シルクロード・シリーズ (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『シルクロード・シリーズ』は、1981年(昭和56年)から1990年(平成2年)にかけて神坂智子によって描かれた漫画作品群である。執筆当初、これらは白泉社の少女漫画雑誌『花とゆめ』『エポ』などで連載された。
このシリーズは、天山山脈に住み少数民族に崇められる神々「神」(テングリ)と、彼らが関係する人間の生き方を描いた大河作品である。舞台は地理上のシルクロードに当たるトルコ、ペルシャ、中央アジア、インド、チベット、モンゴル、中国および日本などである。一話ごとに完結するオムニバス形式をとっている。
作品リスト
花とゆめコミックス版
はるかなるシルクロード(1981年)
風とビードロ(1982年)
/イシククル天の幻影(*シリーズ外のSF作品)
宇宙(そら)ゆく帆船(ふね)(1983年)
姫君の塔(1984年)
ゾマの祭り(1985年)
巻毛のカムシン(1986年)
砂漠幻想(1986年)
ヘディンの手帳(1987年)
雪の朝 -ホワイトカングリー-(1988年)
欠けたもの満ちるもの(1989年)
永遠を見る娘(1990年)
あすかコミックスDX版
あすかコミックスDXで復刊時の巻名
- キャラバンの鈴
- 宇宙ゆく帆船
- 姫君の塔-キズクルガン
- ウイグルの砂
- 永遠を見る娘
- 風の輪・時の和・砂の環 - 『風の輪・時の和・砂の環』(初出:1984年新書館)はそれ自体はシルクロード・シリーズの作品ではないが、ここではコミックスのタイトルとして使われている。
設定について
花とゆめコミックス『シルクロード-姫君の塔』巻末に収録された『シルクロード年表』によれば、この漫画には前世・現世・来世の物語が順不同に含まれ、そのうちの「現世」がいま我々の存在している世界であり、中でも「現代」は20世紀であるとされる。この設定の根底にあるのは「地球も輪廻する」という概念であり、作中では地球環境が破壊される度に何度も何度も、ほとんど同じ経過をたどって歴史が繰り返されている。 本作における天山山脈の「神(テングリ)」たちの正体は、前世の地球において、高度文明に達しながら絶滅を迎えた「人間」の中から「宇宙(かみ)」によって選ばれた10人の子供(が成長した姿)である。彼らは超能力と不老長寿を与えられ、再び興る文明を人間が破壊しないよう見守り続けている。なおテングリたちと共に前世から生き残りながらも退化した人類が、我々の言うところの北京原人であるとされている。
すなわち本作品は、単なる伝説の神々の物語ではなく、れっきとしたSF漫画であると言える。しかしながら各作品の大半は素朴な人間賛歌的物語であり、SF的要素を考慮せずとも楽しめる。
「神」(テングリ)たち
天山山脈に住み、シルクロード周辺の人々に神として敬われている10人の超常的存在。超能力を持ち不老であり、長い金髪に翠色の瞳、白い肌の青年の姿をしている。彼らは元は人間であり、前世の地球において人類が生殖能力を完全に失い滅亡に直面する中、子孫を残そうと尽力する夫婦・セーヤとアーニャの遺伝子から人工子宮によって生まれた(『バルマンの鉄柱』)。夫婦から受け継いだ銀鈴(10人の脳波を刺激し、歩む道を示してくれるとされる)を持っている。10人揃わないと完全に力を発揮できないが、途中で長であるオリジンが抜けて9人となり、のちにオリジンの子孫であるシオリ(詩織)を迎えて再び10人となった。シオリ(詩織)以外は全員が男性。
オリジン
テイサ
マロムセイ
ナイアード
アッシュ
カムシン
ジェナー
スルジェ
サーハス
アーサー
シオリ(詩織)
注目すべき登場人物
真美耶(まみや)、真美女(まみな)
ターラ
ツヴィ
『砂漠幻想』で最初に登場する「ミュー」(異端者)を自称する少女。彼女はチンギス・ハーン時代の中央アジアで生まれ、瀕死の赤ん坊だったところをテングリによって救命された。その影響で左目が突然変異を起こし金色となり、千里眼の能力を有するようになる。その後、戦争で天涯孤独となった少女アゼルに育てられた。口がきけず心の声で言葉を発する他、予知・透視能力を持ち不老不死。自分がシオリ(詩織)の身代わりとして創られた存在なのではないかと誤解し、自分を普通の人間とは違う体にしたテングリ達を恨んでいる。彼女は人間社会のいずれの「枠」にも入れない孤独な者として描かれているが、テングリ達とは違い、人間社会に身を置いて生き続けている。
羽間崎織花(はまざきおりか)