パロスの剣
以下はWikipediaより引用
要約
『パロスの剣』(パロスのけん)は、栗本薫原作、いがらしゆみこ作画による日本のヒロイック・ファンタジー漫画。後に栗本自身の筆で小説版も上梓されている。『グイン・サーガ』の世界の数千年前の過去を舞台とした物語である。最初に栗本原作、いがらし作画による漫画が『ASUKA』(角川書店)誌上にて1986年3月号から1987年2月号にかけて連載された。その後、小説版が1989年10月25日に角川文庫から書き下ろしとして刊行された(ISBN 4-04-150029-X)。小説版の表紙も、いがらしが担当している。
あらすじ
500年の歴史を誇るパロス王国は存亡の危機を迎えていた。相次いだ戦と飢饉、先王の失政により国力は弱体化し、対照的に強大化して中原の南半分を支配下においた隣国カウロスの脅威に脅かされていた。
そんな折、世継の姫であるエルミニアに、カウロス王子ファオンとの縁談が持ち上がっていた。だが、美少女ながらも剣の達人でもあり、男装の騎士として知られるエルミニアは、自らが男として国を治めるとして、結婚を肯じようとはしなかった。父国王アルディウスは、そんな男勝りの娘を苦々しく思い、カウロスとの縁談は拒むかわりに、国内から婿を取るようにエルミニアに厳命した。
その頃、エルミニアはフィオナという可愛らしい少女と出会った。互いに魅かれあった2人は、カーニバルの夜の逢瀬などを通じて、親密さを増していった。カーニバルの夜に出会った謎の男(実はファオン)から身分違いの恋を貫くのに東方では武芸大会を開くことがよくあると聞いたエルミニアは、父国王に自分の婿となるのは、自分よりも強い男でなくてはならないと宣言し、武芸大会の開催を求めた。武芸大会の優勝者とエルミニアが戦い、エルミニアが敗れた場合はその者を婿とする。エルミニアは自身が勝つことで、結婚をまぬかれ自身が王位を継ぐことを宣言しようと考えたのであった。
だが、その大会を舞台とする陰謀が静かに進行していた。そして、フィオナの身をも奇禍が襲っていた。密かに仕掛けられた罠が、エルミニアを、そしてパロスを飲み込もうとしていた。
武芸大会は謎の男がユリアスの片目を斬り優勝する。ユリアスを傷つけられた怒りにエルミニアは謎の男と戦うが、ついには持っていた剣を折られてしまう。そこへアルフォンスが別の剣を投げ入れる。エルミニアが剣を取ったとき、アルディウスは倒れ死んでしまう。国王の死という混乱の中、アルフォンスは国王アルディウスの死がエルミニアのせいだと演説を始める。アルフォンスが投げ入れた剣こそ「パロスの剣」であり、「男でも女でもないエルミニア」が剣を持ったことで、伝説通りにパロス王国に災いをもたらしたのだと。また、謎の男は自分がカウロス王国第三王子ファオンであることを明かし、同時に武芸大会で隙のあったパロス王国をカウロスの軍勢は戦うこともなく占拠したのであった。
主要な登場人物
ファオン
グイン・サーガとの関係
前述のように、『グイン・サーガ』の世界の過去の物語として、当時「剣の王国」と呼ばれたパロス(パロ)王国を中心として語られている。『グイン・サーガ』で中原と草原地方とを分けているダネイン大湿原はいまだ両地方を両断するには至っておらず、パロス国土にも草原が広がっており、中原の開拓もまだ半分ほどにしか及んでいない時代であるという。『グイン・サーガ』の未来の世界を舞台とした『トワイライト・サーガ』とは対照的に、魔道色の希薄な物語である。
書誌(漫画版)
いがらし作画の漫画版は、以下の出版社から発行されている。
角川書店(あすかコミックス)
中央公論社(いがらしゆみこコスチューム・プレイ全集4)
中公文庫
フェアベル
また、以下の翻訳版が出版されている。
香港中文版(玉皇朝出版集團発行 / 訳・尹淑娣)