ゾアハンター
以下はWikipediaより引用
要約
『ゾアハンター(Zoahunter)』は、大迫純一のライトノベル作品。イラストは小島文美(ハルキ版)→BUNBUN(GA文庫版)が担当。かつては角川春樹事務所より5巻刊行されていたが、2007年9月よりGA文庫から刊行された。全7巻。
梗概
当初は著者である大迫が、映像化を前提に「闘う男の物語が書きたい」という目的をもって書いた物語で、これを角川春樹事務所の『小松左京賞』へ応募したことが発端。その後シリーズ化されたが、二度のレーベル移行によって物語が途切れたこともあり、『贖罪のカルネアデス ―ゾアハンター(ハルキ・ノベルス)』以降事実上の絶版となる。 その後、2005年初夏、GA文庫の立ち上げにあたった最初の顔合わせの際に大迫が「実は『ゾアハンター』を再版してくれる版元を探してるんですよね」と口にしたところ、再版から完結までの上梓が約束され、それからおよそ2年を経て復活、2009年6月発売の『ゾアハンター7(GA文庫)』をもって完結した。
ストーリー
人口増加による生活環境の悪化は、すなわち生存の危機を意味していた。これを回避すべく、人類の環境適応能力を高めることで生存に適さない環境下でも生存可能な新人類を造り上げる極秘プロジェクト・「アザエル計画」が発動される。しかしウイルスによるヒトゲノム干渉により、結果誕生したのは人喰いの生物・ゾーンだった。
バトル・ホイール・レースのデビュー戦で自身以外の出場者をすべてクラッシュさせるという歴史的な勝利をおさめた黒川丈は、その祝賀会の会場でゾーンに襲われ、瀕死の重傷を負う。目覚めた丈の四肢はアザエルに感染・ゾーン化し、もはや頭部を切り離す他生き延びる術はなかった。だが生身でゾーンに立ち向かい生き延びた丈はその格闘技術を買われ、喪失した四肢をサイバネティック技術で補うことで、ゾアハンターとしてゾーンと闘うことになる。
登場人物
主要人物
黒川丈(くろかわ・じょう)
今作の主人公である男性。2034年7月21日に新潟県阿賀野市にて生まれる。物語開始時では31歳だったが、最後に登場した時点ではゴーストとの戦いから年が経過していたため、41歳だった。
右の額から右の頬まで縦一直線の傷跡があり、その上に黒い防弾樹脂製のアイパッチをしている。
普段は黒いシャツに黒い革のパンツ、黒いブーツ、その上に右腕を肘まで捲くり上げ、左肩口からは袖が千切れて腕が剥き出しという黒い革のジャンパーを羽織るという黒づくめの服装をしており、左手首に太い革のリスト・バンドを巻いている。
不器用な人柄で、人に説明することが苦手である上、低血圧で寝起きが悪い。また子供じみた味覚をしており、ハンバーグが好物である。
我流の格闘技を習得していて、それらは全て頸椎下部の補助脳に記憶されている。
妹がいるが、丈に専用のモノサイクルが届いたその日、故郷の伯父から両親と彼女の訃報が知らされた。
幼い頃からやんちゃな性格であり、小学生時代にバトル・ホイールの中継放送を偶然目にして以来、「力」への憧憬を胸に秘めつつも、「勝ち目のない闘いはしない」という信条をもって闘い続けてきた。少年時代に数件の暴力沙汰を起こしたことがあるものの、いずれも「売られたケンカ」であり、自ら手を出したことはない。一時は地元の印刷屋(版下)に就職していたが、バトル・ホイールへの想いを捨てきれずに退職し、両親からは勘当同然とされながらも上京してアルバイトとトレーニングをつづけながら10年がかりでライダーとなる。デビュー戦では他の出場者・26人全員をクラッシュさせるという鮮烈な勝利を飾るものの、その日の祝賀会の会場でゾーン01に襲われ、首から下を失ってしまう。
頭部から下を全てサイバネティクスの機体に換装したため、体重は130キロを超える。また、高所からの落下および着地の際に緩衝液の濃度を高めて生身の脳を保護するために、頭蓋骨も後ろ半分が強化樹脂で形成されている。両方の前腕は武装ポッドになっており、右腕は大型のリヴォルバーがパーツごとに分解されて彼の腕に収納、左腕は上腕の背面を分割、肘も同様に展開することで折り畳まれていたブレードが飛び出し、展開した拳から出現したグリップを掴んで「抜刀」することで使用可能になる。
3年後アンドロイドの相棒・ダリアとともにゾーン討伐する中で、戦闘中にゾーンがただの「悪」でなく「イキモノ」であることを知って一時的な無気力状態になるが、当時首だけになった丈を世話していた看護師・安次嶺美咲の言葉で立ち直った。その後、村瀬の目的を知ったために殺された美咲の復讐を果たすべく防衛省附属生化学研究所へ乗り込むが、そこで自身の切り離された四肢が成長したゾーン01を吸収することで生まれた「もう一人の黒川丈」と出逢う。
丈の容姿は俳優の渡洋史をモデルとしている。
結城音緒(ゆうき・ねお)
今作のヒロインである坂栄第一高等学校に通う高校3年生。2052年8月20日に北海道北斗市にて生まれ、初登場時は17歳だったが、その後18歳の誕生日を迎える。
幼稚園のころから「超演繹能力」と呼ばれる『才能』を持っており、小学1年生時にそれによってクラスメイトの溺死を予測してしまってから、何が見えても口を閉ざすようになる。だが丈と出逢ったことで『才能』の必要性を知り、次第にゾアハントに協力し始める。当初は丈のことを快く思っていなかったが彼の言動や行動に惹かれて、次第に心を開いてゆく。ゾーンに関する情報は、自宅で携帯端末によるやりとりに過ぎなかったが、その後丈達の居る「ゾアハンター基地」へと移り住む。
基地ではゾーンの出現位置の予測と、丈の身の回りの世話を担当する。
読書家ではあるが、文学少女ではない。
ゾーン
ゴースト
関根杏子(せきね・きょうこ)
用語
アザエル計画
アザエル
ゾーン(ZOON)
ゾーンに襲われた者はアザエルに感染して次のゾーンとして現場から去ってしまう為、その痕跡が残らない。アザエルが漏洩してから二年間ゾーンの生存が明らかにされてなかったのはそれが原因とされている。
基本的には知性が欠けているが、『特異体』と呼ばれる知性を持った個体も存在する。
ゾアスクァッド(ZOA-SQUAD)
ゾーンの存在が公表されてからは、「任せるんだ、俺達に!」というキャッチコピーのTVCMを流すようになる。
超演繹能力
既刊一覧
角川春樹事務所
ハルキ・ノベルズ、ハルキ文庫ヌーヴェルSFシリーズ、併せて全5巻絶版。
巻数 | タイトル | 初版発行日 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | ゾアハンター | 2000年11月30日 | ISBN 978-4-8945-6273-8 |
2 | ウリエルの娘―ゾアハンター― | 2001年2月9日 | ISBN 978-4-8945-6280-6 |
3 | 復讐のエムブリオ―ゾアハンター― | 2001年3月30日 | ISBN 978-4-8945-6285-1 |
4 | カムラッドの証人―ゾアハンター― | 2001年7月13日 | ISBN 978-4-8945-6874-7 |
5 | 贖罪のカルネアデス-ゾアハンター― | 2002年9月30日 | ISBN 978-4-7584-2000-6 |
SBクリエイティブ
GA文庫、全7巻。
巻数 | タイトル | 初版発行日 | ISBN |
---|---|---|---|
1 | ゾアハンター | 2007年9月15日 | ISBN 978-4-7973-4295-6 |
2 | ゾアハンター2 | 2007年12月15日 | ISBN 978-4-7973-4537-7 |
3 | ゾアハンター3 | 2008年3月15日 | ISBN 978-4-7973-4748-7 |
4 | ゾアハンター4 | 2008年6月15日 | ISBN 978-4-7973-4920-7 |
5 | ゾアハンター5 | 2008年9月15日 | ISBN 978-4-7973-5055-5 |
6 | ゾアハンター6 | 2009年2月15日 | ISBN 978-4-7973-5173-6 |
7 | ゾアハンター7 | 2009年6月15日 | ISBN 978-4-7973-5490-4 |