チョコボのふしぎものがたり
漫画
作者:かとうひろし,
出版社:小学館,
掲載誌:月刊コロコロコミック,
レーベル:てんとう虫コミックス,
巻数:全6巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『チョコボのふしぎものがたり』はかとうひろしによる日本の漫画作品。『月刊コロコロコミック』(小学館)にて1998年8月号より2001年1月号まで連載されていた。単行本はてんとう虫コミックスから全6巻。
連載が終了してから21年たち、チョコボGPが発売され本作のキャラクターの一部が登場した
概要
スクウェアより発売された、ファイナルファンタジーシリーズのスピンオフ作品であるダンジョンRPG『チョコボの不思議なダンジョンシリーズ』を元にした漫画作品。
当初は『チョコボの不思議なダンジョン』のガイドブックに読み切り作品として掲載されていたが、反響が出たため、続編作品である『チョコボの不思議なダンジョン2』を元にした内容として連載に至る。
ストーリーそのものはオリジナルで、2巻からは『チョコボの不思議なダンジョン2』のキャラ、モンスター、ダンジョンが登場するようになった。ラストボスがグラスゴスである点は『チョコボの不思議なダンジョン2』と同様だが、シロマの出生やグラスゴスの正体などゲームの設定は基本的に使用されず、最後まで漫画独自の展開となった。
作者のかとうのそれまでの作品、特に前作『はるかなる甲子園 駆けろ!大空』や、前々作『サイファー』とはうって変わって可愛らしい作風となり、絵柄も世界観に合わせて過去作とは全くの別物となっている。この絵柄と作風はかとうの次回作『疾風天国 風のクロノア』にも引き継がれる。
1巻から3巻までの絵柄と4巻から最終6巻では微妙に絵柄が違う(特徴としては線の太さやチョコボの色が卵色(?)からレモン色に変わっている)。
あらすじ
父親・ファズを探して旅をしていたチョコボは砂漠で行き倒れになった所を、通りかかったモーグリが落とした元気の実に救われた。その後、訪れた村で偶然モーグリと再会する。モーグリはその村を脅かすモンスターの退治を依頼されていたが、実は報酬だけ貰って逃げるつもりの詐欺師であった。しかしモーグリを命の恩人の善人と信じて疑わないチョコボに付きまとわれ、なし崩しにモンスターの巣に向かう羽目になり、案の定窮地に陥る。そこでチョコボがモンスターを蹴散らした事でモーグリは彼を利用する事を思いつき、言葉巧みにチョコボが自分に付いて来るように仕向け、何も知らないチョコボは「父に会える」という嘘をすっかり信じてモーグリのお宝探しの旅に同行する事になった。
それから二人は様々な場所を旅し、様々な敵と戦い、様々な人と出会う。シロマやシド、モンスター村の住人達との触れ合い、危険なダンジョンの冒険など、旅を続けるうちにチョコボは成長していき、モーグリも純粋で自分の事を慕うチョコボの姿に少しずつ性格が丸くなって行った。ある日、村を騒がせた死神の騒動によってファズの居場所が判明し、チョコボ達は彼が居ると言う雪山に向かう。そこでグズグズと出会い、仲間を助けて欲しいという彼の頼みを聞き入れて「戦いの館」へ足を踏み入れる。強敵との戦いを切り抜けて奥へ進むが、実はグズグズこそが戦いの館のマスターであり強い者の命を欲していた事、そして最後の番人はグズグズに操られたファズであった事が発覚する。追い求めた父との戦いで、チョコボは圧倒されつつ偶然にも勝利を掴む。グズグズはチョコボの魂を奪って最強のモンスターへ進化しようとしたが、間一髪無事であったモーグリとファズに阻止される。その後、ファズは「チョコボが勇者として成長するまで会う事が出来ない」という一族のしきたりを語り、去って行く。モーグリはチョコボを父と再会させるべく一人前に育てる事を約束し、父の真意を知ったチョコボも父探しをやめ、改めてモーグリと共にお宝探しの旅に出る事になった。
その後も様々な冒険を繰り広げていた二人だが、人形のクルクルを通じてシロマからの「モンスター村が危ない」というメッセージを受け取り、モンスター村に引き返す。久しぶりのモンスター村は一見何の異常も無かったが、実はチョコボを諦めていなかったグズグズによって既に住人は操られていた。モーグリまで操られ、駆け付けたファズもクラブローラーの群れに足止めを喰らい、遂にチョコボは殺されてしまう。そしてグズグズはチョコボから出た魂のクリスタルを飲み込み、最強のモンスター・グラスゴスへと進化した。ファズと正気に戻ったモーグリの活躍でチョコボは復活するも、グラスゴスの圧倒的な力には敵わない。自身に弱点など無いと勝ち誇るグラスゴスは、ゲームと称してチョコボに「弱点と思う箇所を攻撃してみろ。外れた場合はモーグリを痛めつける」と持ち掛ける。チョコボは攻撃を仕掛けるが、どこを攻撃してもグラスゴスには一向に通じず、モーグリが痛めつけられるばかりであった。しかしモーグリは不屈の意志を見せ、それに応えるようにチョコボはグラスゴスの全身を突く。業を煮やしたグラスゴスはチョコボを掴むが、咄嗟にチョコボが咥え込んだグラスゴスの額の角のふさこそが実は弱点であり、それを引き抜かれてエネルギーが抜けた事で元のグズグズに戻ってしまう。正気に戻った住人達はグズグズに報いを受けさせようとしたがチョコボが庇い、シロマからチョコボは「世界一強い」のではなく「世界一優しい」と告げられた事でグズグズは改心する。
心身共に一人前になったチョコボはファズと再会を果たし、モンスター村にも平和が訪れ、ようやく彼の旅は終わりを告げた。もう一緒にいる理由が無くなったと悟ったモーグリはひっそりと村を去るが、やがて砂嵐で行き倒れる。しかし今度は初めとは逆にチョコボが元気の実を落としてモーグリを助けた。チョコボはまだまだモーグリと一緒に旅を続けるつもりだったのだ。こうして二人は次なるお宝探しの旅に出発したのだった。
キャラクター
メインキャラ
チョコボ
黄色の子チョコボ。父親であるファズを探すため単身で旅に出ていた。大変素直だが抜けているところがあり騙されやすい性格。一方で戦闘能力は非常に高く、自分の数倍の体躯のモンスターを一撃で倒すこともしばしば。捨てた元気の実をモーグリがくれたと思いこみついていく。鳴き声は「キュピ」。原作と違いシロマとは恋愛関係にまで発展する事はない。
当初はモーグリに騙される形で同行するが、雪山での戦いでファズの真意を知り、以降は父を追うのではなく一人前になる為に旅を続ける事になり、純粋にモーグリのお宝探しに付き合う事になる。終盤、グズグズの策略で一度殺されてしまうが、ファズの命の羽で復活。グラスゴスとの戦いを経て父と再会し、一人前の証として鳴き声も「クエ」に変わった。しかしモーグリを追い掛け、再び彼と新たな旅に出る場面で物語は終わる。15年後には故郷に戻り、一族をまとめていると言う。
モーグリ
世界中のお宝を探す旅をしている。ずる賢い性格でチョコボを騙して利用しているが、仲間思いな一面もあり、弱者のために自分が折れることもある。羽があり空を飛ぶことが出来るが、高所恐怖症のため飛ぶのが大嫌い。過去に水飲み大会に参加して優勝したが、結局耐え切れずに吐いてしまったというトラウマから、水が苦手となりカナヅチになった。元々は一種の詐欺師で、各地で悪名を轟かせる嫌われ者であった。
当初はチョコボの力を目の当たりにした事で彼を利用するべく、願いが叶う「奇跡の実」の話をでっち上げて旅に連れ出していた。しかしチョコボと一緒に旅をしているうちに、彼自身も少しずつ性格が変わっていった。奇跡の実は後に実在する事が判明するが、チョコボは父との再会の願いを叶える事は無く、やがて雪山にてグズグズに操られたファズとの再会を果たす。その際に「チョコボが一人前になるまで会う事ができない」とファズに告げられた事で、自分がチョコボを一人前にする事を約束した。グラスゴスとの戦いの後はモンスター村を去るが砂漠で行き倒れ、冒頭とは逆の立場でチョコボに助けられた後に再びチョコボとの旅に出る。数年後からは髭を生やしている。15年後にはチョコボが故郷に戻ったため、1人で旅を続けている。
シロマ
白魔導士の女の子。岬に建っていたダンジョンの秘密を探っておりチョコボに協力する。優しい性格だが気が強い面もあり、チョコボとは非常に仲が良い一方で、強欲なモーグリとはいつもそりが合わず喧嘩が絶えない。ゲーム同様、トラップでダンジョンから放り出されたチョコボを介抱するが、頭を打って記憶を失っていたチョコボの名前が分からず、当初はバッグに書かれていた名前から彼を「モーグリ」と呼んでいた。ゲームのように人間だからという理由で迫害されている事も無く、村人達との仲は良好である。チョコボがファズを追って雪山に向かう際にも同行するが、チョコボが付けた不幸の首輪を外そうとした際にデブチョコボ共々テレポボックスに誤って蹴り込まれてしまい、モンスター村に転送される形で別れた。その後は終盤まで登場しない。ゲームと異なり素性に関する話は一切描かれていないため、全く違うストーリーになった。
デブチョコボ
シド
ファズチョコボ
行方不明になっているチョコボの父親。戦闘力は高く、各所で勇者として名を残している。一方、バナナの皮で転ぶなど、息子同様にどこか抜けている。戦いの館でチョコボと再会するも、グズグズに操られてチョコボ達と敵対する(経緯は不明だが、本人の台詞によるとグズグズに騙されたらしい)。モーグリの活躍で救われ、グズグズを撃退するが、「一人前になるまで会う訳にはいかない」という一族のしきたりを遵守したためにチョコボが目覚める前に立ち去る。但し、チョコボは彼の言葉を聞いていたため、以降は父を探す為ではなく成長するために旅をする事となった。グズグズが再び行動を起こすと駆け付け、操られたモーグリを正気に戻し、生涯に一度しか使えない命の羽でチョコボを復活させた。
村の住民
ボムおばさん
ベンさん
敵キャラ
ゴブリン
スケルトン
シーフ
インプロボボス1号
サハギン
命の番人
インプロボボス99号(インプロボ99号カスタム)
戦いの館の第一の番人。ブラックグラスに操られたガルキマセラの乗るロボット。爆弾を交互に投げつけるしりとり対決を挑んでくる。爆弾は徐々に大きくなるが、生身のチョコボ達と違ってロボはパワーがあり疲労も関係ない上に、しりとりの答えはコンピューターが瞬時に出すという圧倒的に有利な立場だった。更にしりとりは「ルビーの首輪」「悪いサル」などのような句でも通用するため終わりが無く、遅かれ早かれ思考か力が尽きてチョコボ達が負ける算段であった。しかしチョコボの決死の攻撃で爆弾を一発喰らうや否やルールを無視して力ずくでチョコボ達を始末しようとしたものの、爆弾を喰らった際にコンピューターが故障しており、ガルキマセラ自身を総攻撃して自滅した。
スカルハンマー
戦いの館の第二の番人。ブラックグラスで操られていたボスで、「スカルハンマーZ」を名乗る。手下のガーゴイルとモーグリをそれぞれ柱の上に乗せ、巨大だるま落としの勝負をチョコボに仕掛ける。しかしたまたま自分の側のガーゴイルが落ちたために怒ってこれを殺し、更に負けを認めず体がバラバラになってもチョコボ達に襲い掛かるが、相方を殺されたもう一体のガーゴイルに仇討ちとして視界を遮られ、自分の心臓を潰してしまった為に消滅する。
番外編では「不思議なゲームカード」の世界の最後の番人として登場。チョコボに「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足の生き物は何か?」というなぞなぞを出す。ゲームと違って岬のダンジョンのボスではない。
オルトロス
ヴァンパイア
ゾンビ
マッドマン姉妹
ネオン
ヒルギガース
マスク
フロータイボール
その他
黒魔導士
サボテンダーブラザーズ
マジックポット
ネクロマンサー
ミニマジシャン
ドリッピー
トイソルジャー三剣士
ラムウ
バハムート
備考
- 基本設定は『チョコボの不思議なダンジョン』及び『チョコボの不思議なダンジョン2』などのゲーム版を元にされているが、キャラクターの設定やストーリーはゲームとはほとんど異なっている。
- 『月コロ』での連載以外に『別冊コロコロコミック』では『チョコボレーシング 〜幻界へのロード〜』や「チョコボの不思議なカードゲーム」をテーマにした外伝作品が掲載された。また、ゲーム版の攻略情報を収録した公式ファンブックに掲載された、連載版よりもゲームの設定に忠実に近い読切作品も存在する(単行本では全て特別編として収録されている)。
- 最終6巻では単行本書き下ろしとして15年後のエピソードと、作中に登場したモンスターをまとめた「モンスター図鑑」が掲載された。
書誌情報
- かとうひろし『チョコボのふしぎなものがたり』小学館〈てんとう虫コミックス〉全6巻