デビルマンG
以下はWikipediaより引用
要約
『デビルマンG』(デビルマン グリモワール、DEVILMAN GRIMOIRE)は、高遠るいによる日本の漫画。永井豪の『デビルマン』のリメイク作品で、秋田書店の月刊漫画雑誌『チャンピオンRED』に、2012年5月号にプレ連載(第0話「PERSONA」)が掲載され、翌6月号から2014年2月号まで連載された。
『デビルマン』と『マジンガーZ』の作品生誕40周年記念として開始された連載である。原典の『デビルマン』を知らない若い読者でも楽しく読める「完全新作」を目指し、また登場人物の多くがそれぞれ原典とは違う運命を辿る予定で描かれた。なお、本作には「飛鳥了=サタンは登場しない」ことが連載当初からの構想として盛り込まれており、原作にある「不動明と飛鳥了」の関係性ではなく「人間としての不動明」が主題となった。結果、本作は原作アニメともに消失してしまう「不動明はどこへ行ったのか」、最終戦争で人々の犠牲となって殺されてしまう「牧村美樹の復讐」、そしてその狭間で揺れ動く「悩めるアモン」という3人の関係をテーマとして構築されている。
全体的に『デビルマン』『魔王ダンテ』ほか永井豪作品に対するパロディやオマージュが多く、登場するデーモンはおろかモブキャラクターの大半に至るまで元ネタとなるキャラクターが存在する。また原作で描写された場面や著名な台詞に対し、異なる意味を与える展開が多く見られる。例として、原作で暴徒に追い詰められたミキが虚勢を張って言った「わたしは魔女よ!」という台詞が、ミキがデーモンに対峙した際に自身を奮起させるための台詞として使われたり、デビルマンが人間に絶望して「地獄に落ちろ!」と炎を放つシーンが、強敵のデーモンを滅ぼす際に用いられたりといったものがある。実写映画版の「ハッピーバースデー、デビルマン!」という台詞も、本作では重大な意味を持つ台詞として登場する。
あらすじ
現代日本、弱肉強食の格差都市東京。その闇にまぎれて人ならぬ者どもがうごめき始めていた。その名は悪魔(デーモン)族。
勇者アモン降臨篇
妖鳥シレーヌ復活篇
刺客烈闘篇
悪魔人間軍団篇
最終戦争篇
虐殺から逃れてココ、ニクスと共にヒマラヤで隠遁生活を送るアモンは、訪ねてきたミキと再会する。自らを殺すよう迫るアモンだが、ミキは彼がアキラではなくアモンであることを受け入れて和解を果たし、共に帰ろうとする。しかし全てのデーモンを滅ぼそうとするリョウは、自らの正体が魔術王ソロモンであること、そしてデビルマンとは彼が人工的に作り出した新人類であり、デーモンはその出来損ない、つまりデーモンと思い込んだ人間にすぎないことを暴露する。アモンは自分が不動アキラでありミキを騙していなかったことを喜ぶが、自らの存在証明のためにソロモンとの決戦に挑む。2人の戦いは文字通りの最終戦争となりかねないほどの死闘であったが、ミキは「単なるケンカ」と断じて割って入り、2人を平手打ちで仲裁してしまう。
人間はもっと強くなれる。どんな時代でも幸せになろうとする。そうすれば誰かに優しくできる。デーモンと人間は同じ存在だと伝えることが自らの使命だと信じて、デビルマンたちはそれぞれの道を歩んで行く。やがて数年後、帰還を果たしたミキを、不動アキラは笑顔で迎えるのだった。
登場人物
魔鬼邑 ミキ(まきむら ミキ) / デビルマン・フラムメドック
ソロモンの指環を持ち、自分を魔女だと信じている女子高生。アレイスター・クロウリーなどの現代魔術を実践し、常に三角帽子とマントの魔女っ娘コスプレをしている。
突如現れた悪魔族に対抗するため召喚魔術を実行し、アキラの体に悪魔族の勇者アモンを憑依させてしまう。その後はアモンの力を増幅させ、微力ながら悪魔族に直接殴ってダメージを与えられるようになるなど不思議な能力に目覚め始め、アモンを召喚した責任感から彼と共に悪魔族と戦う決意をする。魔術では自他共に守れないとソロモンの指輪を外し、大柴に剣技を授かった。サタンとの戦いでメドックに操られるも、アモンとの交流で精神抵抗ができていたため融合を拒否。自身に憑依したつもりでメドックと融合したフラムとさらに合体し、デビルマン・フラムメドックになった。
しかし学園がデーモンに襲撃されたことで、多くの犠牲を出してしまったことを自らの責任だと感じて深く後悔する。その悲しみからアモンに「一人は嫌だ」と縋り、彼と結ばれることでようやく安息を得た。その後はデビルマン軍団の一員として戦うも、妹と信じていたツバサの裏切り、アモンの暴走と不動アキラの消滅という真実を知り、絶望。デビルマンによるデーモン虐殺に手を貸してしまう。
しかしヒマラヤ山中でアモンと再会して和解し、デビルマンの真実を知った後、アモンとゼノンの決戦では互いを滅ぼそうとする「ケンカ」を見かね、二人に平手打ちをすることで最終戦争を阻止した。その後、自分が魔女になったのは幼馴染の女の子と一緒に扱われたくない、特別になりたいという幼稚な感情からであったことを告白。些細なことでも人間は後に引けなくなってしまうのだとソロモンを諭して指輪を返却、デビルマンの使命を果たすべく旅立つ。
不動アキラ(ふどう アキラ)
ミキの幼馴染。優等生だが貧弱な体格のいじめられっ子で、不良たちのターゲットにされていた。小さいころからミキに振り回されており、彼女に付き合ってサバトに参加したことが運命を大きく変える。
サバトによって出現した悪魔族からミキを守るために身を挺して食われそうになるが、その瞬間ミキの召喚魔術により呼び出されたアモンにその体を乗っ取られてしまう。アモンと合体した後は、原作TVアニメ版と同様に肉体をアモンが支配し、アキラとしての意識は消失しているが、残留しているかすかな意識がアモンに影響を与えている。周囲には「デーモンとの合体によって性格が変わった」ことで通しており、ミキもそれを信じている。東大寺など事情を知らないアキラの友人からは不良になったと嘆かれる一方、デーモンたちからは不動アキラではなくアモンだと見抜かれている。
自らの真実を知った後は魔鬼邑家に戻り、ミキの帰還を待つ。彼女を迎える不動アキラの微笑みが、本作のラストシーンとなっている。
勇者アモン
獣魔族(ベスティア)に属する悪魔族。アキラの体を乗っ取って地上に現れた。人間を餌としか考えておらず、接触者(サモナー)であるミキを喰おうとするがアキラの意識に阻まれ、以後ミキを守ることになってしまう。だがミキを守っていくうちに、彼自身も正義や愛情といったものを学び始め、東大寺やニクス、デビルマン軍団とも友情を結んでいく。その一方、自分がアキラを乗っ取ったアモンであることでミキを騙しているという自責の念に苛まれる。だがミキと結ばれたことで、彼女の平和な暮らしを守るためにデーモンを裏切って皆殺しにするまで戦う覚悟を決める。
物語終盤でクルールの策略によりデーモンとしての本性を暴かれ、友人たちに牙を剥いてしまう。そのことに絶望して悪魔元老院へ襲撃を仕掛けるがクルール、シレーヌ、ヴィルフェの前に敗北。投獄されるも、クルールに見限られたココの手引によって脱獄した。その後はヒマラヤで隠遁生活を送るが、訪ねてきたミキと和解。ゼノンとの決戦では「自分は不動アキラを乗っ取ったアモンではなく、アモンだと思いこんでいる不動アキラに過ぎない」という真実を知り、ミキを騙していなかったことを涙を流して喜んだ。そして自分の存在証明をすべく慈悲の一撃を繰り出してゼノンと戦い、最終的にミキの平手打ちで仲裁され、エネルギーの全てを消耗したことで一時の眠りにつく。
今の姿を気に入っており、悪魔族との合体による進化を受け入れず、ただ殺すだけのため異端として「食わず殺しのアモン」と呼ばれている。
「斬肉飛剣(サウザンド・カッター)」「血椀刀(セイバー・チョップ)」「真空音檄(ソニック・アロー)」「極小焼滅光線(マイクロ・ターミネーション・ビーム)」「葬烈脚(フューネラル・キック)」「断空翼(スラッシャー・ウィング)」などの多彩な技を使う。これはいずれもアニメ版の主題歌で歌われた必殺技デビルカッター、デビルチョップ、デビルアロー、デビルビーム、デビルキック、デビルウイングである。
慈悲の一撃は「荼毘所の毒煙、棚引くは四劫の果て(シルキュイ・アンテルディット)」。戦いの中で温存された強大な精神力を超純粋で高密度な殺意としてぶつける究極のテレパシー奥義で、「デッビール!!」の掛け声と共にアモンの肉体が強大化したような幻覚を生み出し、対峙した敵に極大の恐怖を与えて殺害する。
人間
雷沼ツバサ(らいぬま ツバサ)
雷沼重造の養女でシレーヌの接触者(サモナー)。
幼くして両親を亡くし、引き取った親戚にはその美しい容姿から売春を強要されていた。しかしある時を境に彼女の周囲で超常現象が発生するようになり、その治療と原因究明から雷沼に預けられる。研究室の人々との交流を経て明るさを取り戻していくが、それに伴って超常現象が殺人的な領域へと高まっていった。
実はシレーヌの力だけを宿してしまっており、そのせいでシレーヌに狙われ、全ては融合するために彼女を絶望させんとするシレーヌの策略だった。雷沼に助けられ、融合を拒否して逃亡。後にアキラやミキのもとに身を寄せ、ミキの「妹」として振る舞う。
シレーヌの力は超能力として顕現しており、それを駆使してミキ、アモンと共に「デーモンハンター」としてシレーヌと戦うことを選ぶ。しかしアグウェルによって連れ去られ、シレーヌの死によって一時は救助されたものの、アグウェルの力を奪って蘇ったシレーヌに目の前で父を殺され、肉体を完全に支配されてしまった。
雷沼重造(らいぬま じゅうぞう)
雷沼研究室の教授。飛鳥に託されたツバサを養女として受け入れ、彼女の身に起こった異変を調査するうちにシレーヌと接触、その召喚を実行してしまう。
サバトによって研究室の若者たちがデーモンとなったことに責任を覚え、またツバサを守るために彼女を逃す。シレーヌの協力者としてツバサを探し、また捕らえたツバサの抵抗力を奪うため実験装置に拘束するが、それは全てシレーヌとの融合を拒否する能力を彼女に与えるためであった。シレーヌがアモンに滅ぼされたことでミキ、アモンの戦いに協力することを約束するが、アグウェルと融合して生き延びたシレーヌに殺された。
しかしその魂はデビルマン・アーガマの特殊能力で彼女の肉体に移り、デビルマンの真実を解明。最終戦争の行末までを見届けることになる。
モデルは原作『デビルマン』の雷沼教授。
アオイ
タレちゃん / 魔鬼邑 健作(まきむら けんさく)
木刀政(ぼくとう まさ)、ドス六(ドス ろく)
カミソリ鉄(カミソリ てつ)、チェーン万次郎(チェーン まんじろう)
ススム
悪魔人間(デビルマン)
全員が憑依を受けた悪魔族の名をコードネームとしている。
人間の脳で愛情を司るD領域を活性化させることで悪魔化によるガン細胞化を防ぎ、自我を保ったままデーモンの力を手に入れた人々。後に雷沼教授の研究によってその事実が解明され、D領域を活性化させる電波ワクチンで対デーモン免疫を身につけた多くの人々がデビルマンへと変身を遂げた。
その真実はソロモンによって作られた神の軍団、新人類である。本来、ソロモンの創造した神とデーモンの物語を脳に受信した人々は皆デビルマンへと変身するはずであった。
空宜リョウ(うつぎ リョウ) / デビルマン・ゼノン
日本を代表する舞台演出家。上演した『新約・神曲』の大成功で世界に認められ、現代のダンテと呼ばれる。
悪魔族に戦いを挑む悪魔人間の1人で、悪魔王(ルシファー)ゼノンと融合を果たしている。「在れ」と命じただけで思いのままに森羅万象を生み出す強力な「神の力」を有する。かつてゼノンはデーモンを率いて神の軍団に挑むも、最後の局面で裏切ってデーモンを滅ぼしたと語られており、デーモン・デビルマン軍団の双方からやや警戒されていた。
その正体はイスラエルの叡智と讃えられた魔術王ソロモンその人。3千年の昔、地球を支配したデーモン十支族とそれを滅ぼした神の物語を創造して別人格を植えつけ、人間を超えた神の軍隊を作り新たな時代を齎そうとするも失敗。火星の魔力を得て命を持った物語はソロモンの手を離れ世界中に拡散し、人々の深層心理に入り込んだことで、不完全なデビルマンであるデーモン族を生み出してしまう。ゼノンはデーモン族を悉く滅ぼして根絶、デビルマンによる世界を作るために暗躍し、デビルマン軍団を結成。守城ケイを操って仲間を裏切らせ、それをきっかけにデーモンとデビルマン軍団の総力戦を引き起こす。最後の締めくくりに自身の手でアモンを滅ぼして終止符を打とうとするが、ミキの願いによって奮起したアモンとの決戦で相討ちになりかけ、ミキの平手打ちを受けて崩れ落ちた。
その後ミキから「誰にでも後に引けなくなってしまうことはある」と許されたことで過ちを受け入れ、仕えてくれたザーラとデビルマンを作り出してくれた雷沼へ感謝を述べ、自らの時間を動かすことで妹と共に静かに死を受け入れた。
モデルは『魔王ダンテ』の主人公・宇津木涼。
神崎サヱコ(かんざき サヱコ) / デビルマン・アーガマ
火叢アスカ(ひむら アスカ) / デビルマン・ハーシュ
川本ミキコ(かわむら ミキコ) / デビルマン・トゥルグ
根は真面目だが、火叢たちの不良グループに入り浸るようになっている少女。あだ名は「ミーコ」。
火叢のことを憎からず思っていたらしく、常に彼と行動を共にしていた。不良仲間たちがデーモンに襲われた際には彼と共にその場を逃げ出し、行方不明となる。友人から彼女の捜索を依頼されたミキがサバトを開いたことが、物語の始まるきっかけとなる。
その後はデビルマン軍団の一員となって帰還を果たし、火叢と共に最終決戦を見届ける。彼が旅立つことを決めた時には自分がどうするかを選べなかったが、一緒に行こうと誘われたことで笑顔でその手を取った。
悪魔人間としての姿と能力は『デビルマン』に登場したミーコと同じで、胸と股間から強力な溶解液を噴射して敵を溶かす。
守城ケイ(かみしろ ケイ) / デビルマン・ヴィルフェ
ヨーヨーの世界チャンピオン。獣魔族ヴィルフェと融合している。爽やかな好青年であり、デビルマン軍団の面々とも仲が良い。
やがて自分の才能が人間社会で一切評価されないことに反発してデビルマン軍団を裏切り、デーモンにつく。橘を殺害し、悪魔元老院に所属して人類殲滅のために活動、デーモンとデビルマン軍団の全面対決を引き起こす。しかしそれはダンテに洗脳された結果であり、デーモンとデビルマン軍団の対決を起こすという役目を果たしたため、ダンテに洗脳を解除された上で殺された。
モデルは『闘神デビルマン』の主人公・神代慶(かみしろ・けい)。下半身に犬の特徴があるのは、原作でのパートナー「ケルベロス」から。
また合体したデーモン・ヴィルフェのモデルは『闘神デビルマン』における宿敵・狡魔ヴィルフェ。彼は現世利益の追求を否定されたため人類を裏切り、自らの目的のためデビルマンを成長させようと目論む「悪のデビルマン」であった。
橘リュウ(たちばな リュウ) / デビルマン・バリィ
蘭ジュン(あららぎ ジュン) / デビルマン・アーメリア
東大寺(とうだいじ) / デビルマン・カイム
雷沼ツバサに好意を寄せる男子生徒。アモンと合体する以前の明とは親友であり、性格が変貌した後もやや疎遠になりつつ友達として付き合っている。
臆病で気弱なガリ勉、むっつりスケベなタイプであったが、ツバサに対しては積極的にアプローチをし、デートの約束までも取り付ける。学校がデーモンに襲われたときにはツバサを守って奮闘。身を挺して彼女をかばったことで、強力な意志の強さに興味を抱かれる。ツバサが自らシレーヌとしての正体を明かしても恐れることなく抱きしめて愛を告白し、シレーヌもそれを受け入れたが、正体を隠さねばならない都合上その時の記憶を消されてしまう。
人類が滅んでデビルマンとデーモンのみとなった世界で生き延びる過程で左眼を失って隻眼になり、巨竜族(ダイノゾア)のカイムを乗っ取ってデビルマン・カイムになった。デビルマン軍団と悪魔元老院との決戦ではツバサの仇討ちと奮闘し、ツバサの正体がシレーヌだと知らずに彼女を倒してしまう。シレーヌの死に際してその事実を知り、彼女と融合して人知れず去った。
双方の意志がどれだけ残っているかは不明だが、エンディングでは工事現場で人類と協力して作業している姿が描かれた。
モデルはアニメ版『デビルマン』に登場する不動明の親友・東大寺入郎。
磔真ユリ(たくま ユリ) / デビルマン・フラウバー
刃黒レイ(はぐろ レイ) / デビルマン・デスプロー
メリケン錠(メリケン じょう) / デビルマン・ラズバ
蛮馬エリザベス(ばんば エリザベス) / デビルマン・ベルム
悪魔(デーモン)族
他の生物との合体を繰り返してその力を取り込み進化する超生物。獣魔族(ベスティア)、鳥人族(ハルピュイア)、水妖族(アクエリアン)、地精族(ノーム)、炎鬼族(イグニス)、節足族(インセクター)、樹怪族(アルルーナ)、邪顔族(ゴーゴン)、爬虫族(レプティリアン)、巨竜族(ダイノゾア)の10の支族に分かれている。
主に接触者(サモナー)を通じ、宿主(ホスト)の肉体を乗っ取って人間界に現れる上級の悪魔族と、主人である悪魔族に召喚される下級の悪魔族がいる。宿主(ホスト)の精神は悪魔族に乗っ取られた瞬間消失するが、宿主(ホスト)の記憶はそのまま悪魔族に受け継がれる。
デーモンは自身を地球の先住民族だと思い込んでいるが、ソロモン王により人間から突然変異で生じた亜種、正確には「デビルマンのできそこない」に過ぎない。デビルマンへの突然変異の際、神々とデーモンの物語に人格が耐え切れず、脳の愛情を司るD領域がガン細胞化することで人間を人間とも思わない怪物となってしまった存在である。これは原作において雷沼教授が提唱した「悪魔の正体は人間であり、強い変身願望が自身の体細胞を変化させて生まれた存在」という説とほぼ同様であり、原作では人類を破滅に導いた誤解であったが、本作の世界設定ではそれが真実であり、物語の根幹になっている。
シレーヌ
雷沼教授たちからマダムと呼ばれる悪魔族。真の力を得るために宿主(ホスト)として融合するために接触者(サモナー)を探していた。アモンの好敵手。
一時はアモンによって敗北するも、アグウェルの力を利用してツバサの肉体を乗っ取り、復活。以後はツバサの立場であるミキの妹という活かして二人と行動を共にし、陰ながらアモンの戦いを手助けしながらも復讐の機会を虎視眈々と狙い続ける。
しかしツバサとして振る舞ううち、人間としての生活を謳歌するようになる。中でも非力だと東大寺を蔑みながらも、その強い意志に惹かれるようになり、彼に弁当を差し入れたりデートをしたりと半ば恋人のような関係になる。もし東大寺が最終戦争を生き延びることが出来るだけの力があるとわかったら、彼を選ぶつもりでさえいた。
ヴィルフェの裏切りに乗じて自らの本性を現し、悪魔元老院の一員としてデーモン側に復帰。襲撃をしてきたアモンを下し、デビルマン軍団をも迎え撃つが、ツバサが自身だと知らぬ東大寺に致命傷を負わされる。東大寺が生き抜いたことを賞賛し、彼の後悔の叫びに応え、融合して共に生きることを選んだ。
鳥人族(ハルピュイア)イルーゲ / 入間サチ(いるま サチ)
邪顔族(ゴーゴン)アリーダ / 有賀ネム(ありが ネム)
シレーヌ配下の悪魔族。元は雷沼研究室の研究員だった。人間時代からサチ、レナとは共に遊んでいた大事な友達であり、デーモンとなってからもその認識はかわっていない。
イル―ゲとともにシレーヌ軍団を率いてアモンを襲うが敗北。かろうじて脱出した後は、チャコの喫茶店でメイドのアルバイトをしながら人間社会に潜んでいた。
イル―ゲがジンメンに捕食されたことを知って怒りに駆られて戦闘を開始し、首をへし折られるも脳は胴体に存在していたため逆転、胴部の口でジンメンの首を噛みちぎる。そして甲羅に浮かんだサチの目を閉じた後、親友の死に号泣した。
その後はジンメンとの戦いで受けた傷もほぼ回復し、デーモンとして活動を続けていたが、シェルターを襲撃した際にデビルマン軍団に逆襲されて死亡。
モデルは原作『デビルマン』においてジンメンとともに新幹線を襲ったデーモン。
獣魔族(ベスティア)ワグレグ / 和久井レナ(わくい レナ)
水妖族(アクエリアン)ゲルマー / 千田マリ(ちだ マリ)
地精族(ノーム)アグウェル / 吾河シロー(あがわ シロー)
獣魔族(ベスティア)ヱバイン
邪顔族(ゴーゴン)妖女ゾルドヴァ
獣魔族(ベスティア)ジャコン
節足族(インセクター)マサック、巨竜族(ダイノゾア)マゴート、樹怪族(アルルーナ)ジュラド、獣魔族(ベスティア)ドローマ
爬虫族(レプティリアン)ジンメン
サイコジェニー
水妖族(アクエリアン)ニクス / 艫舵ヒカル(ともだ ヒカル)
かつて、魔将軍ザンへの挑戦権を賭けてアモンと対決するが、戦いの最中にザンの配下に襲われため決闘を中断し、後日決着をつけることを誓い合った。しかし、ザンはシレーヌに殺され、以来アモンはシレーヌを追いかけるようになり、自分との再戦の約束が忘れられたことに不満を抱き、アモンに対する処刑人として決闘に挑む。
転校生・艫舵ヒカルとしてアモン=不動アキラの前に現れるが、アモンはニクスのことを全く思い出せなかった。しかし決闘の後はミキの特訓に協力し、アモンと共闘さえするようになった。
なおアモンがニクスのことを思い出せなかったのは、双方に与えられたデーモンとしての物語が異なったためで、実際には二人に面識はなかった。
身体モデルはアニメ版『デビルマン』に登場する妖獣ドランゴおよびその人間態。名前もアニメ版の登場人物「友田光一」から。
獣魔族(ベスティア)妖将軍アトロシアス
悪魔元老院の一角。多数の尻尾を持つ虎のような姿をしており、アモンからは「ジジイ」と呼ばれるほどの高齢。刺客がアモン処刑に失敗し続けたことに業を煮やして自ら襲撃を仕掛ける。
百年ごとに一本増えたという尻尾自体が命であり、殺されても幾度となく復活する。ニクスと連携したアモンですら歯が立たないほどの強さを見せつけるが、復活の瞬間に捕食してきた魂を貯蔵する「猫地獄」と空間が繋がることを見抜かれ、その魂を一網打尽に焼き尽くされたことで死亡する。
その正体は数万年を生きた地球最後のサーベルタイガーであった。本作におけるデーモンはデビルマンのなり損ない、つまり人間に過ぎないため、自身をサーベルタイガーと思い込んだまま死んだのか、あるいはサーベルタイガーと合体したデーモンなのかは不明である。
モデルはアニメ版『デビルマン』に登場する妖将軍ムザンであり、名前も「ムザン」という意味を表している。
鳥人族(ハルピュイア)魔王サタン
節足族(インセクター)脳幹食いのメドック
炎鬼族(イグニス)フラム
地精族(ノーム)冷元帥クルール / クルール・フォン・クラインバルト
悪魔族元老院の両巨頭の一角と称され、宝玉師団を率いる。両性具有で、妹ココとの情事に耽る。
人間社会での顔は、ドイツの名門貴族クラインバルト公爵家の当主姉妹の姉で、ファッションブランドのクラインバルト・コレクションの総合プロデューサー兼宝石デザイナーを務める。
ゼノンを警戒してアモン、シレーヌとは一時休戦を結んでいたが、デビルマン軍団を裏切ったヴィルフェを受け入れ、シレーヌと三人でデビルマン軍団との全面対決を決定。人類社会に多大なる混乱を引き起こし、人類を追い詰めるが、皮肉にもその行動がデビルマン軍団を強化する結果に繋がってしまった。
ダンテに煽動されたデビルマン軍団により惨殺され、五体をバラバラにされた上、その生首は棒に突き刺されて掲げられた。
モデルはアニメ版『デビルマン』に登場する妖元帥レイコックであり、名前も「レイコク」という意味を表している。
また、人間態のモデルは『魔女っ子チックル』の主人公、小森チックル。
地精族(ノーム)ココ / ココ・フォン・クラインバルト
地精族。クルールの妹。服飾デザイナー。ククールと共に悪魔元老院の指揮を執る。姉と違って彼女は女性体であるようだ。
繊維を司り、クラインバルト製の衣服は全て彼女の分体である。そのためドレスに乗り移って活動したり、ドレスを着用したものを操ることなどができる。また大気共振隔膜(エアリエル・トレンプル・フィールド)という衝撃波を起こす技を用いる。デビルマン軍団との対決に際しては、自らの繊維を媒介としてサイコジェニーの催眠波を増幅し、世界中のデーモンを暴走させた。
しかし穏健策を取っていたことで姉とヴィルフェに見限られ、サイコジェニーによる拷問で精神を消耗する。デーモンの未来を考えアモンと共に脱獄し、彼を匿ってヒマラヤで隠遁生活を送っていた。その過程でアモンに対して思慕の念を抱いたのか、ミキが隠れ家に現れると険しい表情で迎え、二人のやり取りに渋い顔で聞き耳を立て、和解には涙を流した。その後のゼノンとの決戦でも身を挺してアモンを守る。
モデルはアニメ版『デビルマン』に登場する妖獣アルロン。
また、人間態のモデルは『魔女っ子チックル』のラッキーペア、小森チーコ。
邪顔族(ゴーゴン)悪魔王ゼノン
用語
慈悲の一撃(クー・ド・グラース)
魔王禁闘法
書籍情報
- 高遠るい 『デビルマンG』 秋田書店〈チャンピオンREDコミックス〉、全5巻
各話タイトルはアニメソングの曲名からとられている。
- 第1巻:2012年9月20日発売 ISBN 978-4-253-23176-3
- 第0話 PERSONA
- 第1話 ちいさなまほう
- 第2話 SO BAD BOY
- 第3話 今夜はハリケーン
- 第4話 鏡の中のアクトレス
- 第0話 PERSONA
- 第1話 ちいさなまほう
- 第2話 SO BAD BOY
- 第3話 今夜はハリケーン
- 第4話 鏡の中のアクトレス
- 第2巻:2013年2月20日発売 ISBN 978-4-253-23177-0
- 第5話 未確認GIRL
- 第6話 Cry for the moon
- 第7話 傷だらけのツバサ
- 第8話 REBIRTH〜女神転生〜
- 第8.5話 Wake up your heart
- 第5話 未確認GIRL
- 第6話 Cry for the moon
- 第7話 傷だらけのツバサ
- 第8話 REBIRTH〜女神転生〜
- 第8.5話 Wake up your heart
- 第3巻: 2013年6月20日発売 ISBN 978-4-253-23178-7
- 第9話 MASK
- 第10話 Ice Blue Eyes
- 第11話 炎のオーバードライブ
- 第12話 The ETERNAL SOLDIER
- 第9話 MASK
- 第10話 Ice Blue Eyes
- 第11話 炎のオーバードライブ
- 第12話 The ETERNAL SOLDIER
- 第4巻:2013年10月18日発売 ISBN 978-4-253-23179-4
- 第13話 奇跡のビッグ・ファイト
- 第14話 TWINS REVOLUTION
- 第15話 Romantic summer
- 第16話 Shadowy Dream
- 第17話 IDENTITY CRISIS(前編)
- 第13話 奇跡のビッグ・ファイト
- 第14話 TWINS REVOLUTION
- 第15話 Romantic summer
- 第16話 Shadowy Dream
- 第17話 IDENTITY CRISIS(前編)
- 第5巻2014年2月20日発売 ISBN 978-4-253-23180-0
- 第18話 IDENTITY CRISIS(前編)
- 第19話 Brsutiful World
- 第20話 FIRE WARS
- 第21話 反逆の戦士
- 最終話 Life is just a Miracle
- 第18話 IDENTITY CRISIS(前編)
- 第19話 Brsutiful World
- 第20話 FIRE WARS
- 第21話 反逆の戦士
- 最終話 Life is just a Miracle