テコンダー朴
以下はWikipediaより引用
要約
『テコンダー朴』(テコンダーパク、朝: 태권더 박)は、原作:白正男、作画:山戸大輔による漫画作品。キャッチコピーとして「人権派格闘技漫画」を謳っている。
概要
格闘漫画の体裁を取った一種のギャグ漫画的な作品で、徹底的に作中善を主人公・朴星日(パク スンイル)を始めとする韓国礼賛・日本痛罵(つうば)の視点から描き、日本人の登場人物が揃いも揃って外道を絵に描いたような悪漢とされるなど、反語法によって韓国・朝鮮人特有の反日思想や歴史観などを戯画化している。ただし、原作者および出版社はあくまでも「人権派格闘技漫画」と謳っている。
また、韓国・北朝鮮ばかりでなく、日本右翼やITFテコンドーを揶揄する表現もあり、第2巻以降は醜悪でない日本人キャラクターも登場するなど、比較的幅広い表現が見られるようになっている。作中では朝鮮統一問題について南北統一が理想であるかのように描かれている(テコンドー究極奥義も「統一」である)が、現実の韓国国民の多くは南北統一を望んでおらず、その点も皮肉っている。
掲載誌の変遷
晋遊舎の雑誌『スレッド』に創刊号(2007年7月)から連載されるも、同誌の休刊(2007年9月)に伴い3話まで掲載されたところで終了。約8年後の2015年7月に、青林堂より最終話までの7話分を書き下ろした単行本第1巻が刊行された。
その後、2015年12月より青林堂の雑誌『ジャパニズム』にて連載が再開され第2・3巻も出版されたが、『ジャパニズム』46号(2018年12月8日)において「3巻のネーム時に『朝鮮■落』の表現が出版時に『朝鮮■■』に変更された事に対し作者側から異議があった」ことから連載中止が発表された。
2018年12月21日、コアマガジンの雑誌『実話BUNKAタブー』2019年3月号(2019年1月16日発売)にて連載再開されることが発表される。連載再開というものの、『ジャパニズム』に掲載された26話から28話まで(単行本に収録されていない)の再掲載から始まった。
2019年1月17日、新装版『テコンダー朴』第1巻から第3巻がコアマガジンから発売される予定が発表された。なお、その後発表したTwitter公式アカウントが凍結されてしまい音沙汰がない状態が続いていたが、2020年7月17日に改めてコアマガジンから新装版『テコンダー朴』第1巻から第3巻までが追加要素ありで価格も青林堂版より安く発売されること、第4巻以降も刊行予定だと発表された。
韓国からの評価
韓国でも話題となり、2015年9月10日に韓国の国会で元恵栄議員が取り上げて批判した。ただし、本書は韓国で出版されておらず、多くの韓国人は日本語が読めないため、そのような批判は朴槿恵大統領が暴行される場面などの表面的な批判にとどまっている。
あらすじ
実際に発売されたコアマガジン版の単行本は1巻あたりの収録話数が少なく、青林堂版の第3巻までの内容を第4巻まで使って収録しており、おまけとして『覇皇本紀』を巻末に収録している。そのため、青林堂版第3巻の続きは、コアマガジン版では第5巻からとなる。なお、朴兄弟は作中では姓で呼ばれているが、兄弟の区別のため本項では星日と英日と名で統一して表記する。
青林堂版第1巻(第1話 - 第10話)
朴はまだ未完成だった究極奥義・統一で立ち向かうが覇皇には通用せず、対決に敗れ死亡。朴の遺児・星日と英日は覇皇への復讐を誓い、星日は韓国に残り、英日は北朝鮮に渡り、それぞれテコンドーの修行に明け暮れた。
それから数年後。覇皇はその強さで政財界を手中に収め、日本の支配者と化していた。成長して一流のテコンドー使いとなった星日は、覇皇が主催する武闘大会への殴り込みをかけ、覇皇と直接対決するために日本に乗り込む。
青林堂版第2巻(第11話 - 第17話)
その後、オッチャンがヤクザの月山に騙され500万円の借金を背負わされ、連帯保証人にされた朝鮮部落の女性たちが強制連行されそうになるも、タイ人のソムチャイが助太刀に駆けつけた。そこへ月山が雇った用心棒である伊集院畸太郎も現れ、対決を繰り広げる。
青林堂版第3巻(第18話 - 第25話)
それ以来ハットリへの復讐を誓った伊集院は5年間修行を積み、あらゆる格闘技の優れた部分だけを集めて作り上げた「多様性格闘技(ダイバーシティ・マーシャルアーツ)」で挑んだものの、ハットリは朝鮮忍法・火の鳥(フェニックス)で伊集院を倒す。そして星日は強制連行されていった女性たちを救出しに向かった。
コアマガジン版第5巻(第26話 - 第32話)
星日に敗北してから武者修行の旅に出ていたという劉は星日との再戦を希望する。修行を怠ってゲームで遊んでばかりだった星日は腕がなまっており、完全敗北を喫するが、そこに金正男が助太刀に駆けつける。
コアマガジン版第6巻(第33話 - 第40話)
一方、集会の場に日本の特別高等警察が現れ、治安維持法および外患誘致罪で一斉検挙を図る。結衣たちは逃げ出そうとするがエレベーターの定員超過のため、乗り切れなかった結衣とオッチャンが警察に逮捕されてしまった。沖縄県警は米軍の支配下にあるため、二人は米軍海兵隊に引き渡され、拷問のスペシャリストであるリンダ・イングリッドに尋問される憂き目に遭う。
コアマガジン版第7巻(第41話 - 第48話)
負傷している正男は長引けば勝機はないと判断し即座に白頭山テコンドー奥義・千里馬で挑むが、覇王子は覇皇空手奥義・八紘一宇で迎え撃つ。しかし、負傷していることに気づいた覇王子は手を止め、側近の藤原に「この私を辱めるつもりか?」とあくまでも正々堂々と戦うことを望む。そこに東郷が現れ、覇皇空手奥義・真珠湾で奇襲攻撃し正男を倒す。そこに英日が現れ、覇王子の興味は覇皇を倒した朴兄弟に移る。まず英日が覇王子と戦うが一蹴される。もはや覇王子を倒すには究極奥義・統一しかないと朴兄弟は統一を出そうとする。だが統一の発動条件は二人のテコンドー戦士の力が同じであることで、修行を怠っていた星日がまず倒され、続いて英日も各個撃破される。覇王子はもはや朴兄弟に興味はないとして処刑しようとするが、正男がかばって崖から海に落ちて死亡してしまう。覇王子は朴兄弟を殺す価値もないとして沖縄を去る。
コアマガジン版第8巻(第49話 - 第57話)
また、韓国に戻った星日は再会した旧友・玄彬とともに武芸者の聖地と呼ばれるミミズク岩へ赴き、試練の後に力を授けてくれるという怪人に会うため入山するが、そこで大韓ハチ男と名乗る格闘家に襲われる。
ハチ男を退けた星日だか、その前にコアラのマスクを被った謎の人物が現れる。圧倒的な力で星日を追い詰めるコアラマスク。その正体は死んだはずの呉武鉉であった…。
一方日本では、覇王子が覇皇会館館長に就任する「就任礼正殿の儀」にのぞんでいたが、「日本を取り戻す」為に阿倍野が戦いを挑む。戦いは終始覇王子が圧倒したが、「昭和の妖怪」の力を発現させた阿倍野を藤原が刺し殺し、さらに自らも大罪を詫びるとして自刃する。
その後血塗れの姿で民衆の前に現れた覇王子は就任の礼中止と覇王会館武闘大会の開催を宣言する。
登場人物
主要人物
朴 星日(パク スンイル)
主人公。韓国出身のテコンドー使いで、自身を「大韓民国最強の男」と称する。基本的に正義感の強い好青年ではあるが、韓国礼賛・日本痛罵の視点から歴史認識を語る癖を持っており、自身ら朝鮮民族を「世界最高民族」と称して韓国起源説を多用する一方、相手が日本・日本人であれば何に対しても「チョッパリ(日本人野郎)」と侮蔑する。在日韓国人を「半チョッパリ(半日本人野郎)」と侮蔑することもあり、そのたびにオッチャンらから抗議されている。また、日本だけでなく中国も蔑視しており「チャンケ(中国人野郎)」と侮蔑する。さらにソムチャイの母国であるタイをも見下し、蔑称こそ使わないが後進国として扱っている。竹島の韓国領有を主張するTシャツを着用している。必殺技は重根、金九、奉昌、孔子、昶漢。
主人公の協力者
金 承煕(キム スンヒ) / ハットリ・キム
韓国籍、アメリカ在住の「朝鮮忍者」。忍者の韓国起源(服部半蔵韓国人説)を主張し、カリフォルニア州を始め各地で忍者道場を経営している。道場だけでなく「朝鮮忍者寿司」という飲食店も経営しており、日本人の立ち入りに制限を設けている(ただし、「独島は韓国領土」と三回唱えれば日本人でも入店可能)。過去に韓国人と勘違いして自身の道場に弟子入りさせた伊集院が日本人と分かった途端に掌を返して破門したり、アメリカ市民権を取得していることを盾に米軍の前ではアメリカ市民であることを主張する卑劣な一面を持つ。普段から「試練に打ち勝つこと」を意味するという「合格」の文字と太極旗が描かれたハチマキを愛用しているが、「寿司」や「神風」と書かれたハチマキを着用する場合もある。必殺技はトゥーハンド・チョップ、朝鮮忍法・火の鳥(フェニックス)、レッド・ホット・チリ・ペッパー、サンダークラッシャー、龍昇拳、バージニアエクスプロージョンなど。飛車、空舞術といった空中から仕掛ける攻撃も多用するが、弟子がピアノ線で吊るすインチキ技である。また、サンダークラッシャーはスタンガンを使った技であり、格闘技とは言い難い。
ソムチャイ・カーオパット
タイ出身。ムエタイ(本人曰く、古式ムエタイ=ギョクトゥギ=朝鮮キックボクシング)の使い手で、アマチュアミドル級タイ王者。明るく人懐っこい性格で、K-POPをはじめとする韓国文化の大ファン。様々なタイ文化の起源は韓国にあると考えており、韓国人を尊敬する一方、相手が日本人であれば「ユンピー(日本人野郎)」と侮蔑する。星日やオッチャンなどに「(タイは)後進国」呼ばわりされても基本的に怒らなかったが、第51話でオッチャンに「タイみたいな後進国だと、K-POPのライブも観れなくて大変だな」と言われた際に初めて「何が後進国だッ!タイを馬鹿にするな!」と言い返した。必殺技は膝蹴り(ティー・カウ)、大木を倒す象(チャーン・コーン・マイ)、指輪を捧げる猿王(ハヌマーン・タワイ・ウェン)。
嘉手納 結衣(かでな ゆい)
沖縄県出身。嘉手納流琉球空手の使い手で、発勁を使う。勝気な性格の美人。5年前、マークに殺された姉の敵討ちのため覇皇武闘大会に参加。日本人の登場人物では唯一、主人公ら寄りに描かれており、主人公側からは日本人ではなく琉球民族として扱われている(ただし、青林堂版3巻では星日に「チョッパリ女」と呼ばれている)。英日に好意を寄せている。大会後、沖縄人民解放戦線を組織し、沖縄独立運動を行う。琉球空手の起源はテコンドーだと主張している。必殺技は嘉手納流琉球唐手奥義・マッハ蹴り(コリアンキック)。
チョッパリキラーズ3代目ボーカリスト。「チョッパリキラーズ feat. 嘉手納結衣」として「沖縄の微笑み」を歌う。
朝鮮部落
作中において在日韓国人が居住する区域はこう呼称される。日本政府の陰謀により生活水準が低く置かれ、スラム街と化している。住民は韓服を着用している割合が高い。日本人暴徒に度々襲撃を受けているが、日本警察はこれを黙認している。
チョッパリをどつき隊
廬 満錫(ノ マンソク)
林 里恵(イム リネ) / 林原 リンディ(はやしばら リンディ)
精神科医
ドラマー
覇皇会館
覇皇(はおう)
覇王子(はおうじ)
藤原 正臣(ふじわら まさおみ)
東郷 兵八(とうごう へいはち)
日本の政界関係者
自由民政党
阿倍野 晋二(あべの しんじ)
自由民政党総裁。衆議院議員。覇皇の命により野畑に代わり内閣総理大臣に就任、193カ国との国交断絶と核兵器の保有を宣言させられ、心労で倒れる。その翌日に内閣不信任決議が可決され、覇皇の戦争犯罪を押し付けられる形で超A級戦犯(平和に対する罪)として逮捕、収監される。その後巣鴨プリズンにて厳しい修行を行い、筋骨隆々とした肉体的にも精神的にも頼れる人物へと成長。民衆党議員3名(鳩川、菅野、枝尾)との総理大臣の座を賭けた「御前死合」を制し、総理の座に返り咲いた。口癖は「日本を、取り戻す」。
青林堂版3巻時点では日本人政治家でありながら好漢風に描かれていたが、実は世界征服の野心を持っており、手始めに朝鮮侵略を目論む。
第8巻で覇皇会館から日本を取り戻すために覇王子に戦いを挑むが、実力差は歴然で圧倒される。追い詰められた所で「昭和の妖怪」の血が覚醒し覇王子を戦慄させるが、最後は藤原に背後から刺されて死亡。このためTwitterでは出版社・原作者から追悼の意が寄せられた。
浅尾 一太郎(あさお いちたろう)
民衆党
鳩川 由紀彦(はとかわ ゆきひこ)
菅野 直哉(かんの なおや)
覇皇武闘大会出場選手
篠田 三郎(しのだ さぶろう)
劉 書文(リュウ シュウェン)
マーク・リッジウェイ
石井 松太郎(いしい まつたろう)
中田 均(なかた ひとし)
在日特権を糾弾する市民の会(在糾会)
桜木 誠人(さくらぎ まさと)
指定暴力団「月明組(つきあけぐみ)」
月山 博明(つきやま ひろあき)
伊集院 畸太郎(いじゅういん きたろう)
北朝鮮
金 日成(キム イルソン)
金 正日(キム ジョンイル)
大日本会議
高村 慶介(こうむら けいすけ)
その他
朴兄弟のアポジ(父親)
尹 幸吉(ユン ヘンギル)
秦 淑雅(チン スア)
リンダ・イングリッド
パラク・オバマハ
白 正男(はく まさお / ベック ジョンナム)
作中におけるテコンドーの必殺技
蹴り技のイメージが強いテコンドーだが、本作では揶揄として手を使った技が多い。また重根、統一、主体は実際のテコンドーの型として存在するが、本作の必殺技とは内容が異なる。
重根(チュングン)
金九(キムグ)
奉昌(ボンチャン)
日成(イルソン)
主体(チュチェ)
孔子(コンジャ)
統一(トンイル)
朴兄弟の父と星日は、図柄の内容から「上にいる敵に向かって拳を繰り出す技」、英日は「敵の上空から拳を繰り出す技」だと思い込んでいたが、実際には2人のテコンドー戦士がその両方の攻撃を同時に繰り出す「南北統一」(ナンプクトンイル)が完成形。繰り出すテコンドー戦士2人の実力が同等でないと発動しない。
昶漢(チャンハン)
白頭山テコンドー
北朝鮮系のテコンドー。読みは「ペクトゥサン」。本来白頭血統のみが使用できる一子相伝の技だが、金正日より伝授された英日もこの技を使う事ができる。
縮地(チュチ)
縮地分身(チュチブンシン)
千里馬(チョルリマ)
書誌情報
- 原作:白正男、作画:山戸大輔『テコンダー朴』、青林堂、全3巻
- 「テコンダー朴」2015年7月1日初版発行(7月1日発売)、ISBN 978-4-7926-0526-1
- 「テコンダー朴2」2017年1月20日初版発行(1月20日発売)、ISBN 978-4-7926-0575-9
- 「テコンダー朴3」2018年7月10日初版発行(7月10日発売)、ISBN 978-4-7926-0627-5
- 原作:白正男、作画:山戸大輔『テコンダー朴』、コアマガジン、既刊9巻(2023年4月25日現在)
- 2020年12月25日発売、ISBN 978-4-86653-459-6
- 2020年12月25日発売、ISBN 978-4-86653-460-2
- 2021年1月25日発売、ISBN 978-4-86653-461-9
- 2021年1月25日発売、ISBN 978-4-86653-462-6
- 2021年2月25日発売、ISBN 978-4-86653-463-3
- 2021年5月25日発売、ISBN 978-4-86653-464-0
- 2022年1月25日発売、ISBN 978-4-86653-588-3
- 2022年7月25日発売、ISBN 978-4-86653-629-3
- 2023年4月25日発売、ISBN 978-4-86653-692-7