テンペスト (池上永一)
以下はWikipediaより引用
要約
『テンペスト』 (The Tempest) は、池上永一による日本の小説。
概要
『野性時代』に2007年1月号から2008年6月号まで連載された(イラスト長野剛)。19世紀の琉球王朝末期が舞台であり、連載当時から大きな反響があった。タイトルの「テンペスト」はシェイクスピアの戯曲「テンペスト」に因む。
池上は以前から琉球王朝を舞台にした作品を書きたいと考えていた。また、首里城の王印が紛失しているという事実も、ストーリーや登場人物の形成に影響を与えたという。外伝として『トロイメライ』があり、『テンペスト』から孫寧温たちキャラクターが、1話に1人登場している。
2011年に仲間由紀恵主演で舞台化され、同年、仲間の主演によりNHKでドラマ化された。同ドラマは2012年4月からNHK総合で放送された後、ロケ地として使用された首里城正殿などが焼失した2019年10月31日から1年となる2020年10月31日(第1回~第2回)、11月3日(第3回~第6回)と11月7日(第7回~最終回)にNHK総合でアンコール放送された。
2012年には仲間の主演により『劇場版テンペスト3D』として映画化されている。
あらすじ
誰よりも聡明な少女・真鶴は、女であるというだけで学問を修められないことを不公平に思っていたが、跡継ぎと目されていた兄の失踪を機に宦官・孫寧温と名乗り、性を偽って男として生きていくことを誓う。
科試に合格した寧温は、王府の役人として、降りかかる難題を次々と解決し、最速の出世を遂げていく。
そんな寧温は数々の敵に阻まれ、遂に八重山に謀反人として流刑される。寧温は真鶴に戻り、九死に一生を得るが、その類稀なる美貌と才覚を見初められ、自分の意思とは裏腹に王の側室として王宮へ返り咲くこととなる。
平穏な生活はペリーの来航により急を告げる。外交に長けた人物として、八重山にいると思われた孫寧温に対して王府へ戻るよう王命が下り、真鶴は昼間は宦官・孫寧温として、夜は側室・真鶴として一人二役をこなすことになる。
薩摩と清国、2国の狭間で揺れる琉球に近代化の波が押し寄せる。
登場人物
主人公とその一族
孫寧温(そん ねいおん)=真鶴(まづる)
孫家待望の第一子として誕生したが、男児を強く望んでいた父親はショックのあまり、娘に名前を付けず、彼女はいない者として存在を無視され幼少時代を過ごす。3歳になった頃自分で真鶴と名を付けた。仕出し係としてベッテルハイムに食物を届けていた時に、英語やドイツ語など計13カ国語を習得した。
「孫寧温」は父親が生まれてくる男児のために考えた名前で、この名を名乗り13歳で科試に最年少合格し、評定所筆者主取に任命され、財政構造改革を断行する。宦官の官吏として生きるために女を捨てると誓うが、浅倉雅博に恋心を抱く。徐丁垓が仕掛けた周到な罠で謀反人の疑いをかけられ、八重山へ流刑となるが、後に王の側室として王宮へ戻る。
孫嗣勇(そん しゆう)
孫嗣志(そん しし)
王宮の役人
儀間親雲上(ぎまペーチン)
王族
真牛(モウシ)
御内原(ウーチバラ)
その他
ベッテルハイム
麻真譲(ま しんじょう)
浅倉雅博(あさくら まさひろ)
用語
書籍情報
- 単行本(全2巻)
- テンペスト 若夏(うりずん)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873868-2)
- テンペスト 花風(はなふう)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873869-9)
- 文庫本(全4巻)
- テンペスト 春雷(2010年08月25日発売、ISBN 978-4-04-364711-8)
- テンペスト 夏雲(2010年09月25日発売、ISBN 978-4-04-364712-5)
- テンペスト 秋雨(2010年10月25日発売、ISBN 978-4-04-364713-2)
- テンペスト 冬虹(2010年11月25日発売、ISBN 978-4-04-364714-9)
- テンペスト 若夏(うりずん)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873868-2)
- テンペスト 花風(はなふう)の巻(2008年8月27日発売、ISBN 978-4-04-873869-9)
- テンペスト 春雷(2010年08月25日発売、ISBN 978-4-04-364711-8)
- テンペスト 夏雲(2010年09月25日発売、ISBN 978-4-04-364712-5)
- テンペスト 秋雨(2010年10月25日発売、ISBN 978-4-04-364713-2)
- テンペスト 冬虹(2010年11月25日発売、ISBN 978-4-04-364714-9)
舞台
『琉球ロマネスク「テンペスト」』
キャスト
- 真鶴・孫寧温 - 仲間由紀恵
- 浅倉雅博 - 山本耕史
- 聞得大君・真牛 - 生瀬勝久
- 徐丁垓 - 西岡徳馬
- 孫嗣勇 - 福士誠治
- 喜舎場朝薫 - 安田顕(TEAM NACS)
- 尚泰王 - 伊阪達也
- 三司官・薩摩武士 勝田 - 野添義弘
- 三司官・薩摩武士 桜田 - 大沢健
- 三司官・薩摩武士 島本 - 田鍋謙一郎
- ほか - 森山栄治、海老澤健次、兼崎健太郎、長渕文音
- ナレーション - 野際陽子
スタッフ
- 演出 - 堤幸彦
- 脚本 - 羽原大介
テレビドラマ
NHK BSプレミアムのBS時代劇枠で、2011年7月17日から2011年9月18日まで毎週日曜日18時45分-19時28分(初回は73分のスペシャル版)に放送。主演の仲間由紀恵をはじめ、舞台である沖縄県の出身者が多数出演・参加している。この作品よりBS時代劇でも解説放送を行うようになった。なお第1回については7月23日のNHK総合テレビジョン「土曜特集パート1」(19:30から20:45。アナログはステレオで解説なし)の枠にて特別再放送(キャッチアップ放送)された。
2012年4月から6月に木曜22時から22:45(初回は23:15まで)に総合テレビで再放映される。平均視聴率4.9%。
キャスト
- 孫寧温=真鶴/母(二役) - 仲間由紀恵(少女期:田﨑アヤカ)
- 浅倉雅博 - 谷原章介
- 喜舎場朝薫 - 塚本高史
- 聞得大君(真牛) - 高岡早紀
- 孫嗣勇 - 金子昇(少年期:森永悠希)
- 多嘉良善蔵 - 藤木勇人
- オバァ - 平良とみ
- 真美那 - 上原多香子
- 儀間親雲上 - 松尾英太郎
- 座喜味親方 - 上田耕一
- 御物奉行赤嶺 - 阿南健治
- 平等之側 - 塩野谷正幸
- 側室 - 天城純子
- ユタ/馬天ノロ(二役) - 吉田妙子
- 窯戸 - 水木薫
- 女官 - 黒坂真美、天野なおこ
- 尚泰王 - 染谷将太(少年期:矢山博夢)
- 王妃 - 桜乃彩音
- 思戸 - 二階堂ふみ
- 孫明 - 石黒英雄(少年期:竹内寿)
- 泰王子 - 矢山博夢
- 与那覇 - でんでん
- 多嘉良善興 - 末吉功治
- ベッテルハイム - チャールズ・グラバー
- ペリー - リチャード・アレン
- スペンサー艦長 - ジェフリー・ロウ
- グレンジャー船長 - ステュウット・ヴァーナム・アットキン
- ボーマン大尉 - エリック・ボシック
- 上級ノロ - 新海百合子
- ノロ - 悠木千帆
- 冊封使 - 張春祥
- 恵利 - 中村映里子
- 新山作右衛門 - 山崎大輔
- 骨董屋主人 - 野添義弘
- 尚育王 - 高橋和也
- 王妃・国母 - 若村麻由美
- 宜野湾親方 - 名高達男
- 与那原親方 - 江原真二郎
- 伊舎堂親方 - 磯部勉
- 大勢頭部 - 藤真利子
- 徐丁垓 - GACKT
- 津波古 - 遠藤憲一
- 花風女将 - 小林幸子
- 女官大勢頭部・思徳金 - かたせ梨乃
- 国母 - 八千草薫
- 孫嗣志 - 奥田瑛二
スタッフ
- 脚本 - 大森寿美男
- 音楽 - H・GARDEN
- 制作統括 - 岡本幸江/鹿島由晴
- 制作 - NHKエンタープライズ
- 制作・著作 - NHK
サブタイトル
回 | 放送日 (BS) | 放送日(地上波) | サブタイトル | 演出 |
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第1回 | 2011年7月17日 | 2012年4月12日 | 龍の子 | 吉村芳之 |
第2回 | 2011年7月24日 | 2012年4月19日 | 王妃処分 | |
第3回 | 2011年7月31日 | 2012年4月26日 | 神の追放 | |
第4回 | 2011年8月 | 7日2012年5月 | 3日阿片疑惑 | |
第5回 | 2011年8月14日 | 2012年5月10日 | 宦官の野望 | 田中英治 |
第6回 | 2011年8月21日 | 2012年5月17日 | 八重山の流刑者 | |
第7回 | 2011年8月28日 | 2012年5月24日 | 再び王宮へ | 吉村芳之 |
第8回 | 2011年9月 | 4日2012年5月31日 | ペリーとの対決 | |
第9回 | 2011年9月11日 | 2012年6月 | 7日決別 | 田中英治 |
最終回 | 2011年9月18日 | 2012年6月14日 | 永遠の太陽 | 吉村芳之 |
NHK BSプレミアム BS時代劇 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
新選組血風録(2011年版)
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テンペスト
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NHK総合 木曜22時台 | ||
ブラタモリ【第3シリーズ】
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テンペスト
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NHK総合 木曜の娯楽時代劇 | ||
テンペスト
本作品のみ22時-22時45分 |
映画
舞台やテレビと同様に仲間の主演で、3D大作映画『劇場版テンペスト3D』として映画化された。脚本はドラマ同様大森寿美男で、監督もドラマでメインで演出を手掛けた吉村芳之だが、音楽は長岡成貢が担当する。2012年1月14日より沖縄で先行公開され、1月28日より全国公開。興行収入は1億円。
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