テツぼん
漫画
原作・原案など:高橋遠州,
作画:永松潔,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックオリジナル増刊,ビッグコミックオリジナル,
レーベル:ビッグコミックススペシャル,
発表期間:2008年8月 -,
巻数:既刊34巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『テツぼん』は、原作:高橋遠州、作画:永松潔による日本の漫画作品。
鉄道ネタと地方政治という2つの要素を組み合わせて繰り広げられる政治漫画であり、鉄道行政を題材にした1話から数話完結型のシリーズである。主人公の所属する憲政党は基本的に与党だが、現実世界の自由民主党と民主党の政権交代を反映して、一時的に民衆党が政権を取る与野党の入れ代わりも起こっている。
『ビッグコミックオリジナル増刊』(小学館)にて2008年9月号から2010年11月号まで連載され、『ビッグコミックオリジナル』(同社刊)本誌にも2008年19号から特別編として不定期に掲載された後、本誌に完全移籍して2011年2号から通常連載されている。
あらすじ
鉄道オタクのフリーター・仙露鉄男(せんろ てつお)は、代議士の父・道男(みちお)が急逝したため、弔い合戦の候補者として擁立され選挙で当選し、二世議員となってしまう。
新米の数合わせとして党内でも軽視され、仙露自身も忙しい国会議員よりフリーターに戻りたい思いから、支援企業の不利になる正論を提言するも逆に有権者に受け、持ち前の鉄道知識による斬新な視点で鉄道会社や支援企業へユニークな提言をし、与野党間の政治問題や地方の問題を解決していく。官僚からの交通関係資料の説明も持ち前の知識で間違いを訂正し、追加の説明を求められた官僚が窮して官僚からも一目置かれるようになり、与野党や内外の財界人などに人脈を構築していく。
第11巻以降は、仙露とのぞみが「地域」別に視察する形(プライベート旅も含める)を取っており、静岡、青森、福岡、千葉、石川、三重、函館、群馬、岐阜、熊本、山形、鹿児島、茨城、広島、埼玉、和歌山、山梨、福島、高知・徳島、岩手、島根、長崎の順番に訪乗している(取材の都合からか東日本に偏っており、国内は沖縄、東北アジアはモンゴルが未踏破・未接触)。
第32巻からは、不定期で扉絵秘境駅シリーズ(物語本筋とは無関係)が開始した。
登場人物
仙露事務所
主人公には第一秘書・内山、政策秘書・のぞみ以外に第二秘書などがいるが、内山とのぞみ以外はほとんど登場しない。仙露はのぞみのことを妹でありながら「のぞみ」と呼び捨てで呼ぶためしがない(姓で呼び捨てか、名前の場合は「君」づけで呼ぶなど敬称付きである)。
仙露鉄男(せんろ てつお)
主人公。高円寺(3階建てワンルームアパートの3階。エレベーターなし。議員当選後も住み続けている)に住む28歳(初登場時)の元フリーター。金にも権力にも興味がない鉄道オタクとして気ままな生活をしてきたが、父の急死にともない、急遽後継者として憲政党から立候補させられ、衆議院議員となる。父の代からの支持団体は自動車メーカーである「トドロキ自動車」で、派閥としては道路族に属しており、そのため鉄道オタクであることを内密にしている。
誠実な性格なので、割と女性からも好意を持たれているのだが、恋愛関係に対しては非常に鈍いため、告白されたことに全く気付かない。米国からハニートラップとして金髪美女を差し向けられたこともあるのだが、誘惑されていることに気付かなかったため、効果が無かった。ただ、女性に興味がないわけではなく、しばしば美人を見ると鼻の下を伸ばす。
鉄道趣味に使える時間が減ってしまったため、選挙のたびに自身の敗北を願って自分が不利になる正論を発言するが、逆に支援者や選挙民に支持を受けてしまう。さらに鉄オタの知識を使って功績を挙げてしまうため叶わない。果ては官僚の難解な官僚用語の説明も鉄道マニアの知識で間違いを指摘、さらに深く質問しかえして官僚が困窮し、官僚にも一目置かれるようになる。
民衆党が主催した講演会に招かれた時の発言が密かに細川議員によって広がり、黒田幹事長から国替えを勧められ静岡の参議院議員の後継者として立候補を予定していたが、トドロキ自動車からの圧力と鉄道協会の要請といった大人の都合でキャンセルされ、代わりに国土交通政務官(正式には国土交通大臣政務官)に就任。
深くではないが、あらゆる鉄道趣味に精通している。文系嗜好では車窓や歴史に詳しく、自宅に鉄道模型があることから技術にも興味があり理系嗜好もある。芸術系嗜好では貴賓車に使われる伝統工芸に精通し、第16巻(石川編)では「加賀のれん」や「群青壁」、北陸新幹線の設計にも精通。また体育系嗜好は第12巻(静岡編後編)での未成線(未開業の廃線)や秘境駅訪問などで顕著となっている。
内山芳仲(うちやま よしなか)
仙露の第一秘書。仙露の父「仙露道男」が衆議院議員をしていた時から第一秘書をしており、そのため仙露鉄男のことを「ボン」と呼んでいる。新米議員である仙露のことは頼りなく思っており、政治の世界のことをいろいろ仕込もうとしている。仙露が鉄道オタクだとは知らない。父親のような存在で、仙露に他の趣味を仕込ませようとしたり、お見合いをさせようとしたりもしている。
プライベートではペットのフレンチ・ブルドッグの「リエ」を連れて夫婦で散歩に行くのが楽しみで、銀婚式の代わりに豪華列車カシオペア号で北海道旅行へ行く愛妻家でもある。
仙露の高校時代の友人を「票田」としか考えていないようであり、仙露が帰郷する度にのぞみをお目付け役として同伴させているため(また彼は道男の法事や文男など仙露が父をきっかけに知り合った関係者を票田の道具としか見ていないところ、利害だけで人を選ぼうとするところもあり)、それを仙露は快く思っていない。だが、一見目先の利権だけで仙露の交流関係を仕分けしているようだが、道男に対してはとても恩義に感じていて、仙露が「弔い合戦」として後継者候補かつ使い捨てとして選挙に担ぎ上げられた際は、他議員のオファーを断っても仙露を立てており、仙露が道男の世襲議員としてデビューして引き続き議員秘書を続けているため、憲政党、とりわけ黒田派に対しての忠誠心が強く、仙露に対して「黒田派にとどまってほしい」と事ある毎にリクエストしている(仙露がいつ大臣になるかは読めないので、さっさと引退して妻の故郷に引きこもりたいと思っていたが、妻の猛反対にあい、光子、のぞみが仙露を誘導する形で「大臣になるまで議員秘書を続ける」という約束をとりつけられた)。
すぐにへそを曲げたりいじけたりする性格で、一度へそを曲げると長いこと尾を引くため、仙露やのぞみが必死になって機嫌を取ることになる。そのため、仙露から内心「面倒くさい老人」と思われている。
妻や姪・光子の話で、関西出身と判明。納豆とコロッケは苦手だという。また、麺類はそばよりもうどん派である。
児玉のぞみ(こだま のぞみ)
仙露の父と親密な仲だった女性ジャーナリスト・児玉ひかりの娘で、自称「鉄男の妹」。鉄男や内山はあっさり受け入れたためDNA検査等は行っていない。仙露が鉄道オタクだということも最初から知っていた。アメリカの大学で政治学を学んだ才媛で、半ば強引に仙露の私設秘書見習いとなり、秘書の仕事の合間に政策秘書資格を取得し、卓越した語学と外交交渉の能力を見てマクレーンから「うちのスタッフに転職しないか」、広成からも「政策秘書が転職するので後任に来て欲しい」と誘われたこともある(細川は半ば彼女目当てで外交を餌に誘ったこともある)。また、友人は世界銀行勤めやフランスのグラント・ゼコール卒の才媛など国際的だが、清水の次郎長を知らないなど一般人とはズレがある。職務事情から対外的には「妹」であることは秘密にしている。そのため、今井一族や福田、高丘、勝・香夫婦、由希、千田に「恋人関係」(あるいは異性関係になる可能性がある存在)と誤解されることが多い。なお、彼女らの名前の設定は東海道新幹線の「こだま」「ひかり」「のぞみ」に由来する。
細川が接待相手をもてなすために和装のコスプレをしている事もあったが、彼女には不評だった。また、真希のことは(自分のボスの)同期ライバルながら「よく政治・政策の勉強をしていて、将来は総理大臣も展望できる」として高く評価しているが、細川に対しては「一生(真希に)追いつけないだろうな」と評価。外国語・外交能力を生かして秘書にスカウトされようとするものの、内山の指導を受けるまで断ろうとしたことがあったことから、あまり好意的に感じていないようである。
アウトロー系の臭いがするイケメンがタイプらしい。元不良だった僧侶の鷲津、加賀見ホールディングス会長の息子、加賀見奈々男に注目していた。鉄男と違い、男女関係の嗅覚に鋭く、キューピッド役をすることもある。
仙露の親族
仙露家の親族の話は男系の話がほとんどで、母親は鉄男の幼少期の写真と258話で父・道男と幼馴染みで「路子」との名前が判明した。また鉄男の中学生の時に親族の女性に連れられて伊豆へ旅行しているが彼女の存在は声(ふきだし)のみ。
仙露鉄蔵(せんろ てつぞう)
鉄男の曽祖父で、仙露家の元祖鉄オタ。明治時代の高等遊民。鉄道を趣味として楽しむことで、自由闊達なアイディアを持つ人物。容姿も性格も鉄男そっくりで、鉄男もその資質を引き継いでいる(のぞみは鉄男の自由人的思考は彼の影響が大きいと思った)。元祖撮り鉄・岩滝輝矢と知り合い親交を結ぶとともに、彼の父親で鉄道会社の株主でもあった二代四菱財閥総帥「岩滝矢之助」に急行列車の運転やステーションホテルの開設、鉄道会社による新線建設と沿線の不動産開発などを提案。それを実践した岩滝矢之助から鉄道会社への就職紹介をされるが、断ってしまう自由人。
太平洋戦争で被災した東京駅の仮復旧を見た直後に没している。のちの東京駅の完全復元工事では、鉄蔵と岩滝の集めていた資料と写真を参考に工事が行われた。また124話では「鉄道コンサルタント」のような仕事をし、アナスタシア・ニコラエヴナの日本への亡命を手助けして「九州鉄道の或る列車に招待する」との約束をし、161話では亡命したアナスタシア皇女をお忍びで函館市内に案内していたことが明らかになる。アナスタシアの実績を聞きつけた軍部からスパイ・川島芳子を逃がすよう要請を受け、(国鉄による協力の元で)乗務員に偽装させて「運行中の交代移動方法」を使い逃がしている。川島芳子は男装の麗人で体力に自信があったことから、このハードな逃亡方法を承知した。鐵之介とともに大隈重信と満州案件に着手、役人として日露戦争に参加、だが満鉄(ロシアから譲渡)入りを軍事目的とみなして拒否。
仙露鉄平(せんろ てっぺい)
仙露道男(せんろ みちお)
鉄男の父で、憲政党黒田派閥の幹部の衆議院議員。「いつか東京駅を完全復元したい」との父鉄平の思いを受けて政治家を志す。「1度決まると、どれだけ国民が反対してもどんどん暴走し、失敗しても責任を取らない日本式公共工事」の在り方を変えたくて道路族になった。建ぺい率や容積率の空中権取引や、東京駅の重要文化財指定にかかわる。また、中選挙区から小選挙区への移行、政党交付金の制定など、政権交代が可能な選挙制度制定を進める。
鉄男に関しては「独自の考え方をする、ある意味私より大物かもしれない」と評価していた。その後急逝したために、黒田の鶴の一声で弔い合戦に鉄男が担ぎ出される事となった。急逝しなければ総理大臣にもなれる器の政治家だった。
仙露路子(せんろ みちこ)
仙露鐵之介(せんろ てつのすけ)
鉄男の玄祖父(鐵蔵の父)で江戸時代(幕末)は轟藩の普請方役人を務めていた。幕府滅亡で轟藩が廃止されたが、東京お台場で大隈重信と出会った縁で、大隈の部下となる。実は、新橋(廃止)~横浜(現・桜木町)を高輪築堤を築いて海を通すアイデアは大隈と彼の合作アイデアであった。彼自身、鉄道に夢中になったこともあり(それで一時は婚約が破談になりかけた事も有ったので)、ノゾミ曰く「仙露家のDNAは鉄道マニアの血筋ね。」と鉄男に言う。大隈と長崎訪問の折、トーマス・グラバーと出会い、本物のSL「アイアン・デューク号」を披露され、実験路線に乗車。軌道幅に関しても熱くなり、「建主改従ではなく、改軌主建従にすべき。ましては、それを票田の道具にするのはけしからん。」と大隈とグラバーを驚かせた。晩年、鐵蔵と共に1号機関車が再就職した島原鉄道に乗車しに来た。
憲政党
黒田派
憲政党内の派閥の一つで、正式名称は『黒田道久道の会』。派閥領袖は黒田道久。九州諸藩の藩主・藩士にちなんだ姓に基いている場合もある。
黒田道久(くろだ みちひさ)
憲政党政調会長で仙露の父も所属していた黒田派のボス。道路・自動車関係に強い利権を持つ(後に公共施設のバリアフリーに関する利権も持っていることが判明する)。新米議員である仙露に何かと厄介ごとを押し付ける。仙露が指示通りに行動せずに怒りを見せた場合でも、マスコミの高い評価を知ると掌を返すことが多い。
また、仙露に「『はやぶさ』と言ったら「戦闘機の隼だろ」と、じっくりと隼の解説をするなど戦闘機に詳しく、80話では対立政党の広成が党本部に直談判に来た際に「国益のため」と提案を受けて対応する度量の広さを見せることもある。
ネットを介して広がった民衆党が主催した講演会に仙露が招かれた時の発言を重く見て、彼を呼び国替えを勧める。その際、意外にも素直に応じたため戸惑い、見返りを求めていると思ったが、逆に「選挙区に専念したいので役職を解いて欲しい」と言われて本気だと感じた。ところがいざ仙露を国替えさせようとするとトドロキ自動車から待ったがかかり、鉄道協会からの「新幹線パッケージ輸出支援の提言をまとめた仙露に地位を与えパイプ役に」という提案から仙露の国替えを中止した。
佐藤秀人を憲政党に取り込もうとするが失敗し、寿齢党党首の大橋をけしかけて共倒れさせることを我策するが、(仙露や真希たちの力で)頓挫する。
党税調で消費税の増税と生活出需品に対する軽減税率について、消費税をそのままに、ぜいたく品に重税をかけることを提案する(仙露の入知恵)。
山中正太郎(やまなか しょうたろう)
寺田博司(てらだ ひろし)
細川俊彦(ほそかわ としひこ)
憲政党の国会議員。仙露と同期で同じく二世議員だが、子供のころから総理大臣を目指していた野心家で、仙露に強いライバル心を持つ。生まれも育ちも東京という生粋の東京都民で自分の地盤のこともあまり良く知らず、地元民の陳情の際には、「こんな田舎も自分の地盤なのか」と驚愕した。常に自分の功績と注目度を気にしており、自らの知識や見識をひけらかす場面もあるが、実際には世間知らずで知識も浅く顰蹙を買う発言が多い。交通政策はあまり得意ではなく、付け焼刃程度の知識・提案しか持ち合わおらず仙露や由希の提案をカンニングすることが多い。仙露に成り代わって政務官に就任しようとして、父親が残した資料を元にした政策を党の幹部に提出しようとしたが、以前政権交代した際に民衆党が同様の政策を提案していた上に、憲政党に反発されて廃案になっていたことを広成真希に指摘され呆れられる。また、その際に仙露がまとめた政策を収めたUSBメモリを渡され、自分の手柄としたことがある。仙露の提言を参考に静岡県連の静川、浜田に提言したことがあるが、かえって2人の逆鱗に触れ、黒田に雷を落とされている。
広成由希をデートに誘ったりして交際をしていたが、彼女が仙露に注目したことに嫉妬し、秘書が偶然目にした民衆党が主催した講演会に彼が招かれた時の発言を知り、ネットを介して密かに拡散する。しかし、自身の思惑と違い仙露が黒田から勧められた国替えを承諾していたことに驚く。
真希以上に仙露の縄張りへの闖入をして功名を得ようとするが、仇になることが多く、仙露の友人・福田からも軽蔑されている。熊本編でツヨシの姪・華子に「あの肥後細川家の流れ」と言ったが、実際は熊本城の細川家とは関係ないことを間髪入れずに歴史家に指摘されたため、冗談と思われた。
毎朝新聞の松永と海外メディアからの取材に対し、ゴルフ練習場で練習をしながらインタビューを受けるという最低の対応をした上に、党に無断で自分の浅はかな参議院改革案(のぞみ曰く「とんでもない改革案」)を披露したことで、海外メディアから「無能なのに意欲だけはある政治家の典型」というレッテルを貼られた上に、記事を読んだ黒田を激怒させてしまう。
川根徹(かわね とおる)
憲政党の国会議員で仙露や細川と同期。衆議院3期目の元警察官僚で、公安警察時代はカンの鋭さから『公安のカミソリ』と言われていた。その実績を買われて政権与党に迎えられる、現在の役職は「内閣情報調査室担当内閣官房副長官」。自身の才覚でのし上がってきたため、世襲議員を嫌っており、政治家を評価する際の第一のポイントは世襲議員か否かで決めるため、まだ参議院議員候補に過ぎなかった初対面の千田葉子に対し、「世襲でない点だけは評価してやる」と発言している。また、コテコテの世襲議員である仙露に対しては、かなり見下しているが、仙露の天然(鉄道バカ)の行動に振り回されることになる。150話ではノゾミが仙露の妹であることを知ってしまう。
さらに李が仙露目当ての名目で岐阜へ来訪したのと、仙露がライの息子・サムの相手をしていることを知り、ますます(仙露がらみの行動が)理解不能となった。
鉄道知識に関しては疎いが、仙露の鉄道裏知識を無視しようとするため、ドジをしてしまう。
尾藤晴彦(びとう はるひこ)
第一巻・第三話にて登場した、青森選挙区の候補。憲政党から立候補することになり、黒田派からは(予想では)状況が不利だったため、幹部ではなく仙露を応援によこした。県会議員である父・勝利(かつとし)は養親で子供がいなかったため、親戚筋である晴彦(はるひこ)を養子縁組にして、後継者として育てた。
後に彼の実父が末期の病気に侵されていることを知り、仙露の助言で(人道上やむを得ない)特例を利用して青森駅に運転停車していたカシオペアに乗り込み、実父のいる函館へ最後の対面に訪問した。これが民衆党(特に対立候補であった丸野和恵)によって問題視されたが、彼と仙露は選挙活動中に事情を説明、勝利と内山のフォローもあって逆転勝利、黒田派に入会した。
千田葉子(ちだ ようこ)
参議院千葉選挙区の新人議員。候補者時代、外資系シンクタンクでは現・民衆党の広成議員と同僚だったため、彼女がライバル視する仙露の指導を受けたいと志願して、一時仙露の私設秘書となる。千葉県出身だが職場の大学も東京という「千葉都民」で千葉の選挙区をデータで知っている頭でっかち。「データだけでは実感としてわからない」と仙露に千葉県内のローカル私鉄路線の視察に付き合わされ、銚子電鉄視察では銚子電鉄を支援する沿線の高校生グループへの協力を、選挙年齢の18歳に引き下げに伴い増える240万の若者票を集める準備と考えるなど、仙露の行動を深読みしすぎて勘違いしているところがある。ベンチャー経営者である南郷に(ファンとして)憧れていて、仙露を通じて会えた時は感激していた。
仙露についたのはそもそも彼女が真希をライバル視して、その真希が仙露を意識したことから興味を持っていたのであり、「師事」というより「研究」目的で「指導を受ける」名目をとったことから、仙露のアナログ戦術(どぶ板戦術および庶民目線での直接視察)と(親から受け継いだ選挙区を捨てての)選挙区移転構想に呆れていたが、未成年選挙層(18・19歳)開拓などといった勘違いをしているせいなのと、仙露自ら移転しようとした静岡へ出向くと静川・浜田に一目置かれていることから、彼の戦術はあながち侮れないと少し考えるようになった(さすがに山万ユーカリが丘線の女子大駅へ一人で行くのが恥ずかしいと同伴させられた際には困惑していた)。
細川がのぞみ・真希・遠子を自宅(引っ越し先の高層マンション)へ招待した時に、同じく誘われた。だが、下心みえみえなのと宅配業者を考慮しない対応に失笑した。その高層マンションは美観一辺倒で宅配対応が整っていない都心型であったことから、宅配業者からは「鬼門」と忌み嫌われていた。また、細川に対しては仮想通貨投資におけるパスワード管理の杜撰さを真希とともに指摘している。
丸田(まるた)
外川(とがわ)
川上清吉(かわかみ せいきち)
上島派
上島・柴本・西崎とも遠州鉄道西鹿島線沿線の駅にちなんだ氏名が多い。
上島助信(かみしま すけのぶ)
憲政党の農水族「上島派(かみしまは)」のドン、衆議院議員「永田町の妖怪狸」と呼ばれている。憲政党が与党に復権した選挙で台頭、派閥議員の柴本を国土交通大臣にして新幹線輸出対策チームを立ち上げようとして主導権争いで黒田派と対立。仙露の「新幹線より地下鉄などの都市交通のほうが市場規模が10倍近くある、アメリカなどですでに実績を上げている」との資料を無償で渡されて困惑。新幹線輸出では黒田派と和解。
北海道で開催された憲政党党大会では、仙露の企画したトロッコ列車での昼食会の途中、黒田議員と共に保線作業員の「開発だけでなく自然と調和しながら作業する」現場の声を聞き感銘を受ける。
仙露が選挙区の静岡にいた時、トドロキ自動車や鉄道協会による黒田派への圧力を知り、国土交通副大臣を「えさ」に仙露を獲得しようとしたことがある。
地元選挙区に広大な運動公園の建設を計画。『(東海道新幹線着工でも使われた)過少予算で建設を始め、建設開始後「予算が足らない」と追加予算で完成させる』、そして関係団体を多数作り予算超過の問題の責任をうやむやにするという昔ながらの方法で着工をめざし、予算が足りないなら「スポーツ選手の強化費を削れ」と柴本国土交通大臣に言い出す始末。しかし仙露の入れ知恵で、広成真希が地元業者たちへ無言の圧力をかけ、一部業者が公正取引委員会に談合をリーク、建設計画は頓挫させられた(実際の東海道新幹線の予算超過問題では、当時の国鉄総裁十河信二と技師長島秀雄が責任を取って完成前に辞職している)。
消費税増税での食料品(農産物)軽減税率導入問題では利益誘導でイニシアチブを取ろうとするが、仙露の入れ知恵で黒田が消費税を据え置き贅沢品に加重課税する『物品税』の復活を提案して軽減税率問題を棚上げし、税のかけ方そのものが再考され利益誘導ができなくなった。
柴本積志(しばもと せきし)
憲政党上島派の国土交通大臣。政務官に就任した仙露の東北新幹線視察のための青森行きを「厄介払い」と送り出す。そして監視役に官僚の中村を送り込む。しかし、仙露の持論の「私鉄の持つ鉄道用送電線を利用して太陽光発電などの再生可能エネルギーで造られた電気の送電事業への参入(送電事業は経済産業省の権益)」、福岡での国際会議では仙露が華僑の大物・織自成をダシにして会議参加者を連れ出し会議場が空っぽになる、上島の意向を受け「青函トンネルの貨物列車の運行維持のために北海道新幹線の延伸見直し」を提案するが、仙露のアイデアの貨物新幹線により上島が延伸促進にシフトしてしまうなど、仙露の行動に振り回されることに。
同じ省庁でありながら別の派閥にいるということで仙露に何か動きがあると、手柄目的で(石崎と同じように)中村とともに仙露を監視、尾行する。中村はそんな彼に嫌気がさしているが、柴本は仙露の会見中に乱入して「政務官が大臣の知らぬところで勝手なことをされては困る。ここからは主導権を握る」といい、会見会場を乗っ取り弁舌するが、付け焼刃の知識だけで会見の参加者を呆れさせ、逆に場をしらけさせてしまい、それに気づいて主導権を仙露に返上して退散している。
西崎(にしざき)
憲政党上島派の県議。記者の質問を耳に手を当てて聞き返すのが特徴。カラ出張疑惑のある男で、仙露が青森へ長期出張した時に地元新聞社に仙露、中村とともに彼の「カラ出張疑惑」で取材を受けた。仙露の助言を無視して、実行しなかった北海道新幹線予定地視察をうそぶいたが、当然訪問していないので特急料金の特例を知らず、仙露に特例の話をされて恥をかく。
これ以来仙露に逆恨みをして、不利な情報(プライベートによる長野温泉旅行についてのネタ)を上島(つまり自分のボス)の秘書に仕入れさせ追及しようとするが、仙露に青春18きっぷを使って連日旅をした話をされて、証人である中村、新聞記者に逆に感心されてしまい、彼は撃沈するも「仙露のように鉄道に詳しくなれば、もっとうまく政務活動費をごまかせる」と考える。
その他の憲政党所属の国会議員
佐倉みずほ
石崎
憲政党の総理派閥の参議院議員。次期参議院選挙選挙対策室室長。「全国の中核都市をミニ東京化してトップダウンで政治を決める」との自論が『金沢の大旦那』や『石川の女帝』の逆鱗に触れ、首相に大目玉を食らう。仙露に政治力を見せようと副大臣のポストをエサに寿齢党の大橋党首や郵政民営化問題で離党した長谷川郵吉議員の取り込みをしようとし、仙露や大橋・長谷川・広成議員と一緒に烏山線の七福神めぐりと蓄電池駆動電車EV-E301系電車の視察をして帰りの宇都宮駅で待ち伏せ、大橋党首に「選挙協力の見返りに栃木県選挙区を寿齢党へ、閣僚ポスト」を提案して大橋を怒らせ、野党間の選挙協力が進むことに。
151話ではEUのサミット参加国の官僚の前で日本語が分からないだろうと余計な裏話をして、それを聞いていた外国官僚たちが日本語を理解していたものだから外務省が火消しに大騒ぎする事態に。
彼が目の敵にしている仙露に動きがあると思えば、必ず仙露たちの視察先に出向いて憂う思惑を話すが、大概は彼の早とちりであることが多い。
大国誠(おおくに まこと)
仙露が「参院選の応援で、山陰にゆく」仕事を黒田に頼まれて、出向いた先で応援する対象者で「合区問題」案件に関わっている参議院議員。彼は若手評論家としてメディアで活躍して、40歳までに総理大臣に成りたいという野心があり、衆議院の枠が埋まっていたから参院選から出馬。彼は「衆議院とは違う選挙制度でもいいではないか」と改革論者。仙露は彼とノゾミを誘い廃止される「奥出雲おろち号」(木次線の観光列車)を視察乗車、すると「スイッチバックして回り道をすればいいのか」と勝手に感心し、仙露を勝手に尊敬。彼は仙露たちに出会う前、松江郊外の公園で毛虫に困った芹那を助けて、相思相愛となる。だが、芹那の父は堅物で前途は厳しい。名前の由来は「大国主」。
静岡県連
静川と浜田が参議院議員を勇退する伊東の後継候補に自分の子供を擁立しようと対立する。静川と浜田は知事選や国会議員選挙では2人の協力が必要という実力者。高校実業団ではサッカーのチームメイトだったが、現在はことごとく対立し、意見が合うのは利権がらみという旧来の利益誘導型の政治家。仙露が国替えすることになるが、大人の事情で仙露はトドロキ選挙区のまま、仙露の黒田への直談判で「静川と浜田の子供は一人は静岡選挙区からもう一人も比例代表上位で立候補させる」との約束を取り付け、のちに浜田の娘を参議院静岡地方区の候補者、静川の長男は衆議院静岡地方区への候補となる。そのこともあって、静川と浜田は仙露に一目置いている。
伊東豆吉
次期国会議員候補者
その他、憲政党関係者
元憲政党
大橋久豊
寿齢党党首。元・憲政党の最長老で黒田道久も頭が上らないため、引退勧告を仙露に押し付けるが、仙露との会話の中で黒田の思惑を見抜き、自ら憲政党を離党し老人のための新党『寿齢党』を旗揚げ、選挙の台風の目となる。
仙露の父である仙露道男をとても可愛がっていたが、息子である仙露鉄男が大橋を訪ねた際には無下に扱うなど、当初は仙露を快く思ってはいなかった。しかし徐々に父親譲りの政治家としての資質を見込み、仙露と共に広成真希の立ち上げた超党派連盟に加入するなど、頻繁に行動を共にするようになる。
戦争中、陸軍少年飛行兵に志願、「はやぶさ(隼)」や「はやて(疾風)」を聞き懐かしがる。また、議員秘書をしていた時に大事なカバンを駅に忘れて議員と特急つばめに乗車、女性客室乗務員(つばめガール)の気転でことなきを得る。そのつばめガールが今井君子の祖母の妹で、若くして亡くなっいたことが判明。「彼女が居なかったら、議員秘書をクビになり、今の私は居なかった。もう一度きちんとお礼を言いたかった」と思いを吐露する。
仙露が世襲議員との批判に吊るし上げられた時に「確かに父親の弔い合戦として擁立されたが、意外にも仙露議員は有能な政治家だった、でなければ3期続けて当選出来ない」と客観的分析で擁護する。
「自分のメガネにかなった人材であれば党派の垣根を越えてでも、次世代の政治家として育ててみたい」と、憲政党静岡県連青年部の静川駿・浜田遠子に注目している。
駿・遠子の友人・佐藤に対しては、佐藤の方針が「若者寄り、高齢者無視の政策」ととられ、最初は反感をもっていたが、仙露が引き合わせたことでお互いの不足分を補う政策・方針に変わり、和解・共闘する。
長谷川郵吉
若林
張松
244話から始まる和歌山編に登場する憲政党国会議員OB。学生時代は野球の投打の二刀流でプロを目指すが、どちらも中途半端で挫折。国鉄マンからたたき上げで代議士になり、引退した今も議員OBのまとめ役をしていて党幹部も一目置く存在。「ローカル鉄道は地元と会社が一体となって、汗と涙で維持していかんとならん」と言い、仙路の「これからの鉄道は知恵と工夫で維持していく時代」に「喝!喝!それで維持出来たら苦労せんわい、どこかに、そんな事例でもあるのか?」と反論し、和歌山県下の鉄道巡りの珍道中をすることに。高校時代、野球をしていて二刀流投打を試みたが挫折、スポーツ科学に基づく野球人を目指す息子と衝突して絶縁していて「息子」と「二刀流」はNGワードであった。息子が大益選手の二刀流をサポートしていることを仙露から知り、仙露に対しては態度を軟化させるが、息子とは距離が近づけなかった。だが、仙露とノゾミの話と、ひかり(ノゾミ母)が取り持ったことで再会して、距離を縮めた。
民衆党
広成真希
民衆党の女性国会議員。生真面目な性格で、学生時代に海外留学を経験して経営管理学修士の資格を持ち、帰国後は日本文化に興味を持ち直し茶道を始める。帰国後、世の中を変えていける政治家という仕事に興味を持ち民衆党の公募に応募。選挙で憲政党黒田派の副会長・山中正太郎を小選挙区で破り当選。政敵として何かと顔を合わせる仙露に強いライバル心を持つが、同期議員同士の友好関係にもある。とぼけた顔をして様々な難題をあっさり解決をする仙露を実際以上に有能だと感じている。
従妹の由希、友人の今井君子のほか、仙露の妹・のぞみにも声をかけてお楽しみ同好会(いわゆる女子会)を結成。「仙露も入れてほしい」と条件を付けたのぞみが仙露とともに入会して、女子会というより「広成会」となった。
広成会でも仙露たちと登山しているが、山登りが趣味の一つになっている。のぞみが仙露・駿・遠子たちと富士登山をする話をした時に、同伴を希望して一緒に登山をしている。登山スキルは、仙露よりはるかに高い(登山界に顔が広いらしく、紹介された谷川岳山岳会の一ノ倉(いちのくら)を紹介され、真希と一ノ倉のお陰でレールスキーは両親のいきさつを知ることが出来た)。
細川との交際を断り、同期として接している。韓流ファンでイケメン好きとミーハーなところもある。李に会いたがっていたが、二度もニアミスで箱根や岐阜でも会っていない。一方、仙露に恋慕するそぶりもあり、ノゾミや君子に嫉妬するところもある。
足尾鉱毒事件を訴えた政治家・田中正造(大橋も尊敬し、仙露にかなり力説するほど)や仙露の父・道男を尊敬している。また、五木のレポートをかつて読んだこともあり、五木に対しても好感を持っている。
仙露と君子、鉄道女子学園の関係について取材に来た松永に憤慨して一喝、仙露たちに助け船を出した。
書道の心得があり、仙露から花押のことで相談を受けたことがある。
広成由希
広成真希の従妹。大学卒業後、社会勉強をかねて真希の私設秘書となる。さそり座のB型の「マイペース」で真希に容姿は似ているが性格は全く似ていない。真希に仙露事務所へ資料を返しに行ったまま内山秘書を「ヨーダみたいでかわいい」と入り浸ったり、仙露のマンションに書類を届け中に入ろうとしたり、仙露が今井君子と歩いているとデートと尾行し仙露の前で真希に「仙露と君子が付き合っていたら」との問いに「ライバルとして戦います」と言う。そこに細川からドライブデートに誘われる、仙露の羽田空港と成田空港をリニアーモーターカーで結ぶ交通の未来を聞いて注目する。
ペーパードライバーらしい。自動車教習所での成績はあまり良くないようで、親に車を持たせて貰えない。そのため、南郷に自動運転車を開発して欲しいと頼む。
上松正史
その他の議員、議員候補者
佐藤秀人
「若者新党」代表の参議院議員。サッカー元日本代表。高校時代は静川岡造の長男・駿とチームメイトで、浜田松男の長女・遠子はマネージャーを務めていた。サッカーのプレースタイルは個人プレー中心だったため、チームワーク重視の日本のサッカーを嫌ってフランスへ。
サッカー元日本代表の知名度を生かして参議院静岡選挙区から無所属で出馬を計画。「若者の力を結集」をスローガンに参議院静岡選挙区に立候補を申し出たが、憲政党は次期参議院選挙候補は仙露で内定していたため、静岡選挙区の衆議院候補として取り込もうと画策。しかし本人は「政党の看板を背負って選挙したら、すべて党の方針に従わないといけない。俺はそんなのが大嫌いだ」と固辞する。憲政党黒田政調会長がライバル候補を芽を摘もうと暗躍、「寿齢党党首の大橋久豊と『高齢者問題と若者の役割』とのテーマで公開討論会」をすることになるが、事前の仙露の根回しにより佐藤や寿齢党と共闘することとなる。
大橋久豊のアドバイスにより静岡選挙区への無所属候補として立候補を取りやめ知名度を生かして「若者よ世界に挑戦しろ」をキャッチフレーズに『若者新党』を旗揚げして全国区比例代表選挙へ立候補する。その新党の候補者として静川駿・浜田遠子に出馬要請をするが憲政党に所属しているという理由のため断られてしまう。
坂本を心配する仙露に依まれて南郷、坂本と3人で密談、「憲政党の看板で入閣はただのかかしパンダになりかねない」と忠告、自らの政党からの立候補を勧めた(坂本も鶏口牛後と思い、応じる)。
青野森男
津軽鉄道の澤村社長より紹介された津軽鉄道応援隊のメンバーで青森県議を目指していて、仙露に弟子入り志願する。学生時代は相撲部で現在も地元で相撲を教えている。地元新聞の仙露への取材に同行し「道路族の議員なのに車ではなく公共交通を充実になんて、派閥のボスからおとがめが」との質問に、仙露が「それが私の考えです、これで政務官を解かれても仕方がない」と言い切ったことに政治家の覚悟を感じる(仙露は単に忙しい政務官を辞めたかっただけ)。仙露より寝台列車の「北斗星」「カシオペア」の廃止問題は列車の廃止だけでなく、青い森鉄道の収入の20パーセントを占める線路利用料収入が無くなり、地元公共交通「青い森鉄道」の経営にかかわり、青森県民にとっても重要な政策課題とレクチャーされる。
のちに青森県議に当選し仙露の議員事務所を訪ねる。その後は県議として青函経済圏研究会の取りまとめ役をしている。
震災地視察として熊本へ来たとき、のぞみに五木・細川と同じように恵子の娘・華子の相手に丸投げしようとしたが、恵子に「地方議員には興味がない」と言われてしまう。
北海道子(きたみ みちこ)
熱井正義
飯加茂市会議員・市民派。地元の民鉄「飯加茂鉄道」を食い物にして、なおかつ飯加茂市議会を牛耳る阿久大寛(あく ひろとも)率いる不動産会社「阿久興産」と市議会・阿久派を排除すべく、市民派の新市長を就任させた。
阿久陣営は多数派の力で市議会を封じこみ、なおかつ仙露を利用しようとする。だが、仙露・中村たちは阿久を断罪したことにより、阿久陣営は選挙で市議会から退散させられ、阿久興産の撤退により「飯加茂鉄道」は再び第三セクター化した。
アニメファンだったことから、他所での我田引水で失敗したアニメ街おこしを知っていて、飯加茂市主催の街おこしイベント会で細川が連れて来たアニメーター秋葉(あきば)の杜撰な計画を一蹴した。その一方で、仙露の奇抜なアイデアには感心している。
小田切友昭(おだぎり ともあき)
菅原成子
某民放アナウンサーで、退社後はフリーキャスターとなる。
世襲議員である仙露を過小評価し、民衆党から同じ選挙区に落下傘候補になると対談会で「一つ橋電鉄のラッシュ」と「比例選挙区」の問題で仙露を落とそうとするが、仙露の自由人的発想で逆に撃沈されてしまう(その後、その選挙候補から離脱し、憲政党から出馬を目指す)。
真希とのぞみが言うには「(選挙に勝てればこだわりの無い)不慮野心の人」。
対談会以来、仙露に反感を持っていて高速鉄道導入問題でアメリカ某州知事(ツゥーキン・レッシャー)との面会権(仙露は交渉、菅原はインタビュー)を柴本国交相の圧力を利用して横取りしてしまう。のぞみたちはそれを逆手に利用して、仙露と連邦鉄道局貨物担当(コーン・テイナー)の面会をさせた。これが逆に功を奏した。一方、菅原の面会した知事は鉄道嫌いでインタビューすらできなかった(仙露の面会成功をマクレーンから聞かされた菅原は再び敗北感を味わう)。
官僚
日本
渥美
中村(国土交通省)
109話で政務官になった仙露へ段ボール一杯の整備新幹線関連資料を送り説明しようとするが、その前に横で聞いていた「のぞみ」が「官僚をいじめちゃダメ」と言うぐらい、仙露に資料に関して追加資料を求められ、資料に関しての質問攻めにあい、送った資料を把握していたことに驚く。仙露の青森視察に国土交通大臣命令で追跡・観察(その際、仙露・青野が鉄道マニアであることを見抜いた)。仙露を「世襲議員で見た目もうだつの上がらなそうな男だが、世界のトドロキ自動車を後援会に持ち、華僑の大物がわざわざ訪ねてくる。実はスゴイ奴かもしれない。しかも本人はそれに気づいてないのが、またスゴイ…」と思い、福岡での国際会議では勝手な行動をとる仙露に頭を抱えるが新幹線や都市鉄道を輸出問題で海外の高官と信頼関係を構築していく仙露に一目置くようになる。
仙露と五木が(特に)鉄道がらみで気が合うことが多く、そのために思惑が曲げられてしまうのが新たな悩みの種となる。また、彼のボスである柴本に「手柄目的」で仙露監視のコマにされるのをうんざりしている。
寺脇
五木悠人
160話で初登場する財務省で国土交通省関連予算担当主査、国交省の中村・寺脇と同期で高校時代は全国模試、大学入試センター試験でトップの成績、東大在学中に司法試験合格、国家公務員試験までトップ通過という超エリートキャリア官僚。
北海道新幹線の建設工事に関して「財政的見地からして新幹線と札幌周辺の通勤路線以外廃止、LCCと高速バスで代替えすればいい」。これを聞いて抗議に来た北海道子北海道議会議員に国鉄時代4000kmあった北海道の路線網がJRになった時点で3200km、現在2600kmにまで減少している、北海道新幹線開業の陰で無人駅8駅が廃止され普通列車の7パーセントが減便された現実を示し、採算が合わない所は切り捨てではなく、たった一人の女子高生のために維持されていた白滝駅などの例を示して、経営的には廃止した方が得策だが地元住人には金に換えられない価値があり、北海道庁がJRに代わって豪華列車を造る構想があり北海道の鉄道を守るための観光戦略は有効とし、財政難対策には「企業版ふるさと納税」を活用することを提案する。
仙露の『夜行寝台新幹線構想』 東京を午後9時ごろに出発して午前0時に新青森駅で停車泊、翌朝6時に出発すれば7時半に函館に到着可能。これなら線路のメンテナス時間を確保して、飛行機の最終便の後に出発し、翌朝の羽田始発航空機が到着前に函館に着くことが出来る。との提案に国交省の中村から聞いていた通り常人には思いつかない発想をする人だ絶賛する。
実は仙露と張り合えるぐらいの鉄道オタク(彼の鉄旅仲間からそれを聞いた仙露は同一趣味の親近感から親しく声を掛けるが、彼自身は職業柄か隠れテツのつもりでいるのと官僚・政治家の関係から避けているが趣味話をふられるとつい話に乗ってしまう)。鉄道がらみになると気が合うことが多く、仙露の「物品税(贅沢税)」復活提案にも同意する。仙露の誘導で鉄道話をしてしまい、真希に「鉄道マニア」と疑われる(そうしたことから、第三者に仙露の友人だといわれると秒速で否定する)。
渥美、中村共に国土交通省大臣官房所属の国土交通事務官。
法尾守(ほうお まもる)
黒田の命令で仙露が憲法審査会のメンバーになるため、ブレーンを探す事に成った。そんな中、中村事務官に紹介された新人。ただ中村曰く「六法全書マニアで、相手かまわず法律の議論をふっかけてくる問題児」という。大阪出身だが、共通語で話す。仙露に対してもあいさつ代わりにと法律の話をしてきて、ノゾミに「(お兄ちゃんの周りにいる)国土交通省官僚って変わり者が多い」とあきれられる。頭でっかちな彼に「日本の法律って、変なところが有るよ」と説明して、鉄道に例えて、彼とノゾミを連れて、その変な法律の現場である都電荒川線、江ノ島電鉄を視察。「路面区間少なくて軌道?」「路面電車ぽいのに、軌道でなく鉄道?」と驚愕する彼に仙露は「(法尾の出身地にある)大阪メトロは道路と一緒に計画、建設されたから法律上は路面電車」と説明。これにも驚くが仙露は「法律云々はそうだけど、支障なく毎日運航しているから問題ないですよね」と述べ、かつて同じく頭でっかちな千田に述べたように「現実は法律通りにいかないこともある、百聞は一見にしかず」と話すと、感激。仙露も彼を気に入り、ブレーンにしようと思っている。
外国
李
韓国・大統領府の国家公務員。78話「鉄のソナタ」で高速鉄道輸出チームの一員として来日、仙露・のぞみ・由希が応対した(韓流マニアの真希はスケジュールの都合で対面できず、悔しがっていた)。真希いわく韓流スターの「イ・ピルモ」に似ているという。
(日本の)新幹線視察を名目に来日、仙露と「日韓鉄道」のことで張り合う。実は鉄道マニア(のぞみも2人の張り合いからそれに気づいた)で、新幹線視察と箱根旅行をしている内に仙露・由希から日韓鉄道の違いを指摘され、ますます日本の鉄道にも興味を持つようになった。箱根を旅している内に同じ鉄道マニアの仙露と意気投合した。またアニメ『君の名は。』を見てアニメファンになり、175話176話の再来日時に仙露が岐阜に居るのを知り仙露と会う名目にロケ地めぐり(聖地巡礼)をする。
トキュ・レシア
フランス大統領府の高速鉄道担当の官僚、アメリカ留学時代にのぞみと友人になりお互いの母国語を教えあったため英語フランス語日本語を操るトリプルリンガル。フランスに帰国後、国立行政学院を経て官僚に。サッカーファンで101話でのぞみから尋ねられた「佐藤秀人のフランス時代」のことを教える。149話で伊勢志摩サミットに合わせて来日、仙露、広成・佐藤・のぞみと会食する。
その後、中村とフィミ・キリーEU事務官の御膳たてで仙露・のぞみの他、2人が出会った欧州連合圏内の関係者と対談することになった。同じくのぞみの友人で米・某ハゲタカファンドのローレンほどではないが、仙露の鉄道話に呆れている。だが、オルセー美術館を訪問したいと言われたときは(仙露の本音が早口で聞き取れず、のぞみが通訳しなかったので鉄道趣味がらみとわからず)、感心していた。
カイサッツ・グッチ
イタリア交通省の事務方。伊勢志摩サミットでの来日に合わせて、日本側の交通担当である仙露と面会。その時、自称イタリア通の細川も(官僚の)渥美に頼み込んで、面会させて貰うことにした(だが、細川は付け焼刃の知識で恥をかいてしまう)。
仙露のつてで、立川と対面。仙露と立川の説明で、イタリア製レール削正車(スペノ)が日本で大活躍していることを知り、仙露と意気投合。秋田新幹線「こまち」の行先の秋田が秋田美人と地酒の美味しいと教えられ、「そこへ行きたい、美人と酒があればこの世は天国」と言うイタリヤン(145話「スペノ」のエピソード)。その後、レシアなどEU圏出身関係者と面会する。レシアと同じく日本語が話せる。
エッキ・ヴェーン
ステイ・ショーン
ムツミ・レールスキー
165話に登場する露首脳会議のロシア側スタッフ。彼は日露ハーフだが、シングルマザーの母と2人暮らしで父親のことを知らず、仙露に見せた母の映像に写る「おぎのやの釜めし」と「国鉄の襟章を指輪」にしていたことを基に仙露が父親の消息を調べ、母親ミーシャが交換留学生として来日中に山登りしていて茂倉万太郎(もぐら まんたろう)と知り合い、一緒に冬の谷川岳に挑戦するも遭難、茂倉氏がミーシャをわが身を代えても守ろうとして命を落とした。そしてミーシャさんは帰国後もお腹に宿った子供を守ろうとされたことから父(茂倉氏)のことは秘密にしてきたことを知り、「母親を助けるために父親が命を落とした」を心の負い目だったのでは。そして茂倉氏は碓氷峠の専用機関車EF63「峠のシェルパ」の機関士をしていてムツミの名前は63のごろ合わせで付けられたのでは。と教えられる。また166話では仙露の依頼を受け、今井君子の祖父の最後(戦死場所)を調査する。
財界人
村松幸夫
村松文男
村松幸夫の息子。父親の会社を飛び出し、認知症の祖母と一緒に祖母の出身地に移住、そこで祖母が回復、その町並みを利用した昭和のテーマパーク「昭和の村」の責任者となり、交通アクセスとなる鉄道の人員の高齢化対策、来園者減少対策などに奔走する。
村松建設時代から父に対して対抗心が強かったため、父に助言を求めることはしない。むしろ、仙露に助言を求めることが多く、仙露が村松父子の板挟みになっている。仙露から「我が道を行くしかない、父は父、息子は息子」と忠告され、考え方を改めている。祖母の問題がきっかけで真希とも親交がある。
彼の運営するテーマパークをロケ地にした映画がきっかけでプロデューサーの阿部と知り合い、仙露に阿部を仲介した。
中瀬トドロキ自動車社長
仙露の父、仙露道男と鉄男の最有力支援者。トドロキ自動車の二酸化炭素の削減策として、鉄男のモーダルシフト案を受け入れ、部品製造関連会社との間にJR貨物にトドロキ自動車部品専用貨物列車を就航させる。
円高問題で下請け企業を連れて工場の海外移転計画に対して「轟市が寂れる」と下請け企業とともに反対し、野党者候補との討論会では「道路族なのにバイパス道路作るより今ある鉄道を有効利用させよ」「私は小選挙区で落選したら比例で復活しなくてもいい」と言う仙露鉄男にヒヤヒヤしながらも支援者への利益誘導による議員を続けることより正論を押し通そうとする仙露をトドロキ自動車として支援する。また「仙路のお国替えの話」に憲政党黒田道久に『四菱自動車との提携に仲介役として必要な人材ので轟選挙区から国替えさせないよう』に直談判する。
南郷勝
インターネットを使った住宅管理システムのベンチャー企業「ハイテクホーム社」の創業者。地元に恩返しと会社の知名度アップに鹿原鉄道を買収。鉄道会社の不動産事業して会社を上場、鹿原鉄道を登録有形文化財にして観光路線として再生させた。現在は上場した株式を売却して鹿原で新会社を立ち上げ鹿原鉄道で使うGPSとデジタル通信を利用した「無線列車制御システム(CBTC)」の開発中。このシステムの開発には仙露の仲介により将来ドライバーのサポートや自動車の自動運転に応用できるとトドロキ自動車が資金援助をしている。
真希とは香との結婚を機に知り合い、彼や中瀬、マクレーン、張たちが参加したパーティーに千田とともに参加する(だが、真希や香の教え子達は作中では彼に対してあまり興味が無いようである)。
トドロキ自動車の要件で轟へ行くことになった彼と来た仙露は、祐子に彼を紹介した。
坂本を心配する仙露に依まれて、佐藤、坂本と共に密談。「(坂本の会社が)外資のハゲタカファンドに狙われている」と忠告、仙露とともに坂本の会社をフォローすることにした。
織自成(しょくじせい)
日本の政財界と太いパイプを持つ華僑の大物。風水に詳しく、憲政党が選挙に敗退野党に転落し、気が枯れ果てて見える中に全身から気で満ちている仙露を見つけ、一緒にドラゴンレールへの珍道中をした。以後、来日のたびに仙露を呼び出すようになり、時にはダジャレを交えた会話をしたりと、親密な仲になる。当人曰く、長いこと気が濁った人間と相手すると自身の気も濁ってくるため、清浄な気を持つ仙露の気によって浄化したくなるためとのこと(青森編以降、高級な列車に乗車する際、仙露のパトロンみたいになっている)。一緒に来たのぞみにちょっかいをかける、ノゾミの水着姿やチアガール姿を隠し撮りするなど、スケベ爺な面もあるが、仲介すると相手国の大臣が出てくるなど、日本の政財界だけでなく東南アジア各国で多大な影響力を持つ。
ノゾミにチャイナドレス姿で華僑パーティーに同伴して欲しいので、交換条件(剱包丁の商標権問題を解決させるために偽装包丁で出願した相手の弱点を突きとめさせる)を受け入れた。
白石が「会津森林鉄道廃線跡」の保全についての相談を仙露にしたのを聞いて、裏に「華僑系企業がいるらしい」というのが気になり、白石たちを助けに会津へ。仙露とともに天野の陰謀を食い止めた。その後、仙露、のぞみとともにハワイアンズへ遊びに寄る。
トシオ・マクレーン
国際経営コンサルタント。内山秘書曰く「札付きの国際的ブローカー」で、仙露にハニートラップを仕掛けたこともある。TGVの東南アジアへの売り込みに際して織自成老師との仲介役を仙露に依頼に来るが、「鉄道は利用する人のためのもので政治や利権に利用されたらダメ」と一蹴される。
父親はアメリカ軍人で朝鮮戦争で戦死、幼少期に日本人の母親から父方の祖父母に引き渡される。以後日本人の母親とは音信不通になり、祖父母が死亡後に母親との再会を決意して来日。幼少期に母親と最後に別れた「小金井駅」と一緒に行った「国分寺」を頼りに友人から聞いた「国分寺」の傍にある小金井市で母親を探したが見つけられず、国分寺も幼少の記憶のものとは別のものであったことから、『自分は日本人の母に捨てられた』との思いを感じ対日強硬派となる。だが、仙露が鉄オタの知識で、同じ地名の別の場所で本当の「小金井駅」と「国分寺」を見つけ、そこで仙露とのぞみらと一緒に母親の消息を調査し、その思いが誤解であったことを知った。
上記の一件以降仙露に恩義を感じており、仙露とのぞみが国際特許問題で困っている時、偶然母親の墓参りに来日中で、仙露に的確なアドバイスをして解決に導き。仙露に乞われ首都急行電鉄の資産狙いの株式公開買い付けの対抗策のアドバイザーとして来日して織自成老師と一緒に仕事をすることに、その辣腕ぶりは織自成も一目置く。またヒューストン-ダラス間の高速鉄道計画に参入を狙う投資ファンドが仙露の取り込みにノゾミの学生時代の友人が暗躍している、と警告する。など今では仙露のよき助言者となっている。
キャサリン・コバヤシ
岩滝輝男(いわたき てるお)
都内の喫茶店『いわたき』の店主。一見物腰の柔らかそうな人物だが四菱財閥2代総帥「岩滝矢之助」の孫で、元祖撮り鉄で人材の発掘と養成に腐心した、「岩滝輝矢」を父に持つ。表向きは戦後の財閥解体により四菱グループへの影響力を失っているが、父親譲りの人材発掘する目を持ち、父親が育てた現在の四菱グループの重役たちが集まる「秘密酒場」のマスターでもある。廃校になった国立小学校校舎を文化財として保存か、解体・更地にして土地売却して国庫へかで揉めたときに、仙露鉄男が鉄オタの知識で解決したのを見て、父・岩滝輝矢の親友で仙露の曽祖父「仙露鉄蔵」と同じ才能を受け継いでいると評価。四菱グループの重役たちに紹介しようとする。その結果、下請け企業を連れての「トドロキ自動車の工場の海外移転計画」を仙露を仲介役にして四菱自動車からハイブリッドカーをOEMで大量注文して阻止させてしまった、「四菱グループの影の総帥」と呼べるかも知れない人物。
また鉄男の曽祖父「鉄蔵」・祖父「鉄平」を直接知る人物でもある(内山秘書が道男に使えるようになったときには鉄平は亡くなっていた)。
恐らく、仙露・ノゾミの関係を、内山とともに知る数少ない人物(曾祖父・鉄蔵絡みで知ったらしい)。
加賀見能澄江
石川県内でホテル・流通・バス・タクシー・不動産などの事業を展開する加賀見ホールディングスの会長、石川県では女帝と呼ばれる実力者。北陸新幹線の金沢以西の延伸問題で細川が都内の加賀料理の料亭で接待するが「北陸の小京都」と言ったことに立腹して、席をたつが仙露がのぞみに「花嫁のれん」「群青壁」を説明しているを見て、間違いを訂正。そのまま仙露の案内で都内の「小金沢(板橋区加賀・前田家下屋敷跡)」の歴史や金沢ゆかりの地名を見て回り、機嫌を直して細川の接待を受ける。金沢のことを勉強している仙露を「細川議員と違って見どころがありそう」と金沢へ呼び寄せる。また息子・奈々男の進路(跡継ぎ)問題では仙露がのと鉄道に載せ、「親の決めた線路(進路)を進むのは客として列車に乗るのではなく、多くの人を乗せて定刻どおり運転すること」と教える。
尾山兼六
井川強
井川家オールスターズ
21巻(熊本編)・22巻(山形編)に登場している井川強の一族。
ツヨシとの熊本視察で、ツヨシの長姉・恵子の希望で恵子、彼女の娘・華子と旅した(恵子は花子を鉄男の花嫁候補にして政治的パイプにしようとたくらむつもりだった)が、鉄男と華子は全くかみ合わなかった(むしろ、恵子の姪(妹方の娘)・良子には気に入られている)。
一方のノゾミは、井川強の姉・恵子のたくらみに胡散臭さを感じて、恵子の娘・華子の相手として五木や細川をスケープゴート(生贄)に見立てて、丸投げを試みるが失敗している。また、彼の息子・剛ともかみ合わない。秘書・渡辺司の暴走にあきれている(熊本視察の後、ツヨシの紹介で仙露とともに次姉・典子とその娘・良子と出会う)。
恵子は鉄男を鉄壁のごとくガードするノゾミに愛人疑惑を持たれたが、ツヨシの息子・タケシの登場で「ノゾミをたけしの花嫁候補にする」考えに変わった。もっとも、ノゾミ本人も鉄男と同様その気は全くない。むしろ、鉄男とタケシが(ノゾミのいうヲタク同志ということで)意気投合した。
鉄男、ノゾミ、ツヨシの熊本視察では華子、渡辺司、恵子と(たけしは途中で出会う)、山形視察ではたけし、渡辺司が同伴したが、なぜかツヨシの母・美子は毎回、ツヨシと鉄男に同行したいと希望して単独で合流する形をとった。
掛森要蔵(かけもり ようぞう)
「金の卵」として山形から集団就職で上京、だが出世で高学歴の後輩に抜かれたのを機に相場師になった。憲政党の有力な支援者で黒田派とのつながりがあること、学校を設立したいことから鉄道女子高校を手掛けた仙露と接触(なお、自動車業界にも顔が利いていて、仙露とはトドロキ自動車でも関連がある。中央競馬(ナリキンキング)、地方競馬両側の馬主。彼は72歳まで未婚のため、家には彼と使用人しかいない。黒田は仙露、細川にパーティー手土産のプレゼンをさせ、細川は意気揚々とMaasをプレゼンするが自動車業界にとって都合悪く却下される。仙露は鉄道好きから観光列車をプレゼンしてノゾミに呆れられるが、彼はその観光列車が走る沿線に目をつけて採用した。それがきっかけで旧友・太田多恵と再会を果たしてプロポーズするが、固辞されてしまった。
観光列車がきっかけで鉄道マニアとなり同じ趣味の実業家と張り合い、「庭に置かれた寝台列車や大掛かりな鉄道ジオラマに勝てる方法はないか、お金かかってもいい」と仙露に相談。みどりの窓口削減計画と並行して悩む仙露は法人向けみどりの窓口を提案された。
坂本𪚥馬(さかもと てつま)
高知在住で学生時代にIT企業(海南隊)を立ち上げた実業家で、地元の若者にカリスマ的人気がある。名前のモデルは「坂本龍馬」で、「龍」の部分が「龍四つ」で「てつ」と呼ぶ。彼自身は黒田派は彼を客寄せパンダにして衆議院比例代表区四国ブロック候補者にしようとして(彼が興味ある四国新幹線をめぐって接近)しようとしていて、古代アテネ型民主主義を目指す彼も便乗しようと考える。仙露やノゾミとは阿佐海岸鉄道・甲浦駅で出会い、一緒に高知の鉄道を視察。世襲議員ながら政治に対する執着が薄い仙露に対しては好感をもっているが、「鉄道論」をめぐって衝突することもある。同じ案件で高知入りした真希とは窪川駅で出会う(その前に仙露たちは真希と高知駅で逢う)。高知、鉄道、政治について仙露や真希と堂々と張り合うのだが、周囲の女性(特に姉・留子及び妻・涼子)には頭が上がらない。一方で仙露や真希に対しては一目置いていて、「(2人は違う政党だけど、その垣根を越えて)改革の同志にしたい」と思っている。
突っ走る性格の彼を憂う仙露は佐藤と南郷を紹介、仙露は事情あって欠席の上、高知市内のホテルで3人が密談。その後、選挙に当選して衆議院議員に就任している。仙露、ノゾミと長崎で再会、出迎えた富子とともにシンポジウムに参加。
その他の人物
南郷香
村松・祖母
文男の祖母で、幸夫の母にあたる。鉱山町だった辺吉村の出身、文男の祖父は鉱山の現場監督をしていたが事故で逃げ遅れた仲間を救うため巻き込まれ、事故死する。祖母によると男気があって頼もしい人物、辺吉村の英雄だったという(幸夫はそんな父に嫉妬していたが、仙露のお陰でコンプレックスを克服した)。幸夫の父が事故死すると、魚屋を開いて女手一つで幸夫を育て、後に東京へ引っ越した(幸夫の同級生に健治(けんじ)がいて、彼女は「ケン坊」と呼んで幸夫同様に可愛がった)。
認知症の初期症状であったが、幸夫に自ら経営するシルバーセンターに入れられるのを拒否、単独で辺吉村へ帰ることにした。廃線となった辺吉線の途中駅で偶然居合わせた仙露・真希が同伴して廃線跡を歩いて終点の辺吉村へ。入村すると認知症が元気になり脳活性化、彼女を一人に出来ない文男が憂いて辺吉村で同居することになったが、仙露・真希のアイデアで生活が可能となった(仙露たちが訪問していた当時、携帯電話の電波が通っておらず、電話はコイン式公衆電話からしかできなかった)。
福田賢司
仙露の高校時代からの友人で富塚市の市役所職員で、仙露が鉄オタであることも知っている。陸上長距離の選手で大学時代は「箱根駅伝復路アンカー」を務め、トップを取る直前に蒲田の踏切で遮断機が降り、士気を低下させて優勝出来なかった過去がある。市主催の駅伝大会のコース上の踏切対策で寺田博司議員への根回し、通勤路線の混雑緩和策・無人駅の問題などで仙露に助言を求める。
また、仙露と友人であることが上司に知られ「市長と寺田議員との対立の仲裁を仙露議員にお願いしてほしい」と頼まれ、仙露も寺田議員から待機児童問題を市役所の友達に協力してほしいと頼まれる(それがきっかけで高丘と一緒にいる時間が増えて、距離が縮まった)。仙露の常人外れな発想に感心する一方、細川に対しては快く思っていない。
美人に弱く、ノゾミや君子などに出会うとつい見染めてしまいお世辞を言うが、その度にノゾミに「泉がいるのだから」とくぎを刺される。
高丘泉
福田が仙露の力を借りて富塚市の省エネ政策を解決させたことがきっかけに、市が省エネ目的で借用しているヤギのメイを飼育している幼稚園(閉鎖予定)の保育士。「(近くの土手で草を食む)メイを見に行くついでに子供たちに会いに行っている」と言い訳しては幼稚園に日参するが、ノゾミに「彼女目当てでは」と思われている。彼女自身は、福田と仙露の助言に感心している。幼稚園閉鎖後は郊外の子供園へ移動する。ノゾミの根回しで福田と一緒に駅で乳幼児を預け、そこへ保育園・幼稚園から迎えに来る保育ステェーションを視察することに。また、福田と急接近するきっかけとなった。
ノゾミのお節介と福田たちが祐子と再会したこともきっかけとなって福田とは恋人関係となる。
河合憲男
飯田うの
坂田
鈴木せつ
伊場大輔
仙露と出会った当初はJ県・中田島市議員・青年団団長であった。彼は中田島市を私物化している現職市長・高塚誠に反感を持っていて、ベッドタウン拠点駅「中田島駅」の問題を仙露に相談する。仙露は中田島駅の連絡通路を駅前商店街の人々に入店して貰う「駅ナカ」にして発展させようと提案、だが(税金は市長が決めるため)高塚が「資産税はきっちりとる」と増収を言いだしてしまう。また、市長選への対抗馬を立てようにも高塚は堅い5期20年の長期政権で堅い組織票があるため、伊場は難しいという。
そんな彼に仙露は中田島駅構内に期日前投票所を設置して、(これまで通過するだけで市政に関心の無かった)ベッドタウンの若者層を取り込むことを提案、選挙管理委員会の賛同を得られたので彼はこの提案を実現、市長選挙に立候補した彼は当選して新市長に就任した。敗北した高塚の構想だった「文化ホール」建設は(高塚の)銅像もろとも中止となった(そもそも、仙露が来たのは高塚が文化ホール建設の補助金を県から貰おうと憲政党に便宜を図ってほしいと泣きついたことから、黒田の命令で視察に来たのであった)。
ノゾミール(仮称)
高林
藤尾・父
藤尾秋彦
おでん屋の店主
和田
久我虎美
仙露に内山から持ちかけられたお見合い相手の女性。彼女の父は大企業の資産家で、彼女の票田は議員にとっては馬鹿に出来ないほど魅力的であるが、容姿は魅力的には程遠い。良くも悪くもお嬢様気質で傲岸な人物。
彼女自身は、議員である仙露に興味があり、その本性を知らずにお見合いを進めたいと思っているが、仙露本人は「彼女と結婚すれば、道路族議員として鉄道趣味活動に支障が起るのは目に見えているのと、ノゾミが解雇される可能性がでてくるので」という理由から乗り気ではない。
上昇志向のノゾミも、このお見合いはうまくいかないと思っている。自分の秘書に転職するよう勧める細川に彼女を押し付けた後、細川と食事しており、久我自身も細川のことを気に入ったらしい。
カーン一家
出雲のアベック
オーリー
井伊
ローレン
鶴木
ザイ・ライセン
荒木和馬(あらき かずま)
キッチン轟店主
ライ親子
武智
川口俊男(かわぐち としお)
林美恵(リン メイフェン)
津島光久(つしま みつひさ)
千波光子(せんば みつこ)
内山・妻
ナナ
松島
太田多恵(おおた たえ)
マーティン・チェストー
フジちゃん
川島芳子(かわしま よしこ)
長塚双葉(ながつか ふたば)
長塚原次(ながつか げんじ)
天野梅夫(あまの うめお)
坂本留子(さかもと とめこ)
勝俣三郎(かつまた さぶろう)
陳華龍(チン ファーロン)
父は中国共産党幹部、母は財閥出身の太子党(特権階級の子供)な経済ブローカーで、ファンドを立ち上げてあくどい手口で暗躍。彼が来日するというので、織とマクレーンは仙露に「奴に注意」と忠告。クワッド問題と鉄道を絡めて仙露を丸め込もうとたくらもうとするが、仙露はそれを拒否する。憤慨した彼は怪文書を流したため、黒田に「念の為、(疑いが晴れるまで)クワッドの鉄道取引から(仙露を)外す」と云われる。進退問題になりそうと思った織とマクレーンは仙露を助けるべく、彼の不利な情報を使い「仙露に手を出すな」と圧力をかける。自らの進退問題にかかわると思った彼は手を引いて、帰国。だが、彼の父が鉄道案件に関わっていると知った仙露は帰国前に「お近づきになりたい」というが、「関わりたくない」と拒否する。その後、仙露に一泡食わせたい彼はコンテナの話で屈服させようとするが、再び躱されるどころか…鉄道趣味仲間に認定されてしまう。
須佐野芹那(すさの せりな)
稲葉白兎(いなば しろうさぎ)
大隈重信(おおくま しげのぶ)
浜崎伝助(はまさき でんすけ)、鈴木一之助(すずき いちのすけ)
鉄道に関連する人物
今井家
仙露が真希を介して出会った女性運転士とその家族。
今井君子
首都急行電鉄の初の女性運転士。祖母が運転士だったのに鉄道嫌いで「今井の初乗務に乗ってくれない」との話に、仙露が調べたところ「祖母の初運転が祖父の出征する列車で、軍国美談に仕立てるために軍部がしたこと。そして祖父は祖母とお腹の子(君子の父親)を残して戦死」という過去が判明し、仙露と広成の説得で今井の運転する電車に乗ることになる。これ以後、仙露が「専門的なことだからプロの意見を…」とラッシュ対策・鉄道現場の女性社員の現状などでアドバイスを求めるようになる。
「首都急のマドンナ運転士」と一部の無法撮り鉄がパパラッチのごとく線路やホームに身を乗り出して撮影するため人身事故発生を危惧した会社より運転士乗務からはずされそうになり仙露に相談、立川などの撮り鉄の任意団体「撮り鉄マナー向上委員会」の協力で解決する。また首都急行電鉄の資産を狙った外資(ハゲタカファンド)よるTOB問題、では仙露がアイデアを出し、人脈をフルに使って対抗措置を取ってくれたことに感謝している。
仙露と真希、ノゾミ・由希とも共通の友人でプライベートで一緒にハイキングや旅行に行ったりしている。
みづき、幸介の入社で2人と行動する頻度も増えた。仙露が国土交通省関連を口実に首都急行派遣に参加した2021年度、彼女の勧めで防犯訓練にも参加。みづき、幸介と再会する。
今井はま
君子の祖母。前述の理由から長らく鉄道から距離を置いていて、息子である君子の父が鉄道関係の仕事に就職するのに反対したが、君子の運転士デビューを機に鉄道嫌いを克服する。その後、戦死した夫と仙露の祖父「鉄平」が戦友で、戦死前に疎開児童を鉄道連隊の演習線を使い輸送中に米軍機の機銃掃射を巧みにかわし「今日、子供たちを戦争から救い出す仕事が出来た」と話していたことが、仙露のスタッフが探しだした当時教員として疎開列車に乗っていた女性より教えられる。晩年は入退院を繰り返し170話で死去。死後、君子の結婚相手に仙露をと考えていたことが明らかになる。
また彼女の妹(君子の大叔母)は特急「つばめ」女性客室乗務員「つばめガール」で、容貌が君子と似ているため、大橋が君子を大叔母と勘違いしたほどである。大橋の窮地を助けたことがあった。その後、寿退職するが40代の若さで早世する。
今井・祖父
君子の祖父。第2次大戦で戦死、陸軍一等兵。蒸気機関士で戦時招集され千葉県の鉄道連隊に配属され、そこで仙露の祖父・鉄平と知り合い「終戦後南満州鉄道の亜細亜号を牽引するパシナを運転してみたい」と夢を語っていた。敗戦直前に鉄平と共に満州に駐留する関東軍へ転属、ソ連参戦に伴い部隊の撤退するに当たり本線にパシナに牽引された囮列車を走らせることになり、その運転士として部隊全員に見送られて出発後行方不明。はま(君子の祖母)より『夫の最後が知りたい』との依頼に、鉄男が来日中のロシア高官のレールスキーに協力してもらい、当時のソ連軍の戦闘記録から囮列車が攻撃されパシナともに戦死したことが分かる。
仙露が、はまの妹を「今井女史」と呼んでいたことから、彼(今井一等兵)は入り婿であることが判明した(つまり、はまが跡継ぎ娘である)。
首都急行関係者
仙露鉄男が大きくかかわっている南関の大手民鉄「首都急行電鉄」と、社員である今井君子の関係者。首都急行は仙露の紹介で交響楽団を運営、ライバルの「関東急行電鉄」も仙露の斡旋で、野球チームを持つことになった。
坪井和代
山本
篠原幸介
初登場は20話「鉄道大回り」、仙露の住むマンションの隣の部屋に住む中学生。父親は病死し、母親は介護の仕事で留守がちであり、小学生時代から友達作りが苦手で中学生時に不登校になっていた。仙露が大都市近郊区間の特例を使って一人旅をさせ自信をつけさせた。その時に可美村みづきと知り合い、青春18きっぷを使い一緒に飯田線に乗車した際にみづきにナンパしようとした男を引き摺り下ろして、仙露から教えてもらった飯田線のトリビアを使い電車を走って追いかけて合流、男気を見せて弟扱いからボーイフレンド以上恋人未満に昇格。みづきの影響で鉄ちゃん化、鉄道高校へ進学。仙露のことを衆議院議員とは知らず、フリーターだと思っていたが、みづきより仙露が国会議員であることを教えられる。197話で鉄道高校を卒業してみづきと同じ首都急行電鉄に就職、鉄道車両の整備士を目指している。
可美村みづき
鉄道好きの女子学生、いわゆる鉄子。高校生の時に一人旅をしている幸介と知り合う。将来は今井君子のように電車の運転士なりたいとの希望を持ち、首都急行電鉄に応募したアイデアが採用される。また、彼女の思いつきを仙露が具体化して提案、首都急行電鉄は鉄道女子大を創り、車両基地に鉄道神社を造ることとなる。首都急行電鉄が造る鉄道女子短大を受験、無事合格。北陸新幹線の開通のニュース放送でテープカットする仙露を見て、インターネットで調べ仙露が国会議員・政務官と知り、今井君子に確認して「首都急に大きな影響力を持ちながらもそんなことは吹聴しない人」と教えられる。現在は鉄道女子短大を卒業、首都急乙女が丘駅の駅員。さらに君子の指導を受けて運転士を目指している。
映画「かぞくいろ」及び肥薩おれんじ鉄道関係者
仙露が視察した鹿児島、肥薩おれんじ鉄道で知り合った社員、奥薗家と、そこをロケ地とした映画の関係者。
奥薗晶
奥薗節夫
奥薗駿太
晶の義息(修平の連れ子)で、晶は彼がきっかけで肥薩おれんじ鉄道に就職した。
人見知りをするところがあり、転校先の小学校でも同級生の男子とはなかなか距離が縮まらなかった(女子は好意的に近づいたので、最初から親しくなったらしい)。
出会ったばかりの(不特定多数の)大人たちと触れ合うのも苦手であったが、ノゾミと鹿児島視察中の鉄男が同じく鉄道好きであることから仲良くなった。二度目の視察で同行した内山とは気が合わないようで、「(彼の母・晶は)ボン(鉄男)の(花嫁)候補にならん」と否定的な意見をされている。
鉄男が幸介の時と同じように鉄道コース旅行で、(母親協力のもとで)駿太に一人旅を勧めてポイント指南したことがあった。
奥薗修平
阿部秀司
鉄男、ノゾミが修平お気に入りの場所・池袋大橋(映画『かぞくいろ』ロケ地でもある)を訪問したところ、声をかけてきた映画プロデューサー。ノゾミを次回作出演者にとスカウトするが、断られている。
鉄男が久々に再会した文男の仲介で再び出会い、鉄男が国会議員であることを知る。彼自身は(晶たちもかかわっている「かぞくいろ」を含めた)映画「レールウェイズ」シリーズだけでなく文男が運営しているテーマパークをロケ地とした映画「一丁目の朝焼け」シリーズをもプロデュースしたことから、鉄道に大きくかかわっている政治家として鉄男を推輓したことから、興味を持っていて文男に引き合わせをお願いした。
彼もまた鉄道好きであるため、鉄男とは「鉄道話」で気が合う。鉄男に次回作ロケ地のことを発表前に内緒で明かした。
伊集院
その他、鉄道に関係する人物
宮崎栄一
小林美優
寺島刑事
健太
大沢
地質学の大学教授で地下鉄建設などの地質調査の専門家。そのかたわら、自宅に「首都圏地下鉄研究会本部」を設置して仙露たち仲間と地下鉄回送用線の乗車するなど鉄道ファンとしても地下鉄を研究している。33話では木佐神様の正体がナウマンゾウの化石で、祟りは井戸から漏れ出した天然ガスが引火したことによる爆発事故であることを説く。49話の東京メトロと都営地下鉄2つの地下鉄の統一問題・東京地下鉄の株式上場による売却問題では専門家として意見を述べ、80話では廃鉱山周辺にシェールガスの鉱脈が存在する可能性が高いこと示し、ローカル線の外資ファンドの買収が廃鉱山に通じる廃線跡をパイプライン用地として転売するのが目的と分析する。170話では博多駅前道路陥没事故を受けて地下インフラの補修の検討委員会の委員に就任する。このような知識から、公私にわたる仙露のブレーンとなっていく。
立川
プロ野球球団のトレーニングコーチで『事業用車両』や『保線機器』を専門の鉄道マニア。仙露が車両基地のフェンス越しに貨物を撮影しているときに知り合う。その後、仙露の「関東の鉄道会社をスポンサーにした独立リーグ設立を提言」でアドバイスをする。父親が保線作業員だったので保線現場での専門用語に精通していて、保線作業員の格好をした無法撮り鉄を会話で見破り通報したことがある。エースピッチャーとして高校野球甲子園大会に出場するもプロ野球選手になれず、過去に結婚を考えた彼女と京都駅1番線ホームで待ち合わせる約束をするが京都駅には1番線が無かった。撮り鉄で「撮り鉄マナー向上委員会」の主催。
第121話「実を取る」では、R国の少年少女野球チーム来日しての親善試合では、仙露に乞われて福岡に来て野球チームの子供たちに「今日の君たちの本当の相手は、君たちの国のえらい大人だ。君たちが将来も野球をやりたいのなら、それをしっかり見せてやれ」とアドバイスする。
中村(クリーンスタッフ)
船越直治(ふなこし なおじ)
寝台特急はやぶさの元運転士。運転士時代「鬼の船越」と呼ばれ、妻が危篤状態なのに乗務に行き、帰ってきた時にはすでに死亡。それが原因で親子は絶縁状態になり、父親は国鉄が分割民営化時に実直すぎる性格を疎まれJRに残れず退職。
仙露がホーム柵を乗り越える無法撮り鉄を注意する息子(船越直道)を見て「ネットに動画投稿されている無法撮り鉄を大声で注意してる老人」に似ていることに気づき、親子を再会・和解させた。その後、父親は「撮り鉄マナー向上委員会」の主要メンバーになり、「怒りの船越さん」と呼ばれている。現在は首都急の鉄道女子大学の教官として運転技術や心構えを指導をしている。
直治の先輩鉄道員・野口が築地市場の裏方をやっていて、市場問題について彼や仙露に相談したことがある。
船越直道(ふなこし なおみち)
吉田
澤村津軽鉄道社長
シン・カーンセン
織田姫子(おだ ひめこ)
彦野星蔵(ひこの ほしぞう)
大沼七飯(おおぬま ななえ)
鈴木祐子
比嘉
大隅
梵初子(そよぎ はつこ)
文平(ぶんぺい)
島広司(しま ひろし)
仙露の大学時代の鉄道マニア仲間。2人とも奥多摩産業大学の鉄道研究会に入部していた。広島出身ということで、仙露が広島訪問の折に再会することにしたが、仙露曰く「(鉄道原理主義で筋を通したいマニアで)面倒くさい」と評されている。ノゾミに言わせれば『五十歩百歩』にしか思えない。
強面で訛りの強い広島弁でしゃべるので、誤解されやすいが実は警察官。しかも、下戸である。彼の亡父がもともと実直な警察官で日陰の存在だったことから、それに反発してサラリーマンになるが、父の死後、一念発起して警察官となる。仙露から初子の話を聞いて、同情した。
仙露、ノゾミを誘って野球観戦に来た折、合流した里子に一目ぼれ。望は彼と里子をくっつけることを画策。もともと、里子と同じカープ党であり、かつてのライバルであった国鉄スワローズを運営していた国鉄が山陽新幹線が当初岡山までしか延伸しなかったのを怨念に思っていたが、仙露に宥められた。
スーツ
白石景虎(しらいし かげとら)
北野亜麻(きたの あま)
エキレール
民主党系のアメリカ大使。仙露と鉄道案件で会合時、「幼少期のころ、父親が軍人(空軍将校)で日本の三沢基地近くに住んでいた時、電車が割れて、その近くで角の生えた化け物を見たことが有る」と話すが、父はそのころの話をしたがらない。仙露はマクレーンに頼んで彼父の事を調べてもらい、彼とノゾミを連れて花巻市に行き、「花巻を走った馬面電車が2両並んでいるところと新花巻駅の鹿踊ですね。花巻に来たのは極秘任務だからでしょう。」と説明。さらに「東京の地下鉄で、新橋(の現役ホーム近く)に別のホームが見えた」と話すと、「新橋を境に別会社で運営していましたが、直通してそのホームは用済みになったのです」と説明、実は鉄道好きであることを仙露、ノゾミにうすうす感づかれてはいるが、彼自身は認めていない。彼と仙露が有っていることを知った川根は「彼は地下通路の案件で仙露に近づいたのでは」と疑念。
メディア関係者
藤原
児玉ひかり
週刊ブラックの記者
望月
青森新聞の記者
津島
松永
毎朝新聞の記者。172話「東京市場駅」で築地市場の豊洲移転問題の調査で築地市場で偶然、仙露が分厚い封筒を受け取るところを見つけて「市場移転に関しての裏取引」と勘繰る。仙露は築地市場の専用貨物鉄道を教えてもらっていただけで封筒の中身は昔の鉄道写真であり、「鉄道マニアです」と言っても信じず、政治駅と言われた岐阜羽島駅でリニア新幹線の三重県下の駅設置問題を取材してスクープを狙うが空振りに終わる。「単線で四国に新幹線を通そう」という仙露の計画に山形まで直撃取材に行くが、これまた空振りに終わってしまう。181話では彼の上司が、仙露と鉄道女子学園、君子との繋がりを指摘して彼を送り出し、彼自身も大スクープになると喜び勇んで行くが、仙露と君子、共通の友人である真希に「貴方の言う不純な関係はない、そんなことで取材するのは失礼である」と一喝され、消沈する。
仙露との接触が多いため、彼の上司が仙露の取材をよく指名するが、本人は前出の理由であまり乗り気ではない。なかなか尻尾をつかめない仙露を面白くない奴と思いつつも、無欲で出しゃばらないところは認めている。
それでもあきらめきれず松永に仙露を取材させたい彼の上司が海外の大手通信社から助っ人を呼び、細川俊彦と仙露を取材した。
メアリー・ハミルトン
ハイド・ローゲン
ノゾミの幼馴染。いじめられっ子(泣き虫ハイド)でよくノゾミに助けてもらっていた、それ以来…ノゾミに惚れているらしい。親戚の用紙となり「ローゲン家」の後継者になり、ネット系通信社の社長となる(ノゾミの話では最近、急成長しているらしい)。ヒカリと仕事するようになり、ノゾミが日本で議員秘書をしていることを知る。脱酸素国際会議について取材したいと仙露に会うが、電力行政に疎い仙露に対して失望。ノゾミに対して「彼の秘書なんかさっさとやめて、うちにくるべき」という。ノゾミは「水素のことならこたえられるかも」と彼にもう一度、仙露に話すべきであるという。渋々ながら聞くと、南武線・武蔵溝ノ口駅と沿線の中原にある車両センターを一緒に視察させ、水素エネルギーの現場であると話したので、感心する。だが、仙露とノゾミの関係を知らないので勝手に恋敵だと思っている。
関連団体
高齢者孤立問題対策議員連盟(高齢者議連)
民衆党・広成真希が発足させた「社会孤立老人」について考え、研究する勉強会。
真希が仙露を「下心が無く、独特の考えを持っている有能な政治家」とみなし、彼を入れたら面白くなると思い入会させた。
当初、仙露は「党が違うから」という理由(本当は政治活動よりも鉄道趣味の時間を確保させたい)で躊躇するが、ノゾミの圧力で渋々入会した。
さらに、仙露の所属する憲政党、真希の民衆党が(元憲政党)郵政族の長谷川郵吉を取り込もうとして、仙露と真希に各々工作をさせる。
その上で真希は長谷川に高齢者議連へ誘う。一方、仙露は地下通路(東京郵便地下鉄廃線跡)に再訪問したいという郵便局員だった長谷川の父を考慮、車椅子利用者(である長谷川父)と同伴者(長谷川)なら通ることが可能であることを説明、長谷川親子の地下通路訪問が実現した。結局、長谷川はどちらの党にも入党せず、議連に入会した。
長谷川が真希、仙露の議連に入会していることを知った老齢党党首・大橋久豊(元憲政党)も興味を持ち、入会した。
この議連が仙露が出向した静岡選挙区の駿、遠子、佐藤を取り込むことになった。千田はこの議連と接触したいと思っているが、真希に拒否されている(細川も真希、仙露がこっそり躍動している議連が気になるらしい)。
広成会
広成真希が創部した女子会。こちらは議連とは違い極私的社会人サークルとなっている。
真希がいとこで秘書の由希、友人の今井君子、仙露の秘書・ノゾミを誘って創部した。
ノゾミが入部する条件として仙露も入部させたいということで、唯一かつ最初の男性部員として仙露も入部した。
これまでのところ、寝台特急サンライズ出雲で出雲大社参り、山登りだけである(良縁祈願ツアーとして出雲に行くが、第33巻「島根編」の時点で、メンバー全員独身)。
仙露が政務官就任(第13巻)以降、活動休止中(同時に由希の出番もほとんど無い)。
第12巻・第107話「富士の重み」では、この女子会とは関係なく真希、仙露、ノゾミが駿、遠子とともに富士登山をしている。また、第10巻・第90話「鉄男の旅」では仙露、ノゾミ、由希と焼肉パーティーをしたことがある。
鉄道学校
仙露の間接的鉄道仲間・可美村みづきのいとこ・宮崎栄一が遠距離通学していた池袋の鉄道高校(モデルは昭和鉄道高等学校)および仙露が提案、今井君子の勤務する首都急行電鉄が創立した鉄道女子短大と、系列の鉄道女子高校。
池袋の鉄道高校は、その後1回登場している(こちらにみづきの相手・幸介が入学したらしい)。
首都急系列の鉄道女子高校・短大は首都急沿線にあった「黒薔薇女子大学」の跡地に開業。一旦、女子社員研修所という形をとった後、鉄道女子高校・短大に変更された。当初、仙露は鉄道女子高校のみを提案したが、みづきが「系列の短大ができたら入りたい」というので、急遽、系列の短大を追加。みづきは同短大に入学、君子と彼女の師匠・山本はそこで講師も務めている。梵初子の通っていた広島電鉄家政女学校(廃校)も該当する。
ハゲタカファンド
南郷勝の経営する鹿原鉄道、今井君子の勤務する首都急行鉄道、仙露と真希が関わった広沢鉄道、仙露の知人・坂本𪚥馬の経営するIT企業・海南隊、そして仙露が新幹線輸出で関わることになるテキサス新幹線を狙っていた、会社を食い物にする投資ファンドの一群。
鹿原鉄道は南郷勝・香・仙露のタッグにより救済された。
首都急行電鉄はマクレーンの勧めで、仙露が沿線に眠る付加価値を後進国に輸入することを提案。織自成を仲介役として工作、株価が高騰したので買収を免れた。
広沢鉄道は出資者・幹部である沿線地元自治体に危機感が無いので、仙露・大沢・真希が独自にファンドが狙う付加価値を調査、仙露のボス・黒田の一声で経営会社はファンドによる買収を拒否した。
坂本の運営する会社、海南隊は仙露が南郷を紹介して、仙露や南郷のフォローによって救済された。
テキサス新幹線への出資で主導権を握りたい(悪名高い)某ファンドは、一員であるローレンが友人であるのぞみを仲介にして、それに関わる仙露と接触すべく工作をする。だが、マクレーンとのぞみはローレンがファンドの社員であることを見抜き、介入を阻止した。
レトロテーマパーク
仙露の発案によって、村松文男が祖母と辺吉村で一緒に住みながら食べてゆけるようにと思いついた「辺吉・昭和の村」。
文男はそこを運営する社長で、父の経営する村松建設は親会社にあたる。
パークを舞台とした映画『一丁目の朝焼け』はシリーズ化されている。それに伴い入園者も増加して、文男たちは食べて行けている。
鉄道系プロ野球チーム
かつて日本のプロ野球チームは半数近くが鉄道系で、仙露は14巻でほとんどの往年球団を把握している。ただし、作者ともども東急フライヤーズの存在は知らなかったようで、日本ハムファイターズの前身は映画会社系(東映)だとしか思っていなかったらしい(昭和20年代末での東映への運営移管、昭和40年の国鉄スワローズの産経新聞への譲渡ということから仙露と作者は昭和30年代を基準に把握しているようである)。そのため、東急より参入期間が古かった京成(読売ジャイアンツ)、ごく短期間だった名鉄(名古屋ドラゴンズ、名鉄の撤退で中日ドラゴンズに戻す)、間接的に参画している広電(広島東洋カープ)についてはあまり触れられていない(26巻でも広電とカープの関係に触れることはなく、短期間のみ存在した2軍専門の山陽クラウンズ(親会社は山陽電鉄)すら知らない)。南関地方の民鉄系球団では西武しか知らない人が多いが、東急・京成もオーナーだった時期がある。なお、昭和初期の女子リーグを含めると京急(京浜ジャイアンツ)、小田急(国際パールズ)も所有していた。そのため、大手の中で未経験なのは(JRを除いて)東武、京王、相鉄、東京メトロ、京阪、大阪メトロとなる(京王・相鉄は本体が事業規模の小ささで見送り、東武は同じ富国生命グループが南海電鉄に出資していたから、京阪は新京阪線などが足を引っ張り、東京・大阪メトロはもともと国公営事業だったからとの事情で参入しなかった)。
仙露は阪神タイガースと西武ライオンズをひいきにしていて、ノゾミ曰く「鉄道系だから」だという。南海ホークスの後身(福岡移転後)も鉄道に縁があるようで、三番目に興味があるらしい(ダイエーはのちに廃案にするが横浜ドリームモノレールを計画、ソフトバンクの合流会社は元JR系)。
スポーツ関連では、他に列車名にある相撲力士のしこ名を把握(「かいおう」、「あけぼの」など)。
Jリーグでは、JR東日本系のジェフユナイテッド千葉・市原、JR東海系の名古屋グランパス、JR西日本系のガンバ大阪、ファジアーノ岡山、JR北海道系のコンサドーレ札幌がある(JR九州・JR四国はまだプロチームを持っていない)。なお、近畿日本鉄道は2022年にスタートするラグビー新リーグに「近鉄ライナーズ」として参加する予定であり、本格プロチームとしての参入は2004年末に解散した近鉄バファローズ以来、17年ぶりとなる。
鉄道系グループ企業
和歌山編で仙露が張松に対して、「南海電鉄以外にも(都市鉄道・JRを除く大手鉄道企業では)西鉄、西武鉄道が系列百貨店がありません」と説明しているが、追記すると相模鉄道も系列百貨店が存在しない(ライフやジョイナスはショッピングセンター)。また、西鉄グループには百貨店がないことから挙げられているが、西鉄が出資し事実上筆頭株主である井筒屋が百貨店部門のパートを埋めている(もともと、西鉄の九軌百貨店と井筒屋が合併したことから、西鉄グループにいたこともあり事実上「西鉄百貨店」といえる)。都市鉄道・JRではJR東日本系のグランデュオがあり、東京メトロもルーツの東京地下鉄道が「地下鉄ストア」を運営していた(鉄道業界では百貨店扱いされるが、正規の百貨店であったかは不明)。
JRや民鉄の多くはグループ企業を抱えたり、本社(会社本体)で副業をしているところもある。銚子電気鉄道は鉄道よりも製菓の収入が多いことから帝国データバンクでは、米菓製造業に含まれている。また、山万や紀州鉄道、東急電鉄(親会社など含める)は「不動産部門バリューが多い鉄道会社」ではなく、「小さな鉄道部門を持つ不動産会社」となる。
コラボレーション
『テツぼん』では、他の漫画との乗り入れ(コラボレーション)を行っている。
『ビッグコミックオリジナル』2017年17号から、永松の旧作である『ツヨシしっかりしなさい』の主人公・井川強や井川家の家族が、大手弁当チェーンの社長一族として登場している(21,22巻に収録)。
『ビッグコミックオリジナル』2018年13号から、映画『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』とのコラボレーション企画で、奥園ファミリーが登場している。
『ビッグコミックオリジナル』2019年15号から16号まで、『看護助手のナナちゃん』の主人公・ナナちゃんが登場している(16号のみナナと徹、おばあちゃんが原作そのままにゲスト出演している、26巻に収録)。27巻は「埼玉編」ということで、表紙・裏表紙のみ「翔んで埼玉」の真夜峰央がカバーを担当。
『ビッグコミックオリジナル』2022年22号において、連載300回を記念して、『釣りバカ日誌』とのコラボレーション企画を実施した。同作の主人公・浜崎伝助(ハマちゃん)と鈴木一之助(スーさん)が本作にゲスト出演している。
書誌情報
- 原作:高橋遠州・作画:永松潔 『テツぼん』 小学館〈ビッグコミックススペシャル〉、既刊34巻(2023年10月30日現在)
- 2010年2月27日発売、ISBN 978-4-09-183110-1
- 2011年2月28日発売、ISBN 978-4-09-183739-4
- 2012年1月30日発売、ISBN 978-4-09-184329-6
- 2012年7月30日発売、ISBN 978-4-09-184579-5
- 2012年12月27日発売、ISBN 978-4-09-184845-1
- 2013年7月12日発売、ISBN 978-4-09-185430-8
- 2013年8月8日発売、ISBN 978-4-09-185476-6
- 2013年11月29日発売、ISBN 978-4-09-185738-5
- 2014年3月28日発売、ISBN 978-4-09-186139-9
- 2014年6月30日発売、ISBN 978-4-09-186286-0
- 2014年11月28日発売、ISBN 978-4-09-186719-3
- 2015年4月30日発売、ISBN 978-4-09-187098-8
- 2015年8月28日発売、ISBN 978-4-09-187288-3
- 2015年10月30日発売、ISBN 978-4-09-187395-8
- 2016年2月29日発売、ISBN 978-4-09-187587-7
- 2016年6月30日発売、ISBN 978-4-09-187699-7
- 2016年10月28日発売、ISBN 978-4-09-189284-3
- 2017年3月30日発売、ISBN 978-4-09-189478-6
- 2017年7月28日発売、ISBN 978-4-09-189665-0
- 2017年11月30日発売、ISBN 978-4-09-189753-4
- 2018年4月27日発売、ISBN 978-4-09-860006-9
- 2018年10月30日発売、ISBN 978-4-09-860174-5
- 2018年11月30日発売、ISBN 978-4-09-860178-3
- 2019年6月28日発売、ISBN 978-4-09-860348-0
- 2019年11月29日発売、ISBN 978-4-09-860513-2
- 2020年4月27日発売、ISBN 978-4-09-860659-7
- 2020年9月30日発売、ISBN 978-4-09-860740-2
- 2021年2月26日発売、ISBN 978-4-09-861009-9
- 2021年7月30日発売、ISBN 978-4-09-861102-7
- 2021年12月28日発売、ISBN 978-4-09-861232-1
- 2022年5月30日発売、ISBN 978-4-09-861354-0
- 2022年11月30日発売、ISBN 978-4-09-861530-8
- 2023年4月28日発売、ISBN 978-4-09-861809-5
- 2023年10月30日発売、ISBN 978-4-09-862640-3