ジャズ大名
以下はWikipediaより引用
要約
『ジャズ大名』(ジャズだいみょう)は、筒井康隆の中編小説。これを原作としたラジオドラマと映画も製作された。
小説
幕末を舞台にした中編の時代小説。『小説新潮』1981年1月号に発表された。黒人奴隷が幕末の小藩に漂流し、藩主を巻き込んでジャム・セッションをする騒動を描く。同年に短編集『エロチック街道』に収録された。1984年に新潮文庫になり、1986年の映画化の際に書名が『ジャズ大名』に改められて、表題作となった。
ラジオドラマ
1982年1月9日にNHK-FM放送で放送された45分のラジオドラマ。NHK制作。脚本・竹内銃一郎、主演・立川光貴(現・三貴)(亮勝)、由利徹(トマス叔父)。維新なって行進する官軍の「トンヤレ節」を鼻で笑い飛ばしてジャムセッションを再開するラストのアイディアは、映画版でもほぼそのまま採用されている。演奏には原作者の筒井康隆も参加した。
映画
1986年4月19日に大映製作、松竹配給で公開された。同時上映は『犬死にせしもの』。
舞台を原作の南九州から駿河に変更し、東海道の難所を細長く占める城のため、官軍と幕府軍の通り道となってしまうという設定を加え、“戊辰戦争を完全に無視してのセッション”という側面を強調した。それ以外は原作に忠実である。黒人俳優はアメリカから来日したが、米国南部の場面はすべて静岡ロケ、英語のセリフはアフレコをかぶせて二重音声で処理された。原作者が若いころに傾倒し、『馬の首風雲録』などの作品でもオマージュを捧げたことのある岡本喜八のメガフォンであり、記者会見で並びながら初期映画の思い出などを話したという。岡本監督にとって3本目の大映映画(東京撮影所は2本目、他に長編TV映画を東京で2本、京都で1本撮っている)であるが、クライマックスシーンのセットは東宝スタジオに建てられ、音楽監督とプロデューサーを除くメインスタッフ全員が東宝から起用された。同年キネマ旬報ベストテン10位。映画化困難といわれる筒井原作の映画では初の(2017年現在唯一の)ランクインとなった。
キャスト
- 海郷亮勝:古谷一行
- 石出九郎左衛門:財津一郎
- 文子姫:神崎愛
- 松枝姫:岡本真実 (新人)
- 玄斎:殿山泰司
- 鈴川門之助:本田博太郎
- 由比軍太夫:今福将雄
- 中山八兵衛:小川真司
- 赤坂和馬:利重剛
- 烏丸源之進:友居達彦
- アマンド:ミッキー・カーチス
- 益満休之助:唐十郎 (友情出演)
- ジョー:ロナルド・ネルソン
- ルイ:ファーレズ・ウィテッド(英語版)
- サム:レオナルド・マーシュ
- アンクル・ボブ:ジョージ・スミス
- 住職:香川良介
- 樋浦勉
- 福崎量啓
- 佐藤英
- 伊牟田尚平:六平直政
- 本城裕
- 大島光幸
- 森岡隆見
- 伊吹新太郎
- 石川慎二
- 野崎海太郎
- 吉岡圭二
- 高安青寿
- 金澤伸治
- 綱島覚
- 岡本陽介
- 田中直人
- 鈴木省吾
- 藤原益二
- 中瀬博文
- 深作覚
- 村上久勝
- 石川裕介
- 小林真一郎
- 川口丈夫
- 佐藤好男
- 安岡英之
- 高野恵雄
- 中田ちえこ
- 鬼頭智恵美
- 田村亜矢子
- 益海愛子
- 井深あけみ
- 川口圭子
- みずきれい
- 早川亜友子
- 小島蓉子
- 聖ミカ
- 山下洋輔 (特別出演)
- タモリ (特別出演)
スタッフ
- 監督・脚本:岡本喜八
- 原作:筒井康隆『ジャズ大名』
- 脚本:石堂淑朗
- 音楽:筒井康隆、山下洋輔
- 撮影:加藤雄大
- 照明:佐藤幸次郎
- 美術:竹中和男
- 編集:黒岩義民
- 録音:田中信行
- 助監督:月野木隆、羽石龍太郎、加藤晃
- 記録:山内薫
- プロダクションコーディネーター:岡本みね子
- 殺陣:宇仁貫三
- 効果:東宝効果集団
- 楽器指導:仙波清彦、久万田進、那須ちか、山村美子
- 現像:東京現像所
- プロデューサー:室岡信明
- 企画:島田開、鈴木良紀
- 製作者:山本洋、小林正夫
- 製作協力:大映映像、喜八プロダクション