セクシートラベル
以下はWikipediaより引用
要約
『セクシートラベル』は、泉大八による日本の官能小説作品。1986年に桃園文庫(桃園書房)より刊行された。
概要
カバーには「SF風冒険小説」とのキャッチコピーが記載されており、文芸評論家の針生一郎は本作について「SF的手法を用いて生命と性の本質を探った力作」と評している。
ストーリー
日曜日の朝、平凡なサラリーマンのノリ彦が目を覚ますとまるでノミのように小さな体になってしまっていた。ノリ彦は隣で寝ていた妻のヤス子に気付いてもらおうと巨大な体をよじ登るが、ヤス子は小さくなった自分の夫に気付かないまま目を覚まして体を起こし、ノリ彦はヤス子の脇をすり抜けて背中を転げ落ちてしまう。
ノリ彦は命からがらヤス子の腰を伝って臍に身を潜めるが、そこへ隣人の石橋氏が訪ねて来る。最初はヤス子との世間話に花を咲かせていた石橋氏であったが、ノリ彦の姿が見当たらないと見るや強引にヤス子を求め、初めのうちこそ抵抗していたヤス子も遂に石橋氏の求愛を受け入れてしまう。ノリ彦は石橋氏の暴挙に怒り、ヤス子の臍を飛び出すがそのままさらに下へ転げ落ち、陰毛の茂みでヤス子の愛液に溺れかけたまま石橋氏がヤス子を犯すのを目の当たりにしてしまい、小さくなった自分の無力さを嘆いて途方に暮れる。
ところが、茂みの中から誰かがノリ彦を呼んでいるのに気付き振り向いてみると、そこにはノリ彦と同じサイズの美しい女性が居た。その女性はイズミシキブサンと名乗る。イズミシキブサン曰く、宇宙から地球を観察していた際にノリ彦の潜在的な縮小願望を宇宙船内で受信し、その願望を具現化した状態が1000分の1型なのだと説明する。そして、イズミシキブサンはノリ彦を「性と宇宙の神秘に触れる旅」へ案内すると言い、2人で石橋氏に犯された余韻に浸るヤス子の膣から子宮の中へと入り込んで行った。
登場人物
ヤス子(ヤスこ)
ノリ彦の妻。数年前にノリ彦と職場結婚した後も専業主婦とはならず、共働きを続けている。姿をくらましたノリ彦の身を案じつつも、同様に夫人が数日前から行方不明だという石橋氏から強引に肉体関係を求められ、根負けして体を許してしまった。そして数日後、石橋氏に連れ出された不倫旅行先の伊豆で再び強引に犯される。この時に石橋氏が膣内射精した精子はヤス子の胎内で卵子と受精したが、イズミシキブサンはヤス子がノリ彦に「子供は当分作らない」と言っていたため、このまま受精卵が着床してヤス子が妊娠に気付いた場合は中絶を選ぶのではないかと危惧する。そのため、ノリ彦に申し出てヤス子の卵管内を移動する受精卵を着床前に二人で回収し、他の星で育てることにした。
書誌情報
- 泉大八、『セクシートラベル』 桃園書房〈桃園文庫〉
- 1986年2月15日初版 ISBN 4-8078-0052-3
- 1986年2月15日初版 ISBN 4-8078-0052-3