タッジー・マッジー
以下はWikipediaより引用
要約
『タッジー・マッジー』は、山口美由紀による日本の漫画作品。『花とゆめ』(白泉社)にて1992年から1994年にかけて連載された。コミックスは花とゆめコミックスより全6巻、白泉社文庫より全3巻。
前作『フィーメンニンは謳う』から引き続き主要登場人物としてシルヴィが登場し、地続きの作品であるが、ストーリー上の直接のつながりはない。ジャンルとしては同じファンタジー作品であるが、「フィーメンニンは謳う」は異世界を主な舞台としていたのに対して、本作は人間の世界を舞台としており、対となる関係にあると言える。
あらすじ
田舎町・モーゲンに引っ越してきたロッテには、人に言えない秘密があった。それは自分が魔女であること。小さい頃からその力のために迫害され、時間は少女のまま止まってしまい、15歳からは一人家を出て隠れるように各地を転々としていたのだった。モーゲンでも早々に大家のカロリーネと孫のリヒトにバレてしまうが、二人はロッテが魔女であることを受け入れる。そんな中、ロッテは妖精の世界からやって来た青年・シルヴィと出会う。彼は人間の世界にやってきた妖精・マリーンを追ってやってきたのだが、そのマリーンは心はロッテの中に入り込んで出られなくなっており、体は行方不明という状態だった。マリーンの体がモーゲンの町にあるらしいことがわかり、ロッテは体探しに協力することになる。
モーゲンにはかつて町に住んでいたという魔女・ルルーの伝説が残っていた。町の住人達とトラブルを起こし殺されたルルーは、眠りについた精霊達とともに復活するという予言を残していた。ロッテ達によるマリーンの体探しと時を同じくして動き出すルルー。ロッテはルルーから町を守るため魔法の修行を始めるが、ロッテがあこがれる数学教師・ザヴィニーとその助手・ルーイにシルヴィは疑いの目をむける。
自らの目的のためルルー騒動を起こし、ロッテ達を利用しようとするザヴィニー。だがルルーの死の真実と予言の意味が明らかになった時、ザヴィニーは救われ、モーゲンはかつてのように人間と精霊達が共存出来る町へと変わったのであった。
主な登場人物
ロッテ
本名はシャルロッテ・グリューン。外見はローティーンの少女だが、これは無意識のうちに魔法の力で時間を止めていた(単に不老なのではなく、髪がのびたりもしない)ためで、本当の年齢は70歳。魔女であることを隠すため、各地を転々としていたところをモーゲンの町に引っ越して来た。モーゲンでの家は町の外れにある一軒家だが、これはかつて魔女・ルルーが住んでいた家だった。
かつて母と暮らしていた時にハーブの使い方を覚え、自家製のハーブ製品を売って生計を立てている。ただし、魔力のせいで効き目が通常のハーブ製品よりも強い。また、ロッテのハーブティーを飲んだ人間が(本来通常の人間には見えないはずの)シルヴィの姿を見ることができるようになったり、ハーブキャンドルで真の姿が映し出されたりと、特殊な効力も発揮する。それ以外にも多くの魔法が使えるが、対象が花柄になるなどの副作用が現れていた。
当初は魔法の力を捨てたがっていたが、ルルーから町を守るために魔法の修行をする。ルルーのことを知る中で魔女の力を受け入れられるようになり、ルルー騒動の解決とともに時間も動き出し、最終回では成長したロッテの姿が描かれた。
シルヴィ
マリーン
リヒト・ヘルダー
ロッテの家の大家であるカロリーネの孫。学校では名うてのプレイボーイでファンも多い。ロッテが魔女であることを初めから受け入れ、協力する。最初のうちはロッテを気に入っていたが、後にマリーンに惹かれるようになる。
本当はカロリーネの実の孫ではなく、チコリに自らの計画を手伝わせようと考えたザヴィニーが、その交換条件として、娘夫婦を亡くして独りぼっちになっていたカロリーネのために作った人形だった。カロリーネを初め町の住人達は、ザヴィニーの術によりリヒトがカロリーネの実の孫であると信じている。この事実を知ったリヒトは一度はマリーンやカロリーネの元に帰るのをためらうが、マリーンの呼びかけに応じ、カロリーネの元に「孫」として帰る。
町が再び精霊たちと共存出来るようになった時、人間の体へと生まれ変わった。
カロリーネ・ヘルダー
チコリ
エーリヒ・ザヴィニー
リヒトとロッテが通う学校に赴任して来た数学教師。ロッテとは別の町で会ったことがあり、紳士的な態度だったことからあこがれの存在だった。
一連のルルー騒動の黒幕。何百年も昔のモーゲンの権力者の息子で、ルルーや精霊に対して否定的だったが、それはルルーへの想いの裏返しだった。ルルーを自分のものにするために陥れようとしたが、暴動を起こした町の住人達にルルーもろとも刺され、命を助けるためにルルーが永遠の命と魔力をザヴィニーに与えた。それにより魔力を受け継ぎ、不老の体になってしまい、一族から追い出されてしまう。以来放浪の旅を続け、ルルーへの想いは時とともに憎しみに変わり、その体は徐々に闇に蝕まれていき、光の下では暮らせない体になってしまう。元の体に戻るため、ロッテやマリーンを利用しようとする。
ルーイ
泉の精(いずみのせい)
ルルー
ルルーの伝説と事件の真相
モーゲンに伝わる魔女・ルルーの伝説。カロリーネの世代が聞かされていた伝説はルルーの復活に関して恐ろしさを感じさせる内容を残していたが、時代が下るにつれ、「魔女ルルーと人間が仲良く暮らしていた」という部分がメインになっていったようで、魔女の人形がマスコットとして飾られたり、教会の劇の演目になったりと子供達にとってはむしろ親しみを感じる存在となっている。
伝説
魔女ルルーは町の人間相手に商売をして暮らしていたが、小さなトラブルが原因で関係が悪化。ルルーはドラゴンに町を襲わせ、その結果男の子が犠牲になってしまう。町の住人達により命を落とした時、彼女は自らの復活を予言していた。
真相
町の権力者の息子だったザヴィニーは、ルルーを手に入れるため、彼女を孤立させようとして、チコリを使ってププラを呼び出し、毒を使って暴れさせた。その結果、ププラのための止まり木を植えてくれた小さな男の子が死亡してしまう。
本来ならば、町の住人の怒りは、信頼関係にあったルルーではなく、ザヴィニーに向かうはずだった。しかしザヴィニーと和解したかったルルーは、泉の精の管理する「運命の河」の力を使って、町の住人達の怒りが自分へ向かうように仕向ける。その結果、町の住人達は一斉にルルーに対して蜂起。ルルーが殺されそうになったところに、ザヴィニーが止めに入るが、ザヴィニーが殺されそうになったため、今度はルルーがザヴィニーをかばう形になり二人とも刺されてしまう。致命傷を負ったザヴィニーを救うため、ルルーは自らの魔力をザヴィニーに与え、時間を止めた。
ルルーは再び人間と精霊が仲良く暮らせる町になるようと祈りの言葉を残して命を落とし、眠りについた。