タラ・ダンカン
題材:異世界への転生・転移,
主人公の属性:王女,
以下はWikipediaより引用
要約
『タラ・ダンカン』(Tara Duncan)は、フランスの作家ソフィー・オドゥワン=マミコニアンによる子供向供けのファンタジー小説シリーズ。全12巻、完結済み(ただしフランスでは続編の刊行が予定されている)。日本においては、KADOKAWA/メディアファクトリーより刊行されている。日本版の表紙(人物)は村田蓮爾が、裏表紙の紋章は小林誠がそれぞれ担当している。
概要
タゴン村に住んでいる12歳のタラには、不思議な力があることがわかり、さまざまな事情が重なって夏休みの数日間オートルモンドに行くことになる。オートルモンドに滞在するのは数日間のはずだったが、タラがオモワ帝国のお世継ぎであることが発覚する。そこから、タラ(タラティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル・タル・ダンカン)は“魔法ギャング団”であるファブリス、モワノー(グロリア)、カル、ロバン、ファフニール、シルヴェールと〝マジスター〟という仮面をつけた男などの様々な敵や陰謀と戦っていく。さらに、魔法ギャング団は、何度も死にそうな目にあったり”死んでしまった”りと、ハラハラドキドキの連続ファンタジーストーリー。
あらすじ
第1巻 若き魔術師たち
9歳の頃に自分に不思議な力が宿っていると気付き、イザベラに相談するが信じてもらえず、自分が突然変異体なのではないかと疑っていた。ある日タラは、イザベラが親友のファブリスの父親と電話しているのを盗み聞きし、自分が生まれながらの魔術師であることを知る。
その時はイザベラに忘却の魔法を掛けられてしまい、そのことを忘れてしまうが、サングラーヴ族が屋敷を襲ってきたことで記憶が甦り、なんとかサングラーヴ族を退けることに成功する。再度の襲撃に備えてイザベラが屋敷の守りを強化する間、タラは別世界に滞在することになる。ところが、アルピーに噛まれ、重体に。シェム(シェムナシャヴィロダントラシヴュ)は、禁書で煉獄に行き、解毒剤を手に入れることにする。タラはそこで色たちを解放。
第2巻 呪われた禁書
“真実を語る者たち”はカルの思考を読むことが出来ず、カルはアンジェリカ共々死んだ少年ブランディスの霊に有罪を宣告されてしまった。タラ達は牢獄へ助けに行くがカルは既に脱獄していた。取引の材料としてノームに助けられたカルは保険として穴掘りミミズに寄生されてしまい、解毒剤と引き換えにノームを手伝うことになる。
第3巻 魔法の王杖
ある日、「さすらいのスニュッフィー」のサムが皇宮を訪れる。サムはサングラーヴ族のマジスターの元から逃げてきたのだ。サムは、タラたちの敵マジスターが、皇宮から2、3日歩いたところにいるという。それを聞いた女帝リスベスは、将軍と共にマジスターを捕まえるため、軍隊・サムとともにサングラーヴ族の要塞へと向かった。タラは代理の女帝となることになる。
マジスターが魔法の王杖を使い、大人の魔術師の魔力を消してしまう。さらに魔術を取り戻そうとした魔術師達は灰色空間に消えてしまう。魔術師たちを取り戻すため、灰色空間をこじあけるのだが、そこから出てきたのは伝説の魔術師、デミデリュスだった。タラは魔法の王杖を無効にする抑止剤の存在を聞き、取りに行くことにする。
第4巻 ドラゴンの裏切り
時を同じくしてオモワ帝国のある科学者は何者かによって殺害された。彼がつくったある機械にはとんでもないタラの秘密が隠されていた…。
フランスのタゴンに帰って来た瞬間、タラはシェム先生と仲間たちに会う。その直後、別世界の生き物であるはずのアルピーがタラたちを襲う。
何とかアルピーたちをやっつけたタラ達であったが、ロバンがアルピーの毒に犯されてしまう。タラは自分の血がアルピーに対する解毒剤(第1巻参照)であることを思い出し、タラの血をロバンに輸血することに。しかし2人は「血の兄弟」になってしまい愛し合うことが出来なくなってしまった…。
アルピー達の命令書には「エルフの混血ロバン・マンジルとストーンヘッジにいる少年ジェレミーを誘拐せよ」とあった。タラ達は少年ジェレミーを救うべく、イギリスへと向かう。
第5巻 禁じられた大陸
自分のために苦しんでいる人を見捨てられないタラは、オモワへ帰り、禁じられた大陸へ行くことをドラゴンの反対を押し切り、決定した。一方、タラに近づくことをリスベス女帝により禁じられたロバンは、1人ブリュム洋で海賊退治をしていたが、何者かによって命を狙われていた。
「禁じられた大陸」に行くためには魔力を取り戻す必要があると感じたタラは、デミデリュスによって提案された魔力を失ったときにいた人物から魔力を返してもらう方法を取る。またタラはロバンはエルフを守るためにタラのもとを去ったと知り、はるか彼方から帰って来たロバンに謝る。そんなタラにロバンは「ぼくは奴隷となって君を守り抜く決心をした」と言う。タラは愛と歓喜の言葉の裏にロバンの無念を感じていた。タラは魔力を取り戻す。
「魔法ギャング団」と共にタラは「禁じられた大陸」へ乗り出した。その旅にエレアノアとジェレミーも同行する。そこには変わり果てたタラ、ファブリスの幼馴染、ベティと「赤い女王」がいた…。
第6巻 マジスターの罠
一方、ロバンはヴァラと2人で悪名高い船長、サンノワール(黒い血)の行方を追うという特殊任務についていた。その後、タラ一行はドラゴンの住む場所へと向かう。実はそこに、マジスターにみつからないようセレナが隠れていたのだ。が、タラがセレナに会いに行くと、なんとマジスターとセレナがのんびりとお茶をしていた。
第7巻 幽霊たちの野望
第8巻 悪魔の指輪
(これはすべて上巻まで)
登場人物
タラ・ダンカン(タラティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル・タル・ダンカン)
本作の主人公。通称タラ。現在18歳(12巻時点)。
遺伝子操作により、生まれながらにして強力な魔力を持つダンカン家7代目の魔術師。また、デミデリュス直系の子孫でオモワ帝国の世継ぎ皇女。
長い金髪にデミデリュスの末裔特有の一房白い髪が混じっており、マリンブルーの瞳。母譲りの人目を引く高貴な美貌の持ち主。
地球生まれの地球育ち。12歳までフランスのタゴン村に在住していた。聡明な人柄の持ち主で正義感が強い。伯母の英才教育によるものか政治的な駆け引きに長けた強かな一面もあり、“猪突猛進”という評価とは裏腹に慎重な側面もある。独立心が強く、一人で問題を背負う頑なな一面も見受けられる。
カリスマ性と高い指導力から国内外から尊崇の念を抱かれる。地球の共和制度と民主主義が前提となった環境で育った影響もあり、オモワ帝国の後継者であることと別世界の常識や道徳観念、自身の強い魔力には懐疑的。また、魔力を完全には制御出来ずにいる。
7巻で父親を生き返らせるための計画が失敗して、あの世(霊界=ウートルモンド)とこの世(別世界)を繋げてしまい、別世界を混乱させてしまった責任からオモワ帝国の後継者としての地位を妹のマラに譲り、地球在住の祖母イザベラの元で特殊チーム“アルファ”の構成員として働くこととなった。
8巻では故郷のタゴン村で夜は構成員、昼間は高校生として二重生活によって多忙を極めるようになる一方で、別世界の友人たちとの連絡も禁じられ、自らの魅力の真相に触れ疑心暗鬼に苛まれるようになる。テロリストの襲撃に端を発し、最愛の母の死、悪魔達との駆け引きを得て、別世界へと帰還。悪魔の指輪の欠片の破片によって下半身が不随になりながらも、我が身に宿る黒い女王と対峙、辛くも退けることに成功する。
一連の事件の責任から伯母リスベス女帝が退位、オモワ帝国の玉座を彼女から押し付けられるが、妥協の末に継承を保留する。ロバンとは擦違い、カルと相思相愛となったが、互いのため一線を引いている。
本人に殆ど自覚がないが、美貌とオモワ帝国のお世継ぎという立場故に求婚者は後を絶たない。ロバンやカルに加えて、ドラゴンや悪魔の王アルカンジュにも求婚される様になったが、本人は貞節を重んじて一線を引いている。
9巻では、自分たちがこれまで破壊してきた悪魔の宝から飛び出した悪魔の魂は、昇天するのではなく悪魔たちに回収されて再利用されることに気づき、地球の月に隠されていた悪魔の宝およびその番人と交渉し、彼らを悪魔たちに再利用されない方法で解放する手段を見つけ解放することを条件に協力関係を取り付けることに成功。以降装身具や万年筆に姿を変えた悪魔の宝を身に着けていることもある。また、悪魔の宝によって、助けられることもしばしば。
ギャラン
生きている石
ファブリス・ド・ブゾワ=ジロン
地球生まれのフランスのタゴン村出身。地球でのタラの幼馴染。地球と別世界をつなぐ門を守る非魔術師(ノンソ)の一族の息子(父親は伯爵)。
魔術師の素養からランコヴィ王国の初級魔術師として働く。金髪で結構ハンサム。スポーツ万能で本など活字を読むことや、ことば遊びが好き。
元来は温厚で洞察力も鋭い心優しい性格、徐々に周囲へのコンプレックスから強い力を求めるようになる。タラ達との冒険中、狼人間に噛まれたことで狼人間になる。
6巻でモワノーから別れを切り出された上にバリュンヌの死から精神不安定になり、マジスターと失踪。一時はマジスターの手下として暗躍したが、元恋人を拷問することに耐えられなくなった上、周囲からの説得もありタラ達の元へ帰還。タラの“魅力の力”が通用しない男性の一人で、真相を知ってなお、変わらぬ友情を誓う。
8巻ではモワノーと友人以上恋人未満の関係だが、テロリストの襲撃によって地球へ一時的に避難。タラや父親との再会を果たす一方、彼女の魅力の真相を知ってなお変わらず友人でいることを誓う。地球の門番として志願したことからモワノーとの破局が決定的となるが、タラの助言もあり後に修復した。別世界を野蛮で荒々しいとタラ共通の見解を抱いている。
カリバン・ダル・サラン
通称カル。由緒正しい泥棒の家系に生まれた公認泥棒大学の学生。5人兄弟の末っ子。黒くボサボサの髪と灰色の瞳、天使のような無邪気な顔たち。小柄だったが後にタラを追い越して精悍な青年に成長。いつも冗談ばかり言っているお調子者だが基本的に冷静で頭の回転も速い。
母親はランコヴィ政府の公認泥棒アリアナ=レアンドリーヌ。父親は文学部の教授のデオール・ダル・サラン。地球の映画が大好き。金色テシルに噛まれたことがあり、その金色の痕が残っている。2巻でオモワ帝国の謀略に図らずも加担したため、帝国領サランドゥリヴォールと伯爵の地位を得る。エレアノラに好意を抱き、彼女の死後には流石に半狂乱となった。エレアノラを蘇らせたい一心で、タラが父親を復活させるために集めていた材料とレシピを盗み出した。
7巻では霊に乗っ取られないことを理由にバンパイアに一時変貌。8巻では他の「魔法ギャング団」のメンバー同様、一時地球へ避難した。物語後半では、タラの謀略を唯一把握して彼女に同行を許されたメンバーであった。ファブリス同様、タラの“魅力の力”が通用しない数少ない男性の一人だった。
9巻の冒険の最中にタラに恋していることを自覚する。下巻でタラが『黒い女王』に体を乗っ取られた時に告白。それからタラとは微妙な距離を保っていたが、10巻で面前で堂々と求婚、積極的にアプローチをする。やがて付き合うことになる。
グロリア・ダヴィール
通称モワノー(「雀」の意味)。栗色の髪にハシバミ色の瞳。華奢で高貴な風貌の美人。基本的に慎み深く温厚な性格の持ち主だが、芯は強く毅然とした女性。
伝説のランコヴィ王“野獣”タリアンの血を引く姫のため、ケダモノに変身できる(ティターニア王妃の姪に当たるが、傍系故にあまり出生を知られていない)。
母親がティターニア王妃の妹で、父親が鉱山のエンジニア。幼少期はヒムリアやガンディスで暮らし、また、両親が仕事で不在がちなため、寂しい少女時代を過ごしていた。別世界の歴史や事情について、知識が豊富。タラたちと出会ったばかりの頃はどもってばかりだったが、タラが直してどもらなくなった。ファブリスと交際していたが力を求める彼に不安を抱くようになり、少し距離を置く関係に。ファブリス失踪後、ランコヴィの初級魔術師を辞め、オモワの元で働くようになった。皇女としての重圧に耐えるタラの一番の理解者。
ロバン・マンジル
エルフ年齢に換算すると17歳に相当する、エルフと人間の混血の青年。エルフ特有のクリスタルの瞳に、とがった耳、黒髪と白髪が混ざった髪のハンサム。かなりの長身で、鍛えられた体をしている。弓の名手。人間の母親の影響からか、非常に冷静で穏やかな性格。恋愛に対しては、非常に一途で嫉妬深い一面もある。人間の母親の養育の影響からか、エルフの中では比較的冷静。リランドリルの弓を持つ。
父親はランコヴィ王国の諜報部長タンディリュス・マンジル。母親は歴史学者のメヴォラ。タラに好意を抱き、彼女の立場から一時は身を引こうとするが、相思相愛と気づいて交際を続ける。余に一途なために彼女が不安を感じる程、タラを愛している。
7巻で死亡したと思われたが、ヴァラに救出されていたことが7巻後半で発覚。8巻でタラの魅力の真相に気付いて、一時冷淡な態度で接するようになった。そして悪魔と一時関係を持ったことが決定的になり、タラと別れの危機に。その後、カルがタラに告白し、2人が付き合いだしたためタラから振られた形になったが、「エルフの種族的性質では女性は5人まで夫を持ってもいい」ことを理由に、タラをカルと共有するという案を父から出され、実行するべくカルと鍔迫り合いを繰り広げる。
いつもは、首に巻かれている。
ファフニール・フォルジャフー
年齢250歳以上の力持ちの小人の少女。長い赤毛が印象的で、1巻登場時点であった髭を剃って成人となった。自立心が強く、男らしい気性の持ち主の一方で、すぐに力で解決しようとする単純な一面がある。歌声がすごく大きい。
母親はフォルジャフー族を束ねる事実上のリーダー格ベルリール。好戦的で戦闘時では斧を使用。派手な色が好き。また、高所恐怖症で歌と料理が非常に下手。
追放された故郷ヒムリアに帰還したい一心で、魔力を無くすために、ランコヴィ王国の初級魔術師として働く。1巻でマジスターの要塞から一人で脱出しようとし、タラ達と協力するのを嫌がるが、最終的には親友と認め合うようになった。この際、黒バラの汁を飲んだことにより、“魂を荒らす者”にとり付かれ魔力を無くす試みに失敗している。
シルヴェールとは初対面から意気投合、やがて交際に発展するが一族をはじめ、同胞からは反対されている。
シルヴェール・クラケトワル(シルヴェールシルーシヴュ)
年齢20歳。古風な言葉遣いが特徴的な金髪の美青年。霊への抵抗活動組織の一員としてタラとアンジェリカと共に、7巻で霊を除去するための旅に同行する。寡黙で礼儀正しく誠実な反面、ある事情から今まで人との触れ合いを極端に避けていた。ロバンを失い憔悴したタラと共鳴、彼女に淡い恋心を抱いてゆく。
実は、マジスターとドラゴン王の妹アマヴァの息子。妊娠が発覚した母アマヴァが暗殺を警戒して、無事生まれてくる保障も無いために知り合いに託した。小人族の戦士“容赦しない人”の夫婦を養父母として育ち、その技術を受け継いでいる。魔術の素養を持つが、小人の国ヒムリアで養育された影響からか魔術には懐疑的。
同じ環境で育ったゆえか、ファフニールを尊敬し、彼女とは気が合う。当初はタラに惹かれていたが、ファフニールこそが“運命の相手”であると認識。
ドラゴンとして覚醒するまでは、人間とドラゴンの反射神経がせめぎ合って非常に不器用だった。また、人間体の時は薄く鋭利な鱗が表皮として体を覆っていたが、ドラゴンとして自覚して以後これらの問題は解決する。自らの出生を自覚して以後、父親のマジスターを説得するために旅に出奔。現在はファフニールの両親の薦めで母親の財産相続の手続き中。
ドラゴンとしての名前は、母親が「夕方の星」を意味するアマヴァに対して、「銀色の星」を意味している。
アンジェリカ・ブランドロー
ランコヴィ王国の初級魔術師。モニカやキャロルといった取り巻きを引き連れた尊大で大柄な美女。
父親同様、野心家で嫌味、狡猾な性格の持ち主。根性が捩れているが、頭の回転は速い。美男子に色香を振りまく事と策謀を練ること以外に関心はなく、物語当初からカルやタラ達とは犬猿の仲。特にタラの美貌と魔術師としての才覚、広大な領土の時期統治者としての権力に、自らが到底及ばない事に嫉妬している。
かつて“裂け目の戦い”でデミデリュスに協力した魔術師シペリアン・ブランドローの末裔。“光の手”という強力な兵器の継承者であることが7巻で発覚した。
オモワ帝国と悪魔の王アルカンジュの条約締結のための会議がタディックスで行われた際に父からの密命を受けて紛れ込み、タディックス爆破の際に悪魔たちと行動を共にした。その結果、彼女の父親と彼女しか開けられないインクカドゥナシュスに収められた幽霊退治装置(オモワ帝国から奪ったもの)を悪魔たちが入手するための手段に利用される。
エレアノラ・マンティコール
シェムナシャオヴィロダントラシヴュ
マニトゥー・ダンカン
イザベラ・ダンカン
メヌラス・トリ・ヴランリル
タラの祖父。ヴィラン王国の傭兵貴族出身。父親はトリ・ヴランリル男爵家を率い、男爵大評議会に席を持つ高貴な家柄。ランコヴィ王国の王子メオヴリルと婚約中の妹ヴォワロディアとイザベラの友人の傭兵グラヴィールが恋愛関係になったことに激怒し、違法の決闘をグラヴィールに申し込むが、グラヴィールに成り済ましたイザベラと決闘、殴られたショックで彼女に一目惚れしてしまう。決着のつかない両者に腹を立てた時のディア王によって強引に結婚させられた。ストーンヘンジでの任務でイザベラと共に赴くが、彼だけが消息を絶ったと見られていた。真実は“ザントラの星(ザンドラのエトワール)”によって魔術を抜き取られそうな娘婿のダンヴィウとアリアの救出を試みて、殺害された。魔術ホテルの写真によれば、近衛騎士風の上品な髭を蓄えた美男子。騎士道精神に溢れた高潔な人物。
セレナ・ダンカン・ヴランリル・アブ・サンタ・アブ・マル
タラの母。茶髪の巻き毛にハシバミ色の瞳の美女。妊娠2週目でマジスターに誘拐され、サングラーヴの要塞に十年間監禁されていたが、タラ達によって助け出された。
魅惑的な容姿と寛容でおっとりした人柄の持ち主だが、有事の際には娘に劣らぬ統率力を発揮する行動派。頑固で負けず嫌いな気質はダンカン家の遺伝。
元将軍夫人で、皇太子妃とも言うべき地位にもかかわらず、オモワ帝国での実権は無い。マジスターによって、ジャールとマラ兄妹を出産したことを覚えていない等、自身の記憶に大きな欠落がある(夫自身がオモワ皇室の関係者であることを秘匿していたため、長い間セレナは何も知らなかった)。
マジスターを始め多くの男性に好意をもたれているが、これはイザベラが自身の身勝手な願望の為、解けない魔術をかけた影響によるもの。娘のタラにも遺伝で影響しており、真実を知った後は治療を受けている。婚約者のテアルによって狼人間に感染直後、何者かの手によって暗殺された。
タシルとマンギュス
アルフォンス・ブゾワ=ジロン伯爵
ジャールティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル・タル・ダンカン
通称ジャール。タラの弟でマラと双子の兄妹。オモワ帝国の第一皇子、法令で皇位継承順位の第4位に準ずるが、保障されている訳ではない。見事な褐色の髪にはしばみ色の瞳に尊大な顔立ちの少年。
セレナとマジスターの子供と思われていたが、“さすらいのスニュッフィー”サムの証言により、タラの実の弟であることが判明。野心家で皮肉屋、頭の回転は速いものの、逆上すると手が付けられない。伯母リスベスに親近感を抱き、母親セレナと実の姉タラを疎んじる。皇位継承権を巡って姉との仲は険悪な一方で、内心は彼女を恐れている。暗殺や失脚をたびたび目論むが、お世継ぎの座が平穏とは程遠いことを知って後は、姉に理解を示しつつある。現在は地球で任務に就いている。
マラティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル・タル・ダンカン
通称マラ。タラの妹でジャールと双子。オモワ帝国の第二皇女、皇位継承順位三位。容姿は母親セレナに似て、茶髪にはしばみ色の瞳の美少女。
カルに好意を抱き、現在は公認泥棒大学の後輩として訓練に就く。しかし、現在はNA盗難の一件から公認泥棒大学は休学させられている。実は射撃の名手で謀略にも長けている。
兄同様、マジスターに養育された影響で、目的のためなら手段を選ばない。ただし、基本的には気弱なためか政治的駆け引きに向いていない。
7巻での一連の事件の責任からオモワ帝国追放処分となった姉タラに代わって、後継者に指名されるが内心は複雑だった。
ジャールと違い、タラを母親代わりとして見出す等、基本的には良好な関係を築いている。カルの交際を巡って、一時逆上、姉の暗殺まで思い詰めるが、二人の絆の深さに思いを改めた。
リスベスティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル
通称リスベス。オモワ帝国の女帝。マリンブルーの瞳と魔術により美しい容姿を持つ。本来の髪の色は金色だが、衣装や気分に合わせてコロコロと色を変える。
統治者かつ政治家としても有能で辣腕を振るう。本性は相当自己本位で他者の感情に疎く、傲慢な一面もある(姪のタラの意思を無視して皇位継承者に指名した上、セレナに再婚話を持ち掛け勝手に話を進めたことなど)。他の種族を嫌っており、偏見も多い。ロバンとタラが一緒にいることを苦々しく思い、引き離そうと目論む。セレナの美貌に嫉妬する。これまでに七度結婚しているが、子供をつくれない(これは後に、マジスターの手下がマジスターの意を受けて“人間の血を飲む者”の血を長年彼女の食事に混ぜていたためであることが発覚)。ドラゴン王により皇族に遺伝子操作を行うことを容認していた。オクシア女史は従姉妹。
ダリル・クラテュス
サンドール・タル・バルミ・アブ・マルシュ・アブ・ブルヴィ
ダンヴィウ・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル
オモワ帝国の元将軍でタラとジャール、マラの実の父親。白髪混じりの金色の髪に、マリンブルーの瞳の美青年。
リスベスの弟で皇太子ともいうべき地位にいたが、皇族としての責務に対する重圧に耐えかね、将軍を6年務めた後にランコヴィ王国に亡命。セレナに一目惚れし、極秘結婚した。絵の才能があり、温厚な人柄の持ち主だったという一方、慎重で用心深くドラゴンとマジスターを警戒していた。かつてドラゴン王の陰謀でジェレミーの母親と恋愛関係にあった。遺伝子操作により姉よりも強力な魔力を持っていたようだが、権力志向の彼女との確執は深かった。ファミリエは鷲。
7巻で霊体として別世界に帰還。マジスター本人から暗殺ではなく、長女タラ誘拐未遂に絡んだ事故によって、自身が死んだことを知る。
バンディウ・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル
エルゼトティランネム・タル・バルミ・アブ・サンタ・アブ・マル
デミデリュス
ジェンリス・ティランイック
クザンディアール
グリュル
タヴィラ
マジスター
サングラーヴ族の指導者でタラの宿敵。灰色のローブを纏い、感情によって色が変化する不思議な仮面を付けた魔術師。容姿を知る者は皆無に等しいが、大変美しい。悪魔と手を組んで全宇宙を支配するという野望を抱く。
野心家で本性は限りなく身勝手。また、独占欲が強く周囲が呆れるほどにセレナに未練が残っている。
悪魔の宝を欲し、タラをたびたび誘拐しようと企む。10年もの間セレナを幽閉し、その間にセレナに深い慕情を抱いたが、夫を殺害された上に子供達から引き離され、更には記憶も改竄されたため本人からは蛇蝎のごとく憎まれている。かつて、ドラゴンの恋人との仲を引き裂かれたために、ドラゴンを憎悪するようになった。
第7巻ではリスベス女帝にとり憑いた幽霊として登場。死した肉体が蘇生した後、セレナと結婚するつもりでいた。また、最愛の女性アマヴァの血を引く息子の存在に驚愕する。セレナの死後、肉体の蘇生を試みるがこの一件により狼人間に感染。
セレンバ・ブラギッシュ
シャスール(狩人)としてタラをつけ狙う正体不明のマジスターの手下。正体は、ドラゴッシュの元婚約者。現在は、人間の血を飲んだ“裏切り者”として国際手配中の身。マジスターに恋慕し、セレナに嫉妬している。残忍で凶悪な一方で子煩悩な一面がある。瓜二つの容姿の妹がいる。数々の謀略に加担するが、バンパイアとしての矜持は抱いている。子供を産みたいとの欲求を覚えたことからオモワ帝国に保護を要求、生涯を奉げた筈の主君を裏切り、タラに“人間の血を飲む者”から普通のバンパイアへ戻してもらった。
スリルや暴力、流血を好む性質のため、クラサルヴィでドラゴッシュと生活している間に退屈してしまい、それを悟ったドラゴッシュがタラに相談したことで、11巻からは補佐役としてタラのそばにつく。
ブーティヴ
用語
別世界(オートルモンド)
別世界の大陸
別世界の季節
別世界の通信手段
魔術師(ソルスリエ)
非魔術師(ノンソ)
ノンマニ
セムシャナッシュ
ファミリエ
ドラゴン
エルフ
バンパイア
小人
トロル
サルテラン
エドラカン
タトリス
ターズバーム族
イファーヌ族
スニュッフィー
キマイラ
狼人間
サングラーヴ族
ヴァイノイ・エルヴォリュス
容赦しない人
バルブーヌ
シャトリックス
モオオウウウ
トラデュク
スパシューヌ
ブリュイク
クラカン
グリュルプ
テシル
アラーニュ
ドラゴティラノサウルス
アルピー
ビズズズ
カックス
ミアム
アストフェル
カリールの花
チェ・ムーシュ
バンバン
ボックス
ヴィルギュリーズ
ディスクタリオム
スクープ
トリクロック
ブロワイエット(粉々にするもの)
キディコワ
ツィンパフ
バルブラポ
真実を語る者
悪魔
エフリ
悪魔の宝
現在判明しているものはシリュールの玉座、グルイグの剣、ドレキュスの冠、クラエトルヴィールの指輪、ブリュックスの王杖、クスルーの二重の斧、ヴロンの甲冑、ジセルの盾、ラオールの槍、サンティールの笛、マンタールの玉、ザンドラの星、シャツとパンツの14個。
ランコヴィ王国
“生きている王宮”
ランヴェルサン島
オモワ帝国
ヒムリア
ガンディス
サルテラン
クランカール
クラサルヴィ
ブラックハウス
セレンダ王国
アクアリア国
タトラン
マンタリール平原
スモールカントリー
ヴィラン王国
パトロック王国諸島
バスグリ
スパニーヴィア
ブロンターニュ共和国
ヴィルディス
禁じられた大陸
煉獄(Limbes)
ドランヴーグリスペンシール
日本語版
※すべて上下巻構成。
上:ISBN 4840111111 下:ISBN 484011112X
上:ISBN 4840112975 下:ISBN 4840112983
上:ISBN 4840115842 下:ISBN 4840115850
上:ISBN 4840118949 下:ISBN 4840118957
上:ISBN 4840123748 下:ISBN 4840123756
上:ISBN 4840128650 下:ISBN 4840128669
上:ISBN 4840134723 下:ISBN 4840134731
上:ISBN 484013992X 下:ISBN 4840139938
上:ISBN 4840146659 下:ISBN 4840146667
タラ・ダンカン10 悪魔の兄弟
テレビアニメ
2010年にムーンスクープ製作によりM6で放送された。2021年に3DCGアニメとしてリブート。制作はプリンセスサムピクチャーズ。