バイエルンの天使
以下はWikipediaより引用
要約
『バイエルンの天使』(バイエルンのてんし)は、 たらさわみちによる日本の漫画。表題作、およびそれに関連して描かれた連作の総称。主として『グレープフルーツ』(新書館)に掲載された(一部の作品は、『プチフラワー』(小学館)などに発表された)。
概要
ドイツ、バイエルン州のバートテルツに実在する、テルツ少年合唱団をモデルに、合唱にかける少年たちの青春を描く。
第1作『楽に寄す』はのちにテルツの指導者になるハンスの物話。作者がテルツ合唱団の歌声に触れたのはハンスの声からで、彼をモデルにしてこの作品が誕生したという。。その時に作者が聞いたレコードはモーツァルトの『レクイエム』であり、それをきっかけに当時出ていたテルツ関係のレコードを買い集めたという。この作品が掲載された頃、作者のファンがイギリス留学していたことがあり、ドイツで合唱団員の出演しているオペラを鑑賞し、ペンフレンドとして知り合ったそうである。そのファンより情報を得たことが、のちに作者がテルツ合唱団と知り合うきっかけになったという。
表題作では、シュミット先生を主軸に、テルツ少年合唱団設立までの経緯が描かれている。100ページ読み切り物として描かれたものであり、その時点ではシリーズ化の予定はなかった。その後、作者が欧州旅行をした際に、テルツ合唱団の少年たちと実際に接触し、正式に合唱団に取材をするようになったようである。
第3作「あこがれて異邦人」で、テルツ少年合唱団に魅了されて西ドイツに留学した日本人少女山田萌子が登場し、ほどなくしてジクゥート・ディー・トムの3人組が登場し、主軸のキャラクターとなった。
担当の変更により掲載誌が『グレープフルーツ』誌に移り、雑誌の重い雰囲気から軽めの話にしてほしい、という担当の要望により、4ページコメディと時折長めの読み切りとを織り交ぜる掲載形態になったという。「グレープフルーツ」での連載は、コメディものも含めて、「ぼくら少年合唱団」で、1985年の通巻第22号以降(「苦手ないとこ」から)改題された。ショートショートは最後まで「ぼくら少年合唱団」であった。
登場している合唱団員は名前を微妙に変更しているが、すべて実在の人物である。シリーズ終了後も、作者は数人の元団員と交流しており、主役の3人とは連絡を取りあっていると語っている。
主要登場人物
表題作
フリードリッヒ・シュミット / フリー
シュテファン
テルツ少年合唱団団員
ハンス・アルトマイヤー
『楽に寄す』・『嘆きのディド姫』・『ぼくらの変わる日』などの主人公。物語の真の主役。テノール歌手クレン・アルトマイヤーの孫で、ソプラノを担当。テクニックに溺れすぎた歌い方をしているとシュミット先生に指摘され、思わず反発する。両親の事故死後、伯父のクナーク夫妻に引き取られ、音楽への道を断念するが、教会の合唱に唱和して思わず歌ったところ、周囲の注目を集め、心をこめて歌うことの大切さを知り、音楽への情熱を取り戻す。14歳になった時、1974年のミュンヘンのコンサートで声の変調を感じ、最後のレコーディングを終えた後、8月のザルツブルクのコンサートで変声期を迎え、同期のレンネルに後を託し、ムタンテン・プローペを受講することになった。その後、シュミット先生の入院中に、合唱団の指揮を任されてもいる。
ジクゥート・ミュラー
トム(トーマス)・バークライン
ヨォゼフ・バウマン(ゼッピィ)
アラン・ルュッケット
その他
クナーク氏
山田萌子
ルーザリンデ
作品
※ スペシャル:こんにちは天使たち
※ ぼくら少年合唱団:(グレープフルーツ4号、5号〔1982年発行〕、7号、8号、10号、13号〔1983年発行〕、15号、16号〔1984年発行〕、20号、25号〔1985年発行〕 - 3頭身キャラを交えて描かれる、コメディタッチの合唱団ショートショート。
書誌情報
- ペーパームーンコミックス版 全4巻(新書舘)(B6判)
- 講談社漫画文庫 3巻
- 光風社出版(来夢コミックス)全1巻セレクション(A5判)
- 収録作品
- 「嘆きのディド姫」
- 「いつものようにモーツアルト」
- 「トーマスの特別休暇」
- 「ぼくらの変わる日」
- 「ベルリンの風」
- 「苦手ないとこ」
- 「ウィーンでグーテンターク」
- 「真夏の森の夢」
- 「テルツ少年合唱団のやさしいお父さん、ゲルハルト・シュミット・ガーデン教授インタビュー」(1986年)
- 収録作品
- 「嘆きのディド姫」
- 「いつものようにモーツアルト」
- 「トーマスの特別休暇」
- 「ぼくらの変わる日」
- 「ベルリンの風」
- 「苦手ないとこ」
- 「ウィーンでグーテンターク」
- 「真夏の森の夢」
- 「テルツ少年合唱団のやさしいお父さん、ゲルハルト・シュミット・ガーデン教授インタビュー」(1986年)
関連書籍
- こんにちは天使たち バイエルンの天使スペシャル(1986年、新書館)– カラーイラスト、写真、テルツ少年合唱団の少年へのインタビュー、描き下ろし40ページのコミックなどから構成されたスペシャル本。1986年9月のテルツ少年合唱団の来日を記念して出版された。B5版。