ジャンケットバンク
漫画
作者:田中一行,
出版社:集英社,
掲載誌:週刊ヤングジャンプ,
レーベル:ヤングジャンプ・コミックス,
発表期間:2020年7月30日 -,
巻数:既刊13巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『ジャンケットバンク』(JUNKET BANK)は、田中一行による日本の漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて、2020年35号より連載中。
タイトルの「ジャンケット」とは、カジノ運営において有力顧客(VIP)の接待を行うための職業で、彼らを賭場に招くための手配を行う者のこと。また、作中では行員が特定ギャンブラーの担当者になるための権利のことをジャンケット権と呼んでいる。
2023年3月、第6回「アニメ化してほしいマンガランキング」で8位を獲得。
あらすじ
経常利益が国内第3位という日本でも有数の銀行・カラス銀行。その中央支店で窓口業務を務める入行2年目の青年行員・御手洗暉(みたらい あきら)は、経理ミスを一瞬で見抜くほどの類まれな計算能力を持つが、それが生かされることはなく日々の生活に退屈していた。そんなある日、御手洗は突然、特別業務部審査課、通称「特四(トクヨン)」への異動を命じられる。銀行の重要部門である審査課への異動に訝しがる御手洗は、新たな上司・宇佐美から、実は大金管理のプロフェッショナルである銀行が巨大な賭場を運営していること、かつ、特四とは、そのギャンブルと、それに参加するギャンブラーを管理する特別な部署であることを説明される。ギャンブラーは自前の資金以外にも、特別融資として自身の基本的人権を担保に銀行から大金を借り入れることができ、その際の融資審査を行うのも、御手洗の新しい職務であった。
賭場の異様な状態に気圧され、戸惑う中、御手洗は謎の天才ギャンブラーの青年・真経津晨(まふつ しん)と出会う。相手のイカサマを見抜き、勝利を収める真経津に魅了された御手洗は、彼の担当行員として時に命すら賭ける異常な銀行賭博に関わっていく。
登場人物
メインキャラクター
真経津 晨(まふつ しん)
声 -内山昂輝
本作の主人公。ギャンブラー。22歳。魚座。AB型。
カラス銀行の賭場に現れた新参の青年ギャンブラー。切れ長の目に下まつ毛と三白眼の黒目が特徴的な端正な顔立ち。ギャンブラーにしては、やや気の抜けた穏やかな言動が特徴だが、それ自体が相手を油断させたり、挑発やブラフの仕込みになっているなど、強かで抜け目がなく、周りの想像を超えた劇的な勝利を重ねていく。ギャンブルのルール説明時や、相手のイカサマやゲームの罠に気づいた際には真剣な顔つきになり、人差し指でこめかみ辺りを「トントントントン」と叩いて思考する癖がある。真経津がギャンブルをするのは自分と対等の遊び相手を見つけるためだと言い、獲得した大金には無頓着であり、気に入った強敵とはその後も連絡を取り合っている。宇佐美は、3年前に他銀行の賭場を荒らした「デギズマン(装う者)」の可能性を疑っており、賭場の運営側も注意する必要があるとしている。
ギャンブラーとしては読み合いに長け、相手の裏をかくことを得意とする。村雨や叶といった自分よりも読みに長ける相手に対しては、ゲームのペナルティで自ら傷つくことを恐れず、それにより相手の読みを外すことが多い。同時にゲームのルール上の裏をかいたり、罠を見抜いて勝利する。「ギャンブルでは圧倒的な大差での敗北」のように見せかけて、実はそれすらもルールの盲点をついて勝利する布石の場合もある。ゲーム中、真経津の対戦相手には自分が執着していることや、その本質が写り込んだ鏡の幻影が現れ、決着時には、その鏡が割れ、真経津の「鏡の中に君を助ける答えはない」という決め台詞が入る。
プライベートでは突然トルコアイス作りや陶芸をするなど、のどかで多趣味な生活を送る。また、自分が戦った相手である獅子神や村雨を一方的に友人扱いし、呼び出して遊びに興じることもある。部屋は物が多く、散らかっている。
御手洗 暉(みたらい あきら)
本作の主人公、狂言回し。カラス銀行の行員。24歳。
入行2年目で、中央支店の窓口業務を担当している青年行員。外見・内面共に、やや気弱な一般人だが、書類を一瞥しただけで経理ミスを発見したり、9桁の数字の平方根を一瞬で計算するなど、類稀な計算能力を持つ。しかし本人は少し計算が得意程度にしか思っておらず、その能力を使って自分でなにかするということはなく、代わり映えのしない日々の生活に退屈していた。
物語冒頭において突然、特別業務部審査課(特四)へ異動となり、新たな上司・宇佐美より密かに行われていた銀行賭博や、新たな業務について教えられる。その際、偶然に真経津と関谷のギャンブルを仕切ることになり、そこで真経津に魅了され、そのまま彼の勝負を見続けたい、また最終的に負けるところが見たいとして、より深く銀行賭博に関わっていく。
ギャンブラー
関谷 仁(せきや じん)
5スロットのギャンブラー。28歳。
作中最初に登場した敵ギャンブラー。陽気な言動だが性格は下劣。5スロットのギャンブル「ウラギリスズメ」において、通しを使った初歩的なイカサマと、新人をカモとして狙った手口で39連勝を誇っていた。賭場に現れた新参の真経津を次のカモと見定め、いつもの手口で荒稼ぎしようとするが、素の能力はさほど高くなく、完全に手の内を読まれ敗北、それまでの勝ち金のみならず、一切の手持ち資金を巻き上げられ、強制的に特別融資を受けさせられる。その後、「今度はイカサマ無しで賭ければいい、幸い相手には困らなそうだ」と言い賭場を去る真経津の後ろで多数のギャンブラーに詰め寄られている様子が描かれており、その次のエピソードで銀行に身柄を押さえられた者の中に関谷の姿があったため、特別融資を返済できなかった模様。それ以降は一切登場せず、一番弟子を名乗る京極もその後の動向を把握していないため、生死すら不明。
獅子神 敬一(ししがみ けいいち)
声 - 羽多野渉
4リンクのギャンブラー。のちに1/2ライフ。宇佐美班管轄。投資家。26歳。
垂れた切れ長目が特徴的な、体躯の良い整った顔立ちの青年。4リンクのギャンブラーとして能力は高い一方、性格は傲慢で自分を王に見立てる(名字の獅子を百獣の王に擬える)。特に自分が債務不履行者に落とした相手ギャンブラーたちを銀行から買い戻して奴隷として家に住まわせ、自身を崇めさせるといった屈折した生活を送る。後述の通り、真経津に敗北した後は、彼に気に入られて一方的に友人扱いされ、自分より格上な村雨などとも交友していくことになる。その中で格上の彼らを観察することでさらに上を目指すという高い向上心を見せるようになり、「ライフ・イズ・オークショニア」編以降は対戦相手の思考能力の高さを不特定の目の幻影(視点の数の可視化)で図れるようになる。
4リンクにおける真経津の最初の対戦相手として作中に登場し、自身が定石戦法を熟知する「気分屋ルーシー」で戦う。蛍光塗料を使ったイカサマを用いるも、早々に真経津に見破られ、散々踊らされた末に、ゲームのペナルティで手のひらに重傷を負って敗北する。鏡の中に映ったものは「虎の威を借る狐」。以降は上記の通り、真経津に友人扱いされ、幕間での真経津のプライベートのエピソードに登場するようになる。「アンハッピー・ホーリーグレイル」編に前後して1/2ライフに昇格し、「ライフ・イズ・オークショニア」編では村雨とタッグマッチで現職警官の山吹・時雨コンビと戦う。全員が格上の中で村雨の狙いによって覚醒し、上記の能力を得て勝利を掴む。
村雨 礼二(むらさめ れいじ)
4リンクのギャンブラー。のちに1/2ライフ。宇佐美班管轄。医者。29歳。
普段は無感情で淡々とした細身の眼鏡の男。元1/2ライフという経歴を持ち、実力は明らかに4リンクより上。人体から発せられるわずかな情報から相手がどのような心理状態で、何を考えているかを読み解いてしまうなど、宇佐美班の行員達からも異常者とみなされている。実は一時は1ヘッドにも昇格したことがあったが、その際に偶然すれ違った「灰色の目の男」に命の危険を感じ、一度も戦わずに口座残高を減らして自ら4リンクまでランクを下げたという経緯があった。単純な読み合いのみならず、頭脳明晰で「ライフ・イズ・オークショニア」編では勝負開始前の段階で、勝負後のことも見据えて戦略を練り、全て自分の狙い通りに終わらせる。
かつて勤勉で一般的に幸福な家庭生活を送る実兄を手術した際に、その内臓が過労でボロボロであったこと、一方でクズに見える人間の内臓が綺麗であったことから「真面目な人が普通の幸福を得るために為に苦しまねばならないなら、世の中は狂っている」という考えを持つようになる。そこで、他者の腹を開き、体内を調べ、世界が狂ってないかを確認するという趣向を持ち、手術を趣味とし、常にメスを持ち歩く。
渋谷が仕切り、本来は1/2ライフのギャンブルで場合によって死もありうる「サウンド・オブ・サイレンス」で真経津と戦う。真経津の選択を完全に見破り、自身は無傷のまま終始優勢な状態で彼を苦しめるが、ゲームの前提を度外視した真経津の真の策によって一発逆転され敗北、ゲームのペナルティによって鼓膜(聴覚)に重傷を負う。鏡に映ったものは「手術台に置かれた人形になった自分」。
その後、真経津から一方的に友人扱いされて幕間に登場することがあり、馴れ合いを拒絶するような態度を見せつつ、真経津や獅子神との掛け合いに参加している。「アンハッピー・ホーリーグレイル」編に前後して1/2ライフに復帰する。
雛形 春人(ひながた はると)
1/2ライフのギャンブラー。伊藤班管轄。画家。26歳。
切れ長の目が特徴の、落ち着いた雰囲気の青年。相手の感情の色が見えるという能力で常勝してきた。相手が絶望した時の表情を描くことを趣味とする。担当行員の土屋田の能力の低さを把握しつつも、表向きは彼におとなしく従う。
1/2ライフにおける最初の真経津の対戦相手として「ジャックポット・ジニー」で戦う。上記の能力から真経津の出すカードを完璧に予測し、表向きの勝利条件である金貨を大量に獲得していく。すぐにゲームの真の目的に気づいた真経津から、周りをよく観察しろと何度も暗に警告されるが、それを無意味な挑発やブラフと捉え、そのまま最終セットを終える。最終的に真経津からゲームの真実を説明されて自身の敗北が決定していることを知り、絶望するものの、土屋田に鏡を用意させて、絶望した自分の自画像を描き、ゲームのペナルティにより死亡する。鏡の中に映ったものは「自身が描いた絶望する者の肖像画をモンタージュして作った自画像」。
京極 学(きょうごく まなぶ)
大学生。21歳。
クラブ「オーバーキル」を仕切り、特殊サイコロを使ったオリジナル・ギャンブル「タンブリング・エース」を主催する自信家の青年。関谷の一番弟子を名乗り、京極が勝つように策が張り巡らされた「タンブリング・エース」自体も関谷が考案したものだという(関屋が5スロットで惨敗したことは知らないように描写される)。無知で無防備な大学生を相手に荒稼ぎしてきた。
神林の娘をカモにしたことで、雛形戦後のインターバルで暇を持て余していた真経津を呼び込んでしまい、さらに真経津に呼び出されて村雨、獅子神もクラブに訪れる。相手が自分より格上だとまったく気づかず、調子に乗らされた挙げ句に大金を賭けて大敗する。
その後は債務者として真経津からは神林の元で働かされ、村雨からは彼の趣味である手術の対象となる。しかし、神林のパン屋では商才を発揮し、村雨の手術では病気が早期発見されたことで彼を命の恩人として慕うようになる。
辺見 充(へんみ みつる)
叶 黎明(かのう れいめい)
1/2ライフのギャンブラー。伊藤班管轄。ストリーマー。28歳。
常に大きな目を見開き、ニコニコマークの虹彩が特徴の青年。自らを「観察者」と称し、自分以外のあらゆるモノは自身の観察対象に過ぎず、自分は絶対的な存在だと信じている。実際に優れた観察眼を持ち、相手の心理状態から、ゲームに使われる道具の些細な傷までほぼ完璧に把握できる。表の顔はゲーム配信の同時接続が5000人にも上る人気ストリーマー。
真経津を相手に「アンハッピー・ホーリーグレイル」で戦う。上記の「観察者」としての能力で、真経津の状態やゲームの状況を完璧に把握し、有利に進める。しかし真経津のブラフに惑わされて、自身の観察力を最後まで信じきれなかったため、最終的には反則負けを喫する。真経津をして、こうでもしないと勝てなかったと言わしめる。鏡の中に映ったものは「月を観測する自分」。
その後は真経津の友人グループの一員として登場しており、以前から尊敬していたという村雨に会えたことや、彼から自分が認識されているという事実に歓喜する。当初は獅子神を軽んじるが、後に優れた観察眼に目覚めると評価を改めている。
天堂弓彦(てんどう ゆみひこ)
1/2ライフのギャンブラー。その後、5スロットへ降格し、4リンクに昇格。神父。伊藤班管轄。28歳。
普段の態度は神職らしい穏やかな人物。しかし、本性は自分を善人として特別視する一方で、神に救いを求める他者をクズと見下し、救いと称して自殺を教唆する狂人。さらに後には自殺教唆ではなく救済と称して自身で相手を自殺に見せかけて殺していたことが明かされ、さらには実は「神」が一人称であり、彼が言う神とは自分自身であるという異常者であることが判明する。ギャンブラーとしてはシャッフルされても相手のカード位置を完璧に把握できるほどの異常な動体視力を持つが、その宗教めいた言動によってこの能力が悟られないようにしている。
真経津を相手に「ブルー・テンパランス」で戦う。専属行員となった御手洗から事前にゲーム内容を明かされたことで自分側に天秤を一定傾けさせる長期戦に持ち込む必勝法を確立し、上記の能力で真経津の手を読み切って彼を苦しめる。ところが、実はさらにゲームの裏を読み切った真経津によって意図的に長期戦に持ち込まれており、手の内を明かされる。そこで真経津の挑発に乗る形で、逆に真経津側に天秤が傾くように仕向けられ、ゲームのペナルティにより重傷を負って行動不能となり、敗北する。鏡の中に映ったものは「花畑に横たわって穏やかに眠る自分」。
一命を取り留めるが、右目に眼帯をし、5スロットまで降格する(のち4リンクに復帰)。また、真経津の友人グループに加わる。当初は叶と険悪な関係を見せるが、すぐに意気投合する。
山吹千晴(やまぶき ちはる)
1/2ライフのギャンブラー。片伯辺班管轄。警視庁捜査2課刑事。28歳。
不躾けな性格の青年。学生時代から暴力を好み、周囲から煙たがられていたが、ある時、痴漢をぶちのめして称賛を受けたことから、暴力を振るっても許される存在として刑事になったという経緯を持つ。悪に対して圧倒的な正義を振りかざすことに強烈な快感を覚えるという。その粗暴な外見や言動に反して、捜査2課の刑事として頭脳も優れる。また、警察としての立場を利用し、事前に相手の情報を収集しておき利用するという用意周到さも見せる。
村雨・獅子神チームを相手に時雨と「ライフ・イズ・オークショニア」で戦う。相手の弱点とみた獅子神を一方的に追い詰める展開を作り上げるものの、最初からすべて村雨の手のひらで踊っていただけであり、獅子神の覚醒もあって追い詰められていく。最後は相棒の時雨の命を守るために、咄嗟に警察としての立場を利用した脅迫行為を村雨に行ってしまい、これがカラス銀行ひいては観客の富裕層に対する脅しであるともみなされ、村雨の狙い通りに勝敗の決着と同時に0課によって粛清される。
時雨賢人(しぐれ けんと)
カラス銀行
特別業務部4課「特別審査課」
宇佐美班
宇佐美 銭丸(うさみ ぜにまる)
声 - 間島淳司
特別審査課主任(宇佐美班班長)。御手洗の上司。
笑顔を絶やさず、物腰の柔らかい壮年男性。秩序を重んじる。基本、言動は穏やかだが、曲者揃いの部下たちをまとめ上げ、債務不履行のギャンブラーには容赦がない。御手洗の類稀な計算能力を評価し、自班に異動させる。部下の自主性を尊重するという形で、死地に飛び込ませると伊藤に評されている。
榊(さかき)
梅野 六郎(うめの ろくろう)
渋谷 蓮十郎(しぶや れんじゅうろう)
伊藤班
伊藤 吉兆(いとう きっちょう)
土屋田 謙介(つちやだ けんすけ)
昼間 唯(ひるま ゆい)
片伯辺班
特別業務部2課「特別企画管理課」
朔 京治(さく きょうじ)
特別企画管理課主任(朔班班長)。
切れ長の目に右目下に垂直に並んだ2つの泣きぼくろがある青年。特別企画管理課の主任として様々な銀行賭博用のゲームを考案する。物語には債務者落ちした行員として登場するも、実は自らプレイヤーとしてゲームを確認したかったために身分を偽っていただけであり、現役の行員であった。
「ザ・ショートホープ」編において、守秘義務を破ったために債務者落ちした元2課の行員として作中に登場する。同じく特別債務者落ちしていた御手洗に声を掛けると、債務者から復帰でき、また、自ら考案したため必勝策を知る「ザ・ショートホープ」に協力者として誘う。さらに復帰した場合には自身が考案したゲームの情報も教えるという契約も結ぶ。御手洗と順調にゲームを進めていくが、最後に彼を裏切る思惑を見抜かれており、逆に穴に落とされて敗北する。
敗北によって死んだように描写されるも上記の理由から生きており、「ブルー・テンパランス」編ではゲームの考案者かつその内容を御手洗に伝えた者として、対決を部下たちと共に観戦する。そして観戦を通して、部下たちにゲームの製作者として気をつけるべきことを教え諭す。
特別業務部0課「特別債権管理課」
黒光 正巳(くろみつ まさみ)
その他の人物
用語
カラス銀行
銀行賭博は特別業務部が担当し、物語のメインとなる特別審査課(特四)を含めて、以下の課がある。
特別業務部0課「特別債権管理課」 - 特別融資を返すことができず債権不履行者となった者の身柄を管理する部署。キャリアがマイナスになった行員も同様に扱う。
特別業務部2課「特別企画管理課」 - 賭場でのゲームを考案する部署。
特別業務部4課「特別審査課」 - 賭場を運営する部署。以下で詳述。
特別業務部5課「特別営業課」 - 賭場を観覧する富裕層を接待する部署。
特別業務部6課「特別権利管理課」 - ワンヘッドギャンブラーに与えるヘックスメダルと特権の管理を行う部署。
特別業務部4課「特別審査課」 / 特四(トクヨン)
少なくとも特四の課員たちは通貨のように扱う「キャリア(勤続年数)」によって銀行から管理されており、他の課員と駆け引きを行ったり、各種の特権を購入したりしている。キャリアの残高がマイナスに陥った場合は、特別融資の債務不履行者と同じ扱いになり、特別債権管理課に引き渡される。
賭場のランク
ランクは原則ゲーム終了時点の口座の残高によって決まる。が、ランクを上げないために債務不履行者を銀行から買って口座の金を消費する(獅子神)、口座の金を人に貸し付けたために基準を満たせずランクダウンした(村雨)、といった例があり、口座資金の基準は単にギャンブルの結果だけとは限らない。
1ヘッド(ワンヘッド) - 「1人のみ残る」の意で、敗者は死亡するゲームであることが示唆される。口座残高の額ではなく、残高の上位50名が自動的にランク付される。
1/2ライフ(ハーフライフ) - 死の恐れがあるギャンブルで対決する。
4リンク(フォーリンク) - 「四体満足」の意で、身体に重大な損傷を受ける恐れのあるギャンブルで対決する。
5スロット(ファイブスロット) - 賭場に参加した場合の最初のランク。残高5000万円未満の準一般人がこのランクに分類される。賭金は下限が100万円、上限は4999万円。基本的に命や身体の危険はないが、特別融資を受けて返却できない場合は身柄を拘束される。
ワンヘッドの特権とヘックスメダル
作中のゲーム
ウラギリスズメ
片方のプレイヤーが隠した玩具の「宝石」が大小計二つの箱のどちらに入っているかを当てるゲーム。宝石を隠す「ハイド」側は賭け金を設定でき、箱を隠す「チェック」側は宝石を見つけられれば金を得られ外せば失う。二つの箱は大きな「強欲のつづら」と小さな「堅実のつづら」に分けられている。「チェック」側が「強欲のつづら」を選んだ場合、賭け金の100%が取引され、「堅実のつづら」を選んだ場合、賭け金の50%が取引される。
気分屋ルーシー
5面のうち1面につき5つの鍵穴(すなわち25個の鍵穴がある)がある手のひらサイズの正立方体型金庫を用いたゲーム。プレイヤーは相手の金庫の各面最低1箇所に「当たり鍵穴」を設定し、金庫を交換する。その後、交互に自分の金庫の鍵穴を指定して解錠していき、先に金庫の中にある「ハート」のオブジェクトを取り出した方が勝利者となる。すなわち、相手がどの箇所に鍵を賭けたかを推理し合うゲームである。
当たり以外の鍵穴を指定してしまった場合に、ルーシーと呼ばれる巨大な人形によって手のひら目掛けて鍵を突き立てられるというペナルティがある。
サウンド・オブ・サイレンス(SOS)
それぞれ0分・2分・3分とする3種類のレコードを選択し合うゲーム。レコードにはそれに指定された時間分の有害音楽が収録されており、選択したプレイヤーは有害音響ブース「サウンド・オブ・サイレンス(以下SOS)」で、その時間分の音楽を聞く必要がある。この音楽は人体に対して非常に有害であり、累計5分の聴取で鼓膜を破壊し、それ以上は三半規管や脳に深刻なダメージを与える。勝利条件は「対戦相手が演奏終了後5分以内にレコードを返却できない状態になること」であり、自分はなるべく「0分」のレコードを選択し、相手には「2分」「3分」のレコードを選ばせるゲームである。
ジャックポット・ジニー
「黄金」「盗賊」「魔人」の3種類のカードを使い、金貨を取り合うゲーム。プレイヤーはそれぞれ砂時計型のブースの下部分に入り、1ラウンドごとに配られた6枚のカード(黄金×4、盗賊×1、魔人×1)を同時に1枚ずつ出し(すなわち6ターン)、これを合計3ラウンド行って金貨を取り合う。獲得した金貨は各ラウンドの終了時に砂時計の上の部分に貯まっていく。勝利条件は「3ラウンド終了時に相手よりも多くの金貨を所持すること」もしくは「対戦相手の死亡」。3ラウンド終了時に金貨の少ない方の頭上に獲得した金貨が降り注ぐため、獲得枚数が多いほど圧死する危険性が増す。なお、カードの効果は以下の通り。
黄金:自分の金貨を4倍に増やす。
盗賊:相手の金貨を半分奪う。
魔人:相手の「盗賊」を無効にし、相手の金貨の90%を奪う。
タンブリング・エース
各面に9・10・J・Q・K・Aが描かれた特殊ダイスを用いたゲーム。それぞれの出目でポーカーの役を作り、競い合う。いわゆる「シカゴダイス」の特殊版。1枚100円のチップを初期100枚で全5ゲーム。場が200枚を超えたらそれ以上はレイズ不可。ゲーム自体は単純であるが、京極の仕掛けでチップのレートがダイスを降る度に15%増えるという掛け金が不当に釣り上がる仕組みが隠されている。
アンハッピー・ホーリーグレイル
3本の瓶と3つの聖杯を互いに選択し合うゲーム。瓶は1本が「聖水」、2本が「毒」。聖杯は1つだけ本物である。本物の聖杯は瓶の中身を反転させる機能を持ち、聖水は毒に、毒は聖水になる。1ラウンドごとに聖水側と聖杯側を交互に1回ずつ行い、最後に飲み干す。勝利条件は「10ラウンド終了時に相手プレイヤーより多くの聖水を得ること」。ただし、ゲーム中でも毒を一定量接種すれば死亡する(瓶1本100mlで、作中では致死量を500mlとしている)。
ザ・ショートホープ
床が16マスで仕切られた正方形の部屋で行われるゲーム。マスには各ターンごとに切り替わる全5種類のマークが書かれており、ゲーム開始後、正面壁モニターに記されたマークと同じマスから5秒以内に離れなくてはいけない。そのマスに留まった場合、電流が流れた後、床が抜け、奈落に落ちる。ゲームの進展で1度に表示されるマークも増える。勝利条件は「全10ラウンド中に生き残ること」。
ブルー・テンパランス
「1」「10」「R×2」の3種類のカードを使い、「月の石」(重り)を奪い合うゲーム。プレイヤーは巨大な天秤と連動するブース「ブルーボックス」に入り、1ラウンドごとに配置側と選択側を交互に行って1枚を選択する。使うカード3枚だが「正位置」「逆位置」の概念を持ち、計6パターンになる。その選択結果に応じて互いの重りが増減し、天秤の傾きが変わる。自分側の天秤が高いと減圧され、低いと加圧される。減圧は高山病になるため特に危険とされ、自分側の重りを増やすことが推奨される。ラウンドは無制限で、持ち時間を5分使い切ると失格になる。すなわち、気圧変化で相手の体調を崩させ、勝負続行を不可能にさせることを狙う。
ライフ・イズ・オークショニア
シヴァリング・ファイア
1ヘッドのゲーム。単行本12巻- 収録。
書誌情報
- 田中一行 『ジャンケットバンク』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、既刊13巻(2023年11月17日現在)
- 2020年11月19日発売、ISBN 978-4-08-891657-6
- 2021年2月19日発売、ISBN 978-4-08-891830-3
- 2021年5月19日発売、ISBN 978-4-08-891844-0
- 2021年8月18日発売、ISBN 978-4-08-892048-1
- 2021年11月19日発売、ISBN 978-4-08-892133-4
- 2022年2月18日発売、ISBN 978-4-08-892220-1
- 2022年5月18日発売、ISBN 978-4-08-892297-3
- 2022年8月19日発売、ISBN 978-4-08-892402-1
- 2022年11月17日発売、ISBN 978-4-08-892463-2
- 2023年2月17日発売、ISBN 978-4-08-892620-9
- 2023年5月19日発売、ISBN 978-4-08-892689-6
- 2023年8月18日発売、ISBN 978-4-08-892791-6
- 2023年11月17日発売、ISBN 978-4-08-893009-1