偽り、野良メデューサが誰なのかを調査する一方で穏やかな日常生活に入るが、転居初日の夜中にひよ里や信者たちによる急襲に遭う。それに際した小夜子の台詞によれば、家の周囲に仕掛けておいた監視カメラや警報システムは、すべて破壊されていた模様。 1階を信者たちに任せたひよ里は2階へ駆け上がって窓内への侵入に取りかかるが、彼女の殺気で覚醒した千歌はパンティー姿のまま窓の傍で待ち構えており、ひよ里を庭へ蹴り落とすと自分も自動車をクッション代わりに着地して彼女を圧倒する。しかし、変装姿の美依那は信者たちに拘束されてひよ里に金属バットで滅多打ちに遭い、その光景に動揺した千歌は殴打を経てワイヤーで拘束され、金属バットによる破瓜の危機に遭う。
甲州九龍城()
真聖教団の本部が存在し後に五菱を裏切った千歌たちの新たな拠点となる巨大な建物。羽黒特別機動警備隊の隊長の台詞によれば、かつて過疎化を経て住民不在となった団地が真聖教団に買い上げられ、何度もの違法増築を経て1つの巨大な建物と化した結果、現実世界の香港に実在していた九龍城のような外形と化しているうえ、その頂点には真聖教団の象徴とうかがえるピラミッド状の神殿が建っている。
商店街の裏口から入れる狭い路地は迷路のように複雑な構成となっているが、野良メデューサたちにとっては庭に等しい場所でもあり、羽黒特別機動警備隊は彼女たちによって壊滅の憂き目に遭う。
千歌たちが住む一軒家
対真聖教団戦に際し、千歌・美依那・小夜子・霧子が女性だけの空木家を偽って住む2階建ての一軒家。
千歌は髪型をポニーテールに変えて「空木ちか」、小夜子は千歌の姉として「空木さよ」との偽名をそれぞれ用いるほか、霧子は偽名は不明だが鮮魚店にてアルバイトに励む姉を、美依那は全身を包む肉襦袢で中年女性の姿に変装して「ちか」たち3人を育てながら東京から転居してきた母をそれぞれ偽り、野良メデューサが誰なのかを調査する一方で穏やかな日常生活に入るが、転居初日の夜中にひよ里や信者たちによる急襲に遭う。それに際した小夜子の台詞によれば、家の周囲に仕掛けておいた監視カメラや警報システムは、すべて破壊されていた模様。
1階を信者たちに任せたひよ里は2階へ駆け上がって窓内への侵入に取りかかるが、彼女の殺気で覚醒した千歌はパンティー姿のまま窓の傍で待ち構えており、ひよ里を庭へ蹴り落とすと自分も自動車をクッション代わりに着地して彼女を圧倒する。しかし、変装姿の美依那は信者たちに拘束されてひよ里に金属バットで滅多打ちに遭い、その光景に動揺した千歌は殴打を経てワイヤーで拘束され、金属バットによる破瓜の危機に遭う。

アイテム

ブレスレット
受刑者たちの左手首に取りつけられている黒いブレスレット。羽黒刑務所への入所時に取り付けられた際の千歌の台詞によれば重量は軽く、識別装置やGPSが内蔵されており、パーソナルナンバーが表記されているが、海上ファームにて千歌に説明する美依那の台詞によれば、パーソナルナンバーについては必ずしも入所順と一致しているというわけではない。
対天童組戦までは常時取り付けられていたが、五菱日本重工の協力者が存在しない神無村への数週間を要する潜入任務を兼ねた対真聖教団戦の際には、耳錠と同じく外されて後述のマイクロチップが代用されている。
耳錠
受刑者たちの左耳に取りつけられている。位置情報を24時間発信し続ける耳かけ型補聴器似のものを特殊な生体用接着剤で貼りつけるようになっており、専用のリムーバーでしか剥がせない。
矯正プログラム用のVRHMDとも連動して使用時には点滅するが、実は「殺人実験」に必要であり、千歌たちには発火薬で活性化されたミラーニューロンへ電気信号に変換したマーダーモデルのデータを繰り返し送信して脳に直接「見せる」ことにより、殺人鬼の人格を固定している。
対真聖教団戦の際には、ブレスレットと同じく外されてマイクロチップが代用されている。
ゴキブリ型スパイ用ロボット
ヒゲ爺がロシア軍から卸した小型ロボット。盗撮用カメラを内蔵したその外見は移動時の動作も含めて本物のゴキブリにそっくりであるが、移動時や撮影時に発する動作音が大きいことから、小夜子の自室で全裸の彼女が千歌を押し倒した光景を覗いた機体は、まもなく千歌に気づかれて逃げ出そうとしたところを小夜子に蹴り上げられ、破壊された。その後、ヒゲ爺がラデュレのマカロンを千歌に差し入れた際には、新たな機体が彼女の自室へ持ち込まれている。
スイッチ
「殺人実験」の開始直前、交戦用の階層で千歌たちの個室のロッカー内に用意されている、さまざまな衣装。傍目にはコスプレのように見えるが、メデューサ症候群を発症させられた千歌たちの精神を開放させ、殺人鬼の力をより強く引き出させる役割を持つ。
なお、着用しなければまったく力を発揮できないというわけではなく、サンクチュアリ号では千歌たち10人の各室のクローゼットにそれぞれ別のドレスが用意されている。
発火薬
「殺人実験」に際し、千歌たちのミラーニューロンを活性化させてメデューサ症候群の発症(香澄たち曰く「発火」)を促進する薬剤。第12次までは当初は食事への混入や精神安定剤への偽称(ジェルカプセル)などの方法で千歌たちは知らないうちに投与されていたが、対天童組戦を経て彼女たちの人格融合がさらに進行したことからも、対真聖教団戦では注射器やカートリッジの入ったキットを小夜子が持たされており、有事の際に用いることによって任意で発症できるようになっている。
シナプス・リポジショナー
香澄が千歌たちなど被験者の記憶を消去するために用いる装置。五菱日本重工での実験を重ねて実用段階まで到達し、臨床実験も兼ねた試作機として羽黒刑務所へ導入された。
拘束帯付きの椅子に被験者を固定し、脳の記憶部位にレーザーをピンポイント照射することによってシナプスの結合を弱め、特定の記憶を思い出せなくする。これにより、被験者は特定の記憶(「殺人実験」当日の午前0時以降の出来事など)を思い出せなくなっている。
昆虫型ドローン
羽黒刑務所への不審を抱いた道隆が、所内の調査に用いたハチ型のドローン。道隆が留学中に友人から購入したアメリカ軍の払い下げ品であり、2km先までのコントロールや20分の連続稼働時間を誇るが、本来は千歌をこっそり覗く用途だったという。
調査が発覚した後は香澄によって破壊されるが、撮影データはすでに道隆のクラウドに保存されている。
マイクロチップ
対真聖教団戦に際し、香澄が千歌たち8人の動向を把握するという用途で彼女たちの後頭部に埋め込んだマイクロチップ。前述の理由からブレスレットや耳錠の代用となっているほか、香澄に反逆して堂島姉妹を脱獄させたという「前科」を持つ千歌たち8人にとってはさらなる枷ともなっており、反逆した際には香澄の操作で即死させられるよう、即効性の毒が仕込まれているが、これが仇となり、五菱の陰謀を知った龍野によってカチュアを除く全員が何らかの形で摘出手術を受け教団に寝返ることとなった。

書誌情報

電子書籍版も同時発売。加筆修正のほか、巻によってはおまけ漫画が巻末に新規収録されている。

  • 山田恵庸『サタノファニ』 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊27巻(2023年12月6日現在)
  • 2017年6月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-382979-2
  • 2017年8月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-510073-8
  • 2017年11月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-510345-6
  • 2018年3月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-511101-7
  • 2018年5月7日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-511449-0
  • 2018年8月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-512412-3
  • 2018年10月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-513116-9
  • 2019年1月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-514215-8
  • 2019年4月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-515193-8
  • 2019年7月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-516368-9
  • 2019年10月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-517345-9
  • 2020年2月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-518491-2
  • 2020年5月7日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-519598-7
  • 2020年8月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-520459-7
  • 2020年11月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-521331-5
  • 2021年2月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-522280-5
  • 2021年6月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-523346-7
  • 2021年8月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-524345-9
  • 2021年11月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-525855-2
  • 2022年2月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-526832-2
  • 2022年5月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-527801-7
  • 2022年8月5日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-528794-1
  • 2022年11月4日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-529798-8
  • 2023年3月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-531062-5
  • 2023年6月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-531977-2
  • 2023年9月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-533011-1
  • 2023年12月6日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-06-533929-9
  • 山田恵庸『サタノファニ 妖艶彩色本・極』 講談社〈プレミアムKC〉、2021年6月4日発売、ISBN 978-4-06-521332-2
参考文献
  • 山田恵庸『サタノファニ 第1巻』講談社、2017年。ISBN 978-4-06-382979-2。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第2巻』講談社、2017年。ISBN 978-4-06-510073-8。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第3巻』講談社、2017年。ISBN 978-4-06-510345-6。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第4巻』講談社、2018年。ISBN 978-4-06-511101-7。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第5巻』講談社、2018年。ISBN 978-4-06-511449-0。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第6巻』講談社、2018年。ISBN 978-4-06-512412-3。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第7巻』講談社、2018年。ISBN 978-4-06-513116-9。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第8巻』講談社、2019年。ISBN 978-4-06-514215-8。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第9巻』講談社、2019年。ISBN 978-4-06-515193-8。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第10巻』講談社、2019年。ISBN 978-4-06-516368-9。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第11巻』講談社、2019年。ISBN 978-4-06-517345-9。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第12巻』講談社、2020年。ISBN 978-4-06-518491-2。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第13巻』講談社、2020年。ISBN 978-4-06-519598-7。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第14巻』講談社、2020年。ISBN 978-4-06-520459-7。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第15巻』講談社、2020年。ISBN 978-4-06-521331-5。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第16巻』講談社、2021年。ISBN 978-4-06-522280-5。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第17巻』講談社、2021年。ISBN 978-4-06-523346-7。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第18巻』講談社、2021年。ISBN 978-4-06-524345-9。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第19巻』講談社、2021年。ISBN 978-4-06-525855-2。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第20巻』講談社、2022年。ISBN 978-4-06-526832-2。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第21巻』講談社、2022年。ISBN 978-4-06-527801-7。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第22巻』講談社、2022年。ISBN 978-4-06-528794-1。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第23巻』講談社、2022年。ISBN 978-4-06-529798-8。 
  • 山田恵庸『サタノファニ 第24巻』講談社、2023年。ISBN 978-4-06-531062-5。